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〈秘密の階段建築社〉の事件簿
“ひらけごま”と唱えると現れる秘密の読書室や、秘密の花園に通じるドアが隠された柱時計。だれもが一度は夢見た仕掛けに特化した工務店〈秘密の階段建築社〉がテンペスト・ラージの家業だ。イリュージョニストとしてラスヴェガスで活躍していた彼女だったが、ある事故の責任をとらされて、サンフランシスコに帰郷せざるをえなくなり、この家業を手伝うことに。だがその初日、仕事先の古い屋敷の壁を崩したところ、そこから死体が見つかる騒ぎが……。ラージ家に伝わる、あの呪いと関係があるのか? 楽しい不思議が満載のシリーズ第1弾! -
絵馬と脅迫状
医者、患者、病気、医学部、医学研究、医療。 生まれてから死ぬまで、人は病院と医者から離れられない。 「医」と「病」をめぐる6篇の傑作短編小説集。 学生時代に自殺した親友と瓜二つの男が、新人医師として自分が勤務する病院で働きだした。以後、不可解な事件が頻発する。彼は誰なのか?(「「爪の伸びた遺体」」)著書はベストセラー、新聞の人生相談も好評、患者からの信頼も厚い女性精神科医のもとに「二度と人前に出られなくしてやる」と差出人不明の脅迫状が届いた(「悪いのはわたしか」 )。信心がまったくない医学信奉者の内科医が、病院の近所にある神社で同僚外科医の絵馬「手術が無事に終わりますように」を誤って割ってしまった。以降、降りかかる悲劇 (「絵馬」 )。突如として髪が増え始め、若返った元教員・泉宗一(68)の数奇な体験 (「リアル若返りの泉」)など全6篇。 -
探偵機械エキシマ
【人間は、馬鹿だ。ただの機械に、命のないモノに、自分の命を懸けてしまう。】 大学生の実沙は、「探偵の記録者」のアルバイトを教授から頼まれた。探偵事務所を訪ねると、そこにいたのは、AI探偵・エキシマと、エキシマにこき使われる助手・空木のコンビだった。どこか不自然な科学者の家、13年前の少年の死の謎を解こうとする容疑者の集まり、殺人犯が出歩く雪の夜道……。エキシマは、誰よりも早く殺人犯を見つけ出し、ある目的を達成しようとする。不自由な機械の体で犯人を探すエキシマ、彼女が唯一心を許す空木、そして「最悪の未来」を回避するために真相究明を急ぐ実沙の推理バトルが幕を開ける! -
しずかなパレード
私はあの人と付き合うとるとよ。 あの人を好いとると。 そう言い残して、一人の女が姿を消した。 失踪したのか、死亡したのか――。 圧倒的な「不在」がもたらす感情を炙り出す、 不穏でミステリアスな物語。 誰にでも自分だけの神様がいるのかもしれない。 だとすれば、その神様は私の味方であるはずだ。 東京から佐世保の和菓子店に嫁ぎ、娘を育てながら若女将として生きる、晶。誕生祝いの夜、夫から贈られたエルメスのバングルを手首に巻きながら、好きな人がいる、その人のところへ行くと告げ、いなくなった。残された夫・伸吾の怒りと嘆き、愛人・武藤の不審と自嘲、捨てられたと感じながら成長する娘・結生……。「不在」の12年間を、さまざまな視点から綴る長編小説。 -
令和忍法帖
忍者はあなたのすぐそばに 普段は会社員、キャバクラ嬢、小学生…… しかしひとたび事件が起これば、命をかけて日本を守る! 江戸時代、徳川幕府の安寧を陰から支えてきた「忍び」たち。明治維新を機にひっそりと姿を消したと思われていたが……実は新政府の警察制度に組み込まれていた。 警視庁警備企画課諸犯罪対策係、通称マルニンに所属する甲賀忍者、白神蝶三郎を司令塔に、現代に生きる忍者たちが躍動、疾走する。 手足に微細な毛を持ち、どんなところでも上ることができる木陰良則。 相手の懐から物を抜き取る「懐中殺」の使い手、雲川セイラ。 どんな毒でも死なない体を持つ毒術使い、赤味敦彦。 手裏剣をはじめ小物を巧みに操り、敵を攻撃するくノ一、一ノ坂はるみ。 息継ぎなしで長時間水中活動ができる潜水術の名手、小岩瀬新八。 現代まで忍法を受け継いできた甲賀流忍者たちが、 最後に闘うこととなる、最強の敵集団とは!? 忍者たちの日常と活躍を描く連作ミステリ短篇集! -
泡の子
【21世紀生まれ初受賞/第48回すばる文学賞受賞作】 危険な小説だった。それでも、ここにある描写が好きだ。――田中慎弥氏(選評より) 新宿駅東口。退廃的で無秩序。 私はこの現実で、彼女のために何ができる――? 『王』と自称する男が捕まった時、七瀬は「あ」と言った。 私は、その幽かな叫び声を隣で聞いた。 ここはつまらない奴らばっかりがいる場所だけど、七瀬だけは違う。 だから、彼女の隣にいても息苦しさは感じなかった。 薬で強制的に引きずり込まれた夢の中でも、七瀬は現れる。 もしかしたら私は、彼女とこの場所に、まだしがみついているのかもしれない。 これは、2007年生まれの若き著者が贈る、 終わってる世界で生きている「私たち」の物語。 【著者略歴】 樋口六華(ひぐち・りっか) 2007年生まれ。茨城県在住。 2024年「泡の子」で第48回すばる文学賞を受賞しデビュー。 -
