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先生と罪
『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作 『レモンと殺人鬼』著者の 狂気の学園サスペンス 「どんでん返しの新女王」が放つ ノンストップ反転劇! この学校には秘密がある。 犯人は生徒? 教師? それとも―― すべての真実は、 三年生の伝統行事 運命の夏合宿 で明らかになる! (あらすじ) 同僚の教師・岩本結衣からかかってきた「助けて、あおられてる」という死の直前の電話。以来、市立新畑中学校に勤める教師・如月晴の周りで不穏な出来事が起こり始める。嫌がらせの張り紙や、実家の周囲をうろつく男の影。岩本の代わりとして三年五組の担任となった如月は、クラスの問題児を抱えながらも奮闘するが……。すべての真実は学校の伝統行事である夏の宿泊学習で明らかになる――! 【著者について】 くわがきあゆ 1987年生まれ、京都府出身。京都府立大学卒業。第8回「暮らしの小説大賞」を受賞し、『焼けた釘』(産業編集センター)で2021年にデビュー。2022年、『レモンと殺人鬼』で第21回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞。他の著書に『復讐の泥沼』(以上、宝島社)、『美しすぎた薔薇」(新潮社)など。 -
人生最高ごはん
大晦日。仕事でくたくたに疲れて帰宅した瞳を迎えたのは、がらんとした室内。同棲をしていた彼氏が家を出たことを悟り、年末の人混みをかき分けるようにして駅へと向かう。彼氏の姿はもちろんなく、途方に暮れ泣き出す瞳。そんなとき、オレンジ色をまとった女性・乃果から声をかけられる。 「おいしいもの食べに行こう」。突然の誘いに戸惑う瞳だが、つらいときこそ食べなきゃ、と、太陽のようなあたたかい笑顔に思わず頷いてしまう。連れられて入ったレストランで出てきたごま豆乳鍋。その熱さと濃厚な旨さに、またどんどん涙がこぼれていく。こんなにも悲しいのに、ごはんがおいしいなんて――。そして、瞳は思った。「私、生きている」 大晦日に出会ったどん底の二人が「人生最高」のごはんでトラブルを乗り越える! やさしくおいしいご自愛ごはん小説 -
アンソロジー 極彩色の後宮
人気作家夢の競演! その大陸では、帝俊という神が崇められている。 帝俊は鳥の姿で世に現れ、泥の海から山河を造り、生きとし生けるものを生みだした。 帝俊はまた、五つの卵を産み落とした。五色の卵であった。卵から生まれた子らが、五つの国の境界を定めて、治めることとなった。王たちは、自らが生まれた卵の色を国の名に冠し、その色を貴んだ。 これは、五色を身に纏う者たちが繰り広げる、五つの後宮の物語である。 玉座を疎む青年王と破天荒な妃との出会いが国を動かす〈黄の国〉 敵対する部族間で育まれた絆は究極の選択を迫り…〈白の国〉 寵愛を一身に集めた妃の、死の真相とは〈青の国〉 貧しい村育ちの少女は、後宮で運命と出会う〈黒の国〉 皇后を目指す少女が出会ったのは他国のさえない文書係で…?〈赤の国〉 -
シュレディンガーの殺人者
ライターの田中永遠とオカルト雑誌『レムリア』の編集者・礎怜のコンビは、廃校となった元小学校に伝わる七不思議調査のため深夜の校舎に忍びこむ。ところがその場所を密かに拠点としていたテロリスト集団と鉢合わせし、捕まってしまう。永遠はそのうち一人から、ある人間の殺害と引き換えに、校舎から怜とともに解放するという密約を持ちかけられた──。やむを得ず殺人を犯す永遠だが、覆面探偵を名乗る人物に真相を暴かれ映写室に監禁される。だがそこは七不思議の一つ『時が戻る映写室』であり、気がつくと時間が殺人依頼の直前に巻き戻っていた。再び殺人に挑む永遠だったが、またしても失敗し……。鮎川賞作家が新たに挑戦する、トリッキーな長編ミステリ。 -
ここにいるよ
中日新聞、東京新聞など連載で感動を呼んだ話題作! 痛みよ、希望よ、届け 「能登は遅れている」――いわれなき非難に押し込められる小さな声。 「比べたら、あかん」教師・小野寺は、被災地の小学校で子どもたちやその親たちが抱える、苦悩と希望に向き合い続ける。 2024年1月1日16時10分――。巨大地震が能登半島を襲った。 その時、元教師・小野寺徹平は、かつての教え子が女将をつとめる旅館に滞在していた。おとそ気分は吹き飛び、恐怖と不安の中で迎えた「最初の夜」、小野寺はこれから始まる被災地の日々を思い、心が沈んだ。 阪神・淡路大震災で家族を失い、東日本大震災で応援教師として被災地の子どもたちを励ましてきた小野寺には、能登半島で被災した人々の長い苦悩の道が痛いほど分かったからだ。 つらく苦しい非日常との闘いが始まる一方で、社会からの関心は徐々に希薄になり、過去の震災の被災地と比べられ、「復興が遅い」「無気力」と責める声すら上がる。 小野寺は再び被災地で、子どもたちと向き合う決意をする。 -
京都くれなゐ荘奇譚
「二十歳までは生きられない」――という呪いをかけられてしまった長野の女子高生・澪(みお)。彼女の生家・麻績(おみ)家は代々、蠱師(まじないし)の一族であった。長野から出ることを禁じられていた澪だったが、家族に内緒で京都へ。そこで邪霊に襲われ、窮地に陥ったところを、なぜか澪のことを知っている様子の高校生・高良(たから)に助けられる。澪を心配して京都に駆けつけた従兄の漣(れん)とともに、蠱師ゆかりの下宿屋「くれなゐ荘」にたどり着いた澪だったが……。高良のことが気になる一方で、自らの呪いを解く鍵が京都にあると考えた澪は、長野から移り住む決意を固める。邪霊はなぜ澪を襲ったのか? そして澪と高良の関係は? 京都を舞台に、運命にあらがう少年少女たちの姿と、次々起きる不思議な事件の謎解きを描く、「後宮の烏」シリーズで人気の著者による呪術幻想ミステリー。 -
spring another season
HALの祭典、ふたたび。 シリーズ累計11万部 2025年本屋大賞にノミネートされた恩田陸の新たな代表作、 傑作バレエ小説『spring』への熱いアンコールに応えた待望のスピンオフ! けれど今、こうして僕らは一緒に踊っている。戦っている。 互いを理解するために、対話するために。 二人の神に近づくために。 本編『spring』では描ききれなかった秘められし舞台裏に加えて、深津、ヴァネッサ、ハッサン、フランツ、そして萬春自身はもちろん、永遠の師匠ジャン・ジャメやエリック・リシャールの教師コンビ、ロシア留学を果たした滝澤美潮など様々なキャラクターたちの気になる過去と未来を描く全12章の小説集。中編「石の花」ほかたっぷりの書き下ろし&『spring』刊行時に期間限定で公開された幻の一篇「反省と改善」をはじめ、これまでに明かされた『spring』のストーリーを余すことなく完全収録。 【電子書籍版には紙書籍版に収録されている「パラパラ漫画」は付きません】 -
