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Posted by ブクログ
シリーズもすでに5冊目。
給食は子供社会を映す鏡。
5冊も出る、ということは、それだけこの社会の抱える問題が多い、ということ。
その問題のうち、今回佐々目が立ち向かうのは「しるし」。
そして「カトレア」。
「カトレア」とは、舞台となっている白蘭女子学院中学校に中学から受験して入った外部生のこと。
幼稚園、小学校からの内部進学生は温室育ちの蘭、カトレアは同じ蘭でも外でも育つもの。
それを自嘲してか、誇りに思ってか、「カトレア」の隠語が飛び交う。
いじめをしているわけではない。
しかし異質な存在であるせいで周囲に溶け込めない生徒たち。
彼女たちが今回の物語の核となる。
加えて、残債についても話は広がる。
フードバンクの存在、そして今日の食事にも困る人。
貧しさを知らないお嬢様や、食べ物を粗末にできる人。
佐々目は埋まらない溝を埋めるため、サルベージ・パーティーを開く。
ノブレス・オブリージュの御旗を掲げて。
さらに問題が出てくる。
それは「家族」について。
家族に恵まれた人は、そうでない場合をごく特殊な世界として正面からミッズ、自分の考える幸せを悪気なく押し付ける。
それは善意から出たものだ。
そうわかっていても受け入れられないこともある。
人の心は、数多の要因からできている。
だから対話を恐れてはならない。
腹にしまいこむだけでは何も変わらない。
言っても伝わらないことも、悲しい思いをすることもあるかもしれない。
けれども自分の心にある、素直な気持ちは「過剰除去」してはいけない。
なぜなら、それも含めて、あなた自身だからだ。
Posted by ブクログ
給食シリーズ第五弾。
小学校の生徒たちの悲しみや寂しさも胸が痛かったが、
中学生の、しかも女生徒たちの悲しみや怒りは
気持ちがひりひりする。
物理的に肉体的には欠乏したことのない女の子たち、
それは十分幸せなことのはずなのに、
なぜか女の子たちは、それで満たされるとは限らない。
そして、物理的でない分、より問題は根深い。
大人になれば、
自分の持っていたもの、与えられたもの、
持てなかったもの奪われたものに、
客観的になれる。
自分と距離を置いて、
幸せだったのか、幸せなのか、幸せになるためには何が必要なのかを知ることになる。
いや、正しくは、客観的になれた時に大人となる、かな。
それぞれ、今後の展開がありそうなので、まだ続きがあると思いたい。
シスター入江が学校をやめないと良いんだけど。
Posted by ブクログ
『受験』に続き、同じ女子学院が舞台。
学院内で続いて起こる怪事件、語り継がれてきた”しるし”
シスター入江の過去や、内部・外部生の目に見えない壁。
生涯結婚はしないし、子供も作らないと誓う毛利の生き方も、
それはそれで潔いと思えた。
一番印象的だったのは、シングルマザーの家庭の幼い兄弟。
弟の誕生日にお肉を食べさせてあげたいお兄ちゃんに、
高野豆腐でソイミートの作り方を教えるシーンがすごく温かくて。
かたや「食べられるのに食べない」
かたや「食べたくても食べられない」
その格差がどうにもやりきれなかったです。
近年、問題になっている「フードロス」の4大原因は、
買いすぎ・期限切れ・過剰除去・食べ残しだそうです。
「フードバンク」は僅かながら協力させてもらうこともあるのですが、
「サルベージパーティ」はまだありません。
トマトって、大昔は毒だと思われ捨てられていたんですね。
知らなかった。
勇気を出して最初に食べてくれた人に感謝です。
実家の冷蔵庫のお掃除をする際は、
「捨てるよ」ではなく「もらうね」と言えばすんなりいくのだということ。
今度からそうしよう。
今回は、「給食」が少なめの『給食のお兄さん』でしたが、
佐々目と毛利の名コンビが好きなので、ずっと続いてほしいシリーズです。
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小説・文芸
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