つぎはぐ、さんかく
【選考員満場一致!第11回ポプラ社小説新人賞を受賞作、待望の文庫化!】 惣菜と珈琲のお店「△(さんかく)」を営むヒロは、晴太、蒼と三人兄弟だけで暮らしている。ヒロが美味しい惣菜を作り、晴太がコーヒーを淹れ、蒼は元気に中学校へ出かける。 しかしある日、蒼は卒業したら家を出たいと言い始める。ヒロは、激しく反発してしまうのだが、三人はそれぞれに複雑な事情を抱えていた― -
※個人の感想です
無責任な言葉とわかっていても、振り回されずにいられないのが私たち。切れ味抜群、なのに愉快でクセになる全4編。 ――― not for me(is myself) フィットネス系YouTubeチャンネル「かなめジム」を運営するインフルエンサー・かなめは、読者モデル時代の同期の穂乃花から、信者のような熱量のおかしい人がコメント欄にいるから気をつけた方がいい、と忠告を受ける。いつでも正直に、ただ、伝え方に気を配って、優しく明るく発信をしてきたのに……。 純粋に疑問なんだけど 大好きな小説の編集部から「ノンフィクション部門 ネットメディア班」に異動し、インフルエンサーの書籍を担当するようになった若手編集者の野村。異動後はじめて出版のオファーをしたYouTuber・はしゆりは破天荒で、彼女のやることなすことすべて、野村にはわけがわからない。 「なんで怒らないんですか?」 「世間ずれしていない関さんの新鮮な感覚が必要」。衛星放送の番組制作も手がけるNPOで契約職員として働く関は、いまの職場環境に満足している。四十にもなって専門技術もない「平凡な主婦」を重宝して、新たな仕事まで任せてくれるのだ。ところがインターンに来ている大学生の小田嶋さんは、まったく異なる思いを抱いているらしい。 人の整形にとやかく言う奴ら アイドルオーディション番組に参加して、ファイナル一歩手前で落ち、韓国の事務所を辞めて日本に戻ってきて五年。「ダンスクイーン」由良すみれは今、地元の学習塾で事務職をしている。普通の生活を取り戻せて本当に良かったし、同時に応援してくれたファンの人たち全員を今も愛している。愛と感謝を伝えるために残しているSNSアカウントに、この頃不穏な空気が漂い始めた。 -
舞踏会(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第44弾は、文豪・芥川龍之介×イラストレーター・Sakizoのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 「私は花火のことを考えていたのです。我々の生(ヴィ)のような花火のことを」 鹿鳴館で行われる舞踏会に初めて参加した明子。そこで彼女は、あるフランスの海軍将校に声をかけられる。 芥川龍之介の名作が、ロマンティックな世界観や装飾をあしらったデザインが好評を博すイラストレーター・Sakizoによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
ヒポクラテスの困惑
感染爆発に付け込む悪意がセレブを喰い殺す。 2020年4月、コロナに感染したある富豪が急逝。 しかし男は“未承認のワクチン”を秘密裡に入手していた――。 光崎教授が暴く、男を死に至らしめた“悪”の正体とは!? 2020年4月。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、一人の女性が埼玉県警の古手川を訪ねる。彼女は、オンライン通販の創設者で現代の富豪、そして前日にコロナ感染症で急逝した萱場啓一郎の姪だという。 大金を払って秘密裡に未承認ワクチンを接種していた啓一郎がコロナで死ぬはずはない、本当の死因を調べてほしいと頼まれた古手川は、浦和医大法医学教室に解剖を依頼。 光崎教授が見出したのは、偽ワクチンによる毒殺の可能性だった――。 真実は死体に刻まれる―― 傑作法医学ミステリー第6弾! -
CF
元総理への凶弾と宗教問題。 刊行時に予言的作品とメディアを揺るがせた超問題作! 書評続々掲載! 読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞、共同通信、週刊文春、文學界etc. 脳が侵され、やがて全身が洗脳されていく。 人間とは、かくも弱い生き物なのか! (芳林堂書店高田馬場店 江連聡美) 超巨大企業・Central Factory(通称CF)は加害の責任、被害者の苦しみを取り除く「無化」を行い、人々を平穏な世へ導いてくれている。だが、人類最高のシステムに疑問を持つ男がひとり。男はCFへのテロを計画していた。なぜ男は夢の世界を壊そうとしているのか。その時、理想郷を壊されようとされている人々は……。予言的作品と話題を呼んだ物語が待望の文庫化。 -
砂男
