【感想・ネタバレ】蝉かえるのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

良かった。
温泉に入って一息ついた感じに良かったー。

主人公が、あまり表に出て来ないのも好き。

短編小説で一気に読んじゃったけど、もうチョット時間をかけて読んだらよかったな、、、。

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2024年04月20日

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ネタバレ

前作の「サーチライトと誘蛾灯」が良かったので楽しみにしていた第二弾。5篇の短編集。
いや~やっぱり面白かった。
魞沢 泉のキャラクターがいい。飄々としているけど、大好きな昆虫については饒舌。人見知りだけど、実は昆虫と同じように人にも好意的に興味がある。そして、まっすぐ。
どの話もラストは切ない。皆が切実で真剣だからこそ切ない。
どの話も大好きだったけれど、特に
「彼方の甲虫」での、明日が来ることと、僕に明日があることは、同じではない。という言葉が胸を打つ。そして、この話での友情が「サブサハラの蝿」に繋がってハッとさせられる。
「サブサハラの蝿」では I beg your pardon?(もう一度言ってもらえますか?)の意味が変わるのが切ない。

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2024年02月04日

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シリーズ② 今作も謎解き、物語ともに素晴らしかった。3話目で『今作のベストはこれか!?』と思ったら、5話目でさらに泣かされた。前作よりさらに魞沢の人物像に肉付けされており、あとがきを読んで納得。4話目で魞沢のルーツに触れていて、もっとこのシリーズを読みたくなった。昆虫の不思議ももっと知りたい。

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2024年01月08日

Posted by ブクログ

すごく面白くて、あっという間に読んでしまった。
何かで良いと見て気になっていた。
当たりだった。

ミステリーとか謎解きとかのカテゴリーらしいけど、探偵でも刑事でもないし、短編だし、私の感覚ではあまりそのジャンルの感じがしなかった。
普通の人がとある出来事を受けてどう行動したのかをその人の代わりに説明してあげる。
特別感がなく、普通の日常と普通の人がそこにあるのが良い。
人が前面に出ていて、優しさが溢れているのが良い。
主人公というか、起ったことを語るエリサワ君が昆虫好きの人で、どれも昆虫に絡んだ話になっている。
そして、それぞれの短編が繋がりを持っている。
アイデアも構成もちゃんとしていて、専門的な内容も盛り込まれていて、よく出来ているなぁと感心してしまう。

前作『サーチライトと誘蛾灯』とも繋がっているみたいだけど、それを読んでなくても問題なく読めた。

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2023年12月10日

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「サーチライトと誘蛾灯」に続く、昆虫オタクの青年・魞沢泉が登場する短編集。

前作も独特な雰囲気を持った面白い作品だったが、本作は前作にあった脱力するようなノリ突っ込みが適度に抑制され、全体的により洗練されたユーモアとペーソスを感じた。

■蝉かえる
女人禁制やセミ供養。女性から渡された別刷りのエッセイから過去の出来事と現在の人物がつながる推理が見事。

■コマチグモ
子グモに食べられる母グモ。水たまりに産卵しようとする赤トンボを驚かせるために石を投げ続けるシーンが面白い。少女が持つ優しさと隠している激しさが印象的。

■彼方の甲虫
スカラベ(フンコロガシ)のペンダント。たった一日で友情が出来上がる様子が微笑ましく愛おしく、その後に起こる事件がやるせない。

■ホタル計画
ゼブラフィッシュとホタル。サイエンス雑誌でつながる3人の登場人物の関係が切ない。意外性溢れた展開に驚く。詩情旅情も溢れこの話が一番好き。

■サブサハラの蠅
アフリカから持ち帰ったツェツェ蠅のさなぎ。病で大事な人を亡くした医師の心情が哀しく、彼を立ち直させる魞沢の不器用な友情が好ましい。第3話とリンクするところも友情の話として深みが出た。

5つの話ではそれぞれ立ち位置は違うものの、いずれも魞沢の人間性がよく分かる話になっており、加えて、昆虫に関する知識を駆使した謎解きというだけでなく、それが、地方に残るタブー、母子家庭の母と娘、外国人に対する偏見、遺伝子組み換え、顧みられない熱帯病といった背景とうまくリンクして各話の内容を豊かにしているように思った。

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2023年08月18日

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昆虫は苦手で、しかも前作を読んでないのに手に取ってしまい、読み始めてから苦手分野ということがわかったのに、面白くてどんどん読みすすめ、最後は読み終わるのが惜しいくらいでした。前作も読みます!

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2023年04月14日

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『サーチライトと誘蛾灯』に引き続き読みました。
読み終わってしまった悲しさが…

切なく涙が零れ落ちるような、でもどこか暖かく言葉で表せない読後感でした。
読むことができて本当によかったです。また魞沢くんに会えるのを楽しみにしています(紙魚の手帖買おうかな…)

まだ読んでない方はぜひ『サーチライトと誘蛾灯』から読んでください。感動が倍になります!

