明暗(新潮文庫)

明暗(新潮文庫)

825円 (税込)

4pt

勤め先の社長夫人の仲立ちで現在の妻お延と結婚し、平凡な毎日を送る津田には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。ある日突然津田を捨て、自分の友人に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、秘かに彼女の元へと向かった……。濃密な人間ドラマの中にエゴイズムのゆくすえを描いて、日本近代小説の最高峰となった漱石未完の絶筆。(解説・柄谷行人)

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明暗(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の未完にして遺作。しかし、もしここで漱石は『明暗』の完了を考えていたとしたらどうだろうか。『明暗』を読み終えて、小説がここで終わっていてもいいのではないかとも思える。

    漱石と言えば、私は高校生の時に現代文の授業で、『こころ』を読み通し、読み込む授業を受けた。クラス担任の国語の授業である。『

    0
    2024年07月04日

    Posted by ブクログ

    ブッ刺さった。今の自分にグサグサ刺さる…
    体面を気にしてるのに、壁を作ったり、牽制することでしか自分を保てない。一度した結論を納得しながらどこかで
    変わるんじゃないかと思ってる。でも自分からは行動を移せない。自分を表現することと相手を理解することのバランス…

    少々ダウナーに浸ります
    漱石すげぇ

    0
    2024年06月10日

    Posted by ブクログ

    僕にとっては…「微細な糸を、丹念に、緻密に織り上げていった結果、巨大な、極美な織物が出来上がった」といった感じの作品。未完に終わっているので、「出来上がった」とはいわないのかもしれないけど…。読めども読めども、知り尽くせない、語り尽くせない、巨大なミクロコスモス。

    0
    2021年01月31日

    Posted by ブクログ

    実は漱石の作品中、最もお気に入りかも。
    兎に角登場人物が皆周りの腹を伺いつつ、本音をひた隠す。
    と言うかこれは本当の現実だと思う。本音って誰も世に公言したことがないはず、だからこそ家族という最小単位であっても社会には緊張関係が絶えず存在する。
    しかしこの厳然たる事実にはあまり皆目を向けたがらない、何

    0
    2013年12月12日

    Posted by ブクログ

    小林が津田に言う。"君は度胸が坐ってないよ。厭なものを何処までも避けたがって、好きなものを無闇に追懸けたがってるよ。なまじ自由が利くためさ。贅沢をいう余地があるからさ。僕のように窮地に落とされて、勝手にしやがれという気分になれないからさ"。気持ちを開放出来なければもはや不自由であ

    0
    2013年10月16日

    Posted by ブクログ

    明と暗。
    夫婦、親子、男女、兄妹、貧富・・・
    数々の明と暗を登場人物に織り込みながら、時には明が暗となり、暗が明となる。
    心理描写は精細にそして奥深く、読む者を惹きつける。
    未完であることも作品として完成度を高めているような気もする。

    漱石を読む面白さの一つが、明治という価値観が純粋な形でぶつかり

    0
    2013年10月16日

    Posted by ブクログ

    何と言う小説。

    水村美苗さんの「続明暗」を読みたいな、と思い再読したのだけど。

     此処に津田という男がいる。主人公である。会社員で、まずは悪くない勤め人で、30前後のようで、新婚である。その妻が延子。
     粗筋で言うと、津田が胃腸らしき病気である。大層ではないが数日入院して手術が必要だ。会社と、世

    0
    2014年05月29日

    Posted by ブクログ

    とってもいいとこで未完。承知で読んだから文句は言わないけど。小林、ものすごくドストエフスキーの小説に出てくる人物みたいだ、と思って読んでいた(カラマーゾフに出てくるスメルジャコフ的な)。その小林の言葉と思想が清子に合った後の津田にどのように響くのか、津田と清子がどのように転ぶのか、読みたい。読めない

    0
    2012年08月22日

    Posted by ブクログ

    新婚の男には、忘れられない女がいた――。
    大正5年、漱石の死を以て連載終了。
    人間のエゴイズムの真髄に迫った、未完にして近代文学の最高峰。

    勤め先の社長夫人の仲立ちで現在の妻お延と結婚し、平凡な毎日を送る津田には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。ある日突然津田を捨て、自分の

    0
    2024年07月11日

    Posted by ブクログ

    未完の遺作というこで、どんな終わり方になるのか期待しつつ、それからのストーリーを想像するものの先が読めない感じです。
    とても緻密な心理描写に少し疲れを感じるのは、私だけでしょうか。何が《明》で何が《暗》、二項対立では消化できない人間の心の中を垣間見たような気がします。

    0
    2023年09月05日

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