ついに読める! 火村英生 幻の事件 都市伝説“砂男”を調べていた学者が刺殺された。 死体にはなぜか砂が撒かれていて……。 奇怪な殺人事件に火村とアリスが挑む表題作など、 これまで雑誌掲載のみとなっていた幻の〈火村シリーズ〉2作をはじめ、 〈江神シリーズ〉やノンシリーズの貴重な作品6編が一冊に! すべて単行本未収録。 江神二郎と火村英生が一冊で競演する、贅沢なミステリ作品集。 【目次】 女か猫か(☆) 推理研VSパズル研(☆) ミステリ作家とその弟子 海より深い川(★) 砂男(★) 小さな謎、解きます ☆……江神二郎シリーズ ★……火村英生シリーズ -
怪談禁事録 朝が来ない
禁忌を暴き、恐怖を浴びる! 見てはならぬモノ。行ってはならぬ場所。 禁忌には必ず隠された理由がある。それも恐ろしい理由が……。 ◆東北の寒村で年に一度山から下りてくる狐面の行列。訪いを受けた家は…「山からやって来るモノ」 ◆朝目覚めると娘の全身に無数の噛み傷。原因は一族の血筋に…?「狗神というもの」 ◆山陰地方の入山禁止の山。人を喰うバケモノが棲むと言うのだが、騙されて踏み入った少年は…「ころがりわらし」 ◆夜、海辺でキャンプをしていると、沖のほうから無人の小舟がやってきて…「舟葬」 ◆財布の中に突如現れ、忽然と消えた白い紙。翌日、彼女の世界は光を失ってしまい…「朝が来ない」 ◆夜、出かけて行く母と入れ違いに布団に入って来る老婆の歌う不気味な子守歌…「子守歌」 ◆古民家に使われていた立派な柱を新居に使ったところ起こる怪異。実はとんでもない曰くが…「大柱だけ残した」 ◆樹上で過ごすの恐怖の一夜。不気味な女が囁く「はむか、のむか」の意味とは…「サバイバルキャンプ」 他、著者渾身の取材による本能がアラートを発する最新最凶怪談全25話! -
慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー
角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー、待望の第3弾。有栖川有栖×霧に閉じ込められた学生たちの悲劇。北沢陶×大阪の商家で聞こえる、恨めし気な声とは? 背筋×集められた怪談から導かれる真相。櫛木理宇×あなたを追いかける謎の男。貴志祐介×姉の自死を怪しむ妹と叔父の心理戦。恩田陸×車窓から見える看板が描き出す恐怖。本書でしか読めない、夢の競演。ホラーの真髄がここにある! 有栖川有栖「アイソレーテッド・サークル」 北沢陶「お家さん」 背筋「窓から出すヮ」 櫛木理宇「追われる男」 貴志祐介「猫のいる風景」 恩田陸「車窓」 -
夏の匂いがする
【電子版巻末には岩倉しおり先生によるカバー用写真をそのまま収録!】 恋とも友情とも言えない同性に強く焦がれる気持ちを描く、 少女たちのひと夏の物語――。 「制服を着ているときにしか聴こえない夏の音や、大人にも子供にも見えない夏の映像を、私たちはちゃんと日々感じながら生きていた。」 ――瑠璃色を着ていた 「ねえ白、人はみんな、半分で生まれてくるのかもしれない。そしてその半分を、必死で埋めようとしている。」 ――植物姉妹 ……ほか、R-18文学賞優秀賞を含む、初期短編五篇を収録。 著者自らそれぞれの作品コメントも書き下ろしたファン必携の一冊。 -
ミステリな建築 建築なミステリ
名探偵は「事件」の謎を解き明かし、 小説家は現場となった「建築」の謎を解く。 『グリーン家殺人事件』(ヴァン・ダイン)が書かれてから九十六年、『黒死館殺人事件』(小栗虫太郎)から九十年、『虚無への供物』(中井英夫)から六十年。いまでも謎解きのミステリは世界中で書かれ続けています。 ミステリの核となるトリックは、事件の舞台となった建築にこそ隠されています。 また、時代が移り変わる中で、春風のように颯爽と登場した近代建築の中にも多くの思念と謎が秘められています。 この本では、前半に「鹿鳴館」「中銀カプセルタワービル」「水晶宮」などの近代建築から建築に潜むミステリを読み、後半では『Yの悲劇』『ねじれた家』『悪魔が来りて笛を吹く』などの名作ミステリから近代建築を論じます。 本格ミステリ「建築探偵桜井京介の事件簿」シリーズなどで有名な、建築を愛する小説家・篠田真由美さんが紐解きます。 建築に潜むミステリを、ミステリの鍵となる建築を解き明かす一冊。 -
ビタートラップ
「大好きなんです……」 女の告白、嘘か本当か!? 恋人は、中国のハニートラップだった! 月村了衛だから書けた「恋愛×スパイ小説」 普通すぎるふたりの 普通じゃない恋愛冒険譚! 「私は中国のハニートラップなんです」。 農林水産省で働くノンキャリア公務員の並木は、 恋人から突然、告白される。なぜぼくが? 警視庁公安部からは追尾され、 中国の国家安全部からは拉致される。 両国組織を欺くために、同棲を始めるが……。 何が真実で、誰を信じればいいのか。 「本気で好き」と語る彼女は信じられるのか――。 恋愛×スパイ小説の極北。 解説/藤田香織 -
特命捜査対策室