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2023年03月30日

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「小説の名探偵は、登場人物の怪しげな言動に手がかりを見いだす。しかし本書においてもっとも怪しいのは、探偵役の
魞沢泉である。」(文庫版あとがき)って面白い。
法月綸太郎の解説、ホワイダニットとホワットダニットの話、本書の読み解きにすごく参考になった。

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2023年03月28日

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魞沢泉が羨ましい。
興味関心が虫に一点集中しているようでありながら、思いやりにあふれている。

人として大切なことを通せるかどうか、は、自分の足場を持っているかどうかなのかもしれない。
リアルな虫は苦手だけれど、生物知識として、虫は本当におもしろい。ヒトとは異なるその生態が、ミステリーを解く鍵になることがおもしろいし、よくある探偵物とは異なり、虫愛に導かれるように、謎が解けてしまい、人への思いが行動を導く魞沢泉。
今までにないミステリーだ。

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2023年03月11日

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良かった!!
ここのところ自分的に星3な作品続きで、趣向を変えて読んだ海外作家作品は途中で自分の最も苦手とする展開になり(現在積読)、期待もせず読み始める。

まず言いたいのは連作ミステリ第2弾と書かれていたのに気付かず購入し、読み始めてしまったが全く問題がないということ。そして、短編が5作収録されているが、最後の話でその全てが繋がって……ということでは無い。そこもありがたい。自分のペースで短編を細切れに読んでも、読む順番を変えなければ全く問題ない。普段こういう視点人物がコロコロ変わる作品は好みでは無いのだが、それでもこの作品は読みやすかった。誰かの人生という物語の中で主人公(というのはここでは適切では無いかもしれないが)セリ沢泉がどこかで関わっている。それを切り取って描いてる作品。
劇的に何かが起きる訳ではなくても、誰かにとっての身近な人が亡くなったその時に泉がいることで明かされる真実、もしくは事実の側面。それらが昆虫とともに描かれていた。

これは1作目も読んでみたいと思った

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2024年05月06日

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 虫好きの青年が主人公の連作短編集。全体的に穏やかな雰囲気と主人公の優しさにより、一話毎に心に染み渡るようなホカホカした気持ちになった。また昆虫の知識が深く掘り下げられているのも良かった。

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2024年04月26日

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ネタバレ

初めて読んだ先生の作品。虫好き青年の時に切なくも心温まる作品が詰まった短編集でした。
どれも捨てがたいですが、私はタイトルにもなっている蝉かえるが好きでした。

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2024年04月14日

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最初の数編を読んだ段階では、探偵役の男性が主人公の役割を担うにはおとなしすぎで、やや魅力に欠けるかなと感じていたのだけど、連作を読み進めるうちに徐々にこの人物の人となりが浮かび上がってきて、当初抱いていた印象が一面的であったことに気付かされた。
連作の手法としては多用されるパターンではあるものの、主人公を前面に出しすぎない形にすることで読者の想像力を上手く引き出すことに成功していると思う。
この探偵役が語り手となる作品も読んでみたいところではあるのだけど難しそうだな。
シリーズ前作は未読だけど、解説によると本作の5編とそれぞれ対応しているということらしいので、いつか読んでみたい。

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2024年02月05日

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出てくる地名とか建物とか名前とかやや難しかったけど、話しは凄く良かった。凄い!とか共感する!とか悲しい、とかそうゆうのでは無く、ただただそうだったのか、と思わされる話しだった。読後感が良かったと思えた作品だった。

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2024年01月27日

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とても面白かったです。どこか冷めた印象のエリサワセンという昆虫好き青年がいくつかの事件を解いていくのですが、最終的にはどの話も愛情や温かみを感じさせるところに終着するところが良かったです。1作目も読んでみようかな。

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2023年11月05日

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ネタバレ

連作短編集の第2弾。
読みやすく面白い、凄惨な描写は無く気軽に読めるけど登場人物の心に寄り添ったミステリー。
探偵役のえりさわが飄々として掴みどころがない軽い感じかと思っていたらアツい気持ちがあるのも良い。
収録されてる5作全て良かったけど特にホタル計画が面白かった。

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2023年10月16日

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昆虫好きの青年・魞沢泉(エリサワセン)を探偵役にした連作ミステリの第2弾は、「蝉かえる」「コマチグモ」「彼方の甲虫」「ホタル計画」「サブサハラの蝿」の5篇。

ふたつの賞を受賞したのも頷ける出色の出来栄え。前作で気になったつまらない親父ギャグのようなくだりは鳴りを顰め、単なる虫に絡んだ謎解きだけじゃない、作者が意図した主人公・魞沢の人物像が少しずつ明らかになっていく物語に仕上がっている。

魞沢は探偵としてしゃしゃり出るのではなく、大好きな虫の蘊蓄を述べたり、鋭い観察眼に基づくひとことでさらりと事件の本質を捉えてみたりして、それが結果的に解決に結びつくのが絶妙な塩梅。

どこかのほほんとした物語運びながら、地方の因習、母子家庭、ゼノフォビア、遺伝子組み換え、医療格差など、現代社会の問題をテーマとして据えることで、そこに人間の悲しみも同時に描き出すという深みすら感じる内容。

「きれいごとのひとつも口にしなければ、こんな世界、生きていけないじゃないですか」
と漏らす魞沢の胸の内が切ないな〜。

正直、一作目でもういいかなと思っていたところもあったけど、読んでよかった。
第3弾が出たら必ず読みます!