名探偵オーウェン・バーンズシリーズ
各年末ミステリランキングにランクインした傑作! ・『2019本格ミステリ・ベスト10』 第2位 ・『このミステリーがすごい!2019年版』 第6位 ・「週刊文春ミステリーベスト10 2018」 第8位 ・カバーイラストはポール・アルテ氏自身の筆によるもの(日本語版だけ、日本の皆様だけのために)。 ・作品に出た怪事件のもとになったのは、アルテ氏自身の実体験。氏本人が撮った、その体験をした場所の写真をスケッチ風にした絵を本書の最後に収録。 ・ミステリ作家・芦辺拓氏による解説を収録。 ロンドンのどこかに、霧の中から不意に現れ、そしてまた忽然と消えてしまう「あやかしの裏通り」があるという。 そこでは時空が歪み、迷い込んだ者は過去や未来の幻影を目の当たりにし、時にそのまま裏通りに呑み込まれ、行方知らずとなる――単なる噂話ではない。その晩、オーウェン・バーンズのもとに駆け込んできた旧友の外交官ラルフ・ティアニーは、まさにたった今、自分は「あやかしの裏通り」から逃げ帰ってきたと主張したのだ! しかもラルフは、そこで「奇妙な殺人」を目撃したと言い……。謎が謎を呼ぶ怪事件に、名探偵オーウェンが挑む! -
ぼくには笑いがわからない
ナイチンゲールダンス ヤスさんから熱いコメントが到着! 「大学お笑いの解像度が高すぎる。 全員いた。 やっぱこれくらい拗らせとかなきゃ。」 朴念仁で惚れっぽい、でもめっぽう頭はいい京都の大学生・耕助は、 想いをよせる芸大生・百合子に自分が書いた論文を渡して気を惹こうとするが、 好きなタイプは「おもしろい人」「わたしのこと、笑わせてくれる人」と言われて撃沈。 おもしろいとはなにか、ぼくにはまったくわからないのだ―――。 百合子は学生漫才注目株のコンビ・ミーレンズが好きだと知り、 耕助は幼馴染の将吉とコンビを組んでM-1を目指すことにする。 まずは芸能養成所に入ろうとするが、苦学生で学費の支払い能力がないとみなされ落ちてしまう。 悩んで入った餃子屋で、副店長が売れない芸人だと知り弟子入りするが――。 -
京都辻占探偵六角
写真を撮る楽しみを教えてくれた、松原京介の不可解な死。離婚話で揉めていた彼の妻は、関与が疑われたものの、死亡時刻にはタクシーに乗っていた。どこをどう見ても、不運な事故としか考えられない状況だったが──恩人の死をその妻の仕業と確信した駆け出しカメラマンの安見直行は、祖母の助言によって六角法衣店を訪れる。店の主は代々京の辻や橋に立ち、道のさざめきから神託を受け、失せ物を見つけ出すことができるというのだ。直行は恩人の死亡事故を他殺と証明する証拠を探して欲しいと依頼するが、若くて無愛想な店主・六角聡明からは、けんもほろろに断られてしまう。だが、直行の撮った一枚の写真がきっかけで、六角は事件の証拠探しに協力を約束する。現代のガジェットによって構成された不可能犯罪を、緻密な論証で見事に解き明かす表題作ほか全五編を収録。第十六回ミステリーズ!新人賞受賞者による出色のデビュー連作集。/【目次】第一話 431秒後の殺人●これは計算尽くで偶然の可能性を限りなく必然に近くなるまで高めた――殺人事件だよ。/第二話 睨み目の穴蔵の殺人●最近、お客さんから「襖の武将の目が動いた、絵の中から睨まれた」なんて言われるんです。/第三話 眠れる映画館の殺人●幽霊でもない限り、無理やん? だって誰にも首を絞めたりする時間なんかなかったやんか。/第四話 照明されない白刃の殺人●オレ達がそいつの後を追って角を曲がるまでに、次の瞬間にはもう通りから姿が消えていたんだ。/第五話 立ち消える死者の殺人●この部屋に入院した人はな、夜中に攫われて二度と戻ってこられへんねんて。/著者あとがき -
警視庁強行犯係・樋口顕
捜査本部より速くSNSで犯人特定? 遺体を発見したのは南アジア国籍の男性。 インターネットでは彼の写真や住所が晒され、 犯人だと断定して死刑を求める声まで上がる。 情報が錯綜するなか、捜査員たちは――。 ヒーローは必ずしも一匹狼じゃない! 同僚とも家族とも絆が深い名刑事を描く傑作警察小説。 東京の世田谷区の工事現場で刺殺体が見つかった。第一発見者は、そこで働く南アジア国籍の男性。警視庁捜査一課の樋口班が捜査を進めるなか、SNSでは彼の実名が晒され、外国人であることを理由に犯人ではないかと疑う書き込みが投稿される。サイバー犯罪対策課と連携して投稿者の特定を急ぐ樋口。だが、それを嘲笑うかのごとく、発見者の顔写真と現住所まで投稿されてしまい、さらには逮捕や強制送還を望む意見まで出てくる……。かつてなく外国人排斥の風潮が強まり、フェイクニュースがあふれるなか、等身大の刑事・樋口は真実を掴むことができるのか。 -
哀を飲む
大ヒット作『二人一組になってください』、『神に愛されていた』…… ベストセラー作家・木爾チレンのデビュー15周年記念作品! 愛を失くした女子たちの、性と生についての痛切な短編集。 苦しくも美しい、哀と狂気を召し上がれ。 水のように無味無臭で掴めない男との日々「水みたいな人」、 明けない夜、名前も知らない恋人との関係に耽る「ジンジャーエールに似ている」、 私の体に飽きてきた彼氏に感じる切なさ「ぬるいラムネ」、 死んだ夫の骨を飲む妻の物語「骨を飲む」……など、全7話収録。 デビュー当時から現在へと繋がる、小説家・木爾チレンの軌跡を感じる珠玉の作品たち。 愛を手に入れた時の高揚感、そして愛を手放した時の喪失感、哀しみを飲み込む辛さなど、本書には恋愛が持つ美しさと苦悩と痛みが、瑞々しく描かれている。 これは、木爾チレンが描く「究極の愛と狂気」。 人生のほんのひとときくらいは、 哀しみを味わうのも悪くない。 ――飲み込んだ哀しみは、いつかあなたを生かす血肉になる。 【著者・木爾チレンさんからのメッセージ】 何かを失った哀しみというのは、飲み込んだところですぐに消えるわけじゃない。けれど、いつかは体のなかから出ていく。 だから、人生のほんのひとときくらいは、哀しみを味わうのも悪くないのかもしれない。 そんなことを考えながら、この短編集を編みました。この本が、誰かにとっての「生きる薬」になることを願っています。 ----木爾チレン -
