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ニューヨークで、運転手から実力で大金持ちとなった伝説の男・東太郎の過去を、祐介は偶然知ることとなる。伯父の継子として大陸から引き上げてきた太郎の、隣家の恵まれた娘・よう子への思慕。その幼い恋が、その後何十年にもわたって、没落していくある一族を呪縛していくとは。まだ優雅な階級社会が残っていた昭和の軽井沢を舞台に、陰翳豊かに展開する、大ロマンの行方は。
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Posted by ブクログ
以前著者の「母の遺産」を読んで、それがとてもよかったと友人に話したら、こちらの本を貸してくれました。 構成がとても凝っていて、長い長いプロローグの後に、回想として過去の話を一歩引いた女中の目線で描いています。 もう、どこまでがフィクションだかわからないくらいその世界観にのまれました。 昭和初...続きを読む期の軽井沢を舞台とした階級社会の(底意地の悪さを含めて)華やかさが美しく、更に美しい3姉妹が登場しときめき度MAXです。 すべての疑問は下巻に託されていますが、なんだかもったいなくてすぐに読む気にならない・・・
文庫にて再再読。 日本語で歌うロックはサンボマスターにて完成の域を超え、本格小説は水村美苗をもって次の世紀に入ったということで。
大好きな小説である嵐ヶ丘を下敷きにしているということで読み始めました。女中が語る一家の物語という構成、ストーリーが似ているだけでなく、設定や説明の細かさが与えるリアルさも嵐ヶ丘に似ていると思いました。 下巻はまだ買っていませんが、上巻には戦後すぐの日本の富裕な層の人々の暮らしが細かく描かれ、それを...続きを読む背景に展開していくであろう下巻も早く読みたい気持ちでいっぱいです。
文量も多くて始めの部分は読みが進まないが、いつの間にか引き込まれてしまう。「本格」なのに読みやすい。 本の世界感に浸りたい人にはおすすめ。純文学というか、人の人生を描いた作品が好きになったきっかけの本。
現在のところ、一番大好きな小説。 嵐が丘をベースにした物語性や、 水村さんのなめらかな文体、 静かな語り口の裏にある激情が、心をゆさぶる。 これを今から読めるあなたは幸せだな、と、ぼくは思います。
おもしろくて一気に読んでしまった。嵐が丘がベースになっているけれど、それだけではありません。終わった後また読み直したくなりました。恋愛小説、ニューヨークでの日本人の生活、軽井沢、戦前戦後のお金持ちの優雅な暮らしなどに興味がある人は読んでみてください。上下間ともウィリアム・モリスのパターンが表紙でそれ...続きを読むもいい。
「嵐が丘」の翻案ですが、翻案という言葉から想像する安易さや安っぽさとは無縁。 「嵐が丘」の方は読んでいる自分と小説内の世界がつながっている感じはあまりなく、むしろその異世界めいたところが魅力でもあるとおもいますが、本作は私小説のような導入部分のせいもあって、あたかも物語世界と読者側の実世界が地続きで...続きを読むあるかのような手触りがあります。 そのような小説のほうが、日本文学にはなじむということなのかもしれません。 著者の新作が待ち遠しい…。
上下巻と分厚いので辟易したけれど、ぐんぐん引き込まれて両方合わせて僅か3日で読んでしまったよ。色々な人が書評を書いているので、わざわざ自分が書くまでも至らないかもしれない。
最初はなかなか読み進まなかったけれど、語り手が作者から祐介に変わった辺りからどんどん惹き込まれました。 戦後間もない、上級階級の美しい三姉妹。軽井沢の情景。 ウィリアム・モリスの装丁が似合う美しい文章で綴られて、たまらなく引き込まれます。
読みたかった物語がここにはある。久々に恋愛で胸がぐっと来る。冒頭作者は偶然聞いた「小説のような話」が天からの啓示のように日本語で書かれた「近代小説」を書きはじめたとある。そしてそれに続く「本格小説の始まる前の長い話」で物語の主人公となる男東太郎との出会いと12歳で渡米して以来半生を送ったニューヨーク...続きを読むで聞く彼の話が作家の私小説的な物語の中で書かれている。そして後の物語への伏線となっている。カルフォルニアの大学で働く彼女の元に一人の若い男加藤祐介が尋ねてくる。「東太郎」の話がしたいと。そして彼から聞いた「本当の話」こそ真の小説のような話であり、日本近代文学の元となった嵐が丘のような作り話という「本格小説」を書こうとして作家には「真実の話」は作り物めいてくると書いている。この話のどこまでが真実でどこからが作り話なのか、作家はここで読み手を翻弄しようとしている。加藤祐介は偶然軽井沢の古ぼけた山荘で東太郎と「わたしは女中です」という初老の女土屋冨美子に出会う。土屋冨美子によって東太郎とその恋人よう子の話が語られる。戦後まもなく女中として働くことになった宇田川家、その奥様の実家三枝家、その隣の重光家、といったお金持ち。宇田川家の持つ借家に住む極貧の家族の中で虐げられていた少年東太郎。華やかな三枝家の3姉妹の意地悪い仕打ち。幼なじみの少年と少女は秘かに二人だけの世界を育んでいく。やがて訪れる別離、引き離されても思いあう二人が起こした事件、その結果互いに深い傷を負い東太郎はアメリカへと去っていく。残されたよう子は王子様のような重光家の息子と結婚する。仲睦まじく暮らすよう子達のもとにアメリカンドリームのように成功した東太郎が現れる。お金持ちのお屋敷、軽井沢、令嬢と貧乏人、それは遠い昔家にあった「女学生の友」とか堀辰雄とかの小説のようであり、最近流行の昼メロの様でもある。懐かしいような気分と共に思わずのめり込んでしまう魅力的な世界が広がる。帰ってきた東太郎に対する冨美子の冷たい言葉、何故こうまで彼は冷たくされるのか、孤独な彼の凱旋に涙が出る。でもそれは私が恋愛偏差値が低いせい、そこには悲しい別の思いがあったから。それが最後まで読んで漸くわかるのだから完全に鈍いのだろう。途中何枚もある軽井沢の風景は物語を彩ると共に、もしかしたら今もあの重光家と三枝家の別荘は旧軽井沢に残っているのではないか、この風景の中に本当にあるのではないかと想像させる。また、「本格小説が始まる前の長い話」もアメリカで計らずも生きることになった姉妹の物語として、東太郎の成功と対照的な家族の結末は皮肉に感じる。
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本格小説(上)(新潮文庫)
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水村美苗
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