27年前の轢き逃げ事案、あれは〈殺し〉だったのか? 電気街・秋葉原に眠る“ある一族の秘密”が、時を経ていま目覚める―― 警察小説の巨匠・佐々木譲が描く未解決事件【コールドケース】 ◆あらすじ 1997年10月、神田明神下の路地で起こった轢き逃げ事案。被害者は秋葉原【アキバ】に根を下ろす一族経営の電器店の常務だった。 未解決のままだったこの事案に、2024年11月、〈殺し〉の可能性が浮上する。 警視庁捜査一課特命捜査対策室の刑事・水戸部と、地元・万世橋署の“やる気のない年上部下”柿本のバディは、電気街の歴史をかき分け真実をつかめるのか!? 主演・松重豊でドラマ化も果たした〈特命捜査対策室〉シリーズ、待望の最新刊! ◆シリーズ既刊 『地層捜査』 『代官山コールドケース』 (ともに文春文庫刊) -
神楽坂つきみ茶屋
★★★★★講談社文庫、2021年最初の勝負作★★★★★ 突然、事故死した両親に代わって、神楽坂の割烹「つきみ茶屋」を継ごうと決意する剣士。 幼馴染の翔太とワインバーへ改装しようと夢見るが、ある晩、翔太が代々伝わる“禁断の盃”で酒を飲んでしまう。 すると、豹変。 「おいおい、鮪の脂身なんざぁ、生で食ったら死ぬぜ!」 食べかけの大トロを窓から投げ捨て、見たこともない料理を作り出す。 これはまさか…江戸時代の料理!? なんと、翔太に江戸時代の料理人・玄の魂が憑いてしまったらしい! 果たして翔太は元に戻れるのか?そして「つきみ茶屋」の行方は――。 面白さ、天下一品!笑って泣ける絶品グルメ小説第1弾! ※シリーズ第2巻は2021年5月発売予定 -
DTOPIA
恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。ミスユニバースを巡ってMr.LA、Mr.ロンドン等十人の男たちが争う──時代を象徴する圧倒的傑作、誕生! 第172回芥川賞受賞作 安堂ホセは、物語の磁石を持っている。現実世界で排除された不都合で不穏でヤバい砂つぶてのような言葉を、暴力と倫理の磁石で吸い寄せ、反発させ、交渉させ、渦巻かせる。あらゆる倫理が覆され、暴力が吹き荒れている今、「暴力から暴を取りはずす旅」の物語が出現したことは、一つの事件だ。 読もう! 旅立とう! 旅によって運ばれるのは、あなた自身だ。 ──柳美里 いくつもの物語が交じり合い、壮大な展開が繰り広げられ、「失われた歴史」が復元されるラストに感動した。 ──高橋源一郎 強烈な皮肉とクールな文体。 私たちの眼差しを切り開く手術(オペ)のような小説。 どこへ連れていかれるのかわからず、ひと晩で読み終えた。 ──佐藤究 語りと構造、ストーリーの面白さの中に、資本主義や植民地主義、ウクライナ戦争やガザでの虐殺についての鋭い批判が、当然のように滑り込む。 極めて刺激的かつ、開放的。国境を越えて、世界にリコメンドしたい。 ──須藤輝彦 この小説を読むことは自らの感性を問い直すことである。 異性愛主義や人種という不適切なカテゴライズにあらがうための、必読の一作。 ──渡邉英理 典型的な物語に閉じ込められないための強烈な意志、ねじ伏せられない悪意と復讐がこれほどまでに徹底された作品はなかなかない ──水上文 -
だめになった僕
著者23年ぶりの書き下ろし長篇恋愛小説。 綾「私は初めて会った16年前から涼さんを愛し続けている」。涼「僕にかかわった者は、みんな死んでしまう。女も男も。僕が綾を愛しすぎているせいで」―― 音村綾(旧姓・上里)は30代半ば。現在は信州でペンション経営兼漫画家として活躍。夫・子ども・母と4人で暮している。 祥川涼。画家。40代後半。妻を失い、その後同棲していた女性とも別れ、現在は酒浸りの日々を送っている。 冒頭の「現在」では、綾のコミック発売記念サイン会のシーンの衝撃的事件から始まり、「1年前」「4年前」「8年前」「10年前」「12年前」「14年前」、そして二人が出会った「16年前」へと時をさかのぼり「現在」に戻る。謎とサスペンス、そしてストーカー小説の雰囲気も交えた〈究極の恋愛小説〉である。 この作品は、2001年に刊行された『もう切るわ』以来、23年ぶりの「書き下ろし」長篇! (底本 2024年10月発行作品) -
家族
動けなくなった家族は、誰が看るのですか? 自宅火災の跡から殺害された家族三人の遺体が出た。唯一生き残った長女は典型的なヤングケアラーだった。少子高齢化、認知症、貧困、格差、少年犯罪、教育――。日本が抱える問題は、すべて家族の問題につながっていく。いずれ誰もが直面する現実を描く問題作! 雑誌記者の笹山真由美は、若年性アルツハイマーを発症した父に付き添い病院を訪れた。彼女はその病院のICUで、頭に包帯が巻かれ、複数の管につながれた意識のない少女・美咲が流す涙を目撃する。美咲の家族は殺害され、自宅火災の焼け跡から遺体で発見されていた。事件を調べ始めた真由美は、美咲が典型的なヤングケアラーだったことを知る。重度の障害者の兄と認知症の祖母の面倒を、看護師の母にかわって一人で看ていた美咲が、衝動的に家族を殺して放火したと考える警察の見解に違和感を覚えた真由美が突き詰めた衝撃の真実とは……? -
