【感想・ネタバレ】流氷の果てのレビュー

あらすじ

1985年、バブルに沸く日本。大みそかに出発した北海道札幌発のバスツアーで流氷を見ることを楽しみにしていた少年と少女は、バスの転落事故ですべてを失ってしまった。
そして1999年、成長した彼らは、きたるべきミレニアムに浮足立つ新宿の街で再会するーー一体の首吊り死体をはさんで。定年間近のベテラン刑事と、競争から外れてしまった若手刑事が、二つの時代をつなぐ事件の真相を追うべく、駆けずり回る。この国で隠され続けてきた、あまりにも悲しい真実とは――?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1985年大晦日に北海道で起きた生存者7名という凄惨なバスの転落事故。時は流れ1999年12月も終わろうとしている中、新宿で起きた身元不明の首つり自殺。遺体を挟んで邂逅する二人の男女。立ち会った刑事の真宮が見たものは。点と点が繋がり事態は思わぬ展開をみせてゆく。真宮の感だけで物語が進んでいくところは若干の違和感を覚えたが、ミステリではなくサスペンス劇場を見ていると思えば次の展開が気になり、460頁を一気読みに近かった。読み終わったあと帯をみるとエモーショナル・ミステリー超大作と思いっきり書かれていました。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

知らない作家さんだったがすごい筆力。中盤までの展開と後半のたたみ掛け。ハッピーでもバッドでもないエンディング。他作も読んでみたくなる作風と面白さだった。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 
 
なかなかに重みのあるストーリーでした。
前作の「鎖」に心を引きずられていたせいか、悲しみのラストが来る気配をジンジンと感じながら読み進めていました。最後の方は少しわけがわからなくなる展開でしたが、その混沌さも作品全体の余韻を深めているように思います。

1980年代という一昔前の時代設定も印象的で、釜利修一と同世代ということもあり、当時の空気感が懐かしく感じられました。

また、「24時間捜査」という表現が特に心に残りました。眠っていても酒を飲んでいても、常に事件のことを考えている——そんな刑事の覚醒状態に強く共感しました。私自身の仕事にも通じる部分があり、常に何かを抱えている日々の中で、「解放される日」のことを想像すると、それがどれほど楽なことかと考えさせられました。


/_/ あらすじ _/_/_/_/_/

物語は1985年、あるバス事故から始まります。
そこから一つの首吊り自殺をきっかけに、いくつもの事件が連鎖的に展開していきます。

刑事・真宮を中心に、じわじわと真相に迫る捜査が進んでいく中で、時代を超えて繋がる人々の過去と因縁が浮かび上がっていきます。


/_/ 主な登場人物 _/_/_/ 

【1985年】
能瀬由里子 小6
釜利修一  小4
釜利紀一 修一父、運転手、40歳、飲酒運転、死亡
能瀬杏子 由里子母、死亡
浅地恒雄  中2

【1999年】
真宮篤史  58歳、母痴呆
  沙世子 妻
駒田徹   警視庁刑事部長、真宮同期

能瀬由里子 26歳、達観している印象、父はいない
楠木保 陽栄ホーム創始者、昭和50年5月21日生まれ、24歳、釜利修一に18歳の時に名前変更

能瀬昴 由里子弟、精神薄弱者

大山又一郎 筆の逆襲オーナー

相沢誠彦 まさひこ、運輸省特別顧問、殺害
木内博也 
佐竹満 筆の逆襲元記者
八田晋平 修一殺害

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

みんみんさんのお勧め本です。
ありがとうございます。とてもよかったです。



時は1985年(昭和60年)12月31日。
夜の北海道。
札幌市内から知床半島ウトロへと行く北斗流氷号の豪華観光バスツアー。
車内には大晦日でNHKの紅白のラジオから旭川市出身の道民のスターである安全地帯の「悲しみにさよなら」が流れています。
載っているのは乗客46名と運転手。
その中には乗客として小学校6年生の能瀬由里子。小学校4年生の釜利修一も乗っていましたがバスは転落事故を起こし、由里子と修一は一命をとりとめますが由里子の母は死亡し、バスの運転手だった修一の父も亡くなります。
事故の原因は運転手の飲酒運転とされます。


