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流転の中将
「なぜ、朝敵と言われなければならないのか。我らに何の罪があるというのか」幕末、火中の栗を拾うようなものと言われながらも、京都守護職を拝命した会津藩主・松平容保の弟である桑名藩主の松平定敬は、京都所司代として、兄と共に徳川家のために尽くそうとする。しかし、十五代将軍・徳川慶喜は大政奉還後、戊辰戦争が起こると容保、定敬を連れて江戸へ戻り、ひたすら新政府に恭順。慶喜に裏切られる形となった定敬らは、恭順を認めてもらうには邪魔な存在として遠ざけられてしまう。一方、上方に近い桑名藩は藩主不在の中、新政府に恭順することを決める。藩主の座を追われた定敬は、わずかな家臣と共に江戸を離れることに……。朝敵とされ、帰るところも失い、越後、箱館、そして上海にまで流浪した男は、何を感じ、何を想っていたのか――。新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞受賞作家が、哀しみを心に宿しつつ、転戦していく松平定敬の姿を感動的に描く歴史小説。 -
小さな心の同好会
——私たちは、なぜ分かりあえなかったんだろう? 2019年、韓国文壇最高峰「李箱文学賞」を受賞したユン・イヒョン、待望の最新作品集。 社会から軽んじられてきた主婦たち、いつのまにか生じた溝にゆれるLGBTカップル、社内での性暴力を告発した女性……。 すこしの誤解やすれ違いから愛する人や大切な仲間を一瞬にして失う痛み……私たちは、なぜ分かりあえなかったんだろう? やり場のない怒りや悲しみにひとすじの温かな眼差しを向け、〈共にあること〉を模索した十一の物語。 私に似た誰かが、あなたに似た誰かといつか出会う想像をする。 異なる、よく知らないという理由で彼らがお互いを憎み、永遠に背を向けることがないようにと願う気持ちから、私が過ごしてきたある時間を束ねた。 この壊れて粉々になった言葉、まだ答えを知らない問いかけが対話のはじまりになってくれたらうれしい。——著者「あとがき」より 【目次】 ■ 小さな心の同好会 ■ スンヘとミオ ■ 四十三 ■ ピクルス ■ 善き隣人 ■ 疑うドラゴン——ハジュラフ1 ■ ドラゴンナイトの資格——ハジュラフ2 ■ ニンフたち ■ これが私たちの愛なんだってば ■ スア ■ 歴史 ■ あとがき ■ 訳者あとがき -
辰巳センセイの文学教室
応募総数10,332作品。第8回ネット小説大賞受賞作! 辰巳祐司は国語科のセンセイ。ゆえに言葉で、こじれた心と謎を解く。彼は校内の階段で負傷した女生徒を見つける。彼女はなんらかのトラブルに巻き込まれて階段から落ちてしまったようだが……。 事情を調べていくうちに見えてくる、複雑な恋愛模様や家庭事情。それはどこか、森鴎外の『舞姫』のストーリーと重なっていく。 教科書に載っている日本の名作文学と高校生活がリンクする青春恋愛ミステリー。 <WEBにおいて読者より寄せられた声> ●お話を読んで、本気で泣いて感動しました。本気で泣いたのは数年ぶりです。 ●色んな小説を読んできましたが、「小説家になろう」の内外問わず、おすすめできる作品を教えてくれと言われれば、全く全ての自信を持ってこの作品を紹介します。 ●開幕早々階段の踊り場で、血まみれで横たわる女生徒。 駆けつける辰巳先生。 ここから始まるお話で、まさか後半ボロボロと泣いている自分がいるとは想像もできませんでした。 ●本作のヒロインたちが心に抱いた透き通った恋心は、読み手の心を揺らします。心が揺らされたのなら、それはもう、この物語に「恋」をしているといってもいいのかもしれません。 ●誰もが経験する学校という環境を題材にし、現実に起こりえる物語だからこそ――感情移入しながら読み進め、同じ目線・等身大の世界を楽しめると思います! ●辰巳先生から授業を受けた生徒たちも、私と同じように心揺れ、人生を重ね、前を向いて歩むことを学んでいったのだろうと思う。 そして本書を読み進めるうち、そうした生徒たちの姿に、私はまた、自分の人生を重ね、心の底から応援せずにはいられなかった。 -
