深谷忠記の一覧
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ユーザーレビュー
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すごい読み応え!
20年以上前に起きた幼女誘拐殺人事件。その犯人として逮捕された柏木喬は本当に犯人だったのか?それとも冤罪なのか?前半は退職した元刑事村上と、過去に彼が逮捕した柏木との話を中心にして柏木は本当に冤罪なのか、当時の関係者達のストーリーを交えて考えさせられる。
前半終盤に被害女児の母親に
...続きを読むよって村上が銃殺された……と思わせて幕を閉じ、後半は黒幕の裁判シーンから始まる。
あれ?こんな中盤で全てが明らかになっちゃって、この後はどうなるの?と思わせておいて、最後の最後でまたまた大どんでん返し!
最後まで先の読めない、面白い小説でした。
終わりの柏木と真犯人とのやりとりは若干くどくて、精神論的でまどろっこしさを感じましたが、全体的には読みやすくどんどん読めました。
冤罪って怖いですよね……しかも警察内部の人間が証拠を捏造していたら、もう逃げることは不可能なのだな、と恐ろしくなりました。奪われた人生は何をもってしても償うことはできない…最後の柏木喬の言葉、本当にそうだな…と感じました。
Posted by ブクログ
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元暴力団員畑村順次を刺殺したとして逮捕された矢代昌宣は、一旦は犯行を自供しますが、裁判では一転して犯行を否認、無罪を主張します。堀内利勝警部が発見した物証、血のついたシャツには決定的証拠とするには疑わしい点がありましたが、結局、滝川実を裁判長とする裁判官らは、矢代に有罪判決を下します。矢代は服役中
...続きを読むも無罪を訴え続けますが、結局獄中で病死します。菊山事件と呼ばれるこの事件は、近しい関係者以外には忘れられていきますが、この事件を決して忘れない、矢代が犯人でないことを知っている人間がいました。それは真犯人です。
何年も後、遠く離れた場所でひき逃げ死亡事件が発生します。被害者は、菊山事件を裁いた元裁判長滝川実、加害者として拘留されたのは、同じ事件で捜査の中心だった元警部堀内利勝でした。堀内は一旦は犯行を自供するものの、後に無罪を主張、そうする中で、自分は計略に嵌り、自らの強引な捜査で有罪とされた菊山事件の矢代と同じ立場に立たされていることを知ります。
この本のテーマは冤罪です。自白を後に翻す容疑者に対し、やってもいないことを自供するはずがない、あれは最後のあがきだなどと私たちは思いがちですが、作者は本の題名の通り、虚偽の自白に導かれる風景を説得力を持って描いていきます。証拠を捏造したり、自白を強要したりする捜査官に、罪の意識はほとんどありません。それは彼らが非人間的だからではなく、彼らは状況から被疑者の有罪を確信していて、運悪く決定的証拠がないだけだと考えているからです。自分たちの行為が正義だと思っている以上、彼らの良心が暴走を止めることは期待できないでしょう。
この本はミステリーなのですが、作者にはまず描きたかった題材として冤罪の構造があり、ミステリー作家である以上、それをミステリーを通して表現した、私にはそんな風に感じられました。だからといって娯楽性が低いわけでは決してなく、人間の挫折、偶然事件に巻き込まれる理不尽さ等を考えながら、最初から最後まで飽きることなく一気に読めます。結末も、先を読むのが得意でない私には意外でした。社会派ミステリーの傑作であり、お勧めの本です。
Posted by ブクログ
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病院内で筋弛緩剤が盗まれた直後、入院患者が殺された。
死因は筋弛緩剤の投与。
殺された入院患者は、妻に対するDV、看護師に対するわいせつ行為、他の患者や医師に対して暴言を吐く問題の多い人物で、誰にも殺害の動機があった。
事件に潜む“毒”とは・・・。
以前テレビ番組『超再現!ミステリー』で
...続きを読む取り上げられたものなので、ご存知の方も多いかも?
番組を見る前に本を買っていて、よりによって読む前に番組を見てしまったのですが。
原作は、再現ドラマよりも深く濃いものでした。
ドラマには出て来なかった人物やエピソードが多かったので、またちょっと違う話のようにも見えました。
犯人がわかっている状態で読んだので、その人物に注目して読み進めましたが、それでもやっぱりそんな素振りがない。
どんでん返し最高です。
Posted by ブクログ
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大好きな裁判物かな?と思って読んだけど裁判シーンはあまりなかったな・・・。でも記憶についての考証はおもしろかった。
Posted by ブクログ
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良くできた話です。面白かった。
話は女児誘拐殺人の裁判結審のシーンから始まります。
被告人・柏木は懲役15年の刑が言い渡される。
刑期を終え出所した柏木は自らのホームページの中で冤罪だったと主張。
そして自白に追い込んだ元刑事・村上の周辺に頻繁に現れる。
柏木は本当に無実なのか?真相は何処にあ
...続きを読むるのか?柏木の目的は何?
よく練られたストーリーで安直には展開が読めません。
割と重いテーマですが軽快に読ませます。
最後も割とどんでん返しなのですが「そう来るのならこの人の言動は???」と思う展開が・・・
決して辻褄が合わない分けでは無く、作者はしっかり説明していますが、私は別の展開にした方が良いと思った。
惜しい!
Posted by ブクログ
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