一雫ライオンの作品一覧
「一雫ライオン」の「流氷の果て」「小説版 サブイボマスク」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
Posted by ブクログ
ブク友、まことさんから教えていただいた初作家さん。
インパクトのある名前で興味を持っていましたがようやくありつけた。
まことさんありがとう~!
1985年。昭和60年の大晦日の夜の北海道。
札幌から知床半島ウトロへむかう「北斗流氷号バスツアー」
お酒も入り午前2時過ぎにそれは起こった。石北峠を通過中の転落事故により運転手含む乗客39名が死亡した。
事故の原因は運転手による飲酒運転だった。
助かったのは僅か7名。その中にいた運転手の息子、釜利修一(10)と能瀬由里子(12)。
時は過ぎ1999年まもなくミレニアムを迎える東京新宿の歩道橋で男の首つり遺体が発見される。
認知症の母親の介護の為もうすぐ退職する刑事の真宮はそこで、憂鬱な影を引きずっているような雰囲気の青年と白いダウンコートの美しい若い女性を見かける。
あのバス事故が招いた不幸、少年と少女のその後の人生が新たな殺人事件と繋がっていく。
時効まで、罪の共有が白夜行を思い出した。
これ系は大好きな話。
犯人とわかっていても、何とか逃れてくれと最後は思ってしまった。
親を失ってから大人になるまでがここには書ききれない程の辛い過去があるのだろうと勝手に想像して落ち込む。
由里子しかわからないペンネームでラジオにメッセージを送る所が良かった。
他の作品も読んでみたいと思った。
私の母もバスツアーが大好きでよく行っていた。「今度は菖蒲祭りのバスツアーにいくの」と楽しそうに電話で話していた。
当日の朝に待ち合わせ場所に来ない母を叔母が迎えに行くと倒れて亡くなっていた。
翌年私は一人で「菖蒲祭り」に行って母の為に沢山写真を撮ってきた。
私もう少し年齢を重ねたらバスツアーを楽しめる人間になりたい。
Posted by ブクログ
切ない…
こんなに夢中で読んだ小説は久しぶり
一年ほど前にブク友さん達の間で話題になっていたから、その頃に予約したのかな?
今、手元に届きました。
1985年12月31日
札幌から知床半島ウトロへと向かう「北斗流氷号バス事故」
全てはこの転落事故から始まった
プロローグから一気に惹き込まれる
事故から15年
バスに乗り合わせた少年少女たちのその後の人生
身元不明の遺体
政界の重要人物殺人事件
事件を追う〝現場百遍〟の昭和の刑事と細眉の若手刑事のコンビ
これらが絡み合い、緊迫感を持ったまま物語は進んでいく。
ミステリーではあるが、登場人物たちの生きる姿こそが一番の読みどころかもしれない。
窓の外は雨だけど、雪なのかと錯覚するほど物語に入り込んでしまった。
読み応えたっぷりの一冊。
Posted by ブクログ
頭脳明晰、容姿端麗な女性判事の主人公、礼子。
けれど礼子の幼少期は幸福とは程遠く、実の母の最後の言葉に深く心に傷を負っていた。母の名前も思い出せない、生きているのかも興味がない。
感情を消し、身勝手な夫、義母との関係性を淡々と続ける日々は、私から見ても決して幸せではない。
そんな時に、かつて礼子が懲役刑に処した元服役囚に出逢う。感情を消し去り仮面を被って生きていた礼子の歯車は、彼の存在によって狂っていく。
愛おしい物語だと私は思いました。
最後に、少年のように笑う蛭間と、少女のように笑う礼子。
決してハッピーエンドとは言えないけれど、物悲しい北陸の冬を最後のシーンに持ってくるのも素敵でした。
蛭間という人物が素敵過ぎて、真っ直ぐで優しくて、誠実で、我慢強くて。
器用で繊細で、男らしくて。
二人はきっと、本物の愛を知って、幸せだったんだろうと思えた。