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良かれと思ったことが、押しつけがましさに。理想を追い求めるあまり、頑なになる。相手への気遣いが、裏目に出る。一番わかってほしい相手に限って自分の努力が伝わらない……。そんな夫婦関係の迷宮に迷いこんだ泉と旺介、きっかけはまさか、食の好みの違い……!
ドリア、生姜焼き、ハンバーグ、キッシュ……出てくる料理は、「食の検定」1級を持つ著者だからこそ表現できる、読むだけで美味しそうなものばかり。だからこそ、夫婦のすれ違いのきっかけとして、鋭く鮮やかな物悲しさを湛えています。
おいしさは恋で栄養は愛? 家族として、好きを越えた関係を築いていく覚悟を持てるのか。泉と旺介、二人の選択とは。
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Posted by ブクログ
食卓といえば、向き合う人のいる温かな家庭を思い浮かべるのだが…。
これは、読み進めるほど辛くなっていく。
苦しくなっていく。
何故か胸の締め付けられるような…。
とにかくしんどいのだ。
しかし、どうなるのか確認せずにはいられない…
心理戦、まさに心理戦だった。
どちらの味方⁇と聞かれても…難しい。
夫の体調を管理するべく、完璧な料理を朝晩作り続ける妻。
だんだんとその料理を口にするのも苦痛になってくる夫。
食べ物に関することは、大事なことだが
何事もほどほど、とか良い塩梅というのもあって然りで…。
自分が思うにジャンクなものほど美味しく感じたりもするし、あっさり茶漬けでもいいし。
とにかく執着もなければこだわりもないので、手抜き料理もしばしばある。
以前、同僚から「食」という文字は人を良くするって書くやん、だから大切やでって言ってたけどその人の持参してたお弁当は、白ごはんの上に鰯の甘露煮がのってた。種類は無いが栄養はある。
ただイベントの時、みんなのお昼ごはんをまとめて買って来てくれたのが、デパ地下の一口サイズのおにぎりやサンドイッチなどでサッとつまめて見栄え良く種類も豊富でサイコーに美味しい品々だった。
誰にとってもちょうど良い食事ってのはなかなか難しいのかもしれない。
Posted by ブクログ
食をきっかけに、夫婦それぞれの求めるもののギャップが顕在化していく話。
とにかく美味しそうな料理の描写が殺伐としたストーリーに添えられており、かなり胃にくる。色んな意味で。
あらすじに「良かれと思ったことが、押し付けに」と書いてあり、たしかに多少独善的なところが泉にはあるけれどこれはそんなに異常なことなの…?と思った。
そもそもコレステロール値引っかかってんじゃん…とか、いい歳した男がファミレス舌でゴネてる方が無理なんだけど…とか個人的には気になってしまうんだけど、それらは本質的な問題じゃないんだろうな。でも、なんだろうな、とにかく腹立つなこの男……。
「美味しいもので相手の口を塞いでんでしょ、ほら?美味しいだろ?文句ないだろ?って」的な嫌味を不倫相手が吹っかけてくる超絶胸糞シーン、いや言いたいことのニュアンスは分かるし、ああ…そこが軋轢生んでたのね……ってのは分かるんだけど、いや!!!!美味しいと自分が感じてんなら文句ねえだろ!!!何なんだお前は??!!!という気持ちが先行してしまってどうしてもあと一歩飲み込めなかった。
とはいえ、人間関係というものは自分がどれだけ滅私奉公しようが世間的基準で正しく努力しようがそれがそのまま互いの関係値に反映されるわけではない。ということが往々にしてある。理不尽に思えるし、そもそも自分の努力は世間的には正しくても二人の関係を良好に保つのには適切ではなかったのかもしれない。
そういう難しさをありありと見せつけられたように感じた。身に覚えがある話だから泉の肩を持ってしまうのだろうか、いや、いや!否!それを差っ引いてもこの男大嫌いだ……。何だ社内結婚社内不倫ってイカれてんのかこいつ……。
思いやりとは、正しさとは何なのか。殴りつけられながら考えさせられるような作品だった。
Posted by ブクログ
苦しさがすごい。
よく「食べることは生きること」と言うけれど、相手の「食べること」の否定が、夫婦としての相手そのものの否定になってしまったというか。
食事に対する食い違いがお互いをどんどん苦しめ、追い詰めていって、それ以外の部分で相手に惹かれたり救われたりしていても、修復できなくなってしまった話だった。
いい人が多かったし、主人公の父に対する旺介のシーンと、義父母の30年の話、北極から来た人の話、「おいしいは味じゃない。食べたいものを食べるから」の話、魚屋の身贔屓の話など、じーんとしたりハッとさせられるエピソードも多かったけど、それだけで問題が解決するわけじゃないところがリアルだった。そしてよけいに苦しい。
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