祝言島
「消された島」をめぐる超弩級イヤミス! 2006年、新宿と赤坂で起きた「十二月一日連続殺人事件」。死亡した演劇界のカリスマ・一ノ瀬マサカズ、元ポルノ女優の七鬼百合、女優の国崎珠里の共通の知人・七鬼紅玉は、警察の取り調べ中に姿を消し、以来事件は未解決のままだ。じつは、彼らに共通するものがもう一つあった。それが「祝言島」である。 2017年、九重皐月は大学の授業で「祝言島」のドキュメンタリー映画に出会う。実在とも都市伝説とも言われる祝言島の様子を収めたフィルムには、陰惨な殺人シーンも収録され、スナッフ映画として上映されたらしい。母のすすめで映像制作会社でアルバイトを始めた皐月は、「祝言島」に関わる人々の再現ドラマを手にすることに。どこまでが真実で、どこからが虚構なのか。忌まわしく不穏な日々がそこには収められていた。 「祝言島」開拓に端を発する、女たち3代にわたる数奇な事件。「十二月一日連続殺人事件」の犯人と、その驚くべき動機とは。さらに、殺された人々の本当の共通項とは……。 「イヤミスの女王」が贈る、二度読み、三度読み必至の超絶技巧。張り巡らされた伏線に最後まで目が離せない。発売当初、驚嘆と絶賛の嵐が起きた本作、待望の文庫化! (底本 2017年7月発行作品) ※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。 -
会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある?
夢を抱いて地方公務員になった志帆。しかし現実は病弱な同僚の仕事を押し付けられ、朝7時前に登庁、夜は深夜まで残業三昧の日々を送っていた。ところが、あるクレームをきっかけに、志帆は同僚に消えて欲しいと願うようになり――。仕事をしないことに全力で、ミスのフォローは周囲の役目、精を出すのは噂話と陰口。そんな同僚が辿った末路とは? 表題作「会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある?」、高まる自己愛が滅ぼしたのは……「あたしの幸せな生活」、社内いじめに耐えかねた新人社員が見た「夢」、縁切り神社のルーツに迫る「とある縁切り神社にて」の衝撃の全四編を収録。 -
シャトゥーン ヒグマの森
あの超人気作家、夢枕獏氏が大絶賛した、第5回『このミス』大賞優秀賞受賞作が待望の電子化! 「何年かに一度、時おり、動物パニックものの傑作が登場する。西村寿行 『滅びの笛』、吉村昭 『羆嵐』、志茂田景樹『黄色い牙』。本書、増田俊也の『シャトゥーン ヒグマの森』は、久かたぶりに出たこの手の話の傑作である」(解説より) マイナス40度も珍しくない極寒の北海道・天塩研究林。そんな土地に集まった、学者や仲間たち。そこへ雪の中を徘徊する体重350キロ、ライオンの首を一瞬でへし折るパワーをもつ巨大ヒグマ、シャトゥーンが襲いかかる! 電話も通じない孤立無援の状況下から脱出することは出来るのか!? -
叙述トリック短編集