犯人と二人きり
7つのミステリを横断する、著者初の短編集 面白い小説をお探しのあなた、この本はいかがですか? 謎が謎を呼ぶ、7つの怪事件…… ミステリー界のグランドスラム(江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞、このミス1位、週刊文春ミステリー1位)を達成した著者が放つ、驚天動地の短編集! 当代随一のストーリーテラーが贈る、最高のスリルとサスペンス! 驚愕の展開と見事な謎解き、そしてドンデン返し! ミステリーをベースに、ホラー、サスペンス、SF、ファンタジーなど、エンタテインメント小説のあらゆる要素を盛り込んだ、傑作短編の豪華詰め合わせ! 短編って、こんなに面白いんだ。 -
ぎんなみ商店街の事件簿
前代未聞の“パラレル・ミステリー”! 古き良き商店街で起きた不穏な事件に、三姉妹が挑む! 〈Brother編〉では、四兄弟が探偵役。手がかりは同じでも、導き出される真相はまったく別で……事件に隠された、もうひとつの真実を知るには〈Brother編〉との両面読みがオススメです! ぎんなみ商店街に店を構える「串真佐」の娘、佐々美、都久音、桃。ある日、近所の商店に車が突っ込む事故が起きた。運転手は、食べていた焼き鳥の串が喉に刺さり即死。詮索好きの友人を止めるため、都久音は捜査に乗り出す。まずは現場で目撃された謎の人物を捜すことに。(第一話「だから都久音は嘘をつかない」) 交通事故の謎を解いた三姉妹に依頼が。中学校で起きた器物損壊事件の犯人を捜してほしいという。現場には墨汁がぶちまけられ、焼き鳥の串が「井」の字に置かれていた。これは犯人を示すメッセージなのか、それとも?(第二話「だから都久音は押し付けない」) 「ミステリーグルメツアーに行く」と出掛けた佐々美が行方不明に!? すわ誘拐、と慌てる都久音は偶然作りかけの脅迫状を見つけてしまう。台風のなか、姉を追う二人に、商店街のドンこと神山が迫る!(第三話「だから都久音は心配しない」) ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ぎんなみ商店街の事件簿 ~Sister編~』 の文庫版となります。 -
夕闇通り商店街
神社の境内の先に、突然見えてくるのは「夕闇商店街」。 そこは幽世と現世の境目にある、あやかしたちが営む商店街。現世との境界があいまいになったときに、心が不安定な人間が導かれたように訪れるのだという。 眉目秀麗な店主がいとなむ『コハク妖菓子店』には、いっぷう変わった名前のお菓子が並び、迷い込んだ人間たちはついお菓子を手にしてしまうのだが―― -
私労働小説 負債の重力にあらがって
Don‘t Blame Yourself! セクハラ、パワハラ、カスハラ、人種差別に事なかれ主義やポジティブ教の上司まで。 ジョブには最低なものとの戦い(ワーク)がつきまとう。 ホールスタッフ、激安量販店の店員、屋敷の掃除人にローンの督促人etc. 「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々のシット・ジョブを軸に描く、自伝的小説にして魂の階級闘争。 「あたしたちは負債の重力に引きずられて生きている。」 だが、負債を返済するために生き続けたら人間は正気を失ってしまう。シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。 店員やケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。 他者のケアを担う者ほど低く扱われ、「自己肯定感を持とう」と責任転嫁までされる社会。自らを罰する必要などないのに。 働き、相手に触れ、繋がる。その掌から知恵は芽吹き、人は生まれ直し、灰色の世界は色づく。 数多のシット・ジョブを経た著者が自分を発見し、取り戻していった「私労働」の日々を時に熱く、時に切なく綴る連作短編集。 みんな誰かに負債を返すために生きている。それこそが、闇だ ■面倒を避け続ける職場では、いいことは悪いことになり、悪いことがいいことになる。 ■上から目線の人々は、あまりに視線の位置が高すぎて、その位置から下の人間の姿が見えてない。だけど、なんとなく下のほうに人がいる気配がするので、とりあえず声はかけておくが、相手の姿は見えないし声も聞こえないのだ。 ■嫌と言えない理由があるから貸すのであり、返さなくてもいいという暗黙の了解もあるのだ。こういう特殊な取り決めが成り立つ関係を、家族と呼ぶのだろうか。 -
三人書房
大正8年(1919年)東京・本郷区駒込団子坂、平井太郎は弟二人とともに《三人書房》という古書店を開く。二年に満たない、わずかな期間で閉業を余儀なくされたが、店には女優・松井須磨子の遺書らしい手紙をはじめ、奇妙な謎が次々と持ち込まれた──。同時代を生きた、宮沢賢治や宮武外骨、横山大観、高村光太郎たちとの交流と、数々の不可解な事件の顛末を、若き日の平井太郎=江戸川乱歩の姿を通じて描く。第18回ミステリーズ!新人賞を史上最高齢の69歳で受賞した著者による、滋味深い連作集。/【目次】三人書房/北の詩人からの手紙/謎の娘師/秘仏堂幻影/光太郎の〈首〉/文庫版あとがき/解説=辻真先 -
さよならの保険金
就活の最終面接の日、青森で漁師をしている父の船が遭難したという連絡が入った。家族と就職先を一度に失った桐ケ谷麻海は、東京で暮らす叔父・響介のもとに転がり込むことに。 居候としてなにか仕事をさせてほしいという麻海に、響介がかけた言葉は「掃除も洗濯も料理も別にやらなくていいから、俺の仕事をちょっと手伝って」。 響介の職業は、保険調査員。保険会社から依頼を受け、保険金を支払うにあたって不正や問題点がないか調べる仕事だ。 麻海は見習い調査員として詐欺が疑われる事案の調査をするなかで、生と死、お金にまつわる様々な家族の思いにふれていく。 -
燃ゆる頬(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第49弾は、文豪・堀辰雄×イラストレーター・粟木こぼねのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし こうして私の脱皮はすでに用意されつつあった。そしてただ最後の一撃だけが残されていた。 寄宿舎に入れられた十七歳の「私」。学友たちとの交流を通じて、彼の中に何かが生まれつつあった。 堀辰雄の名作が、映画のワンシーンを切り取ったような美しさを持つ作品で人気を集め本シリーズでは江戸川乱歩『悪霊物語』を担当するイラストレーター・粟木こぼねによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
