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Posted by ブクログ
これ週刊文春で連載してたのー!? それでこの内容!?と衝撃を受けた。リアルタイムで読みたかった。けどそれだと一気読みができないからな…。
最終章はまさかの設定で、村田沙耶香の『消滅世界』(違和感ありでイマイチだった)を思い出したが、こちらは同じくSFのような設定ながら違和感なくストーリーに入り込めた。
私の勝手な感想だと、吉田修一って角田光代を男っぽくしたような印象。淡々とした描写で人間の心情をあぶり出し、日常と事件との境界線をあいまいにさせる。
ちなみに、登場人物の多さを指摘する感想も見られたが、白石一文のアレを読んだところだったので、それに比べれば問題なし! でした。
Posted by ブクログ
春、子供のいない夫婦が預かっている、海外赴任中の姉の高校生の息子が、彼女を妊娠させる。夏、市議会議員の妻が、夫の収賄を知って苦悩し、秋、数カ月後に結婚を予定している順風そうなテレビディレクターが、彼女を殺してしまう。そして冬、時代は一気に70年後に飛ぶ。冬の視点者は、「サイン」と呼ばれる、特殊な生まれ方をし、通常の人間とは区別されて生きている男。その「サイン」は、秋、テレビディレクターが追いかけていた研究者が作り出したものである。サインの妻が、春の夫婦の血縁者であったり、もう一人のサインの夫が、夏の市議会議員の血縁者だったりすることが、だんだんわかる。70年前の出来事が、影響している世界。あの時の選択は、間違いだったのか。
初読みの時にはあまり印象に残らず、忘れていたけれど、今回、おもしろくてのめり込むように読んだ。週刊文春連載だったらしく、「セウォル号沈没事件」「都議会セクハラヤジ問題」「iPS細胞」「香港の雨傘デモ」など、当時、世間を騒がしていたニュースが、そのままの形で出、正しいとは何かという問いかけが、ちりばめられている。そして、その影響を受けた70年後は、人間がストレスから解放された社会であり、しかし、その下で、犠牲になっているものがある。
どうということのない夫婦の生活が、吉田修一が書くと、面白いのはなんでなんだろう。春、子のない夫婦のもとに届いた、差出人不明の酒、米の回収は、他の人の感想を読むまで、気づかなかった(ちゃんと書いてあるんだけどー)。
良かった比喩。朝、泥酔状態の若いホスト三人が歌舞伎町のマンションに帰り、登校する小学生が出てくるシーン。
「兵士が野戦病院に担ぎ込まれるように彼らが消えると、代わりに叶音ちゃんが元気よく飛び出してくる。」
Posted by ブクログ
ネタバレになるけれど、2015年から70年後の世界が描かれていて、構成といい、文章といい、とても面白かったけども、わたしが経験した70年後の世界はもっと面白いのかも。
つまり今、82だから12の時から、現在70年後の世界にいるってこと。
12歳の時(1953年)は今普通に使っているものは無かったか、初期段階。
例えば、テレビジョンの放送が始まって、ブラウン管のでかい箱を駅頭で見上げた記憶。
電話は黒いダイヤル式、冷蔵庫は氷で冷やし、たらいで洗濯(14歳ころ一層式洗濯機ハンドル絞りつきになった)などなど...
人間関係の世界はっていうと、それも変遷だ。社会機構、体制様変わり。
LGBTSなど無いような世界、いや闇の中か忖度の世界だった。
セクハラはあった、けど、それも闇の中か忖度の世界だった。
離婚が少なかったけど、夫婦関係も問題が内包してだけ、などなど...。
しかし、ゆっくりと浸かってきているので、自分がどの位置にいるか自覚しないだけ。
そう、すっかり慣れている自分にびっくりだ!
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