*注意! この短編集はすべての短編に叙述トリックが含まれています。騙されないよう、気をつけてお読みください。 本格ミステリ界の旗手が仕掛ける前代未聞の読者への挑戦状! よく「叙述トリックはアンフェアだ」と言われてしまいます。これが叙述トリックというものの泣きどころです。 では、アンフェアにならずに叙述トリックを書く方法はないのでしょうか? 答えはノーです。最初に「この短編集はすべての話に叙述トリックが入っています」と断る。そうすれば皆、注意して読みますし、後出しではなくなります。 問題は「それで本当に読者を騙せるのか?」という点です。最初に「叙述トリックが入っています」と断ってしまったら、それ自体がすでに大胆なネタバレであり、読者は簡単に真相を見抜いてしまうのではないでしょうか? そこに挑戦したのが本書です。果たして、この挑戦は無謀なのでしょうか? そうでもないのでしょうか?その答えは、皆様が本書の事件を解き明かせるかどうか、で決まります。(「読者への挑戦状」より一部抜粋) -
ブート・バザールの少年探偵
インドのスラムに住む、刑事ドラマ好きの九歳の少年ジャイ。ある日クラスメイトが行方不明になるが、学校の先生は深刻にとらえず警察は賄賂無しには捜査に乗り出さない。そこでジャイは友だちと共に探偵団を結成しバザールや地下鉄の駅を捜索することに。けれど、その後も続く失踪事件の裏で想像を遥かに超える現実が待っていることを、彼はまだ知らなかった。少年探偵の無垢な眼差しに映る、インド社会の闇を描いた傑作 -
第八の探偵
独自の理論に基づいて、探偵小説黄金時代に一冊の短篇集『ホワイトの殺人事件集』を刊行し、その後、故郷から離れて小島に隠棲する作家グラント・マカリスター。彼のもとを訪れた編集者ジュリアは短篇集の復刊を持ちかける。ふたりは収録作をひとつひとつ読み返し、議論を交わしていくのだが……フーダニット、不可能犯罪、孤島で発見された住人の死体──7つの短篇推理小説が作中作として織り込まれた、破格のミステリ -
麻倉玲一は信頼できない語り手
死刑が廃止されてから28年後。 日本に生存する最後の死刑囚・麻倉は、 無人島だった離島に設けられた民間経営の刑務所内の特別拘置所で、 刑を執行されることなく過ごしていた。 フリーライターの熊沢は、彼に関する本を執筆するため、麻倉本人からの指名を得て取材に向かう。 インタビューするうちに、麻倉が犯した数々の殺人事件に対して「彼らには死すべき理由があった。僕は審判なんだよ。人の命をジャッジする」とうそぶく本人の態度に、熊沢は激しい嫌悪感を抱く。 さらに驚いたことには、離島には麻倉に殺害された被害者の関係者が存在していた。 また、離島にまつわる不気味な言い伝えを聞かされた熊沢は、 この仕事の先にライターとしての成功を夢見ていた最初の気持ちが大きくぐらつくのを感じ始める。 そしてついに恐ろしい事件が起きた……。 読者の予想を覆す奇想ミステリーの問題作! -
完落ち 警視庁捜査一課「取調室」秘録
警視庁捜査一課の「取調室」 “伝説の刑事”と容疑者の息詰まる対決! 「完落ち」とは、全面自供すること。したたかで狡猾な犯罪者と警察はどう戦っているのか。 「取調室」という密室での緊迫したやりとりを初めて明らかにした本格ノンフィクションです。 生々しい現場を語るのは、警視庁捜査一課の幹部だった大峯泰廣氏。ロス疑惑、宮崎勤連続幼女誘拐殺人事件、 オウム真理教地下鉄サリン事件など、数多くの大事件の捜査に携わったことから、大嶺氏は“伝説の刑事”と呼ばれるようになり、 “落としの天才”として周囲の信頼を勝ち取ります。著者の赤石晋一郎氏は2年以上も大峯氏に取材を重ねました。 大峯氏はいかにして容疑者を落とすのでしょうか。 犯罪者の背景を丁寧に解き明かし、相手の表情をうかがいながらベストのタイミングで、こちらの手の内を明かすテクニックは、 まさにプロフェッショナルの技。宮崎勤事件では、彼が嘘の証言で漏らした「有明」という地名を突破口に自供へと導き、 宝石商殺人事件では、元警察官だった容疑者のプライドを刺激する一言で一気に自白へと持ち込みます。 緻密な計画殺人者から、冷血きわまりない殺人犯、愛憎に翻弄された犯罪者まで、刑事と犯人との壮絶な闘いのドラマが次々に展開します。 大峯氏は後年、世田谷一家殺害事件の捜査をめぐる警察上層部の方針に納得できず、定年を前に自ら警視庁を去ることになりました。 現場の状況から、大嶺氏にはある“犯人像”が見えていたのです……。大峯氏が職を辞した経緯も、本書で明らかになります。 -