祈りからさらに遠い町
この町では、誰もが何かを隠している。ほのかに希望が灯る、「再生」のダークファンタジー。戦後の復興から取り残されたある町の、“幽霊屋敷”と噂される家に、ある事情から引っ越すことになった、少女チィメイとその一家。トラウマから人とうまく馴染めないチィメイだったが、新しい学校ではアイリンという友達ができる。だが、町の人々は一家を不吉な存在として避け、家にも言いようのない不気味さが漂っていた。母であるメイは悪夢にうなされ、チィメイも奇妙な出来事に巻き込まれていく。ある日、チィメイは、アイリンと同級生のピンとともに、町と“幽霊屋敷”に隠された謎を暴こうとするが……。「火狩りの王」シリーズで大人気の著者、最新作! -
オリエンド鈍行殺人事件
この中に名探偵は…いません! 笑いと殺意とどんでん返しの傑作短編集 折田~遠藤間を結ぶローカル線、通称〈オリエンド鈍行〉の緊急停止した車内で死体が発見された! 居合わせた7人の乗客は犯人探しを開始する……が、かの名作とは違い、名探偵不在の車内で犯人が見つかるはずもなく、なぜか事件と無関係な問題ばかり解決されていき――。表題作「オリエンド鈍行殺人事件」他、笑いあり涙ありどんでん返しありの短編&ショートショート全10編。面白さ最上級! 【目次】 タイムスリップ・リアリティ 勇者たちのオフ 君のためなら死ねる ファーブル昆虫記を読んで オリエンド鈍行殺人事件 〈ショートショート〉 過保護 猫じゃらしとマイクロチップ 流れ星 こっくりさん 崖 -
神様の用心棒 ~うさぎは万聖節前夜にランタンを灯す~
長年守ってきた災いの石に亀裂が入り―― 時は明治――戦で命を落とした兎月は修行のため宇佐伎神社の用心棒としてよみがえり、日々参拝客の願いを叶えている。 ハロウィーンが近くなったある日、悪を封じ込めていた災いの石が、商人の手によって持ち去られた。 続々重版の大人気和風ファンタジー第七弾! ●目次 霧の島 影の兼定 神隠し長屋 幕間 小さな人 二 厄の卵 ●著者 富山県生まれ。駒澤大学卒業後、編集者、ライターを経て作家デビュー。 著書に『神様の子守はじめました。』(コスミック出版)、『あやかし斬り』(小学館)、『いろは堂あやかし語り よわむし陰陽師は虎を飼う』(KADOKAWA)など多数。 -
文豪の憂鬱な癖(へき)
『文豪ストレイドッグス(文スト)』の原作者・朝霧カフカ監修! 破滅願望、借金癖、薬物中毒、メンヘラ、少女趣味、不倫癖、酒乱、超甘党、重度の潔癖症、超短気――。 あなたは知っていますか? 日本の文学史に燦然と輝く文豪たちが、じつは驚くべき“癖(へき)"に囚われていたことを。 芥川龍之介や太宰治の目を疑うような破滅的な行動、夏目漱石や森鴎外の常軌を逸した食への偏執、川端康成や石川啄木の型破りな借金や金遣い、谷崎潤一郎や田山花袋の変態的な性癖など、35人の文豪がとり憑かれた衝撃の嗜好・性向・こだわり・性分を徹底的に深掘りします。 彼らの人間味あふれる“こじらせ"エピソードを読めば、きっとあなたも彼らの新たな魅力に気づくはず! [目次] 【第1章】破滅や衝動の癖(へき) 生きるべきか「死ぬべきか」……生涯の大問題 -------------------------------------- 芥川龍之介 「唯ぼんやりした不安」 狂気に囚われることに怯え自死を選んだ不世出の天才 太宰 治 「死にたがり」の意気地なし 人を恐れ、死を恐れ、そして愛を恐れて人間失格 有島武郎 最期は人妻と縊死心中 追いこまれた理想主義者の愛のカタチ 坂口安吾 “堕落"に憧れた革命児 破天荒にも見える生き方は敏感と繊細の裏返し 【第2章】嗜好や偏愛の癖(へき) 選ばれし者たちがハマった奇妙なこだわり -------------------------------------- 夏目漱石 ジャムを舐めすぎてドクターストップ? 吾輩は“超超超甘党"である 森 鴎外 ドイツで衛生学を学び潔癖症をこじらせて悪食に 饅頭茶漬けを好んだ文豪 志賀直哉 生涯の転居数は20回以上 居住地を作品に昇華した小説の神様の引越し癖 江戸川乱歩 エロ・グロ・ナンセンスとフェティシズムに彩られた 探偵小説の草分け 檀 一雄 原稿なんてそっちのけ? 頭の中は料理・料理・料理 火宅の人は“料理人" 安部公房 ワープロをいち早く導入 最新テクノロジーを偏愛しノーベル賞に近かった男 澁澤龍彦 サドを広めた博覧強記な文学者の 純粋無垢なガラクタ蒐集 【第3章】依存や中毒の癖(へき) ワラにもすがる思いに呑まれて泥沼に -------------------------------------- 中原中也 度を越した“ダル絡み" 酔うとケンカをふっかける酒に溺れた天才詩人 石川啄木 近代短歌のパイオニアは無類の女好きで借金魔 川端康成 ギョロッとした目で威圧し ためらいなく借金しまくるノーベル文学賞作家 梶井基次郎 檸檬を置いた文学青年の繊細なイメージとは対照的 野蛮でがさつな酒乱 直木三十五 大衆文学の評価を高めたが 行き当たりばったりで借金まみれの濫費ヤロウ 【第4章】恋愛や性欲の癖(へき) プラトニックからフィジカルまで恋の呪縛 -------------------------------------- 谷崎潤一郎 文体を巧みに操る耽美派は 女性に踏まれたがるドMな足フェチ 国木田独歩 武蔵野の林を愛した自然主義文学の先駆者は 重度のメンヘラ気質 田山花袋 “蒲団"の匂いを嗅いだ? 少女趣味でストーカーで髪の匂いフェチな妄想家 岡本かの子 年下男子からモテモテ「一妻多夫」の女人ぼさつ 織田作之助 二股上等!! 浪速のモテ男に同居する クズなたらしこみと一途さ 与謝野晶子 嫉妬の炎に身を焦がす情熱の歌人はダメ夫フェチ 永井荷風 付き合った女性の経歴や花街に通い詰めた日乗を 事細かに書き留めた女好き 樋口一葉 24歳の若さで逝った“こじらせ女子"の初恋が 「奇跡の14カ月」として結実 島崎藤村 恋愛対象は生涯ずっと20代 姪まで妊娠させた写実派作家の恋愛暴露癖 宇野千代 規格外れの楽観主義者 天真爛漫な恋愛体質で百歳近い生涯を生き抜く 【第5章】気質や性向の癖(へき) “偏執"の深淵を覗き続けたからこその習性 -------------------------------------- 三島由紀夫 仮面の下には劣等感? 