【感想・ネタバレ】湖の女たち(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

湖畔の介護施設で暮らす寝たきりの男性が殺された。捜査にあたった刑事は施設で働く女性と出会うが、二人はいつしかインモラルな関係に溺れていく。一方、事件を取材する記者は死亡男性がかつて満州で人体実験にかかわっていたことを突きとめるが、なぜか取材の中止を命じられる。吸い寄せられるように湖に集まる男たち、女たち、そして――。読後、圧倒的な結末に言葉を失う極限の黙示録。(解説・諏訪敦)

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Posted by ブクログ

何も考えず相手の思うように服従したい思い。それを感じ取り同じように佳代を自分の思うように扱う圭介。異常に感じる佳代と圭介の関係がとても不思議でお互い出会ってから直ぐに感じ取ったのだろう。言わば運命の出会い。
その2人の周りで子供が殺人の関与している雰囲気が漂っている。そして何の罪のない人が疑われて精神を崩してしまう。実際にありそうだ。そんな世の中なんだと教えられた気がします。
読み終えてスッキリとはしないが、スラスラ読めてしっかり余韻に浸れた作品でした。

0
2024年07月10日

Posted by ブクログ

『もし揺れていなければ、存在しない』
『小鳥の声や波音が、わたしやあなたの心に沁みてくる。ただ、沁みてくる。これが世界の始まりだ』
最終章、夜から朝になる琵琶湖を描写した表現が美しすぎた!!!!!!
かと思えば、徹頭徹尾、性欲というより「情欲」という言葉の方が相応しいような妖しさが漂う。こういう沼にハマる感じは、なんか、わかる気がする。
沼に嵌めてるつもりの男が、実は女の沼に嵌められてるという。

地元滋賀が舞台。映画は見たことあるが、吉田修一作品を読むのは初めてで、濃密さに感動した。正常な人は、週刊誌記者の池田しかいなかった。

0
2023年09月15日

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最後までドロドロした空気で覆われて、さすが吉田修一!と感じさせられた一冊。どう考えても一般的な日常からはかけ離れた世界なのに、何故か引き込まれて一気に読み終えてしまった。
ホワイダニットの観点から見ると、そんなアホなと思う一方で、もしかしたら有り得てしまうなぁと恐ろしく感じるところも。
インモラルな関係はなくても成り立つ話だけど、それがあるからこそ独特の世界観が成立するんだろなと。さすが。何はともあれ、楽しかった。

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2024年03月08日

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評価が低めだったので、恐る恐る読みましたが、私としては満足。吉田修一さんのこの人間の描き方が好き。絶望を感じる人間の醜い部分に反して美しい湖の描写が印象に残る。本来人間もこの湖の様に美しさと、底知れぬ怖さを持っているのだと、雨が降り、風が吹き、環境が荒れると波が立つように、人も環境に左右され荒れるのだと、そんなことを感じとりました。
何気に伊佐美さんの描き方良かったな。どうしようもない権力や金や悪に負けた時、人は捻くれてしまうものだと思う。正しさとか、純粋さとか、諦めを装って生きていかなければやってられないこともある。

映画化されるとのことだが、なんとも不安な配役。松本さんは好きだけど、あの声じゃエロスすぎます。笑 パッとしない地味な女の内に秘めた願望を想像していたので、松本さんじゃ秘められてないよ。ダダ漏れです。お色気シーンメインになってしまいそう。この作品のどうしようもない人間の業の深さをジメジメと描いた良さが消えてしまいそうだなーなんて思いながらも怖いものみたさで観るけどね。

1
2024年03月01日

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感想を思いめぐらしていたら、もう一度始めからしっかり読んでしまった一冊。
感想書きプロではないのに間を置かずに再読するなどと、長い読書人生初めてのこと。

社会派ミステリーに属する内容と思われるのだが、登場する刑事たちがなにしろ悪徳者そのもの。
でも、なぜか排除できないものもあるのだ。

罪ありきの過酷な取り調べ、冤罪になりそうな筋書きを作る刑事たち。おまけに聴取している参考人との不徳な関係は何なんだと思う。

その警察官圭介と事件関係者佳代との不倫関係は、強烈なサディズムとマゾヒズムの関係。不道徳極まりないと嫌悪するも、なんと生き生きと描かれていることか。

そしてその陰に隠れるように、もみ消される近年の薬害禍、戦前の細菌戦人体実験が揺曳する内容。

読後自分に問いかける、そんな現実もある、そういう現世を過ごしてもいるのじゃないかと。

「清張刑事もの」とは真逆だ。
思いついて松本清張作品の刑事ものを読みたくなり、『砂の器』を再読してみて(これも超特急で再読!!)登場する刑事さんたちの汗水たらし、体を張って苦労して一歩一歩地道に捜査する姿に、なにか心静まる気がしてくるのだった。けれどもいい人ばかりいて、社会の悪を成敗するなんて、おとぎ話なのかもしれない。