学芸員・西紋寺唱真の呪術蒐集録
呪いや祟りでお困りの方は、当館へ。「専門家」がご対応いたします。 北鎌倉の博物館に持ち込まれる呪いの奇奇怪怪を、天才学芸員が華麗に解き明かす伝奇ミステリ! 北鎌倉に建つアンティーク博物館に、その人はいる。眉目秀麗、博覧強記、慇懃無礼。博物館界のプリンスと呼ばれる名物学芸員・西紋寺唱真の実態は――呪いの専門家。とりわけ「実践的呪術」を追求し蒐集する、変人だ。 運の悪い大学生・宇河琴美は、西紋寺のもとで実習を受けることに。だが、実習内容は呪いにまつわるものばかり。しかも怪しい事件が次々と持ち込まれ――。憧れの学芸員資格取得のため、西紋寺の実習生兼助手(?)として呪術の謎と怪事件に挑む! -
どの口が愛を語るんだ
のたうちまわって超えていけ、愛。 『流』の直木賞作家・東山彰良が新たに挑む、自由でボーダレスな短編集! 九州の温泉街、小さな街の団地、ニューヨーク、台北、東京――。 残酷さとやさしさが隣り合わせるパッとしない世界 それでも生きていくむきだしの人間たち。 「猿を焼く」 さえない温泉街に引っ越してきた中三のぼく。無軌道な不良とよそ者の少年は、なぜ猿に火をつけたのか? 「イッツ・プリティ・ニューヨーク」 クレイジーな同級生カメと、そのアバズレな姉。欲求に翻弄されるぼくと彼らの団地の日常。 「恋は鳩のように」 同性婚が合法化された日、歓声に沸く群衆の中、アンディは詩人の恋人・地下室に電話をかける。 「無垢と無情」 人間じゃなくなった「やつら」から身を潜めるように、おれは画面の中のミーティングルームを訪れた。 -
非日常の謎 ミステリアンソロジー
今、猛威を振るうコロナウィルスにより、私たちの「日常」が脅かされています。 ですが、そんな「非日常」の中でも、大切な「日常」は続いていきます。 いえ、「日常」を続けていくことこそが、私たちの戦いです。 そこで、ミステリにおける「日常の謎」というジャンルを今回は「非日常の謎」と置き換え、 日々の生活の狭間に突如訪れる、刹那の非日常で生まれる「謎」をテーマとして、 創刊5周年を迎えた講談社タイガが期待する、六人の著者に短編を寄稿いただきました。 物語が、「非日常」を乗り越える力となることを信じて。 創刊6年目となる講談社タイガは、小説を楽しめる「日常」を守り続けます。 「この世界には間違いが七つある」芦沢 央(あしざわ・よう) 「成人式とタイムカプセル」阿津川辰海(あつかわ・たつみ) 「どっち?」木元哉汰(きもと・かなた) 「これは運命ではない」城平 京(しろだいら・きょう) 「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ(つじどう・ゆめ) 「タイトル未定」凪良ゆう(なぎら・ゆう) -
錨を上げよ
著者初の自伝的小説! 『永遠の0』『海賊とよばれた男』を凌ぐ 怪物的傑作、とうとう文庫化! 一生に一作しか書けない小説。『錨を上げよ』には私のすべてが詰まっている。 ――百田尚樹 ●あらすじ 戦争が終わってちょうど十年目、空襲の跡が残る大阪の下町に生まれた作田又三。 不良仲間と喧嘩ばかりしていたある日、単車に乗って当てのない旅に出る。 しかし信州の山奥の村で暴漢に襲われて遭難、拾われたトラックで東京へ。 チンピラに誘われて組事務所を手伝うことになるのだが――。 激動の昭和を駆け抜ける、著者初の自伝的ピカレスクロマン。 -