筋肉フェチで美を追求 尾崎紅葉 親分肌で多くの弟子を育成 日本初の文豪は超短気な江戸っ子気質 泉 鏡花 日本酒は煮立たせて飲む 幻想文学の大家は胃弱で度が過ぎる潔癖症 菊池 寛 文藝春秋の創業者は 天性のお人好しでお金をばらまくおごり魔 折口信夫 極度の潔癖症に女性恐怖症、異常な量の食料備蓄…… “マレビト"の執着と執念 夢野久作 怪奇幻想小説の奇才が抱く父親への強い愛着と依存 宮沢賢治 作品には最愛の妹の影 禁欲・独身主義の天才童話作家はシスコン? 北原白秋 思い込んだら一直線 誌上で周囲にケンカを売る“激情癖"の詩人 中島 敦 謹厳で繊細な作風とは真逆 短編の名手の放蕩人生と主体性のない“流され癖" -
店長がバカすぎて
カリスマ書店員・谷原京子は、長いスランプが続いていた。そんな中、「おもしろい本の話と店長のグチを言い合える」唯一無二の元同僚・磯田さんの結婚式が行われた。京子の心配をよそに、マイクを握りしめ、颯爽と燕尾服を脱ぎ捨てた山本店長が高らかに歌う――その一週間後、磯田さんが京子を訪ねてきた。「谷原さんにはこれからもちゃんと戦い続けてもらわないと困るんです、書店を守ってもらわなきゃ」という彼女の言葉に、京子は複雑な気持ちに駆られる。ぶっ飛んだ店長や書店を取り巻く厳しい状況と日々闘いながらも、自らの人生と書店の未来を切り開いていこうとする京子だが…… -
渋谷神域
YouTube累計再生数1.3億回超。 都市伝説界の異才が描く、初小説。 ======================== 「この世界とは違う世界って、あると思いますか?」 ある日、SNSで突如トレンド入りした 「#神隠し」 「#記憶喪失」 のワード。 渋谷を中心に、謎の失踪を遂げた若者たちの証言。 彼らの共通点から浮かび上がってきたものとは──。 舞台は、誰もが知るはずの渋谷。 スクランブルスクエア、キャットストリート、明治神宮…… 現実と異世界のゆがみが、静かに交差をはじめる。 あなたの“記憶”も試される、新感覚ミステリー。 読み終えたとき、街の見え方が180変わる。 【物語の舞台を歩いて追体験できる「特製地図」付き】 -
いまこそガーシュウィン
シリーズ累計180万部突破! 暗殺者の標的はコンサート会場に! 流れるのは憎しみの血か感動の涙か。 石塚真一さん(漫画家/『BLUE GIANT』) 音楽と人生の接点のドラマ、それ自体が音楽みたい……。 怒涛のラストはジャズのソロのようだった。 菊池亮太さん(ピアニスト・作曲/編曲家・YouTubeクリエイター) 想いは人種-ジャンル-を超え、重なり合う旋律となる。 それぞれの人生が交差する展開はセッションのよう。 【著者について】 中山七里 なかやま・しちり。一九六一年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』にて第八回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞し二〇一〇年デビュー。ほかの著書に『いまこそガーシュウィン』『連続殺人鬼カエル男』『総理にされた男』『護られなかった者たちへ』『境界線』(以上、宝島社)、『能面検事』(光文社)『氏家京太郎、奔る』(双葉社)、『棘の家』(KADOKAWA)、『ヒポクラテスの困惑』(祥伝社)、『作家刑事毒島毒島の暴言』(幻冬舎)、『彷徨う者たち』(NHK出版)など多数。 -
大仏ホテルの幽霊
韓国社会の〝恨〟を描くゴシックスリラー 物語の舞台は、1950年代後半、朝鮮戦争の傷跡が生々しく残る、朝鮮初の西洋式「大仏ホテル」。朝鮮半島に外国人が押し寄せた時代に仁川に建てられた実在のホテルである。 アメリカ軍の無差別爆撃で家族を亡くしたチ・ヨンヒョンは仁川の港で泊まり客を大仏ホテルに案内する仕事をしていた。雇い主は同い歳のコ・ヨンジュだ。ヨンジュは苦労して英語を習得し、大仏ホテルの後身である中華楼での通訳を経て、再オープンした大仏ホテルの管理を任される一方で、アメリカ行きを虎視眈々と狙う。中華楼の料理人のルェ・イハンは、韓国人からヘイトの対象とされる華僑の一族のひとり。かつて栄華を誇った大仏ホテルも、今や中華楼三階の客室三室とホールだけの営業となった。悪霊に取り憑かれていると噂される大仏ホテルに、ある日、シャーリイ・ジャクスンがチェックイン。エミリー・ブロンテも姿を現し、運命の歯車が回りだす。 伝播する憎しみ、恨み、運命を変えたい人々、叶えたい想い……。スリリングな展開と繊細な心理描写によって、韓国社会の通奏底音である「恨(ハン)」を描ききり、最後は大きな感動に包まれる、著者の新境地。 -
リマインダーズ・オブ・ヒム あなたの遺したもの
悲痛でありながらも希望に満ちた物語。 最愛の人を失い絶望したカナが、5年間の服役を終え向かったのは、獄中で出産した娘のもとだった。世界的ベストセラー作家が贈る感動作! 悲劇的なあやまちのために5年間服役したカナは、4歳の娘との再会を願って、すべてがうまくいかなかった町に戻ってきた。しかしすぐに、過去を修復することがいかに困難であることがわかってくる。娘の人生に関わる誰もが、カナがどんなに努力しても、彼女を締めだそうとしてくるのだ。唯一、カナを完全に拒絶しないのは、地元のバーのオーナーで、カナの娘がなつくレジャーだけだ。ところが、レジャーとカナがお互いの気持ちを確かめあい、親しくなることは、どちらも大切な人たちからの信頼を失う危険があった。二人が未来を築くためには、過去のあやまちの許しを得る方法を見つけなければならなかった。 -
ライアーハウスの殺人
