櫻田智也の作品一覧
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
きっかけ不明。
地味と言うか渋いミステリーだった。
とある地方都市で発見された遺棄死体は、
顔をつぶされ、手首を切り落とされ、葉も抜かれていた。
身元の判明が困難かと思われたが、別の殺人事件をきっかけに、
委託調査よりも恐喝を生業としていた悪徳探偵だったことがわかる。
身元が発表される前、警察署を訪れたのは小学校四年生の男子だった。
身元不明の死体が、行方不明になり十年、失踪宣告もされている父親でないのかと、
殺人課の刑事に直接確認したいとやってきた。
発券された遺体は父親ではないと一応納得して帰っていくが、
少年の父親はどこへ行ったのか。
どこにでもいそうな刑事たち、と言っては身も蓋もないが、
特に強烈な個性を放つ登場人物がいないという点では地味な印象だった。
(その地味さは、登場人物に現実味があるという良い意味ではあるが)
だが、地道な捜査と積みあげられる推理と多少の運で、
真実が突き止められていく過程は面白かった。
そして、美女に出会うわけでもなければ、銃も撃たない、殴り合いもしないのに、
ところどころで詩的な表現をしてくる主人公が嫌ではない。
どくに重要な手掛かりをくれたバーのマスターとの会話は楽しかった。
渋いがゆえにうまく褒められないが、面白かった。