手作り雑貨ゆうつづ堂 ~アイオライトの道標~
『手作り雑貨・ゆうつづ堂』は、とある海辺の田舎の町にぽつんと立つ、祖母が営む小さな雑貨店。 狭い店内には、パワーストーンを使った様々な雑貨が並べられている。 想いのこもったパワーストーンには精霊が宿り、お客さんたちの小さな一歩を後押ししてくれる。 詩乃がそんなお店でお手伝いをするようになって一か月が経ったころ、前に勤めていた会社の先輩がやってきて……? 白水晶の精霊・フクと共に、祖母の大事なお店を守っていくあたたかな物語――待望のシリーズ第二弾! -
少年十字軍
13世紀、フランス。 “天啓”を受けた羊飼いの少年・エティエンヌの下へ集った、アンヌ・ルー、ベッポら数多の少年少女たち。 彼らの目的は聖地エルサレムの奪還。 だが国家、宗教、大人たちの野心が行く手を次々と阻む――。 直木賞作家・皆川博子が作家生活40年余りを経て、ついに辿りついた最高傑作。 -
サンドの女 三人屋
朝は三女・朝日の喫茶店、昼は次女・まひるの讃岐うどん屋、夜は長女・夜月のスナック――志野原家の美人三姉妹が営む「三人屋」は、朝日の就職を機に、朝の店を終了、業態を転換することになった。 朝日が出勤前に焼いたパンを使い、まひるが朝からランチ時まで売る自家製の玉子サンドイッチが、見映えも良くおいしいと大評判に。かたや長女のスナックは、ラプンツェル商店街で働き、暮らす人々のサロンとしてにぎわっている。 ゲイの青年、売れない作家、女泣かせのスーパー店長など、ワケあり常連客たちが夜ごと来店、三姉妹の色恋沙汰を肴に、互いの悩みを打ち明けあったり、くだを巻いたり… 悲喜こもごも、味わい深い人間模様を描く大ヒット小説『三人屋』待望の続編! 心も体もくたくたな日は「三人屋」の新名物「玉子サンド」を召し上がれ! -
紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人
第18回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞、読書メーター「読みたい本ランキング」第1位(単行本部門 月間(2020年1月6日~2020年2月5日))の作品が、待望の電子化! どんな紙でも見分けられる男・渡部が営む紙鑑定事務所。ある日そこに「紙鑑 定」を「神探偵」と勘違いした女性が、彼氏の浮気調査をしてほしいと訪ねてくる。 手がかりはプラモデルの写真一枚だけ。ダメ元で調査を始めた渡部は、伝説のプラモデル造形家・土生井(はぶい)と出会い、意外な真相にたどり着く。 さらに翌々日、行方不明の妹を捜す女性が、妹の部屋にあったジオラマを持って渡部を訪ねてくる。 土生井とともに調査を始めた渡部は、それが恐ろしい大量殺人計画を示唆していることを知り――。 -
罠【電子特典付き】
「便利屋と呼んでください」その男の特徴はとくには…ない。ロボットのような得体のしれない新キャラクター・便利屋。まるで死神のようであり、悪役なのか助っ人なのか得体が知れない。 議員の息子が誘拐され、身代金要求が犯人から来た。金を工面しようと事務所の金庫へ向かった秘書が暴漢に襲われ、現金を奪われる。ところが、その金はなんと、偽札だったと警察に知らされる。八方ふさがりになり、便利屋に依頼をする……。一方、捜査一課の刑事の巨漢の男・都築は、街に発生する事件を追ううちに、一人の人間に行きつく――便利屋だ。背徳の街・槻津市では、今日も政治家や葬儀屋、学校、旅行会社と次々と悪事を働いている。暴力で相手を屈服させるのではなく、悪事を捻り出す知力(悪知恵)で騙し合っている。 『極上の罠をあなたに』(単行本)に、書下ろし4編を加えた文庫版新装版では、都築は探偵事務所の所長に。ついに便利屋の正体が明かされる! 電子書籍特典として、本書の発売にあわせて書き下ろされた「インタールード 刑事の恋」を収録。 -