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2023年09月24日

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短編の、昆虫にまつわるミステリー小説、とても面白く、イッキに読み通しました。泉のこれからの活躍に期待ですね。

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2023年03月26日

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ネタバレ

評判が良かったので久しぶりに日本のミステリを。連作短編集は好み。最初、誰が主人公なんだろうと思いながら読み進めた。それくらい筆者とそれぞれの登場人物との距離感が等しく、どの話にもその姿勢が貫かれていたようにも思う。個人的にはホタルの話が好き。時代が違うことに後で気付いた。面白かったので、母にもすすめました。

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2023年03月13日

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真相がみえた瞬間、同時にやり切れない人間模様が明らかになる。本書はどれもそんな切なさが籠もった短編でした。そういう話、好みです。
『蝉かえる』『コマチグモ』は共に前評判通りの面白さでしたが、それより主人公の内面を描こうとしているような書き下ろしの三篇が特に気に入りました。

本書内の魞沢くんと丸江ちゃんの会話
「虫と同じ程度には、人間にも関心があるんですけど」
「観察するだけじゃなく、相手にも自分をさらけださなくちゃ」
観察することで真実を見抜く探偵役・魞沢くんに対する人間関係構築のアドバイスは、今後のシリーズのテーマになりえそうです。

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2023年03月02日

Posted by ブクログ

探偵役の魞沢(えりさわ)くんは、探偵らしくない探偵だ。
物語の背景に溶け込むというか、ガツガツしていない。ていうかこの短編集自体、ミステリー小説っぽくない。
話全体も柔らかい雰囲気が纏っているんだけど、語られる真実は結構えげつない。
手放しのハッピーエンドはないし、皆何かしら喪失している。
「蝉かえる」は終わり方がとても好み。余韻が残る。雨のシーンが好き。
「彼方の甲虫」は運命って残酷だなと思う。どうしてこうなったの、とやるせない思いを感じた。
「ホタルの旅」は薄々感じていることが、どうか当たらないでと祈りながら読んだ。

毎回主人公の読み方忘れるんだけど、ようやく覚えられた(笑)
次回作が出たときまで覚えていたい。

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2023年02月28日

Posted by ブクログ

蝉かえる★★★★
コマチグモ★★★★
彼方の甲虫★★★★
ホタル計画★★★★☆
サブサハラの蝿★★★☆

前作「サーチライトと誘蛾灯」よりも、キャラクターやストーリー展開、会話のやり取りも洗練されていて、どの話も面白かったです。
個人的には「ホタル計画」が特に気に入っていて、派手さはないが、意外な結末や伏線回収のキレが良かったです。

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2023年02月27日

Posted by ブクログ

5話の連作短編集で読みやすかったです。
虫にまつわる事件を冷静に解いていく主人公。
それほど「虫」は強調されておらず、さりげなく登場します。
各話は1話完結となっていますが、ほんのり繋がっています。
優しい物語でした。

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2023年08月17日

Posted by ブクログ

これ、2作目だったとは…
昆虫好きの主人公が謎解きするミステリー短編集。どれも少しゾワっとする感じのソフトなミステリーで、表紙のイラストの世界観なので、ミステリーの割にほんわかします。
1作目も読まなくちゃ。

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2023年05月12日

Posted by ブクログ

短編ミステリーとして充分面白く読んだことは前提として。
主人公のエリ沢のことを「心優しい青年」と書いてあって前作を読んで特にそう感じてなかったので、そうだっけ?と思いつつ読んだ(自分の意地の悪さを感じつつでもある)その視点で読むと優しいか優しくないかで言えば優しいけど…。
「心優しい」ってリードに書かれちゃってるほどには「ああ、エリ沢くんって優しいな」とじーんと来るほどのものは感じられなかった。
まあ、自分の感受性に問題あるのかなと思ったり思わなかったり。感受性っていうより、そこに引っ掛かる性格に問題があるのかもしれない…。

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2023年05月09日

Posted by ブクログ

一体何が起こったのか、起こりつつあるのかを解き明かすホワットダニットが軸となる5編。絶妙な反転で思わぬ真相が待ち受ける連作で、表題作の結末は鳥肌ものだし「ホタル計画」のミスリードにはまんまとしてやられた。「彼方の甲虫」から最後の「サブサハラの蝿」への流れもいい。何と言っても、ふんわりした人間味ある探偵役・魞沢泉の魅力に尽きる本作。シリーズの今後も楽しみ。

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2023年03月05日

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