もう一度、琵琶湖に行ってみたくもなった、琵琶湖の景色描写が印象的。

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2023年12月03日

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1日で読んでしまった。
読んだ方は分かると思いますが、あのような描写がどう必要だったのかと考えています。でもあれがあったからこそ高速で読み終わったんじゃないかとも思う。
琵琶湖畔の情景が目に浮かぶようでした。

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2025年04月27日

ネタバレ 購入済み

良くも悪くも吉田タッチは健在

12月湖西線に乗って曇天の夕暮れが湖面に反射するどこかもの寂しい琵琶湖を見たことを思い出しながら、そして日に日に老いていく母のことを思いながら、偶然手にしてしまった本。吉田修一ならば間違いないはずだったが、読み進めるたびにうんざりするような酷い状況の話で、ますます琵琶湖
の心象が悪くなってしまった。滋賀県に罪はないが事件が起きそうな心象をもってしまった。吉田小説の温度感を感じ映像が浮かぶような描写は健在で、ゆえに気が滅入ってしまった(これでも褒めています)。追い詰められていく人。堕ちていく人。

#怖い #ドロドロ #ダーク

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2025年01月07日

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琵琶湖を初めて見た時のキラキラとした、でも静かな印象を思い出した。湖って表面からは見ることが出来ない何かが沈んでいるミステリアスな部分がある。私たちは昼も夜も生き続けているが、昼と夜の自分は違う気がする。明け方や夕暮れはそれを繋いでいるのでどちらでもないなんとも言えない時間帯だ。琵琶湖の際でそれを味わいたいと思った。

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2024年09月14日

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展開が複雑になっていく物語ですが、読み始めると止まらなくなるストーリーでした。ネタバレになるので感想にも困るのですが、楽しかった

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2024年08月25日

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断捨離をしているうちに吉田修一さんの本が結構出てきて、また読んでみようかと。本屋さんに行くと最近の作品=映像化されている作品があり、つい手にとった。
地理的に琵琶湖の風景が脈々と解るので余計リアル、薬害問題、戦時中の人体実験、介護施設の事件もかなり知見しているのでリアル
人間とは賢くもあり愚かである
この物語
圭介と佳代のなんとも言えないインモラルな描写に妄想も加わり一気読み。
「湖は自らを波立たせることが出来ない。だからこそ静かで美しい」
波立った湖は物語の終わりに何事も無かったように静かなり、より一層美しくなる
ちょっと車を走らせて湖岸に向かおうかなと言う気持ちだ。
もし白衣の子供たちがいたらどうしよう

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2024年06月21日

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映画の原作ということで読みました。
既に劇場公開されてしばらくした頃、書店で原作を見かけて吉田修一の作品であること、琵琶湖が舞台になっていることを知って、慌てて原作を読みましたが、鑑賞当日(6/11)は夜勤明けであったこともあって50ページを残して鑑賞となりました。
一日一上映になって木曜日が最終上映になってもいたので、この日を逃すと劇場で見れなくなるので、仕方ないかって感じです。
ただ鑑賞後に残りを読みましたが、クライマックスの部分以外は読めていたし、そこまで読んでイメージしていたそのシーンの映画の中の佳代の姿に違和感を感じたのですが、その違和感は外れてはいなかったと残り50ページを読んで得心がいきました。もちろんその違和感が、佳代を演じた松本まりかの凄さを減弱させるものではないです。
この作品の映画サイトでの評価が、僕が思っていたよりも低くて正直驚いているのですが、多分、この作品に何を求めるかによって鑑賞後の感想も変わってくるかと思います。一つの事件を巡るミステリーだと期待して観れば、その結末の中途半端さに疑問を抱かれるかと思うし、社会悪に深くメスを切り込んで世に問う作品と思われれば、そこまで深く闇に立ち入るわけでもない。けっきょのところ、人々が内包している闇の部分を、主人公である濱中圭介と豊田佳代を中心に、モザイクのように描いた物語なのかなぁと思いました。
今まで爽やかなイケメンを演じてきた福士蒼汰と、まさに体当たりという言葉の通り新たな境地を開いたかのような松本まりかの演技は、ちょっと引きずってしまうほどの凄みがあって、それだけでもこの映画は観る価値があったと思わされました。
原作を読んでいなければ、圭介と佳代の関係にいろいろ疑問を生じるだろうことは想像できます。
でも、今作ほど原作に忠実であらんと苦労したであろうことも察せられ、変に解説めいたストーリー展開にしなかった分、難解な要素も生まれてしまったのだろうと思いました。
吉田修一はデビュー作を当時読んで、この人来るかもって思ったことを覚えていますが、その時も圭介や佳代のような性的人間が出てきて、それが社会通念や常識を無視したような描写が印象に残っています。その後、あまり読む機会がなくて今日に至りますが、圭介や佳代のような人物の登場には、彼の作品ならと想定の範囲ではあったかなぁと思います。
原作では雑誌記者の池田は男性ですが、福地桃子の女性記者は映画的な改変ながら、結構いいなと思えました。
大森立嗣監督は『星の子』の監督でしたか。この監督の作品は結構好みかもです。
琵琶湖を舞台にしていますが、作者が実際にあった滋賀県での事件にインスピレーションを得て描かれたということです。実際の事件をご存じの方も多いと思いますが、今作で起こる事件とは似て非なるものなので、あくまでも作者の創作なのだと納得して読みました。舞台となる西湖は琵琶湖の湖東側にあるのですが、映画では住所が高島という湖西の地域であったりロケであったりと滋賀に住む者として違和感あるのですが、まぁ、これは土地勘あるせいで、大筋には全く関係ないので、そんなことを感じながら観れるのは特典かなぁって思ってました。