ロックダウン
話題騒然の全英ベストセラー! 死亡率80%の新型ウイルスの流行で、都市封鎖されたロンドン。 その最中、肉を削ぎ落とされた人骨が発見され、第二、第三の殺人が―― 現在と驚くほど酷似する世界―― 2005年に出版を見送られた異色のミステリー! 「私は『ロックダウン』を脱稿した。しかしこの作品は出版に至らなかった。当時、英国の編集者たちは、H5N1型という見えない敵に包囲されたロンドンの描写は非現実的で、そんなこと起こるはずがないと思っていたのだ――」(本文・はじめにより) 死亡率80%の新型ウイルスが猛威をふるうロンドン。 数か月で死者50万人を超え、ロックダウンで街が恐怖に包囲されるなか、 仮設病院の建設現場で肉を削ぎ落とされた子供の骨が発見される。 人手不足で辞職前日に駆り出された刑事マクニールは身元の割り出しを急ぐが、 直後に愛する者の感染を知る。事件に没頭する彼を嘲笑うように次々と起こる殺人―― 絡み合う謎の先にある驚愕の真実とは!? -
警視庁特任捜査官グール
日本の警察機構の中――通常の捜査では手の届かない巨悪に対し、 超法規的手段で立ち向かう非公式の組織が存在した。 シンプルに「互助会」とだけ呼ばれるその組織を構成するのは、 様々な理由から殉職を偽装し、家族も戸籍も失い「死人」となった元警官たち。 そんな「死人」の一人である伊藤は、ある日互助会の元締・如月警視正から呼び出しを受ける。 そこで与えられた仕事は、新人「死人」の井上元巡査部長の教育係だった――。 死人となった警官たちが、各々の特殊技能を駆使し、社会の裏にのさばる邪悪に食らいつく! 『ガーディアン 新宿警察署特殊事案対策課』の鷹樹烏介が贈る、異色警察小説新シリーズです。 -
見えない星に耳を澄ませて
音大のピアノ科に通う曽我真尋は、たまたま参加した大学の授業で人の心を薬のように癒す音楽もあることを知り、三上先生の診療所で音楽療法士の実習を受けることにした。大人の声に耳を閉ざす少女、キラキラと飾った虚構の自分しか愛せないパーソナルスタイリスト、探し求めた愛情を見付けられず無気力に生きる中年男性……様々なクライエントと音を通じて向き合ううちに、真尋自身も自分が抱えた秘密と向き合うことになり――。 私たちはこんなにも弱くて、脆い。それでも生きることから、逃げられない。美しい旋律と共に、生き抜く強さを与えてくれる感動の一冊。 -
魔術師(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第17弾は谷崎潤一郎×イラストレーター・しきみのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 私の魂は磁石に吸われる鉄片のように、魔術師の方へ引き寄せられているのでした。 初夏の夕べ、恋人と公園へ行った私は、そこに小屋を出している若く美しい魔術師に出会った。 谷崎潤一郎の『魔術師』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは萩原朔太郎『猫町』、江戸川乱歩『押絵と旅する男』、夏目漱石『夢十夜』、坂口安吾『桜の森の満開の下』を担当する大人気イラストレーター・しきみによって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
二人がいた食卓