悪霊物語(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第41弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・粟木こぼねのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 目で見てはちっとも美しくないけれども、手でさわれば、たまらない美しさです。 小説家大江蘭堂は、取材のため人形師のアトリエに赴いた。そこでは怪しげな老人と、想像を遥かに超える作品たちが彼を待っていた。 江戸川乱歩の名作が、映画のワンシーンを切り取ったような美しさを持つ作品で人気を集めるイラストレーター・粟木こぼねによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
ひとでなし
作家人生の集大成 嫌な気分は何もかもノートにぶちまけて、言葉の部屋に閉じ込めなさい。 尊敬するセミ先生からそう教えられたのは、鬼村樹(イツキ)が小学五年生の梅雨時だった―― 「架空日記」を書きはじめた当初は、自分が書きつけたことばの持つ不思議な力に戸惑うばかりの樹だったが、やがて生きにくい現実にぶち当たるたびに、日記のなかに逃げ込み、日記のなかで生き延び、現実にあらがう術を身に着けていく。 そう、無力なイツキが、架空日記のなかでは、イッツキーにもなり、ニッキにもなり、イスキにもなり、タスキにもなり、さまざまな生を生き得るのだ。 より一層と酷薄さを増していく現実世界こそを、著者ならではのマジカルな言葉の力を駆使して「架空」に封じ込めようとする、文学的到達点。 -
その怪異はまだ読まれていません
わたしはこの本を書くために、3名の人物に取材をおこないました。 彼らの身の回りでは不気味な出来事が起きているそうです。 「ワニみたいな生き物」がいるという通報、見えない何者かに付け回され噛まれている女性、放課後の理科準備室で発見したつきのうらがわのほん、コックリさんが流行ったとある学校…… みなさんも彼らの話を一緒に聞いてあげてください。 【目次】 #1 マヨイガ人間 #2 下水道に棲む白い…… #3 皮膚の下のかみおとこ #4 つきのうらがわのほん #5 いたかもしれない弟 #6 やとのさたことくぬし #7 うしのくびとわたし -
飽くなき地景
土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。家に伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール。 -
アーセナルにおいでよ
スタートアップ企業を立ち上げようと奮闘する4人の訳アリな若者たち。 『バッテリー』『NO.6』から連なる、著者4年ぶりの現代青春小説! 若者たちに、生きていく武器をちゃんと身につけてもらいたい。 そういう思いを込めて書きました。――あさのあつこ 今、注目の起業家たちからも、絶賛のコメントが寄せられました! 「社会を変えるのは常にはみ出しものたちだ。生きづらさを武器に戦う若者たちの、起業物語」 ――家入一真(株式会社CAMPFIRE 代表取締役) 「僕も、自分たちで生み出した、眩いばかりの閃光に人生を変えられた一人。これは初期衝動からしか生まれない奇跡の軌跡!」 ――片石貴展(株式会社yutori代表取締役) 「高校生が挑む、自分たちの居場所革命! 正解のない時代に、生きる希望をくれる一冊」 ――福田恵里(SHE株式会社代表取締役/CEO・CCO) 【あらすじ】 「おれ、今度、起業するんだ」 幼馴染で初恋の相手・甲斐から突然呼び出された高校3年生の千香は、その文章力と思索力を見込まれ、スタートアップのメンバーとしてスカウトされた。会社の名前は「アーセナル」。“武器庫”を意味するという。容姿にコンプレックスを持つ千香。中学生で不登校になった甲斐。詐欺に巻き込まれて逮捕歴のある陽太。バツイチのコトリ。それぞれの痛みを抱えたメンバーたちは、起業という一つの目標に向かい、生きる「武器」を手に入れていく。 ネットの中傷、不登校、詐欺など学校や社会に馴染めずドロップアウトした4人の若者たち、彼らが起業という一つの目標に向かい、奮闘し、生きる「武器」を手に入れていく、まさに現代に求められる、青春小説の新たなる傑作です。 【著者プロフィール】あさの・あつこ 岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991年『ほたる館物語』で作家デビュー。97年『バッテリー』で第35回野間児童文芸賞、99年『バッテリーII』で第39回日本児童文学者協会賞、2005年『バッテリーI~VI』で第54回小学館児童出版文化賞、11年『たまゆら』で第18回島清恋愛文学賞を受賞。他の著書に『NO.6』『ランナー』『火群のごとく』『透き通った風が吹いて』『野火、奔る』など多数。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの書き手として、幅広い世代に親しまれている。 -
