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Posted by ブクログ
ボッシュ・シリーズなのだが上下巻に分かれるわけでもなく、一冊だなんて珍しいなと思ったら、ニューズウィークのウィークリーマガジンに字数制限で連載された、いわゆる書き下ろしではないものだそうである。それでも改訂を重ね、ラストシーンは4版とも異なるなどの諸事情は訳者解説に詳しい。
国内では雑誌連載の作品が主流であり、書き下ろしはやや貴重な傾向があるのだが、海外では作家たちは十分に時間をかけて一作一作に集中した執筆活動を続けているのだろうと思うと、ちと羨ましくなる。
されマガジン連載用だからというわけではなかろうが、本作品は、いつものボッシュ・シリーズには見られないスケールで、テロが題材とされている。無論テロとなればロス市警などはお呼びでなくなるばかりか、捜査の現場からの締め出しを食らいかけるところ、ボッシュはエコー・パーク事件の活躍が実って未解決事件班から市警殺人課に復帰したばかり、その上若いキューバ系アメリカ人のパートナーの未熟かつナイーブな態度を持て余し、そのくせFBIのレイチェル・ウォリングとの捜査及び恋愛における丁々発止の賭け引きなど、その心情的な部分は多分に忙しくめまぐるしい。
捜査プロセスの緻密な駆け引きはいつもながらだが、そこに現場を自分のものにするために先んじて動いてゆくボッシュのベテラン捜査官ぶり(あるいは一匹狼ぶりというべきか)もスリリングで楽しい。
雑誌連載時にはなかったという犯人側のミスディレクション部分を見抜くボッシュの慧眼ぶりや、考えに考え抜かれた事件の底深さ、トリック、複雑な人間模様など、いつもながらのコナリー・ワールドは、いつもより短いながらも全開といえる。
事件は発生から解決まで12時間くらいなので、スピーディな展開であり、いつものようなじっくりこってり系というのではなく、リズムとテンポのいい娯楽性豊かな佳品に仕上がっている。
Posted by ブクログ
ボッシュシリーズ13作目。
ニューヨークタイムズマガジン(日曜発行)に連載されたものに加筆修整した作品。
そのせいか、スピーディでテンポがよい。
仕事中毒で目下恋人もいないボッシュ。
マルホランド・ドライブの東端、展望台で死体が発見される。
スタンリー・ケント医師。
跪いて射殺され、ギャングの処刑めいた状態だが。
ポルシェの中には奇妙な跡が…
レイチェル・ウォリングと半年ぶりの再会。
ケント医師は放射性物質に直接アクセスすることが出来るため、FBIのリストに載っていたのだ。
妻のアリシアが襲われてケント医師は脅迫されたことがわかる。
FBIとの縄張り争いが始まる。
展望台の上にマドンナが住んでいた家があり、ファンが訪ねてきて、事件を見ていたことがわかる。
目撃者の少年を隠すボッシュ。
新しい相棒はイグナシオ。
イギーと呼んでくれと言われるが、刑事という仕事の現場で、イギーは軽すぎるのではと違和感を覚えて、いまだに一度も呼んでいなかったが?
ハリー・ボッシュ・シリーズは、1992年の「ナイトホークス」を皮切りに、「ブラック・アイス」「ブラック・ハート」「ラスト・コヨーテ」「トランク・ミュージック」「エンジェルズ・フライト」「夜より暗き闇」「シティ・オブ・ボーンズ」「暗く聖なる夜」「天使と罪の街」「終決者たち」「エコー・パーク」、本書まで。
全部読んでるし、どれも水準は行ってるんだけど~題の印象が似ているので、どれがどれだか‥?
Posted by ブクログ
ジェフリー・ディーヴァーと並ぶ、お気に入りの作家。本書はその最新作。ツイストがあるのはディーヴァーと同じ。ただ、ディーヴァーほどあからさまではない。そして、主人公。本書のボッシュは孤高の刑事である。己に従えば従うほど、周りの人間が離れていく。男も女も。だから孤独。それでも生き方は変えられない。不器用といえば不器用だが、信念を持った男である。そこが、かっこ好くもあり悪くもある。とにかく根っからの刑事である。シリーズすべてを読んできて、頭の中にボッシュの生きている世界が出来上がっている。この一作だけをいきなり読んでも本シリーズの良さはわからないだろう。事件だけでなく、主人公ボッシュの出生から現在に至る身の上話も本シリーズの読みどころだからだ。
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