【感想・ネタバレ】娘を呑んだ道のレビュー

あらすじ

2019年「ガラスの鍵」賞受賞作!

3年前、スウェーデン北部の村、グリマストレスクで17歳の少女・リナが失踪した。
地元の学校で数学教師をする少女の父親・レレは、3年たった今も単独で娘の捜索を続けていた。
少女が失踪した朝、シルヴァーロード沿いのバス停までリナを送っていったのは父親だった。
娘をバス停で降ろしてからバスが来るまで15分、その間に誰かに連れ去られたのだろうというのが警察の見解だった。娘はバスに乗らなかった。

同じ頃、グリマストレスクに流れ着いた母娘がいた。
娘のメイヤは母親が男を変えるたび何度となく引っ越しをくり返してきたが、こんな遠くまでやって来たのは初めてだった。
母親のシリヤはこれが最後だと言った。
母親の新しい相手はトルビョルンと言った。メイヤからすれば祖父といってもおかしくない年齢だった。

その夏、リナが失踪したシルヴァーロードからほど近い場所で、17歳の少女・ハンナが行方不明になった。
この事件をきっかけに、レレとメイヤの運命が大きく動き出す――。

子を思う親の狂気が招いた悲劇を、北部スウェーデンの暗澹とした風土とともに描き出した、大型新人デビュー作。

2018年、スウェーデン推理作家アカデミー「最優秀犯罪小説賞」受賞。
2019年、北欧ミステリーの最高賞「ガラスの鍵」賞受賞。
同年スウェーデン「ブック・オブ・ザ・イヤー」に輝いた傑作スリラー!

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Posted by ブクログ

悲劇的な結末には違いない。しかし、ここで思ったのは「再生」の道は人それぞれだ、ということだ。積極的に新たな道を歩みだすことで悲しみから立ち直ろうとする者、永遠に続くかと思われる程、果てしなく苦しむ者、笑顔で日常を続けながら奥底に葛藤を秘める者、悲しみ苦しむ者を時に遠くに、時に叱咤して見守り導く者、、、。それぞれのペースでそれぞれの方法で再び生きる力を取り戻せば、それはそれでいいのだと、力を取り戻す事に正解の方法や時間はないのだと思う。。個人的に北欧の作家と作品が好きだ。癒しの自然ではなく、人を寄せ付けない厳しさがあり、同時にその美しさを描きながら、それが登場人物の心情に重なり重厚さがありながらも透明感を持つからだ。特にそれは「孤独」を描く時に顕著になると思う。悲壮感よりも、一貫して厳しく美しく、それでいて透き通るような孤独の表現に共感を覚えるのが、北欧の作品の好きなところだ。この作品にもそれが現れていて印象的だった。

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2021年01月31日

Posted by ブクログ

そんなことじゃないかと思いましたよ。サクサク読めましたが、北欧ものにしてはちょーーっとストーリーが浅めかなあ。メイヤがクレバーで印象的でした。親や住む環境がどうでも、まっすぐ伸びる子は伸びるんですね。

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2020年12月17日

Posted by ブクログ

三年前に行方不明になった娘を探す父親レレと自分の居場所を見つけようとする少女メイヤ。毎日娘がいなくなった場所に訪れること、そういうひとつひとつが積み重なって喪失感がどんどん増していく。メイヤは恋によって周りが見えなくなる。そこから動き出していくのだけれど、心理描写の濃密さと自然の、風景の描写がとても美しくて印象に残る。次作もとても楽しみな作家さんがまた登場したことが嬉しい。

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2020年11月02日

Posted by ブクログ

家族の失踪なんて、辛い事この上無いのに、更に子供であったら、苦しい事は、計り知れない!
多数の不明者が、出ている世の中に、あってこのストーリーは、身近とも言える!
最後に、娘のような存在が、在ることに、少しだけほっとした!

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2020年09月25日

Posted by ブクログ

スェーデン北部の村で起こった失踪事件。娘を失った父親が執念の捜索を続ける。森や湖の美しい描写、人間心理への深い探究と、残酷な犯罪、、、スェーデンミステリーの読み応えある一冊。

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2023年07月29日

Posted by ブクログ

犯人に意外性がなかったような気はしたが、全体を通して読みやすく楽しめた。
北欧の作品らしい森の描写が良かった。

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2021年06月13日

Posted by ブクログ

原題は「銀の道」と言うらしいが、原題の方がしっくりきた。兎に角暗くて寒々しく、始めは読み進める事が罰みたいな気分だったが、主人公レレの狂気に近い娘への想いや居場所のないメイヤの気持ちが手に取る様に描かれていて切なかった。

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2020年11月08日

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