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湖畔の介護施設で暮らす寝たきりの男性が殺された。捜査にあたった刑事は施設で働く女性と出会うが、二人はいつしかインモラルな関係に溺れていく。一方、事件を取材する記者は死亡男性がかつて満州で人体実験にかかわっていたことを突きとめるが、なぜか取材の中止を命じられる。吸い寄せられるように湖に集まる男たち、女たち、そして――。読後、圧倒的な結末に言葉を失う極限の黙示録。(解説・諏訪敦)
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「湖の女たち」
2024年5月17日公開 出演:福士蒼汰、松本まりか、浅野忠信
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Posted by ブクログ
何も考えず相手の思うように服従したい思い。それを感じ取り同じように佳代を自分の思うように扱う圭介。異常に感じる佳代と圭介の関係がとても不思議でお互い出会ってから直ぐに感じ取ったのだろう。言わば運命の出会い。 その2人の周りで子供が殺人の関与している雰囲気が漂っている。そして何の罪のない人が疑われて精...続きを読む神を崩してしまう。実際にありそうだ。そんな世の中なんだと教えられた気がします。 読み終えてスッキリとはしないが、スラスラ読めてしっかり余韻に浸れた作品でした。
『もし揺れていなければ、存在しない』 『小鳥の声や波音が、わたしやあなたの心に沁みてくる。ただ、沁みてくる。これが世界の始まりだ』 最終章、夜から朝になる琵琶湖を描写した表現が美しすぎた!!!!!! かと思えば、徹頭徹尾、性欲というより「情欲」という言葉の方が相応しいような妖しさが漂う。こういう沼に...続きを読むハマる感じは、なんか、わかる気がする。 沼に嵌めてるつもりの男が、実は女の沼に嵌められてるという。 地元滋賀が舞台。映画は見たことあるが、吉田修一作品を読むのは初めてで、濃密さに感動した。正常な人は、週刊誌記者の池田しかいなかった。
最後までドロドロした空気で覆われて、さすが吉田修一!と感じさせられた一冊。どう考えても一般的な日常からはかけ離れた世界なのに、何故か引き込まれて一気に読み終えてしまった。 ホワイダニットの観点から見ると、そんなアホなと思う一方で、もしかしたら有り得てしまうなぁと恐ろしく感じるところも。 インモラルな...続きを読む関係はなくても成り立つ話だけど、それがあるからこそ独特の世界観が成立するんだろなと。さすが。何はともあれ、楽しかった。
評価が低めだったので、恐る恐る読みましたが、私としては満足。吉田修一さんのこの人間の描き方が好き。絶望を感じる人間の醜い部分に反して美しい湖の描写が印象に残る。本来人間もこの湖の様に美しさと、底知れぬ怖さを持っているのだと、雨が降り、風が吹き、環境が荒れると波が立つように、人も環境に左右され荒れるの...続きを読むだと、そんなことを感じとりました。 何気に伊佐美さんの描き方良かったな。どうしようもない権力や金や悪に負けた時、人は捻くれてしまうものだと思う。正しさとか、純粋さとか、諦めを装って生きていかなければやってられないこともある。 映画化されるとのことだが、なんとも不安な配役。松本さんは好きだけど、あの声じゃエロスすぎます。笑 パッとしない地味な女の内に秘めた願望を想像していたので、松本さんじゃ秘められてないよ。ダダ漏れです。お色気シーンメインになってしまいそう。この作品のどうしようもない人間の業の深さをジメジメと描いた良さが消えてしまいそうだなーなんて思いながらも怖いものみたさで観るけどね。
感想を思いめぐらしていたら、もう一度始めからしっかり読んでしまった一冊。 感想書きプロではないのに間を置かずに再読するなどと、長い読書人生初めてのこと。 社会派ミステリーに属する内容と思われるのだが、登場する刑事たちがなにしろ悪徳者そのもの。 でも、なぜか排除できないものもあるのだ。 罪ありきの...続きを読む過酷な取り調べ、冤罪になりそうな筋書きを作る刑事たち。おまけに聴取している参考人との不徳な関係は何なんだと思う。 その警察官圭介と事件関係者佳代との不倫関係は、強烈なサディズムとマゾヒズムの関係。不道徳極まりないと嫌悪するも、なんと生き生きと描かれていることか。 そしてその陰に隠れるように、もみ消される近年の薬害禍、戦前の細菌戦人体実験が揺曳する内容。 読後自分に問いかける、そんな現実もある、そういう現世を過ごしてもいるのじゃないかと。 「清張刑事もの」とは真逆だ。 思いついて松本清張作品の刑事ものを読みたくなり、『砂の器』を再読してみて(これも超特急で再読!!)登場する刑事さんたちの汗水たらし、体を張って苦労して一歩一歩地道に捜査する姿に、なにか心静まる気がしてくるのだった。けれどもいい人ばかりいて、社会の悪を成敗するなんて、おとぎ話なのかもしれない。 もう一度、琵琶湖に行ってみたくもなった、琵琶湖の景色描写が印象的。