僕たちの保存
メモリ16KBの青春がよみがえる。サブカル満載、大人のロードノベル 語り手“ゲンさん”「胃袋だけは十年前と同じで老けてないのかな」 年上の友人・武上さん「クラウドってのは、なんなの。なんか、たまに聞くけど」 その引きこもりの甥シンスケ「昭和のオタクは、足だけは丈夫なんです」 人気漫画家の亀谷さん「すごくいい話ですね」 ――新幹線、自転車、バス、テスラに乗って、おかしな一行は旅に出る。 震災被害者の形見のMSXパソコンが過去と現在をつなぎ、思いもよらぬ光が未来を照らす。 イーロン・マスクやホリエモンにはならなかった、あのとき無数にいた「僕たち」の物語。 千葉雅也氏推薦! 「何かが残る。残らないものもある。忘れられたものが回帰する。歴史とは、「どのように保存するかの歴史」だとも言えるし、文学もそのメディアのひとつだ。長嶋有の新作は、情報とモノの置き場が劇的に変わっていったこの約半世紀、すなわち「パソコン以後の世界」の本質を、静かに描き出そうとする。」 -
老いぼれを燃やせ
予言的ディストピア小説『侍女の物語』の著者が放つ辛辣なユーモア。老境の平穏からはほど遠く、未練と怒りまみれの高齢者らの紆余曲折を描く傑作短篇集! 「老いぼれを燃やせ」――老人ホームで暮らすウィルマは視力が衰え、幻覚症状が現れていた。踊り騒ぐ小さな人の群れが見えるのだ。ある日、米国の老人ホーム連続放火事件の報せが入る。やがて彼女の施設も暴徒に取り囲まれ……。「アルフィンランド」――ファンタジー小説シリーズで成功を収めたコンスタンスは、かつて恋人に酷く裏切られた経験があった。そんな彼女が仕組む復讐とは? 「蘇えりし者」「ダークレディ」とで三部作を成す。「岩のマットレス」――ヴァーナは退職後、北極圏クルーズ船で旅に出た。そこにいたのは、高校時代に彼女の人生を変えた男。これまで4人の夫を看取ってきた彼女は、ある計画を立て……。「フリーズドライ花婿」――インチキ骨董商のサムには妄想癖があった。自分が殺され女性医師に解剖されるところを思うと、心が癒やされるという。そんなサムがオークション用の倉庫で出くわしたものは? 人間心理の闇を見つめ、痛いほど的確に、強烈なユーモアをもって描き出す9つの作品を所収。予言的ディストピア小説『侍女の物語』の著者による傑作短篇集! -
死体で遊ぶな大人たち
取扱注意! 変な死体×本格ミステリ 作家デビュー30周年記念作品 不謹慎だがガチ本格の死体ミステリ! 「本格・オブ・ザ・リビングデッド」 夏の山荘で起きた惨劇。殺人犯はゾンビ!? 「三人の戸惑う犯人候補者たち」 「人を殺したかも」相談の内容は殺人で… 「それを情死と呼ぶべきか」 〈死者が生者を殺した〉密室心中の真相は!? 「死体で遊ぶな大人たち」 なぜ腕だけ別人に“すげ替え”られたのか? 「死体を有効活用すれば、ここまで奇怪な状況をロジカルに成立させられるのか! 著者が示した4態(シタイ)に驚嘆!」――村上貴史氏(書評家) -
エイレングラフ弁護士の事件簿
エラリイ・クイーンも太鼓判! ミステリー史上最高で最凶の弁護士マーティン・エイレングラフ登場! 不敗の弁護士エイレングラフは言う、 「私の報酬は法外ですが、有罪になったら一銭も支払わなくて結構。でもあなたが無罪放免となったなら、もし私が何もしなかったように見えても、必ず報酬を支払っていただきます」 そして依頼人は 必 ず 、無罪となる。たとえ真犯人であっても! エラリイ・クイーンが大いに気に入って雑誌に掲載した第一作「エイレングラフの弁護」から38年。アメリカン・ミステリーの巨匠ブロック(『八百万の死にざま』『殺し屋』)がじっくり書き継いだシリーズ短編を完全収録。本邦初訳の作品もふくむ全12編。これぞ珠玉。ブラック・ユーモアとヒネリとキレが絶妙にブレンドされた短編ミステリー集。 -
穢れた聖地巡礼について
フリー編集者の小林が出版社に持ち込んだのは、心霊スポット突撃系YouTuberチャンイケこと、池田の『オカルトヤンキーch』のファンブック企画だった。 しかし、書籍化企画を通すには『オカルトヤンキーch』のチャンネル登録者数は心許ない。企画内容で勝負するべく、過去に動画で取り上げた心霊スポットの追加取材を行うことに。 池田と小林はネットなどで集めた情報をもとに、読者が喜びそうな考察をでっちあげていく――。 ----------------------------------- (『オカルトヤンキーch』ファンブックより一部抜粋) 『変態小屋の真相判明!』 もともと変態が盗撮した写真のコレクションを保管するための場所ではないかという噂で有名だった当スポットだが、我々の追加取材によりここが実は全く別の目的で使われていたことが判明。 さらに動画内に映っていた一枚の写真が、とある女性の自殺直前に撮られたものであることを突き止めた。この写真に写った女性について、次項で詳しく考察していく――。 -
何かの家
