ディーパアーナパーラのレビュー一覧

  • ブート・バザールの少年探偵
    今とても評判のインド版少年探偵団の物語。インド小説というだけでも気になるけれど、ここ数年、子どもが主人公の翻訳作品が続出していること、そのどれもが、例外なく読んで後悔のない優れた作品であること、などの事情を考えるに、非英語圏諸国の小説も、英語版・日本語版翻訳へと推進力がついてきたのかもしれない。だと...続きを読む
  • ブート・バザールの少年探偵
    読み終えるのにとても時間を要した。
    インドの固有名詞などになかなか慣れないせいもあるかもしれない。
    内容は、少年(子供)たちが活躍する話しかと思ったら、なかなか重い、インドの社会問題を描いたものだった。
    インドという国に漠然と抱いていた印象以上に、現実は恐ろしいようだ。
  • ブート・バザールの少年探偵
    インドのスラム街を舞台とした少年探偵ミステリー。インドのお話をきちんと読んだの初めてだったのですごい色々びっくりした。衛生状態めちゃくちゃ悪い。治安も悪い。とにかくひどい。このことを知れただけでも貴重な本

    9歳の少年ジャイの目線で物語が進むんだけど、合間に入る三人称の物語がキツい。訳者さんのあとが...続きを読む
  • ブート・バザールの少年探偵
    ハヤカワミステリー文庫から出版されていること、エドガー賞の候補作、タイトル…それでもあえて先に言っておく重要な感想は、この小説は所謂ミステリー小説ではないってこと。そこを大きく期待してしまうと「で、オチは?」とのたまう無粋関西人のような感想を持ってしまうと思う。

    既定のジャンル枠にとらわれず、現代...続きを読む
  • ブート・バザールの少年探偵
    インドでは毎日180人もの子どもが行方不明になる。年間ではない。月間でもない。毎日である。その衝撃的な事実を基に、元ジャーナリストである著者が書いたのが本作。

    雑多で混沌に満ちたインドのスラム社会を、探偵に憧れる少年ジャイの視点からリアルに、時にコミカルに描いた話題の作品である。作家の深緑野分さん...続きを読む
  • ブート・バザールの少年探偵
    刑事ドラマが大好きな少年ジャイが子供の失踪事件を追いかける。刑事ドラマの知識で事件を見たりする幼さや暮らしている地域で起こる失踪事件に対して思うことの怖さが徐々に増していく展開の面白さ。ジャイと友人たちとの探偵ごっこのようなものとそれを続けることで見えてくる現実。失踪事件がどんどん身近になってくるに...続きを読む
  • ブート・バザールの少年探偵
    タイトルと表紙はかわいらしく、一見学生も読めそうな本、

    しかしインド社会の闇をテーマに取り扱った、バリバリの社会派小説。

    日本人からすると信じられないような、インドの子供達が直面するさまざま問題や堕落した警察事情が衝撃的。

  • ブート・バザールの少年探偵
    スラムで起こった子供の連続失踪事件の真相を追い求めるべくテレビの探偵の真似事をする9歳の男の子の目線でインドの暗部が描かれています。といっても主人公は常に活発で腕白で、生き生きとした物語。ジャーナリストとして長年インドの貧困層の子供をとりまく教育問題などを取材していたというインド出身の作者による作品...続きを読む
  • ブート・バザールの少年探偵
    ミステリーという枠ではないことだけはまず。
    インドのスラムに生きる子供視点で描かれる、リアリティーのある話。毎日180人もの子供が消えるインドの、日常とも言える話。ただただ悲しく、やるせない。
    日本に住んでいては想像もできないような生活がこの本には詰まっている。あとがきにもあったが、そういった問題提...続きを読む
  • ブート・バザールの少年探偵
    あとがきにあった作者が伝えたかったものは、子どもたちの日常描写からよく伝わってきた。宗教上の対立、リンチ、誘拐、貧困など社会の様々な問題が子どもの視点を通して語られる。元気でちょっと生意気な子どもたち自身も、ときに無意識に差別をしてしまっていることも。
    最終的にミステリーの謎が解けるのかと思っていた...続きを読む
  • ブート・バザールの少年探偵
    平積みにされていたのでなんとなく手に取りました。
    主人公が本当に8歳だか9歳の子供の思考と言動で、作者さんすごいなって思いました。子供特有の、テレビのまねっこやら、自分の周囲の狭い世界の中で容疑者を特定したりとか、大人たちの噂話を何も考えずに口に出しちゃったりとか、移り気で一つの事に集中できないとこ...続きを読む
  • ブート・バザールの少年探偵
    インドのスラム街に住む、刑事ドラマ好きの少年ジャイ。
    ジャイのクラスメートの失踪から始まる子供たちの連続失踪事件。事件は、終始、少年の目線で語られる。
    そこで、明らかになる、学校の無関心(ことなかれ主義)、賄賂を要求する警察、持つ者と持たざる者の分断、宗教と差別。
    インド社会の歪みとそこに潜む闇の深...続きを読む