孤島に聳え立つ来鴉館で 嘘つきたちの饗宴が始まる お嬢様・彩莉は転がり込んできた莫大な遺産で孤島にギミックつきの館を建設し、かつて自分の書いた小説を馬鹿にした相手を殺害しようと企てる。 「おまえらがバカにした私の考えたトリックで死ね」 嵐の気配が近づく中、ターゲットのミステリ愛好者たち(ショーゴ、詩音)、医療関係者(みくに)、刑事(矢頭)、霊能者(真波)、嘘で雇われたメイド(アリカ)が館に集められ、金にものを言わせた自前のクローズドサークルが完成。有能メイド・葵の鬼のダメ出しの末、綿密に練られた復讐劇は、成功間違いなしと思われた。しかし、一夜明けると、彩莉が殺した覚えのない死体が転がっていた・・・・・・。 二度読み必至。空前絶後の超本格ミステリ!! 織守きょうや(おりがみ・きょうや) 一九八〇年ロンドン生まれ。二〇一二年『霊感検定』で第一四回講談社BOX新人賞Powersを受賞、翌年同作が刊行され、デビュー。一五年『記憶屋』で第二二回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。二一年『花束は毒』で第五回未来屋小説大賞を受賞。著書に『黒野葉月は鳥籠で眠らない』『ただし、無音に限り』『響野怪談』『朝焼けにファンファーレ』『隣人を疑うなかれ』『キスに煙』『まぼろしの女 蛇目の佐吉捕り物帖』『戦国転生同窓会』がある。 -
極北の海獣
18世紀ロシア、19世紀アラスカ、現代フィンランド……絶滅した海獣ステラーカイギュウを巡り3つの時代に生きた人々が、時空を超え繋がる。史実に基づいた息を呑む冒険譚。各国話題の書! ◆川端裕人さん推薦!!◆ 絶滅した生きものをめぐって、もはや四散しつつある記憶を掬い上げる。 著者の丁寧な語りは、静謐にして緊密だ。 魅了された読者は、自分自身、その静かな残響の一部となっていることに気づくだろう。 ここに絶滅文学の精髄がある。 (内容紹介) 「滅びたものと相まみえてみたいと、だれもが一度は夢見たのではないだろうか」 18世紀のロシア極東カムチャツカ半島(第1部)、19世紀アラスカ南東部(第2部)、現代フィンランドの自然史博物館(第3部)……300年の時を超えて、今はなき巨大海棲哺乳類ステラーカイギュウをめぐる、史実をもとにした息を呑む冒険譚。 葛藤を抱えその再生に情熱を燃やす人々が、いま歴史を変えるーー。 フィンランドですぐれた新人作家の作品に贈られるヘルシンギン・サノマット文学賞受賞&28言語で刊行のベストセラー。 消滅した世界を悼み、文学が弔う壮大な物語。 日本語版装画:ミロコマチコ 装幀:大倉真一郎 【目次】 第1部 栄光か、破滅かーー1741~〈ロシア極東・カムチャツカ半島〉 第2部 征服ーー1859~〈アラスカ南東部〉 第3部 命あるものたちーー1861、1950、2023〈フィンランド・ヘルシンキ〉 【訳者あとがきより】 登場人物それぞれが、時代によって課された制約の中で、 もがき、苦しみ、苛立ち、また喜びに震える、 その心のありようがいきいきと描き出される。 そして、互いに出会うことはない人々の思いが、 ステラーカイギュウを介して時空を超えて交差するとき、 読む者の胸に深く響く物語が立ち現れる。 (略)どれほど資料を集めても埋めきれないもの、 それは実際にその時代を生きた人々の心の襞であり、 そこを想像の力で補って骨太な作品世界を構築した著者の、 作家としての手腕は確かなものだ。 -
松籟邸の隣人(一) 青夏の章
明治時代の湘南といえば、大磯だった! この地には、明治20年代後半から、伊藤博文、大隈重信、陸奥宗光などの大物政治家や、岩崎弥之助など経済人が別荘を建て、そこを目指して多くの人が集まるようになった。また大磯は、日本初の海水浴場として、老若男女が集う一大リゾート地だったのである。本書は、この地をこよなく愛し、後に宰相となる少年・吉田茂と、謎の隣人・天人(あまと)の二人が、別荘地で起きる様々な事件を解決していく連作活劇ミステリー。茂が少年時代を過ごした吉田家の別荘は、父・健三によって「松籟邸」と名付けられていた。一方、隣人・天人が住んでいたのは、瀟洒な洋館。アメリカ帰りとも思えるこの若者は、一体何者なのか。そんな天人によって人間性を育まれた茂は……。『天離(あまさか)り果つる国』で注目を集めたエンタメ作家が、虚と実を巧みに織り交ぜて紡ぎ出した「明治浪漫」。 -
南アルプス山岳救助隊K-9
南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ、 徳間文庫10巻目! 南アルプスを飛び出し、静奈、アメリカへ! 山小屋のアメリカ人スタッフが秘めた暗い過去とは? 好評山岳ミステリー最新作! いつも陽気な北岳白根御池小屋のアメリカ人スタッフ、ニック・ハロウェイの元気がない。 親友のピーターがアメリカ・ヨセミテのスルーハイク途中で亡くなり、 アメリカに戻らなければならないという。大学時代、二人は国家機密にかかわる国防関係の組織に所属していた。 だが組織は抹消、メンバーの大半が不審死を遂げる中、 ニックとピーターだけが国外に脱出できたのだ。 ピーターは夢だったヨセミテからマウント・ホイットニーまで続く 「ジョン・ミューア・トレイル」単独制覇のためアメリカに戻り、 旅の途中で”事故死”したという。 アメリカに戻れば命の危険にさらされる。 それでも親友に代わりスルーハイクを成し遂げたいというニックに、 山岳救助隊の神崎静奈は同行を申し出る……。 【文庫書下し】 -
メアリ・シェリー:『フランケンシュタイン』から〈共感の共同体〉へ
北村紗衣さん推薦! SF/現代ホラーの産みの母の人生 『フランケンシュタイン』はメアリ・シェリーが十代で執筆した代表作だが、人口に膾炙している怪物の視覚的イメージが先行しているからか、この物語が誕生した伝記的な背景は、この有名すぎる作品ほどは知られていない。 メアリ・シェリーの作家人生は、彼女の両親である急進派思想家のウィリアム・ゴドウィンとフェミニズムの先駆者と呼ばれるメアリ・ウルストンクラフトの出会いから宿命づけられていたといえる。 本書で綴られるメアリ・シェリーの伝記的な情報は、『フランケンシュタイン』の思想のバックボーンと彼女が生み出したほかの小説や旅行記とどのようなつながりがあるかを理解するうえで、不可欠なものである。 メアリが実人生で体験する苦しみ――産褥熱による母の死、流産、夫パーシー・シェリーの死、生き残った一人息子をめぐる義父との協議など――と『フランケンシュタイン』以降のメアリ・シェリーの思想と行動も瑞々しい筆致で描かれている。 女性作家として、あるいはシングルマザーとして直面した問題意識がいかに形成され、作品として結実したか、余すことなく論じた記念碑的名著! [目次] 謝辞 第1章 遺産 第2章 ゴシックの叛逆 第3章 『フランケンシュタイン』 第4章 初期の女性の語り手──『フランス、スイス、ドイツ、オランダの一地域をめぐる六週間の旅行記』、『マチルダ』(一八一七~一八二一年) 第5章 『ヴァルパーガ』、『最後のひとり』、『パーキン・ウォーベックの運命』、そして新たな『フランケンシュタイン』(一八二一~一八三一年) 第6章 最後の仕事、一八三五~一八四四年 訳者解説 読書案内 図版一覧 訳注 -
