初瀬(はせ)桃子は結婚八年目の子供のいない主婦。夫・真守の両親が住む母屋の離れで暮らし、週に一度、手作り石鹸教室の講師をしている。そんな折、義父の宗一郎が脳梗塞で倒れた。うろたえる義母・照子の手伝いに忙しくなった桃子に、一本の無言電話がかかる。受話器の向こうで微かに響く声、あれは夫では? 平穏だった桃子の日常は揺らぎ始め、日々綴られる日記にも浮気相手の影がしのびよる。
Posted by ブクログ 2018年10月23日
一言の感想なら「因果応報」。 淡々としていながらも、不穏な雰囲気が漂う作品だ。 主人公桃子の夫の真守が最低なのは大前提なのだが、桃子も可哀そうだけど、うすら怖い... 途中、ちょっとした仕掛けのような展開には「そうきたか」と思った。 吉田修一は「悪人」以外あまり読んだことがなかったが、結構面白かった...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年06月04日
初瀬桃子は結婚八年目の子供のいない主婦。ある時かかった一本の無言電話から夫の不倫を疑う。平穏な日常が揺らぎはじめ、異常な日々が訪れる。
ミステリーでもサスペンスでも恋愛でもない、作者曰く「ジャンル不明小説」。ざらついた感触が常に肌に張り付くような不快感がありながら、先のページを読みたい願望は失うこと...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月26日
日記があることで見事に騙される。主人公があまりにもヒステリックすぎて、共感はできない。はずなのに、救いようのないその過去と現在を考えると、読んでいて悲しくなる。夫は自分の過去から何も学んでいないように思え、何度も同じ過ちをくりかえてしている。吉田修一は女性の描写が本当にいまい。そして、ストーリー展開...続きを読む
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