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Posted by ブクログ
二階堂蘭子シリーズの初短編集。
ロシア館の謎
クリスティの「火曜クラブ」のオマージュの様な形で進行する物語。
ジュペア老人が語る彼が経験した戦争時代の話。ジュペア老人はロシアの軍人であり、奇異な経験を持っている。また、当時のロシア皇帝とロマノフ朝を巡る浪漫は様々な作品のテーマになる程、魅力的なものだが、今作に置いてもジュペア老人を中心に語られるストーリーはとてもスリリングな逸話でありながらも肝心の「館消失」というミステリー部分も面白く、トリックは壮大であり、楽しめた作品だ。
(数年後に今作を引き継ぐ巨大マンモス幽霊事件が発表されるがこちらも面白かった)
密室のユリ
前作とは違い、本格的な推理小説。密室のトリックとフーダニットがテーマになるが、ある程度犯人を想像しやすく構成されていてライトな作品だと思う。マンションで密室で殺害された女性。警察もお手上げの状態だが、唯一被害者の部屋には彼女が仕事で使用している録音器に残った音声を手掛かりに犯人の推理を行う。
容疑者として2名の人物が挙げられ、かれらとマンションの警備員をふくめ、現場の確認や被害者の人となりを調査し、蘭子は真相に辿り着く。
劇薬
カードゲームを題材にしておりクリスティの「開いたトランプ」のオマージュ的な作品になっている。殺害される男は金の亡者で人物的にも敵が多い、嫌な人間の典型の様な人物で、彼を取り巻く登場人物も、彼に弱みを握られている様な人物ばかり。
蘭子と黎人は不承不承、彼の館に招かれてカードゲームに興じる事になる。
感想として、物語が二転三転するのだが、少しやりすぎの印象があり、二転くらいで完結していた方が完成度は高かった様に思う。
途中、三億円事件への言及があるが、蘭子がこの事件とどの様に関わったのかの方が気になってしまった。
Posted by ブクログ
バイカル湖近くの巨大な館が吹雪の中で一瞬にして消える「ロシア館の謎」
新築の高級マンションでおこる三重密室「密室のユリ」
パーティーの最中に起る毒殺事件「劇薬」
個人的には「バラの迷宮」の方がよかったかな?
ロマノフ王朝の歴史的背景を扱った「ロシア館の謎」もなかなか面白かったですが、アガサ・クリスティーの「ひらいたトランプ」と「エッジウェア卿の死」を彷彿とさせる「劇薬」が一番でしたね。容疑者は全員動機がある(というか被害者が死んでも誰も悲しまない)凶器の砒素がいつ何に混ぜられて飲まされたのか?てっきり白湯に混ぜてあったと思ったのですが・・・まさか根底から覆されるとは・・・・
Posted by ブクログ
「ロシア館の謎」「密室のユリ」「劇薬」
3作のなかでは、「ロシア館の謎」が個人的に一番好き。
正直にいうと、詳細に描かれた人間模様が逆に邪魔をしてしまっている印象。どのようなどんでん返しがあるんだろうと思っていたところに期待の割にはと思ってしまいます。
トリック自体はどの作品も大きな驚きはないけれど、「ロシア館の謎」はトリックだけではない驚きの結末があったので、読み終わった後に満足感。
難しい話ではないので、推理小説の入り口としてもオススメの作品です。
蘭子の存在が薄いのは短編集だからでしょうか。
他の方が書いているように長編も読んでみたいです。
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