情熱
情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ。 40年ぶりに再会を果たした同級生のカメラマンとスタイリスト――「兎に角」 「ボケたら関係解消」が条件で、生活をともにする70代ホストと美容師――「ひも」 遅咲き小説家と、過去をあかさぬ女性大学教授――「情熱」 ほか、全6編。 直木賞受賞作『ホテルローヤル』、中央公論文芸賞受賞作『家族じまい』に連なる、静かな大人たちの物語。 【著者略歴】 桜木紫乃 さくらぎ・しの 1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞受賞。07年同作を収めた『氷平線』で単行本デビュー。13年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、同年『ホテルローヤル』で第149回直木賞、20年『家族じまい』で第15回中央公論文芸賞を受賞。ほかに『ブルース』『裸の華』『緋の河』『ヒロイン』『谷から来た女』『青い絵本』『人生劇場』など著書多数。 -
青の純度
その「青さ」は、本物か――? 最年少で管理職となり、仕事一筋で駆け抜けてきた編集者・有沢真由子。 五十歳の誕生日を迎え、つかの間の息抜きに訪れたリゾートホテルで、彼女は一枚の絵画と出会う。 ジャンピエール・ヴァレーズ――バブルの時代に煌びやかな海中画で大衆の心を掴み、一方で当時悪質商法が話題にもなった、“終わった画家”。 かつて鼻で笑っていた彼の絵に、不覚にも安らぎを覚えた真由子だったが、ほどなくして都内の外資系ホテルでヴァレーズの原画展が行われるという情報を得る。 なぜ今再び、ヴァレーズなのか? かつての熱狂的ブームの正体とは? 違和感を手繰り、真由子は単身ハワイの地を目指す――。 煌びやかな「バブル絵画」の裏に潜んだ底知れぬ闇に迫る、 渾身のアート×ミステリー大長編! 【著者略歴】 篠田節子(しのだ・せつこ) 1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。97年『ゴサインタン』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、09年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞、2020年紫綬褒章を受章した。他の著書に、『夏の災厄』『弥勒』『ブラックボックス』『長女たち』『失われた岬』『セカンドチャンス』『四つの白昼夢』『ロブスター』など多数。 -
笑う四姉妹 ひとつの庭と四つのおうち
読後、きっとこの笑顔に涙する。 「ゆずのお母さんたちってドラマチックじゃん。この世知辛い東京で、一つの土地に、四人姉妹がそれぞれ家を建てて住んでたんだよ?」。幼馴染みの稲葉亜子に問われ、そんな大げさなと返す信濃ゆず。 漫画家の亜子は最近仕事に行き詰まっており、ゆずの母と三人の伯母たちの話を聞きたいらしい。すると、二人のそばにいた老女がにっこり笑い、ゆっくりと四姉妹の過去を語りだし――。 父の失踪、巨額の借金、仕事と結婚、そして老い。人生はままならないが、四姉妹はいつも笑っていた。七十年以上の時をこえ描かれる家族の物語に涙が止まらない、著者渾身の感動作。 -
奇妙な家についての注意喚起
この本は、作家である私、夢見里龍が収集した「奇妙な構造をした家の体験談」を小説の形に書きおこしたものです。発端は小説投稿サイト上のエッセイでした。「生活をするのに不便はない。欠陥住宅というわけでもない。でも、明らかに奇妙な家なんです」それは〈排水口がすべての部屋にある家〉に住む主婦の投稿でした。以来、私はネットで見つけた奇妙な家群を「ひらく家」と名づけ、親交の深かった読者のヤモリさんと考察を語らうようになりました。ネット上の記述なので、全てはフィクション。そう考えていたんです。でも、ある体験をして気づきました。これらの家は本当に存在すると。私は本書を通じてみなさんに警戒を促します。あなたは今、「ひらく家」に住んでいませんか? -
9人はなぜ殺される
ある日、アメリカ各地の9人に、自分の名を含む9つの名前だけが記されたリストが郵送されてくる。差出人も意図も不明。受け取ってすぐに捨てた者もいた。だがその後、リストの人々が次々と死に始める。まずホテル経営者の老人が溺死。そして翌日、またひとり、男性がランニング中に射殺される。FBI捜査官のジェシカは、残りの人々の特定を進める。自分も、死んだふたりと同じリストを受け取っていたのだ。次は誰が殺されるのか? 職業も居住地も違う9人のつながりは何なのか? 驚愕の展開の連続で読者を翻弄しつづける極上のサスペンス!/解説=古山裕樹 -
昭和探偵物語
『永遠の仔』『悼む人』……感動を送り続ける著書の進化、一大エンターテインメント誕生! ビートルズが日本を訪れてコンサートを開いた一九六六年。昭和四一年。日本の片隅で、或るおぞましい事件が起きた。私にとっては、忘れがたい……というより、いまなお当時の光景といい、匂いといい、感触といい、生々しい記憶で胸が焼かれるような想いがする事件である。加えて、あの悲しみに満ちた出来事には、表向き解決した内容――すなわち、裁判になったり、新聞記事になったりした事実とは、また別の驚くべき真相がある。たとえば被害者の数は、公表された数よりも、はるかに多かった。――「プロローグ」より -
電報予告殺人事件
ヴィクトリア朝大英帝国の巨大情報網の核となった電信事業。それを担う一員である電信士ローラ・テンパートンは、仕事と家庭を持つという夢の間で悩む日々を送っていた。ある晩、彼女は電信局を訪れた局長アクトンの甥ネイト・ホーキンスを案内するが、アクトンは密室と化した局長室で死体となって発見された。容疑者と目されたネイトの無実を確信したローラは、自らの職能を活かして調査に乗り出す。翌日、警察署には謎めいた電報が届くが、そこには被害者アクトンともう一つ別の名が記されており……。本格ミステリならではの趣向を随所に凝らした第三十三回鮎川哲也賞受賞第一作。 -
無気力探偵 ~面倒な事件、お断り~[完全版]
