千曲川殺人悲歌~小諸・東京+-の交差~

千曲川殺人悲歌~小諸・東京+-の交差~

小説・文芸
770円 (税込)

3pt

4.0

傲慢、奇矯な若き天才画家が、自宅駐車場で刺殺死体となって発見された。その恋人は同夜、別の場所で毒死を遂げていた。無理心中かと見えた事件の裏に画家への殺意を抱く多くの容疑者が浮かぶ。刑事・勝俊作は、娘に自殺された高校の同窓生と事件の因縁に心ざわめく……。名探偵コンビ・壮と美緒は鉄壁のアリバイを崩せるのか!? 島崎藤村の詩が彩る究極の不可能犯罪!

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    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    少し前に読んだ、『横浜・修善寺0の交差』と同じ、壮&美緒コンビによるシリーズのうちの1作。
    前回と同じく、薦められて読んだ本。
    そのため、またもやシリーズ1作目をさしおいて、途中を読んでいる。
    読みきりになっているから違和感はないんだけれど。

    今回は被害者であるはずの画家・杉原にあまり同情できず、別の意味で被害者となってしまった登場人物への同情を抱かずにはいられない。
    アリバイトリック、面白かった。
    ひとりの行動だけではなく、色んなひとの行動がアリバイを作り上げた。
    ヒントを与えてくれたのはそのうちのひとりの行動で。
    今回は刑事の勝部長も同級生が事件に関わっているのではないかという不安も手伝って、活発に動き回っている。
    最初から最後まで彼の強い想いが描かれていたように思えた。
    刑事である前に、同級生の一人として。
    勿論、探偵も考えを徐々に固めてゆき、ラスト、ばしっとキメてくれる。
    前回読んだものより、壮のキャラクタ性も強くなっているように感じた。
    急に立ち止まり、「考える人」になってしまう。
    “突然、何かに思い当たり、それについて考えているような目――。”
    “何も見えず聞こえずの「考える人」になると、醒めるのが五分後なのか一時間後なのか予測がつかないので厄介だが、この状態なら、たいてい四、五分で元に戻る。そして、こういうときの対応の仕方は、「宇宙人の調教師」を任じている美緒は心得ている。
    相手が口を開くまで、こちらは何も言わずに待つことである。”
    色んなひとにじろじろ見られながらも、じっと壮を待つ、美緒の姿はちょっと面白いのと同時に、いいなぁ、このコンビ、と思わずにはいられない。
    なかなかこんな理解者はいないぞ。
    物語はじめの方でのインターホン越しのやり取りも二人の関係をほほえましく表していて、お気に入り。
    物語の中に出てくる島崎藤村の歌、初めて知りました。
    さらに、切なくなってしまった。

    0
    2014年05月20日

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