無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
凄かった。
大して不幸でもないのに不自由しか感じない、そんな作者の言葉が的確にこの小説の描く窮屈さや息苦しさを表現していると思います。
野口という誰とでも体の関係を結んでしまう、ヤリマン女子高生。クラスメイトと関係を結ばずひたすら爆音をイヤホンからながす男子高校生。
その物語から派生して、脇役だと思っていたクラスメイトや担任の物語が展開される。いわゆる群像劇になっています。
窪美澄さんが好きというだけあって、心情表現のこまやかさも、読者を惹きつける展開も、窪さんのそれを彷彿とさせるものがあります。
二十代で中年の男女の心情にリアリティをもたらす筆致は見事。
どんな登場人物も自分とは違うのに同調してしまったし、彼や彼女がそこに至るまでの感情の流れや、自分を抑えきれないほどのハジけるような感覚の描写が素晴らしかった。
どの短編も読み始めてどうしてこんなにくすぶってるのか、理解できないまま読み進める。
それが次第に明かされるストーリーや、不可解ながらつながっていく人間関係、自分自身のことでも思った通りにはできないもどかしさ、それらを通して、その人物の気持ちが伝わってくる。
村というものに捕らえらて生きている彼らの物語に、終盤では清々しさが加わる。
なにも解決したわけじゃないのに、本当に自分で選んだことがあるとこんなにも気持ちが変わるのかなと思いました。
こういう小説は息苦しさだけで終わることも多い中、それだけではないものが、読後で得られました。
Posted by ブクログ
田舎の閉塞感と息苦しさ。村を出る選択肢が「ある」者と「ない」者。
この本を読んで改めて考えたけど、進学とかのタイミングで親元を離れる選択が「ある」人というのは環境に恵まれている人だと思うんだよな。親からの金銭的援助の有る無しもそうだけど、「自分は親元から離れても生活できる」という自信と、「自分が親から離れてもこの家は大丈夫」という二重の自信があるかどうか。
もちろんそれとは別に親から逃げる為に家を出る選択もあるんだけどね。その場合は逃げ切れる人はやはり強い。
何気にいちばん共感できるなと思ったのはヒデジの章かもしれない。一度は村を出るも、結局ふるさとの呪縛から逃れられずうだつの上がらない生活…。
それぞれの生活の何となく鬱蒼とした感じの空気感が上手くて、こざわさんの書く雰囲気結構すきだなーと思った。
しかし、最近紙の本がなかなか読み進められず1ヶ月くらいかかってしまった……。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。