そして時はミレニアム1999年12月24日に移ります。
新宿南口でひとりの身元不明の男が首を吊って死にます。
新宿警察署の刑事真宮篤史58歳は、その事件を追いかけていますが、その事件に能瀬由里子19歳と楠木保こと本名釜利修一17歳がかかわっており二人は他にも罪を犯していると確信します。
真宮は二人の関係性を知ると「二人を救ってやりたい」という一心で刑事生命をかけていくつかの二人のかかわった事件を追っていきますが…。





この本一雫ライオンさんの旧刊だと思って読んでいたのですが最後のページをみたら今年出た新刊だったのですね。前作の『二人の嘘』より数倍よかったです。
今年私が読んだ本のベスト3に入ります。

子供たちの犯罪であることや安全地帯の曲の使い方等々小技もドラマティックで泣かせます。
作中の謎の部分も全く最後まで展開がわからず、読まされました。

今度からこの作家さんも新刊チェックします。
みんみんさんありがとうございました!

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

『二人の嘘』も良かったが、こちらもとても心に響くものがあった。

1985年、バブル時代に北海道のバス転落事故に遭い、すべてを失った少年と少女たちのその後…。

1999年に新宿駅の歩道橋で首吊り遺体が発見されて、定年間近の刑事・間宮がそこで見た男女。

自殺かに思われたこの首吊り遺体のポケットに入っていた不可解なもの。
間宮が若手の香下と一緒にこの不可解なものの正体を探りだそうとした後に別の殺人事件が起こる。

この事件の真相を追うべく動き出すと北海道のバス転落事故に繋がっていることに気づく。

復讐を果たして逃げきれるのか…


悲しみを隠して生きてきた彼らとそれを感じていた間宮刑事の心情を思うと逃げ続けるよりはよかったのかもしれない。
何十年経とうと彼らの約束は消えないはず。
ラストが言葉もいらないくらいに観せてくれた。







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2025年09月21日

Posted by ブクログ

あの北海道の冬の厳しさを思い出せたらもっと良かったのだろうけど、この猛暑ではなかなか難しくて…
でも小説は途中からどうなるんだろうとドキドキしてどんどん読めた 

悲しみにさよなら♪
泣かないでひとりで あなたのそばにいるから♪
実際の距離じゃなくて、心のそばには常に誰かがいたんだね
それ以外に、みんなをあたたかい気持ちで…応援する気持ちで見ていた人がたくさんいたよー、と主人公たちに言ってあげたい 

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2025年07月31日

Posted by ブクログ

450ページ近くある厚い小説だったけれど、読み始めたらどんどんお話の世界にのめり込んで、夢中で読んでしまった。
最後の最後に「あっ」と驚く作品。ネタバレになるから、感想も書きにくいけれど、登場人物の一人一人が、余計なことは言わないけれど、言葉の一つ一つに重みがあると感じた。
登場人物たちは、みな、出生に訳があって、生きづらい子供時代を送った。自分が悪いわけではないのに、生まれた時から、重いものを背負わされている・・・・。
そして、その境遇の中でやってしまった事に、苦しむ。でも、たった1人で苦しんだのではなかったところが、読んでいて救われたところ。
ラスト、余韻の残る、でも、じんわりと優しい気持ちになれる終わり方だった。

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

想像以上に壮絶なストーリーで、昭和という時代も自分と重なり、深く引き込まれていきました。
ミステリーではあるけれど、社会派的要素が強いと思います。
最後は涙ながら読み、読後感もとてもスッキリで温かくなりました。

「二人の嘘」が積読のままなので、早速読んでみようと思います。

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2025年06月27日

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素晴らしかった。
物語のスピード感が素晴らしい。
展開も想像を遥かに超えて素晴らしい。
とにかく物語に没頭してしまった。

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2025年05月30日

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なかなかどうして。
あらすじで、初めて読む作家さんですが、気になったので読んでみたら重厚な物語とサスペンス、そして終盤のどんでん返し。
それには伏線ちゃんとありなかなかびっくり。

2918冊
今年146冊目

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

初読み作家さん。
昭和を生きた私としてはエモかったのと
物語に出てくる人達のキャラがそれぞれたっていて良くて、感情移入出来ました。
かなり長編で読むのに時間がかかってしまったけど、読み応えと最後の余韻はすごくいい物でした。

