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Posted by ブクログ
初めて読む作家さん。
以前から気になっていた作品なのと、このところイマイチな本ばかりに当たっているので期待して読みました。
つまらないことはないけど、とっても面白いというほどでもない中の上くらいのクライムノベルでした。
ハッキングや住居侵入、窃盗などで情報を入手し依頼主に渡すことで報酬を得ている太一。
彼が製薬会社から盗んだ情報を、親玉である待野に渡した後、待野が交通事故に遭い死んでしまう。
その事故死に不審感を抱いた太一は自分が盗んだ情報を精査することから事態が動き出す。
待野が掴んだ情報とは何か。果たして太一は育ての親とも言える待野の仇を取れるのかー。
スピード感があり、スケールも大きめなのによくまとまっていると思います。
托卵をするカッコウと太一の親を重ねて表現している点もまずまずですが、タイトルを「カッコウの微笑み」とするほど親と事件が関係していないのはちょっと残念かも。
他にもLINEでチャットしていたはずの会話がいつの間にか通話に変わっていたり、敵が持っているはずのスマホがいつの間にか手元に戻ってきていたりと校閲さんの見落としも目立ちました。
カッコウをタイトルにつけるなら、最後も「蛹から蝶になる」という比喩ではなくて、「卵から雛に」とかでもよかったのでは、とか
そういった余計な事が気になってストーリーに集中しきれなかったのもマイナス。
あぁ、手放しで面白いと言える本が読みたい。
2021年12冊目。
Posted by ブクログ
久しぶりの福田作品。ハッカー集団の話ということで「プロメテウス・トラップ」のような話かと思っていたがちょっと違う。
ハッカー集団のリーダー格・待野が轢き逃げ事件で死亡。待野の下で働いている太一は直前に受けた製薬会社からのデータを盗み取る仕事に関係して殺されたのではないかと疑い、仲間たちと共に調べ始める。しかし直後に待野の部屋が荒らされパソコンが持ち出されたり、太一らが尾行されたりと不穏なことが起き始める。
相変わらずバタバタした印象。
待野が殺された理由を調べ犯人に復讐したいと考える太一、待野の孫娘で太一が交際している理穂子に降り掛かってきた相続問題、そして幼い頃に受けた暴力父によるトラウマ、さらに製薬会社のある問題を調べようとしている厚生省の若き役人。様々な視点や場面がクルクルと変わる。
前半はなかなか内容が入ってこなかったが、中盤からは人間関係や構図が見えてきて物語にも入り込めるようになった。
待野の事件がそう混み合っていないのは、太一自身の個人的な問題も描きたかったからだったらしい。
「待野組」と呼ばれるハッカー集団の中には酒井のように他人とコミュニケーションを取るのが苦手な者や早坂のように太一同様なにかしらの傷を抱えた者もいる。
太一は待野の事件を調べるうちに自分がいかに待野に大事にされてきたかを知り、同様に酒井や早坂のような者を大事に出来る待野のような存在になりたいと考えるようになっていく。
また太一の回想シーンから、太一には母親違いの弟がいるらしいことも分かってくる。その弟が物語にどう関わってくるのかも注目しながら読んだ。どうか暗い関係ではないようにと思いつつ。
太一は理穂子や「待野組」の仲間たちと共に待野の事件を調べながら、自分たちを狙う者(=待野を殺した犯人?)と闘いながら同時に暴力父によるトラウマとも闘っている。自分がいつか父のように暴力を振るう凶暴さを爆発させてしまうのではないかという恐怖だ。
このまま怖い方向に進んでいくのかとハラハラしながら読んだが、終盤はアクションあり冒険あり作戦あり、ハッカー技術集団らしい闘いありと盛り上がった。
思ったような陰鬱さはなく、痛快とはいかないまでも前向きな結末だったのが良かった。
ただやはりもう少し掘り下げてほしいところは色々ある。福田さんらしいところでもあるのだが。シリーズ化しても面白そうだが、福田さんは滅多に続編は書かない方だからこれも単発かな。
それにしてもタイトルの『カッコウ』とは何を示していたのか。
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