星へ落ちる

星へ落ちる

429円 (税込)

2pt

彼には同棲している男がいる。私は彼が来てくれた時に迎え入れればいいだけで、彼を望む権利などない―(『星へ落ちる』)。彼の彼氏に嫉妬する『私』、彼に女の影を感じて怯える『僕』、出て行った彼女を待ち続ける『俺』。相手を愛おしいと思えば思うほど、不安で押し潰されそうになってやり場のない感情に苦しんでしまう男と女と男を、それぞれの視点から描き出した切ない恋愛連作短編集。

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星へ落ちる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    『彼』を巡って衛星のようにぐるぐる巡る不毛で息苦しくてもどかしい恋の行方。
    東京の街の夜の空気がぎゅっと閉じ込められた作風だなぁと思いつつ、全編に行き渡った閉塞感と狂気がひりつく。
    はてさて『彼』はどう思いどう生きるのか、本心が見えないのがなんともかんとも。

    『彼女』に捨てられた男がなんのかんのと

    0
    2016年01月31日

    Posted by ブクログ

    ストーリーはなんてことないのに、文章というか、行間の雰囲気が好きな感じ。
    よしもとばなな氏とか、江國香織氏とか。

    苦手感のある芥川賞受賞作家さんが楽しめた自分がうれしいw

    0
    2013年08月12日

    Posted by ブクログ

    「例えばさ、ずっと一つの星を見上げてると、自分がその星に落ちていきそうな気がしてこない?」

    星へ落ちるってタイトルにきゅんとした。

    男と女と、男の彼氏と、女の元彼。

    複雑な人間関係の中で共通するのは、完全に自分のものにならない相手に落ちて、もがいているところ

    人の心なんて縛れないのに、なんで

    0
    2012年01月07日

    Posted by ブクログ

    2組のカップルがWで浮気し、浮気した本人たちもまた、愛の模様に苦しんでいた。見捨てた側は愛の方向がお互いに向いていないことを自覚し、見捨てられた側は自分の中でどうにか合理化して足掻いていた。純愛とは正反対に位置するような小説。愛の複雑さを巧みに表現していて、読者にまで辛さやどうしようもなさが伝わって

    0
    2024年11月26日

    Posted by ブクログ

    くるしくてつらい、だけどその中に潜む愛がこれまた残酷。まるで恋愛から甘いところをほとんど抜いてしまったよう。目を背けたいのにページを捲りつづけていた。
    もどかしい気持ちでいっぱいになりますが、わたしはすごく好きでした。

    0
    2024年02月19日

    Posted by ブクログ

    それぞれの登場人物の視点からそれぞれの心理が深く表現されていて引き込まれた。
    最後も下手なハッピーエンドではないところが良かった。

    0
    2020年02月24日

    Posted by ブクログ

    読まず嫌いだった作者。思いきって読んでみた。
    もっと早く読めば良かった、という気持ちと読まなければ良かった(当作品に対する個人的感情として)、という気持ちと半々。

    彼を中心に回り落ちていく人々の話。
    惑星のような彼の存在感が非常に薄いのに、周りの衛星である人々によって、中心となる彼が描かれている。

    0
    2014年04月23日

    Posted by ブクログ

    わたしと、わたしが好きなあのひとと、わたしのことが好きなあのひとと、わたしが好きなひとがすきなひと。もうほんとうにわたし。不幸なわたし。恋愛がつらいわたし。不安なわたし。吐いてしまうわたし。わたししかないんだけれども、これ、分かる、と思わされるところが凄い。全部リアルだから。返信が帰ってこないと胃が

    0
    2013年12月11日

    Posted by ブクログ

    そんなことないかも、と思いながらも
    結局また引きずりこまれている。

    どんなに好きだと一緒に居たいと不安に思っても
    それはつまり自分の中でしか理解されない
    相手に愛されていようといまいと。
    本当はあんまり考えすぎない方が上手に生きられるのかも知れないけれど、
    やはり私もそういう風にしか生きられない。

    0
    2011年12月14日

    Posted by ブクログ

    「私」「僕」「俺」三人の主人公のなかで、愛する人を決定的に失い最も不幸なはずの「俺」が、最終的にいちばんマトモな人間でいられている、というところが印象的。
    「俺」は「私」を失うことでアイデンティティを取り戻し、「私」や「僕」は「彼」を得たことで「彼」やその関係そのものに依存し、アイデンティティを喪失

    0
    2011年10月07日

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