櫻田智也のレビュー一覧
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顔が潰され、手首も切られと身元を隠された死体が発見された。
当然、顔のない死体が意味するものが隠されているはずだが、そのための伏線がどのように張りめぐされているか楽しみながら読んだ。
一見全く関係のなさそうなものまで、重要な手掛かりに繋がるが、最後の真相は個人的にはちょっと微妙だった。今の時代、隣人間の関係性の希薄さはあるが、生きていれば痕跡を残さないことは不可能と思う。
本書の登場人物のキャラ設定は好きだ。日野係長のなんとなく力の抜けた感じはありつつも真っ直ぐ突き進む姿勢や、羽幌課長の信念があり、真面目さゆえの不器用さがよく、2人のやりとりは面白かった。その中でも、特に部下の入江の熱さはい -
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何という怒涛の展開。
私が予想していた方向ではなく、まったく予測していなかった方角から物語が大きく動き出した。その瞬間、「やられた」と思わず唸ってしまった
この作品の魅力は、単なる犯人当てではなく、事件の裏側にある人間関係や、それぞれが抱える苦しみや葛藤が丁寧に描かれているところだと思います。
登場人物たちは皆、何かを失い、何かを守ろうとしていて、「もし自分だったら…」と考えさせられる場面が何度もありました。
読み終えた今、一番心に残っているのは、事件そのものよりも、その後を生きていく人たちのこと。
最後のページを閉じたあとも、「この人たちは、この先どう生きていくのだろう」と自然に考 -
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櫻田智也さんの作品は初めて読みました。
「六色の蛹」は、日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞受賞作である「蝉かえる」に続く魞沢泉(えりさわせん)シリーズの一作として位置付けられる短編集となります。
6編の物語で構成され、それぞれのサブタイトルには色が冠されています。読みながら「なぜ蛹なのか」と考えていましたが、あとがきの一文で腑に落ちました。登場人物たちは、もっとも脆く傷つきやすい存在としての蛹に重ねられていたのですね。
私自身は何度も脱皮を繰り返してきたはずなのに、還暦過ぎてもまだ脆く傷つきやすいのは変わりません(笑)。人間はもしかしたらそんな生き物かもしれませんね。
6編の中では -
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虫好きの心優しき青年魞沢泉シリーズ3作目
これまでのパターンでこの人物はなにかあるな、とか途中で先の展開気づいてしまうところもあったけど、最後はやはり感極まり涙してしまった
悲しいことや、やるせないこと、起こったことは変わらずとも、見えてなかったことに向き合う事で先に進める事や出来る事はあるのだと気づかせてくれる。
心の淀みから、ほんの少し水が流れでたような感覚(「青の音」より)で魞沢泉に話さずにはいられなくなる。魞沢泉は人の抱える秘密や罪に優しく寄り添う。なんと言う稀有な魅力だろう。
そんな魞沢泉にも苦悩があることを知って少し驚く。飄々としながらなにか超越した人物像だったけど彼もまた弱