その家には約束事がある。それは“決して一人で入ってはいけない”ということ――。 大学生の冬馬が夏休みに実家に帰省すると、父親から民俗学を学ぶ学生・雪穂のフィールドワークのためにある場所への案内役を頼まれる。そこは例の約束事がある家だった。目的地に向かう道中、雪穂は不思議な話をする。曰く、例の家には必ず誰か一人が囚われて、次の人が来ない限り永遠に出られなくなってしまう、というもので……。 ――これは、家にまつわるひと夏の物語。 -
殺人と幻視の夜
大学生・久守は触れた人の後ろ暗い秘密が視える幻視能力に、幼い頃から苦しんできた。しかしある日、美大生の佐伯に触れ、話題になっている残忍な連続殺人の犯行を幻視してしまう。この事件を止めるべく、懐に入り、証拠をつかもうとするものの、佐伯と交流を重ねるうちに、孤独だった久守は本当の絆を感じ始める。犯行を止めるため、能力を駆使する彼の友情は、どんな結末を迎えるのか? 一気読み必至のノンストップ・ミステリ! 『幻視者の曇り空 ―― cloudy days of Mr.Visionary』(二見書房)を改題・加筆のうえ、文庫化したものです。 -
猛獣ども
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「姦通」していた男女が熊に殺された—。 閑静な別荘地で起きた事件は、愛に傷ついた管理人の男女と、6組の夫婦に何をもたらしたのか。 愛の行方の複雑さを描く傑作長編! 「愛の行方」を書きながら、そもそも「愛」ってなんなのだろうとずっと考えていました。 自分にとって大切な小説になりました。 井上荒野 「このふたりは姦通していた」何度読んでも笑ってしまう。まるで私宛の手紙みたいだ。 —小林七帆 伽倻子と七帆はひと続きなのか? 結局俺は、伽倻子を愛したときから、ずっと同じことをしているだけなのか? —小松原慎一 そりゃあそうよね。男と女のことなんて、全部間違いみたいなものよね。 —柊レイカ ふたりはとんでもなくうまくいっている、幸せな夫婦なのだから、相手の挙動の変化には敏感なのだ。みどりはアトリエに忍び込むことになった。そして知った。 —神戸みどり テントの外には熊が、人食い熊がいるのだ。だが純一は、再び愛の体に没頭する。そう、愛に没頭するのだ。 —野々山純一 装丁 大久保伸子 装画 杉本さなえ -
若き見知らぬ者たち
★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 映画「若き見知らぬ者たち」 2024年10月公開予定 【出演】磯村勇斗×岸井ゆきの×福山翔大 【原案・脚本・監督】内山拓也 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 芥川賞候補「オン・ザ・プラネット」の著者が描き切る、鮮烈な人間ドラマ。 静かな怒りを、彩人は感じていた。 亡き父の借金。難病の母の介護。 先が見えない日々の中、昼も夜も働き続ける。 幾重もの困難に遭いながらも、弟や恋人、友人らの支えで、なんとか生活を送っていた。 だが、ある夜、思いもよらぬ暴力が降りかかる――。 目を背けたくなる痛みに対峙する、鮮烈な一作。〈文庫書下ろし〉 -
謎解きはディナーのあとで
「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」 令嬢刑事(デカ)と毒舌執事が難事件に挑戦!ユーモアたっぷりの本格ミステリ、ここに登場! 国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。 『風祭モータース』の御曹司である風祭警部の下で、数々の事件に奮闘中だ。 大豪邸に帰ると、地味なパンツスーツからドレスに着替えてディナーを楽しむ麗子だが、難解な事件にぶちあたるたびに、その一部始終を相談する相手は“執事兼運転手”の影山。 「お嬢様の目は節穴でございますか?」 暴言すれすれの毒舌で麗子の推理力のなさを指摘しつつも、影山は鮮やかに謎を解き明かしていく―― 書き下ろしショートショート収録! 2011年本屋大賞受賞、2011年 年間ベストセラー1位の大人気ミステリ! 櫻井翔&北川景子のW主演でドラマ化され、2013年には同キャストで映画化! -
復讐の泥沼
『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作 『レモンと殺人鬼』 の著者が放つ新たな衝撃 企みに満ちた 戦慄のサイコサスペンス 彼を見殺しにした男達を私は許さない 純真な愛の果て! (あらすじ) 古民家カフェの崩壊事故に巻き込まれ、一緒にいた盛岡颯一を喪った日羽光は、彼を見捨てた医療従事者らしき二人の男を探す。なぜ彼らは颯一を助けようとしなかったのか、問いたださねば気が済まなかったのだ。やがて光は男のひとりの身許を特定して接触を図るが、彼は突如として何者かに銃殺されてしまう。一方、もうひとりの男・薬師も光の行方を捜していた。戦慄のサイコサスペンス! (著者プロフィール) くわがきあゆ 1987年生まれ、京都府出身。京都府立大学卒業。第8回「暮らしの小説大賞」を受賞し、『焼けた釘』(産業編集センター)で2021年にデビュー。2022年、『レモンと殺人鬼』(宝島社)で第21回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞。 -
