悲劇的な結末には違いない。しかし、ここで思ったのは「再生」の道は人それぞれだ、ということだ。積極的に新たな道を歩みだすことで悲しみから立ち直ろうとする者、永遠に続くかと思われる程、果てしなく苦しむ者、笑顔で日常を続けながら奥底に葛藤を秘める者、悲しみ苦しむ者を時に遠くに、時に叱咤して見守り導く者、、
...続きを読む、。それぞれのペースでそれぞれの方法で再び生きる力を取り戻せば、それはそれでいいのだと、力を取り戻す事に正解の方法や時間はないのだと思う。。個人的に北欧の作家と作品が好きだ。癒しの自然ではなく、人を寄せ付けない厳しさがあり、同時にその美しさを描きながら、それが登場人物の心情に重なり重厚さがありながらも透明感を持つからだ。特にそれは「孤独」を描く時に顕著になると思う。悲壮感よりも、一貫して厳しく美しく、それでいて透き通るような孤独の表現に共感を覚えるのが、北欧の作品の好きなところだ。この作品にもそれが現れていて印象的だった。