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2025年05月23日

Posted by ブクログ

読んだー。引き込まれた。目頭熱く。善人ばかりが苦しむ理不尽な社会。一雫さん、偽証好きだなぁ。嘘つきばかりの世の中だけど、こんな嘘ならいいかな。実際には通用しないだろうけど。飛躍多々あり、うん?と思うが、ストリーに引き込まれ、それどころじゃない。昭和の匂いプンプンなのに読後感も爽やか。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

素晴らしい、久しぶりに良かった本^_^
いや〜よかった^_^
一雫らいおんは、もうすぐ、百獣の王ライオンになるね^_^

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

バブルに沸く中、大晦日に札幌から知床半島へ向かうバスツアーに参加していた少年と少女達は、バスの転落事故に巻き込まれます。そして、バブルからミレニアムの楽しいはずの学生時代を彼らは…色々背負い過ぎた所からお話が始まります。
後半は、急にお話が進んでいきます。
真宮さんの思った通りの結末になったのかな。最後、涙が出ました。

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2025年11月16日

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もうすぐ退職予定の刑事が新宿で起こった自殺に違和感を感じ始め真相を追っていくと~

物語は面白く、深みもあるのだが、「刑事の勘」が冴えすぎていて、真実味にかける感あり、それ以外は満点に近い作品。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

物語は1985年の北海道・知床半島ウトロから始まる。初日の出を拝むために札幌を出発した「北斗流星号バスツアー」は、大晦日の深夜、吹雪の峠道で崖から転落するという悲劇に見舞われる。豪華バスに乗っていた若者たちは、センセーショナルな事故の渦中に巻き込まれ、人生の軌道を大きく変えられてしまう。
時は流れて1999年、東京・新宿で身元不明の遺体が発見される。同時期に政界の重要人物が殺害される事件も発生。定年退職を控えたベテラン刑事・真宮は、若手刑事・香下とバディを組み、二つの事件の真相を追うことになる。
捜査を進める中で、北海道の事故と東京の殺人事件が一本の線で結ばれていく。真宮は足で稼ぐ古風な捜査スタイルを貫き、香下はインターネットを駆使する現代的な手法を用いる。対照的な二人が衝突しながらも、互いの信念を理解し、刑事としての矜持を共有していく。
物語の鍵を握るのは、事故に巻き込まれた若者たちの過去と、ラジオ番組を通じて交錯する人間関係。2000年を目前にした日本社会の不安と希望が交錯する中、事件の真相が明らかになるにつれ、登場人物たちの人生もまた大きく動き出す。
『流氷の果て』は、単なるミステリーにとどまらず、時代の空気と人間の内面を巧みに描いた作品だ。1985年のバブル期と1999年のミレニアム直前という二つの時代を舞台に、社会の変化と個人の葛藤が交錯する。
特筆すべきは、刑事・真宮と香下の対照的な人物造形。真宮は「昭和の刑事」の典型であり、現場主義を貫く頑固な男。一方の香下は、眉を整え、ボディクリームを使う「平成の若者」。二人の価値観の違いが、捜査の過程で浮き彫りになり、やがて互いの信頼へと変わっていく様子は、読者の胸を打つ。
また、ラジオ番組の存在感も印象的だ。テレビが主流メディアだった時代に、ラジオが築いていた濃密な人間関係や文化が、物語の展開に深みを与えている。メッセージ募集やパーソナリティとの交流が、事件の鍵を握る要素として機能しているのも興味深い。
本作は、過去の事故と現在の事件が交錯する構造を持ち、読者に「時間の重み」を感じさせる。登場人物たちは、過去の選択や出来事に縛られながらも、未来へ向かって歩み出そうとする。その姿は、ミステリーの枠を超えた人間ドラマとしての感動を呼び起こす。
最後に、本作のタイトル「流氷の果て」が象徴するものは何か。流氷は、冷たく孤独な記憶の象徴であり、果てとはその先にある希望や再生の予感なのかもしれない。読後、静かに胸に残る余韻が、読者に深い問いを投げかけてくる。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