モノ
モノレールに乗る人、モノレールを支える人。一本のレールがつなぐ人間ドラマを、お仕事小説の名手が、あたたかい筆致で描き出す。 2024年に開業60周年を迎えた「東京モノレール」を舞台に描く、日本初「モノレール小説」出発進行! 【本書の目次】 *清藤澄奈 三十五歳 総務部 *梅崎初巳 三十歳 運輸部、乗務区乗務員 *水村波衣 二十五歳 営業部、駅社員 *杉本滋利 四十歳 技術部、施設区線路 *『東京モノライフ』 *あとがき *おまけ 【著者メッセージ】 東京モノレールさんはおもしろいなと、前から思っていました。浜松町から羽田空港までモノレールを走らせる会社。 とてもわかりやすいです。でもそのなかには、運転士のかたがいて、駅員のかたがいて、保守のかたがいて、総務のかたがいるはずです。 その全員を書きたいなと、あらためて思いました。 ちょっとお話を聞かせてもらえたらうれしいんだけどなぁ。 東京モノレールさん。予想を遥かに超えてきました。神対応というものがもしあるなら、まさにそれでした。 望んだ人全員のお話を聞かせていただくことができ、望んだ以上のものを見せていただくことができました。 (本書「あとがき」より) カバーイラストレーション/古屋智子 -
フェイクドキュメンタリーQ
現在、チャンネル登録者数28万人超。ホラー好きの間で「今一番キている」とされる、モキュメンタリ―ホラーというジャンルを築いたパイオニア的存在。個人撮影した恐怖映像が偶然見つかったという設定で、未編集の動画を流すスタイルのジャンルである。見ている人が恐怖の疑似体験ができる所が人気を呼び、ファンが数多くの考察をしているという点も特徴である。 テレビ制作スタッフが、呪いのビデオを追い求め死んでしまった様子が映った動画、『封印されたフェイクドキュメンタリ―』は、再生回数81万回。他にも、防犯カメラに映る、エレベーターで失踪した女性の映像、ドライブ中に、カルト教団に拉致される映像などが人気である。現在19本の動画を出しており、いずれも、20~80万回再生数を誇り、圧倒的な人気を博しているチャンネルである。 「呪いのビデオの現在の行方」「エレベーターに映る女性は防犯カメラに向かって何を訴えていたのか」 今回の書籍は、この人行方不明のテーマのもと、チャンネル内で再生回数の多い、『封印されたフェイクドキュメンタリー』『-(basement)-BASEMENT』『フィルムインフェルノ』『Sanctuary』等をもとにしたホラー短編集。 テレビスタッフを呪った、「見たら死ぬ呪いのビデオ」の行方を新たに発掘する様子を描いたり、エレベーターで失踪した女性がカメラに向かって訴えていたことを明らかにしたりといった内容が明らかに!? 考察好きの方にとって、答え合わせの要素も含んだ短編集。 さらには、動画未公開の書下ろし作品も2作品収録。 -
スミルノ博士の日記
天才法医学者ワルター・スミルノはある晩、女優アスタ・ドゥールの殺害事件に遭遇。容疑者として、かつての恋人スティナ・フェルセンが挙げられる。名探偵レオ・カリングの手を借り、不可解な謎に挑むのだが……。 本作はかつて小酒井不木訳で「新青年」に掲載されるや、江戸川乱歩・横溝正史ら戦前の日本人作家にも多大な影響を与えた。世界ミステリ史上にその名を刻む、探偵小説ファン必読の傑作本格推理長篇。 〈解説〉戸川安宣 【目次】 第1章 発端 第2章 糊づけにされたページ 第3章 警官第三一七号 第4章 偶然 第5章 尋問 第6章 「あなたの奥さんです」 第7章 犯行の時刻 第8章 三人目の客 第9章 新しい事実 第10章 レオ・カリング援助を求める 第11章 第二の銃弾 第12章 犯人の名 第13章 意外な展開 第14章 深夜の冒険 第15章 厚かましい侵入者 第16章 新しい証拠 第17章 手紙 第18章 犯人はだれか? 第19章 告白 第20章 レオ・カリングの付記 ドゥーセ今昔(宇野利泰) -
白薔薇殺人事件
ミステリ作家の卵であるアニーは、大叔母の住むキャッスルノール村に招かれた。大叔母は16歳のときに占い師から告げられた、いつかおまえは殺されるという予言を信じつづけており、大邸宅に住む奇妙な老婦人として知られている。屋敷を訪れると、大叔母は図書室で死んでいた。両手には血の痕があり、床には茎の長い白薔薇が落ちていた。予言が的中して自分が殺されてしまったときのために、大叔母は約60年をかけて親族や村人たちを調査していた。その膨大な調査記録を手がかりに、アニーは犯人探しに挑む。新鋭が贈る犯人当てミステリの大傑作!/解説=千街晶之
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