琵琶湖を初めて見た時のキラキラとした、でも静かな印象を思い出した。湖って表面からは見ることが出来ない何かが沈んでいるミステリアスな部分がある。私たちは昼も夜も生き続けているが、昼と夜の自分は違う気がする。明け方や夕暮れはそれを繋いでいるのでどちらでもないなんとも言えない時間帯だ。琵琶湖の際でそれを味...続きを読むわいたいと思った。
展開が複雑になっていく物語ですが、読み始めると止まらなくなるストーリーでした。ネタバレになるので感想にも困るのですが、楽しかった
断捨離をしているうちに吉田修一さんの本が結構出てきて、また読んでみようかと。本屋さんに行くと最近の作品=映像化されている作品があり、つい手にとった。 地理的に琵琶湖の風景が脈々と解るので余計リアル、薬害問題、戦時中の人体実験、介護施設の事件もかなり知見しているのでリアル 人間とは賢くもあり愚かである...続きを読む。 この物語 圭介と佳代のなんとも言えないインモラルな描写に妄想も加わり一気読み。 「湖は自らを波立たせることが出来ない。だからこそ静かで美しい」 波立った湖は物語の終わりに何事も無かったように静かなり、より一層美しくなる ちょっと車を走らせて湖岸に向かおうかなと言う気持ちだ。 もし白衣の子供たちがいたらどうしよう
映画の原作ということで読みました。 既に劇場公開されてしばらくした頃、書店で原作を見かけて吉田修一の作品であること、琵琶湖が舞台になっていることを知って、慌てて原作を読みましたが、鑑賞当日(6/11)は夜勤明けであったこともあって50ページを残して鑑賞となりました。 一日一上映になって木曜日が最終上...続きを読む映になってもいたので、この日を逃すと劇場で見れなくなるので、仕方ないかって感じです。 ただ鑑賞後に残りを読みましたが、クライマックスの部分以外は読めていたし、そこまで読んでイメージしていたそのシーンの映画の中の佳代の姿に違和感を感じたのですが、その違和感は外れてはいなかったと残り50ページを読んで得心がいきました。もちろんその違和感が、佳代を演じた松本まりかの凄さを減弱させるものではないです。 この作品の映画サイトでの評価が、僕が思っていたよりも低くて正直驚いているのですが、多分、この作品に何を求めるかによって鑑賞後の感想も変わってくるかと思います。一つの事件を巡るミステリーだと期待して観れば、その結末の中途半端さに疑問を抱かれるかと思うし、社会悪に深くメスを切り込んで世に問う作品と思われれば、そこまで深く闇に立ち入るわけでもない。けっきょのところ、人々が内包している闇の部分を、主人公である濱中圭介と豊田佳代を中心に、モザイクのように描いた物語なのかなぁと思いました。 今まで爽やかなイケメンを演じてきた福士蒼汰と、まさに体当たりという言葉の通り新たな境地を開いたかのような松本まりかの演技は、ちょっと引きずってしまうほどの凄みがあって、それだけでもこの映画は観る価値があったと思わされました。 原作を読んでいなければ、圭介と佳代の関係にいろいろ疑問を生じるだろうことは想像できます。 でも、今作ほど原作に忠実であらんと苦労したであろうことも察せられ、変に解説めいたストーリー展開にしなかった分、難解な要素も生まれてしまったのだろうと思いました。 吉田修一はデビュー作を当時読んで、この人来るかもって思ったことを覚えていますが、その時も圭介や佳代のような性的人間が出てきて、それが社会通念や常識を無視したような描写が印象に残っています。その後、あまり読む機会がなくて今日に至りますが、圭介や佳代のような人物の登場には、彼の作品ならと想定の範囲ではあったかなぁと思います。 原作では雑誌記者の池田は男性ですが、福地桃子の女性記者は映画的な改変ながら、結構いいなと思えました。 大森立嗣監督は『星の子』の監督でしたか。この監督の作品は結構好みかもです。 琵琶湖を舞台にしていますが、作者が実際にあった滋賀県での事件にインスピレーションを得て描かれたということです。実際の事件をご存じの方も多いと思いますが、今作で起こる事件とは似て非なるものなので、あくまでも作者の創作なのだと納得して読みました。舞台となる西湖は琵琶湖の湖東側にあるのですが、映画では住所が高島という湖西の地域であったりロケであったりと滋賀に住む者として違和感あるのですが、まぁ、これは土地勘あるせいで、大筋には全く関係ないので、そんなことを感じながら観れるのは特典かなぁって思ってました。
先が気になってすらすら読めてしまったけど、わからないところがたくさん残る作品だった。 中学生たちはなんであんなことをするのか? 圭介と佳代はなぜそんな関係になるのか? 解説が欲しい、、
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湖の女たち(新潮文庫)
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吉田修一
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