作品一覧

  • ブート・バザールの少年探偵
    3.6
    1巻1,408円 (税込)
    インドのスラムに住む、刑事ドラマ好きの九歳の少年ジャイ。ある日クラスメイトが行方不明になるが、学校の先生は深刻にとらえず警察は賄賂無しには捜査に乗り出さない。そこでジャイは友だちと共に探偵団を結成しバザールや地下鉄の駅を捜索することに。けれど、その後も続く失踪事件の裏で想像を遥かに超える現実が待っていることを、彼はまだ知らなかった。少年探偵の無垢な眼差しに映る、インド社会の闇を描いた傑作

ユーザーレビュー

  • ブート・バザールの少年探偵

    Posted by ブクログ

    今とても評判のインド版少年探偵団の物語。インド小説というだけでも気になるけれど、ここ数年、子どもが主人公の翻訳作品が続出していること、そのどれもが、例外なく読んで後悔のない優れた作品であること、などの事情を考えるに、非英語圏諸国の小説も、英語版・日本語版翻訳へと推進力がついてきたのかもしれない。だとしたら読書の楽しみが隅々まで広がってくれて大変有難い。

     それにしても、今のインドと言えばコロナ。インド株の急激な拡大に国家的危機が拡散しているのではないかと恐怖を覚える現在。本書はその少し前の時代なのだが、コロナがなかろうと、インドのカーストの底辺にはこんなにも深い闇が広がっているのか驚きあきれ

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    2021年06月27日
  • ブート・バザールの少年探偵

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    「ミステリだと思ったら全然違った。底知れない闇と人々の生き生きした様子が例のない感慨を残す。凄かった」と、高野秀行氏がXで絶賛されていた。旅の合間に読まれ、最後は夜を徹して読破されたという。
    おっしゃる通り、これは確かに新感覚!「続きが気になって仕方がない」焦りを久々に呼び起こしてくれたし、読み進めたら読み進めたで、「これはジャンル分けが難しい…」と思案に暮れる一冊であった。

    インドのバスティ(スラム街)で家族と暮らすジャイは、刑事ドラマが大好きな9歳の少年。
    ある日彼のクラスメートが行方不明になるが、学校や地元警察は真面目に取り合おうとしない。ジャイは友人のファイズやパリに、自分たちで捜査

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    2025年08月01日
  • ブート・バザールの少年探偵

    Posted by ブクログ

    読み終えるのにとても時間を要した。
    インドの固有名詞などになかなか慣れないせいもあるかもしれない。
    内容は、少年(子供)たちが活躍する話しかと思ったら、なかなか重い、インドの社会問題を描いたものだった。
    インドという国に漠然と抱いていた印象以上に、現実は恐ろしいようだ。

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    2024年02月11日
  • ブート・バザールの少年探偵

    Posted by ブクログ

    インドのスラム街を舞台とした少年探偵ミステリー。インドのお話をきちんと読んだの初めてだったのですごい色々びっくりした。衛生状態めちゃくちゃ悪い。治安も悪い。とにかくひどい。このことを知れただけでも貴重な本

    9歳の少年ジャイの目線で物語が進むんだけど、合間に入る三人称の物語がキツい。訳者さんのあとがきでもあるけど、作者のジャーナリストとしての視線がすごい反映されていて読んでいて苦しくなる。
    でも、ジャイの視点は明るくて元気で、なんかまたそれがキツいよなぁ。
    いやぁ、すごい物語だわ。

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    2022年02月18日
  • ブート・バザールの少年探偵

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ハヤカワミステリー文庫から出版されていること、エドガー賞の候補作、タイトル…それでもあえて先に言っておく重要な感想は、この小説は所謂ミステリー小説ではないってこと。そこを大きく期待してしまうと「で、オチは?」とのたまう無粋関西人のような感想を持ってしまうと思う。

    既定のジャンル枠にとらわれず、現代インドのスラムの闇も病みも汚れをも、子供目線で照らしつける小説とだけ頭の隅に置いて読めば、この本にどっぷり嵌れると思う。

    行方不明となった同級生を探す、無邪気な少年探偵団たちが次第に自信を失い、世界の無情にさらされ、ついには「僕はもう探偵じゃないから…」と言わせてしまう、なんともニヒルな成長譚。

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    2022年02月16日

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