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2024年06月14日

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ネタバレ

最初、読んでるうちは、インモラルな性愛に目が向きがちで、これ、映画化ってどうするんだろう…、みたいな野次馬的な見方をしていたのですが…

吉田修一さんを見縊るもんじゃありませんでした

それは様々なインモラルについての描写の1つに過ぎなかっただけ

この時代に、1番弱く崩しやすい者を追い込み吊し上げる集団
ある一定数の、金と権力を持っている者の振る舞い
戦時中の正誤が歪んだ中での歪んだ行為

そして、終盤に露わになる事実に、やはり吉田修一氏もはたして盛り込んできたかと放心しました

昨年、「ロスト・ケア」が口火を切り、「正欲」「月」とセンセーショナルな映画が公開されました
今まで、見ないように蓋をしてきたけど、それでいいと思いますか?と読者、視聴者に問いかけてきます

作者は全ては詳らかにはしません、朧げに状況を記すのみで、あとは読者に放つだけ

あなたは、どう判断しますか?

警察がある人を犯人に仕立て上げる様は、まるでSNSで私たちが誰かを吊し上げる様のようで
これを記している時、ニュースが流れました

「セクシー田中さん」の原作者で、漫画家の芦原妃名子さんが死去したことが29日、分かった。

今、またその犯人探しが始まってます

なんでわからないの?
わたしたちはいつまでこんなことをくりかえしますか?

この物語を読んで、心に残った文章です

罪を償わなければならないのは、事件や犯罪を犯したからではない。金や権力を自分が持たなかったからなのだ。

幾らパーティーしようが、頭悪いね、と言い放とうが、大統領にだってなれる時代だけど

だから諦めていいわけがない

すみません、もっとまとまった文章を書くつもりでしたが、突然知ったニュースに心が乱れています

まわりが道徳に反していて、それが当たり前になっているからといって、それが間違っていると思ったら、勇気を出して、周りに配慮して、対話すべきだ、話し合うべきだ
責めるんじゃなくて!誰かを否定するんじゃなくて!
諦めて黙ってても、何も変わらない、と強く思います

それはSNSに無闇に書き込むこととは全く違います
SNSに書き込むことはとてつもない責任を伴う行為です
その言葉で誰かが生きるのを諦めてしまうこともあるのですから

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2024年01月29日

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2025.09.15

…なんとも言えない読後感。
これはなんというジャンルの小説なのか。
途中まで事件を追っていたのに、佳代のように急に湖から落ちたように終わってしまった感じ。
結局、圭介は何がしたかったのか??佳代との関係は何?ただのドS?
圭介が探偵役になるかと思いきやそうではなかった。だからミステリではない。
結局、犯人はふんわりと。人体実験、満州うんぬんは実はストーリーにあんまり関係ないというか…伏線回収かと思いきや…もやもや。
珍しく解説もきちんと読んでしまった。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