良かれと思ったことが、押しつけがましさに。理想を追い求めるあまり、頑なになる。相手への気遣いが、裏目に出る。一番わかってほしい相手に限って自分の努力が伝わらない……。そんな夫婦関係の迷宮に迷いこんだ泉と旺介、きっかけはまさか、食の好みの違い……! ドリア、生姜焼き、ハンバーグ、キッシュ……出てくる料理は、「食の検定」1級を持つ著者だからこそ表現できる、読むだけで美味しそうなものばかり。だからこそ、夫婦のすれ違いのきっかけとして、鋭く鮮やかな物悲しさを湛えています。 おいしさは恋で栄養は愛? 家族として、好きを越えた関係を築いていく覚悟を持てるのか。泉と旺介、二人の選択とは。 -
放課後探偵団2 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー
大好評を博したアンソロジー『放課後探偵団』が10年の時を経て復活! 第22回鮎川哲也賞受賞『体育館の殺人』にはじまる〈裏染天馬〉シリーズが大人気の若き平成のエラリー・クイーンこと青崎有吾、『楽園とは探偵の不在なり』で注目を集める斜線堂有紀、〈響け!ユーフォニアム〉シリーズが大ヒットし話題を呼んだ武田綾乃、『あの日の交換日記』がスマッシュヒットした辻堂ゆめ、『タスキメシ』などのスポーツものから吹奏楽など幅広い形の青春ドラマを描き続ける額賀澪。以上1990年代生まれの俊英5人が描く、学園探偵たちの推理と青春。【収録作】武田綾乃「その爪先を彩る赤」/斜線堂有紀「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」/辻堂ゆめ「黒塗り楽譜と転校生」/額賀澪「願わくば海の底で」/青崎有吾「あるいは紙の」 -
角の生えた帽子
何度も同じような夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことでエクスタシーを覚えるという夢だ。その夢はまるで自分が手を下したかのような錯覚に陥るほど、リアルなのだ。ある日、自分が見た夢と同じ殺人事件が起こっていると知る。犯人逮捕のニュースには、自分と同じ顔をした違う名前の男が映っていた―ー。運命の残酷さに翻弄される悲劇を描いた「悪魔の帽子」ほか、植物に取りつかれた男を描いた「花うつけ」、主人公が犬嫌いになった理由があかされる衝撃のラスト「犬嫌い」、著者の出身地である松山が舞台の正統派ゴーストストーリーの「城山界隈奇譚」などの他、文庫化にあたり雑誌掲載原稿を2篇、文庫版書下ろしも収録した充実の十二篇。登場人物たちの心の昏闇や地獄は、自分の中にもあると気付いたとき、すでに著者の術中にはまっている。一度読み始めたら、止められない語り口、一気読み必須の正統派怪談。 -
鋳物屋なんでもつくれます
女性鋳物師の奮闘を描く痛快モノづくり小説。 祖父・勇三が起こした下町の町工場「清澄鋳造」で働くルカ(清澄流花)は、営業担当ながら時には自ら流し入れなどの現場作業も行う“鋳物オタク”だ。丁寧なモノづくりを信条に長年培ってきた会社の強味が時代遅れとされ、単価の引き下げや納期の短縮を求められた末に、相次いで発注を打ち切られてしまい、大ピンチに! 瀕死の会社を立て直すため、ルカは大胆な改革を考える。 今までのやり方へのこだわりや、“経験とカン”を誇るベテラン職人たちの反発。困難に立ち向かう中で、亡き祖父だったら……と思い巡らすルカ。特攻隊の生き残りにして、会社を起こし、高度成長期の中で発展させていったその足跡を辿っていくと、これまで知らなかった勇三の人生が浮かび上がってくるのだった。さらに、時代を超えて輝きを放つ、二つの“東京オリンピック”。 変わっていかないと。そう、変わり続けないと。 ルカは、新しい工法や鋳物の概念を超えた新素材の商品や、物語のモノづくりなどに挑戦していく。東京の下町を舞台に、女性鋳物師の奮闘を描き、 鋳物の新しい可能性を見せてくれる痛快モノづくり小説。
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