櫻田智也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
軽い読み心地。今までに読んできたミステリーとはちょっと異色の短編集。
事件の謎解きに昆虫オタク・エリ沢の語り(もちろん昆虫について)が絡められていて新鮮でした。
何だか掴みどころがなく、飄々としてるけど観察眼・洞察力が優れていてなかなかの切れ者。
短編の中では、特に「火事と標本」が強く心に残っています。
ある登場人物が長らく抱えてきた苦い記憶を、新たに書きかえたであろうエリ沢。それが果たして救いになったのかどうか……。
巡りあわせの悪さに、やりきれない思いでいっぱいになった。
最終話もこれまでの苦悩を思うと、その後の幸せを願わずにいられない。
人の心の機微を描くのが、この作家さんの持ち味な -
Posted by ブクログ
ネタバレ作者二作目ですが、とても面白かった。あとがきにも書いてたけど、イリ沢の人物像がより深掘りされてて、色々な側面が見えてきて愛着が持てるようになってきた。
以下、各章の感想
・蝉カエル:前半はゆっくり流れてて心霊パターンもあるのか?って思ってたら後半ミステリに振り戻された。色んな偶然が泣かせる話。
・コマチグモ:母娘の人間関係のモヤモヤがハッピーエンド?なので一安心。
・彼方の甲虫:いい人が死ぬのは少し心が重くなるな。
・ホタル計画:本書では一番好きな話。ミステリとしても読者をミスリードさせる仕掛け、若きイリ沢のラストでの返しや、細かい伏線もありで満足度。人間ドラマとしても好きな作品。
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Posted by ブクログ
エリ沢泉シリーズ、3巻。
まず最初に、読み方の注意!
とにかく目次どおりの並び順で読むこと!
時系列順に(何年も)経っており、1話目2話目の盛大なネタばらしがその後繰り広げられるので……!
わたしは短編集は好きそうなものから読んでしまうので、ものすごいショックを受ける羽目になりました。自業自得( ω-、)
昆虫探偵から、自然文化民俗全般にジャンルが広くなってきて、エリサワ探偵の心優しさもいっそう増している。
今巻は、著者が後書きでいわれているように、「事件が解決したあとの割り算の余り」が深く沁み渡ってくる佳品が多く、まさに今後のエリサワ探偵ものの在り方を堂々と示してくれている。
「自分が関 -
Posted by ブクログ
ずっと気になっていたこのシリーズ。良いシリーズ作品に出会えた〜!虫が大好きで公園や山、虫がいるところに度々出現する主人公の魞沢泉。彼がいるところに殺人事件も度々発生する。どこか掴めない、不思議と憎めないキャラクターの彼が事件の真相を推理してしまうのだけど、とにかくこの魞沢泉が愛らしくて良い。見た目から30代半ばと描写されているけれど彼の言動から想像するのはもっと若く、ただの虫取り少年、という感じ。
特に「火事と標本」が好き。どのお話も人間の欲や傲慢さ、愛情が事件の裏側にあって心に沁みる物語でした。続編もまだ読めそうなので追っていくのが楽しみ。