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「なぜ、朝敵と言われなければならないのか。我らに何の罪があるというのか」幕末、火中の栗を拾うようなものと言われながらも、京都守護職を拝命した会津藩主・松平容保の弟である桑名藩主の松平定敬は、京都所司代として、兄と共に徳川家のために尽くそうとする。しかし、十五代将軍・徳川慶喜は大政奉還後、戊辰戦争が起こると容保、定敬を連れて江戸へ戻り、ひたすら新政府に恭順。慶喜に裏切られる形となった定敬らは、恭順を認めてもらうには邪魔な存在として遠ざけられてしまう。一方、上方に近い桑名藩は藩主不在の中、新政府に恭順することを決める。藩主の座を追われた定敬は、わずかな家臣と共に江戸を離れることに……。朝敵とされ、帰るところも失い、越後、箱館、そして上海にまで流浪した男は、何を感じ、何を想っていたのか――。新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞受賞作家が、哀しみを心に宿しつつ、転戦していく松平定敬の姿を感動的に描く歴史小説。
...続きを読むPosted by ブクログ 2021年08月17日
前に読んだ「葵の残葉」の姉妹作、と言っていいのか分からないけど、この中に登場した高須四兄弟の末っ子松平定敬の物語。
徳川慶喜の命で兄松平容保と共に開陽丸に乗せられるところから物語が始まる。
国許は薩長に恭順の方針。だけど定敏は戦う道を選ぶ。会津や仙台、箱館、果ては海外まで、まさに流転の日々を送る。
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Posted by ブクログ 2022年02月12日
桑名藩主・松平定敬。
戊辰戦争勃発後、大坂城から慶喜と共に江戸へ脱出した彼が辿った人生とは。
大坂から江戸。新政府へ恭順の姿勢を示すため越後にゆくも、徳川幕府への忠義のために戦うことを選び会津・函館へ。
行く先々で、彼の行動が邪魔者になってしまう境遇が悲しい。それは、戦争から逃げ出した慶喜にも、新...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月12日
タイトルの『中将』とは『桑名中将』こと桑名藩主・松平定敬のこと。
兄の『会津中将』こと会津藩主・松平容保はよく知られているが定敬の方は詳しい経歴を知らなかったため、興味深く彼の『流転』の物語を読んだ。
幕末というと薩長側の視点の物語が中心になってくるのだが、桑名側から見ると全く違う物語になる。明治...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月05日
幕末の戦いは、いつも疑問に思っています。
日本の繁栄を目指しているのは同じなのに、何故、戦わなければならないのか。
憎しみに駆られて、振り上げたこぶしを降ろすすべを見失ってしまったのか。
人は、正義のためには、どこまでも残酷になれると、何かで読みましたが、人の心の狂気の部分を見ているようで、とても辛...続きを読む
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