介護施設で100歳の老人が亡くなる。その近くを訪れていた記者がたまたま展示されていた写真から地元の有名人の繋がりを見つける。
推理小説の展開のはずが、壊れていく主人公の心理描写を中心に、湖の周りにいる人たちに伝染していくかのような怪しげな空気が漂う。帯に憎悪が沈澱する場所とあった。そういう話かと気づいた自分もその濁った湖の中に飲み込まれそうなる感じ。
これを映画にしたのか、いやぁあまり見たくないかな、と思いつつ、ストーリーはエンディングに向かうところで、湖がさまざまに変化していく姿を描写がある。何か吉田修一が描きたかったことがここに表されているのか。そしてミステリーの結末へ。
明確に結論を描いている訳ではないが最後はわかるという終わり方。なるほど小説自体が映画らしいかも。
誰にでも勧められるのではないが、吉田修一らしさが全面に出ているかの傑作。でもおすすめ度で星3つにしておく。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

なんだか、すごかった。居心地の悪さ。モヤモヤとした悪意。人間の表の顔と裏の顔というか、見る角度によって違う顔。

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2025年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

各々の登場人物が、かわりばんこに登場して、それぞれの物語になり、それが繋がったりして飽きないのだけど、なんとなくオチが弱かったり、盛り上がり過ぎて収束の仕方が弱かったりで。
そこまで、心に残らなかった。

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2024年10月07日

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過去と現在が繋がって「そゆことか!」ってなる物語だと思い込んで読んでいたら、そうでもなかったので、よくわからないままに終わってしまいました^^;
でも、随所にある自然の描写が好きでした。

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2024年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

国宝読んで吉田修一熱が上がったので読んでみた。やっぱり小説家としての物語の紡ぎ方は上手くて面白いんだけど、題材がいかんせん。なかなか理解がしづらかった。事件の方のプロットは興味深く、面白く読んだ。

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2024年07月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

6月の梅雨のじめじめした雰囲気に何ともまあピッタリ!タイミング加点あり。

湖という、海や川のように流れていくわけでもなく、ただそこにずっとある変わらないその鬱々しさと美しさが、二つの湖と惹きつける人たちを繋げた物語。
老人介護施設、警察、記者、家族でてくるどのコミュニティもなんだか湖と同じ、陰気臭く波も全て飲み込一方で、包み込む受け入れる性質も持っていた。
そんな湖の中の物語で唯一飛び立つ鳥のように、湖から出ようともがいた、もしくは湖の魚を捕獲する鳥のように、そんな陰湿さを壊そうとしたのが野鳥が好きなあの子だったなと思ってしまう。

そしてこの小説自体も中盤までじめじめと何も起こっていないけど、なんだか惹きつけられる空気感があって、終盤のテンポいい展開でなにか変わりそうで何にも変わらないストーリーにになんだか終始ヤキモキして沸々として、欲求不満感が残った総じて6月にぴったりの小説だった。

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2024年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

吉田修一を誰かに薦めるとしたら、私はこの本は選びません。もっと面白く、大好きな作品がたくさんありますので...。

なぜそうなった?や、結局なんだった?といった疑問がほとんど解決されないので、読後、あの話はなんだったんだろうというエピソードがいくつも残ります。
さらに、共感できる人物もいないので...なんか全員気味悪いなぁ、と感じてしまいました。
主人公2人の支配・被支配の描写や(それが途中で逆転しているように見えるところも)、旧満州での話など、引き込まれるところもありましたが、結局なんだった?と思う終わり方です。

「どうせ死ぬのだから、何をしてもいい」と人間を非道な実験に利用して虐殺していた人物が、老衰により弱者となったときに、逆に実験に利用され殺された...ということなのかな?
でも、権力者はいかに罪を重ねようとも、さらなる権力を手にしている。鍵になる宮森勲という人物について、もう少し描いて欲しかったです。

731部隊の話は、恥ずかしながらこの作品で初めて知りました。日本人が、これほど恐ろしい人体実験をしていたことや証拠を抹消するために全員を殺していたことなど、衝撃でした。
吉田修一さんは、日本のなかに昔からあった閉鎖性、同調圧力、保身のための隠蔽などを、湖の町を通して描いたのかもしれないな、と思いました。

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2024年06月23日

Posted by ブクログ

 一体何を読まされていたのか。その手の性癖を持つ人が読めば共感できるのだろうか。佳代の心情を読んでいると、自ら望んで圭介の元へ行っているが、強要と合意の境界線は非常に曖昧で他者からは判断できないように思う。マジョリティの感覚で言うと、圭介のような警官は到底容認できない。731部隊などは確かに端折っても良かったような気はするが、琵琶湖やハルビンの湖など「湖」に囚われた人たちの澱んだ物語だったと解釈すればいいのか。吉田さんの作品らしく、重苦しくじめっとした湿気と水分を始終感じられる文章だった。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

