櫻田智也のレビュー一覧
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ネタバレ【人間臭い単純な動機→隠蔽→事件が“超ハードモード”へ変貌】
山奥で、顔を潰され歯を抜かれ手首を切り落とされた変死体が発見されるところから物語は始まる。警察署係長・日野が捜査を進める中で、無関係に思える複数の事件が浮かび上がり、複雑に絡み合い、やがてそれらが一本の線として収束していく構図。
複雑な事件の伏線が回収されるたびに訪れる“理解の快感”は気持ちいい。、しかし同時に、この複雑な事件の正体は決して特別なものではなく、関係者たちがそれぞれの事情で真相を隠そうとした結果、事態が歪み、肥大化していったに過ぎない(ミステリーなんだから当然と言えば当然ですが...)
“隠蔽の理由”も、“事件の発 -
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読み応えのあるストーリーでした。
ちりばめられた伏線、読んでいてもそれがどう繋がっていくのかがまったく想像出来なくて、いや、それ以前にこれが伏線だったのかもわからなかったものも多く、読み進めていって初めて気づかされる事の方が多かった。
一見、関係なさそうな事柄から、よく手繰り寄せられられるものだと、感心してばかりでした。
かなり、練り込まれたストーリーだと思いました。
登場人物が多く、戻って読み返す時もあったけど後半に差し掛かる頃には区別がつくようになり、読むスピードが上がりました。
そして、主人公が何より家族を大切に思っていることを感じる記述も多く、残酷な事件の合間に暖かい風を吹かせてい -
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ネタバレ「サーチライトと誘蛾灯」
「ホバリング・バタフライ」
「ナナフシの夜」
「火事と標本」
「アドベントの繭」
ホームレスを強制退去させた公園の治安を守るため、ボランティアで見回り隊が結成された。ある夜、見回り中の吉森は、公園にいた奇妙な来訪者たちを追いだす。ところが翌朝、そのうちのひとりが死体で発見された! 事件が気になる吉森に、公園で出会った昆虫オタクのとぼけた青年・魞沢泉が真相を解き明かす。
吉森と魞沢のテンポ良い(そしてすれ違いまくっている)会話が楽しくて引き込まれました。魞沢のナイス天然キャラがいい味出してる!
・ホバリング・バタフライ
高原を訪れた瀬能丸江は森の中で虫取り網を振り -
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ネタバレ虫好きの心優しい青年 魞沢泉シリーズ第三弾。
行く先々で事件に遭遇する彼は、謎を解き明かすとともに、事件関係者の心の痛みに寄り添うのだった……。
ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、銃撃事件の謎を探る「白が揺れた」。
花屋の店主との会話から、一年前に季節外れのポインセチアを欲しがった少女の真意を読み解く「赤の追憶」。
埋蔵文化財センター宛に届いた、工事現場から不穏な埋蔵物が出たという連絡がきっかけで、過去の捏造騒動の真実を暴く「黒いレプリカ」。
ピアニストの遺品から、一枚だけ消えた楽譜の行方を推理する「青い音」。
魞沢の師匠だった、へぼ取り名人が亡くなった。『白が揺れた』の後日談で -
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良い
タイトルの「蛹」には作者の櫻田智也さんが自身を重ねたような色合い
本作の次作『失われた貌』で国内ミステリーランキング三冠と見事に羽化しましたね
ちょっと一回整理しよう
コスパだタイパだと現代人はすぐに次から次へと気移りしてしまうが、時には立ち止まりじっくりと考えてみることも必要だと思う
そして実際に考えてほしい
わい、今ものすごいうまいこと言わなかった?言ったよね?蛹に掛けてさ、ミステリーランキング三冠を羽化に例えて
実際痺れたよね
はい、主人公の魞沢泉君がどんどん人間になっていく
なんていうすかご〜く描写力が上がっていってるのが分かる
なんかカクカク動いてたのが、滑らかになる感 -
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櫻田智也さんの「魞沢泉」シリーズ3作目(2024年作)は、あとがきにも書かれているように、前作で『連作のひとつの区切り』となったことから『心機一転』した新たな部分と、更に切れ味の増したミステリの素晴らしさが合わさった正統進化版と感じたものの、櫻田さん自身は色々と悩まれた執筆だったようで、それは『物語の自由度を高めようとするほど、不思議と作者は不自由になっていくようだ』や、いつになくネガティブで弱気な、本書の魞沢自身とも呼応しているように感じられた。
そうした中で今作は、それぞれに違う色をタイトルに付けたコンセプト連作集という試みに加え、更に本のタイトルが収録作のそれと被らないオリジナルの