点と点が少しずつ繋がっていく展開が見事。読み進めるうちに、「白夜行」に通じる雰囲気を感じ、作品の世界に引き込まれていった。。終盤には思いがけない展開があって、最後まで興味を失わずに読めた。真宮刑事の“勘”が鋭い!彼がいなければ、ただの個別の事件として埋もれてしまったかも。エピローグがすごく印象的で、特にラストシーンに心が救われた。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

修一、由里子、浅地さん、それぞれ生きてきた環境がまず、とても辛いです。
由里子が弟の昴君を思う愛の深さ?それよりももっと深い絆で繋がっている姉弟。いつまでも笑顔で生きてほしいと思ってしまった。

出会った頃から大人になってもラジオのDJとして
2人の中継役の由里子。ラジオを聞く場所は違えど、3人はずっと繋がってる。暗号のような「海」と「橋」。

複雑に絡み合う人間愛の中、昭和流の刑事が事件を紐解く流れがジワジワきました。
昭和流の愛のある最後にウルっときました。 
心の動きがわかる1冊でした。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

清張とかいい意味での火サスの匂いがする。情念があった昭和という言葉が出てくるけれど、いいなと思う。一気に読みました。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

1985年、札幌から知床へと向かうバスツアーで大事故が起きる。そして今は1999年。生き残った彼らが生きてきた道とは。

ミステリーの要素はそれほど多くはなく、どちらかと言えば社会派ですかね。いわゆる大人の事情に振り回される若者たち。終始、絶望と怒りが渦巻いている。

ラストがどうなるかと思ったら…1999年から2000年にかけて、バブルはとうに弾け、就職氷河期真っ只中ですかね。日本はいまだに迷走してるような。

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

1985年北海道バス転落事故。助かった者たちと1999年自殺事件。結びつけるのは警察を辞めようとしてる刑事

令和版「白夜行」と言う人が多いが、確かに彷彿とさせる。ストーリー展開もキャラ設定も良かった。

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2025年05月08日

Posted by ブクログ

1985年大晦日、札幌から知床へ向かうツアーバスが転落事故に合う。
それに乗り合わせていた子どもたちは、
深く大きな闇に巻き込まれてゆく。果たして「いつか流氷をみようね」との約束は叶えられるのか。

間宮と同じくなんにもわかっていなかった私も、終盤の展開には思わず唸りました。
いやー、すごい。

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2025年05月01日

Posted by ブクログ

バス転落事故から15年。多くの人が重荷を背負って生きていく。登場人物がみな温かく熱い。みんな格好良い、終盤に明かされる事実にも驚きます。
感情が揺さぶられる一冊。面白かった。

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2025年03月23日

Posted by ブクログ

由里子の話し方が古臭いけど、これも時代を表してるんかな。なかなか入り込めなかったけど最後は結局じんわりしちゃった。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

終盤まで、白夜行っぽい雰囲気だなーと読み進めていたが、最後の展開がすごかった。
ミレニアムの東京を舞台にしたノスタルジックなトーンと、破綻のない物語。一気に読めるエンタメ刑事もの。面白かった。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

刑事の勘が冴え渡り、事件が解き明かされていく過程が面白かった。

それにしても、権力者のメンツや利益のために事実は簡単に曲げられるのだなぁ。正義感がいくつあっても足りない感じ。

リレー捜査、半グレ、オレオレ詐欺と言った言葉が作られていく警察内部のことも少しわかり興味深かった。


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2025年10月26日

Posted by ブクログ

長すぎて途中でだれてしまった。流氷を見に行くバスツアーの事故で生き残った少年少女。秘密を抱えて逃げる彼らに救いをと追う刑事。逃亡の果てに見た景色は彼らの救いになったのだろうか?

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

悲劇の始まりは1985年大晦日に起きたバス転落事故。

「北斗流氷号バスツアー」に参加した乗客46名中、生存者は僅か7名。

だが生き残った少年少女を待っていたのは更に過酷な現実だった。

転落事故から14年後、男性の首吊り遺体が発見された事で眠っていた事件が再び動き出す。

なんの罪もない彼等が何故こんな生き方を選択しなければならなかったのか、事故の裏側に隠されていた事実が明らかになる度に理不尽さにやるせなさが募った。

「いつか一緒に流氷を見る」

薄氷の上を歩くように生きて来た彼等の夢が叶い、幸せな未来が訪れることを願う。

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2025年04月29日

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