三分の一までの丁寧さで上下二巻くらいのボリュームで頑張って書いて欲しかった。
満州の下りあたりから、作者によくある面倒くさい病が現れた様子。

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

犯人?の動機が少しわかりづらかったけど
こんな人もいてるんやなぁ ~みたいな感じで読み進めた。
モヤモヤした終わり方だったなぁ。

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2024年03月22日

Posted by ブクログ

幹となる話の結末が恐ろしく思えた。
介護施設で働く人や警察官は過度のストレスを抱えるからこそ、作中描かれた様な暴挙を行ったのではないかと思う。

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2024年03月20日

Posted by ブクログ

出来事と出来事、
人と人とが繋がっていくほど、
どこにたどり着くのかわからず、
ラストの到達点にゾクリとして終わった。

圭介と佳代は一体何をしていたのだ。
実は支配していたのは佳代で、
彼女がその奥底にある欲望が昇華された時、
清々しいまでの生きる実感が訪れる。

くどいくらいの湖の描写が、
近年の筆が乗りまくっている吉田修一の手腕を見せつけている。

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2023年12月24日

Posted by ブクログ

文章はスラスラと読みやすく、描写も細やかなのに、登場人物達のあまりにいびつな歪みが邪魔をして、スッと話が入ってこない。ほぼ誰も好きになれなかった。逆に凄いことなのかしら⁉
もう少し、事件の真相や全貌が知りたかったなぁ。
琵琶湖の情景はすごく美しかったです。

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2023年12月09日

Posted by ブクログ

湖のほとりの老人ホームで、百歳の老人が亡くなった事から、物語はゆっくりと進んでいく。

特殊な性的指向の刑事と女の方を描きたかったのか。ミステリーとしてはやや弱い気がした。

犯人は暗示されているが、ハッキリ描写しないせいか、終始薄ぼんやりした霧の湖につつまれた印象だった。

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2023年11月05日

Posted by ブクログ

老人ホームで人工呼吸器を止められた100歳の老人。
ホームで働く女と、担当の刑事。
過去の事件を追う週刊誌記者。

現実なのか妄想なのかわからない部分もあり、ずっとモヤに包まれたよう。
ラストだけは分かりやすかった。

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2023年11月03日

Posted by ブクログ

途中挫折しそうなほど嫌な感じだった。
吉田修一さんの小説はいつも登場人物のキャラクターが良いのに、胸糞悪い人ばかり…。特に伊佐美は…。ただ、皆はじめから腐っていたわけではない。腐っていることに気づいていないわけめはない。最後まで読んで良かった。汚い世界に慣れて生きていく人と抗おうとする人の生き様を描いていた。

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2023年10月21日

Posted by ブクログ

いつつないだかわかりませんが、100歳の人工呼吸器患者。
かつて人体実験をしていた元教授だったとすれば、それだけでかなり皮肉な結果です。

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2023年09月24日

Posted by ブクログ

吉田さんだから不穏で不安にまみれながら読むんだろうなとは思っていたものの…
橋を渡る を読んだ時と同じ…
わからなかった笑
モヤモヤと終わってしまい、だけど終わった後もなんとなく考えてしまう。
というか映画化、福士蒼汰くんの名前が書いてあったけど、え、誰の役なんだろう濱中?ええまじで?できるのかな?って思った。彼にとって試練になるだろうなぁ…などと。

帯や背表紙のあらすじを読んでから買ったが受けた印象が全然違った。湖に集まる男たち?
そういやタイトルの「湖の女」って一体誰のことを指しているんだろう?複数形?「湖」がキーワードになっているのは?満州での話と繋がっている…から?ってその辺読んでる人の受け取りかたに委ねますみたいなのはわたしごのみ。

宮部さんの小説で、家族が見ている昏いものは黙っていても他の家族にも見えている、もちろん影響をうけるみたいな話があったんだけど(個人の意見です)、あれと同じ。よくわかる。逆に明確に言葉にしないで隠している方が余計な想像と妄想で悪影響しかない。
何の感情もない軍隊のような行進がこわい。

2人の関係。
いやー全然わからなかったわw
え?なになになに?どういうこと?
いきなりそれ?なんで?
2人ともだよ。そういうタイミングだった?
理由はわからないけど腐りかけた毎日を打開するには破滅一歩手前まで行くしかなかった?

というか、この類の欲望って私の中にあるかな?って自問自答しながら読んでたよ。わかっちゃったらどうしようって思ったけどw
中村文則の最後の命を思い出してた。村上さんもね。自分の中に何があるかわからない怖さ。


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2023年09月13日

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