「事件らしいけど、俺は早く家に帰りたい」 無気力な高校生探偵が難解な謎に挑む青春ミステリ! 高校生の霧島智鶴はたぐいまれな推理力を持ち、どんな無理難題も解決できる天才。だが、めんどくさがりな性格から無気力に過ごしていた。ある日、彼は殺人事件の第一発見者に。そして落ちこぼれ刑事・熱海の推理を聞き、思わず口を出したことで、協力するはめに……。やがて、明かされる切ない過去とは――。 いま注目のミステリ作家の伝説的デビュー作が、加筆修正、さらに書下ろしの番外編も追加した完全版として復活! ●目次 プロローグ 第一章 ダイイングメッセージはいつの時代もY 第二章 割に合わない壺のすり替え 第三章 限りなく無意味に近い誘拐 第四章 どことなく無謀なハウダニット 第五章 霧島智鶴のコールドケース 番外編 答えのない日常の謎 単行本版のためのあとがき ●著者 1998年、富山県富山市生まれ。埼玉県在住。高校在学中に、『無気力探偵 ~面倒な事件、お断り~』(小社刊)で商業出版デビュー。 著書に『案山子の村の殺人』(東京創元社)、『ルームメイトと謎解きを』(ポプラ社)、『家政夫くんは名探偵!』(小社刊)がある。 -
終の棲家
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 大日本新聞初のMBA取得者として鳴り物入社した麻倉智子。だが、社内政治の 道具として異動させられた社会部では、学歴とプライドと靴のヒールは高くても 記者としての能力は低いとダメ記者扱い。焦りと苛々が募っていた矢先、独居老人の医療問題を追うなかで、取材対象の老人が次々に死亡する。社内の権力争いの波にもまれつつも、記者としての意識に目覚めた智子は事件を 追い始めるが……。老人医療現場の悲しい現実に若手女性記者が立ち向かう、ドラマ化もされたミステリー! -
恋の収穫期
心がふるえる青春(恋愛)小説が生まれた。 近未来を舞台にした全く新しい青春(恋愛)小説が誕生した! 22世紀になって科学技術は東京だけに一極集中している。 ここ軽井沢では通信機器は使用不能。 私が通う高校に東京から転校生(未来人?)がやってきた。 恋をまだ知らない私は彼に言った。 「私と恋をするんでしょう? それは、一緒に戦うってことだよ!」 「人の中には、白く光る星のようなものがあって、 みんなそれを守っているのだと、そのことを信じられたら、 愛も友情も決意も一人きりの誇りも すべてがその星からあふれた光だと思えるから。 なんだって、できる。きみの目を、私として、見つめていられる。」 ……あとがきより -
桜風堂夢ものがたり
「会いたかったひとに会える奇跡」があるなら、あなたは誰に会いたいですか? 小さな町の書店と、そこに関わる優しいひとびとの姿を描く、本屋大賞ノミネート『桜風堂ものがたり』シリーズ! 月原一整がいる桜風堂へ向かう道。それは「会いたい人に会える」、という奇跡の起こる道。今回も「温かい涙」が流れます! ●第一話「秋の怪談」桜風堂に月原一整がやってきたことで救われた少年・透。彼は友人たちと、町外れにある「幽霊屋敷」に冒険に出かけるのだが…… ●第二話「夏の迷子」一整のかつての上司、銀河堂書店の優しい店長・柳田。彼は桜風堂書店を訪ねた帰り道で迷子になる。不安に襲われた彼に語り掛けてきた声とは。 ●第三話「子狐の手紙」一整のかつての同僚、三神渚砂は桜風堂へ向かう途中、両親の離婚でもう何年も会っておらず、今は病床にいるはずの父と出会う。 ●第四話「灯台守」かつて家族と哀しい別れをして天涯孤独の一整。しかし、彼と暮らす猫は、ずっと一整のことを見守っている人物の気配に気づいていた。 -
ジャクソンひとり
東京のジムで働くジャクソンは、QRコードから拡散されたポルノ動画の男と噂される。真相を探り始めると自分そっくりな3人の男に出会い…第59回文藝賞受賞、芥川賞作家デビュー作。解説=島本理生 芥川賞作家・安堂ホセ 文藝賞受賞のデビュー作、待望の文庫化! スポーツブランドの社内ジムで働くジャクソンは、着ていたTシャツのQRコードからポルノ動画が拡散され、その動画に映 る男ではないかと噂される。真相を探り始めると、自分そっくりな3 人の男に出会い……東京に生きるブラックミックスたちの鮮やかな逆襲劇。 解説=島本理生 \絶賛の声、続々!!/ ジャクソンが口にする「俺に気分があっちゃダメですか?」という台詞は物語を超えて読み手に問いかける。相手の立場がマイノリティーであるほど、私たちは一貫した主義主張と正しさを求めていないかと。 ――島本理生(文庫解説・第59回文藝賞選考委員) 他者を個人として扱えば「はっきり敵とみなす勇気」が持てず、でも集団として見なせば容易に憎め、蔑め、殺すこともできる。それが私たちの生きる社会だと実感させられた。 ――角田光代(第59回文藝賞選考委員) こんなふうに分裂と統合を繰り返す快感と恐怖を同時に味わえる小説を、他に知らない。 ――金原ひとみ 身体によって安易にカテゴライズされながらも、自分自身のその身体で生きて他者と出会うことが、痛みから生み出される言葉で描かれている。 ――柴崎友香 ゲリラ戦を思わせる活劇の中で、増殖するジャクソンたちの意識の流れがリズムよく絡み、ドライブ感を高めてゆく。 ――島田雅彦 本作が切り拓いた日本語文学の新しい可能性をこそ、私は評価したい。 ――平野啓一郎 からっと明るい文章の中には浸食するような絶望があって、苦しい気持ちにさせられる。偏見に鋭く切り込んだ内容もさることながら、その描き方も面白い。 ――斜線堂有紀 凄い小説で、本読みに強くおすすめしたい。「今までこんな話読んだことなかった!」と、「なぜ今までこんな話を読むことができなかったのか(その理由の背景に自分もいるはずじゃないか)」という思いでぐるぐるになる。 ――王谷晶 -
古典確率では説明できない双子の相関やそれに関わる現象
斉藤勇魚と斉藤真魚。男女の双生児でともに二十歳の大学生。二人の人生は、年の離れた弟の誕生で一変した。 広島の大学に通う勇魚は親友に恋人を奪われ荒んだ日々を送り、北九州の実家で暮らす真魚も最愛の人に突然捨てられ世界に絶望する毎日。 そして二人は、奇しくもそれぞれの隣人との奇妙な交流に救いを求めていく……。 やがて気付いてしまった家族の真実。親子、恋人、親友――すべての日常が絶望と綯い交ぜとなった双子の青春の行き着く先とは? 大人になることの「痛み」をリアルに描き、第31回電撃小説大賞で《メディアワークス文庫賞》《川原礫賞》をW受賞した、ままならない愛と青春の物語。
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