新潮社作品一覧

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  • あいうえおいしい。―おうちごはんのヒント365日―
    -
    ごはん作りに悩むすべての人へ。この本を開けば必ずヒントが見つかります。塩小さじ1は何グラム? しょうがの皮はむく? そんな意外と知らない料理のキホン。春のあさりに冬の大根、旬の味を楽しむ簡単レシピ。肉の焼き方に魚の洗い方、普段の料理がおいしくなるコツ。エスニックやエッグベネディクトにも挑戦! 1月から12月まで、毎日楽しく使える超お役立ちキッチンメモ集。
  • 暗闘 尖閣国有化
    4.0
    2010年9月、尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件は日中関係を制御困難な混乱に陥れた。そして2012年4月、石原都知事は「尖閣購入」を宣言する。「中国と戦争になっても構わない」。知事の言葉に戦慄した民主党の野田首相は、この島々の国有化へ向けて大きく舵を切った。動き出す外務・防衛官僚、官邸での「頂上会談」……日本の安全保障問題の最前線に切り込む緊迫のドキュメント。※新潮文庫版に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • ぼくの住まい論
    4.0
    南から吹くやわらかい風、“凱風”。神戸の一隅にその名を冠した著者の自宅兼道場「凱風館」が竣工した。この手で道場をつくりたいと願い、「宴会のできる武家屋敷」を目指した思想家・武道家の家づくりの哲学とは――書斎、合気道稽古、能舞台、寺子屋学塾、安眠……住まうことは生きること、教育の奇跡を信じ、次世代への贈り物としてウチダタツルが考え抜いた「住まいの思想」。
  • 未来探偵アドのネジれた事件簿―タイムパラドクスイリ―(新潮文庫nex)
    3.3
    「愛犬の行方を探してほしい」「息子が暴れて……」「大切な宝石が消えてしまった」。益井探偵事務所にはさまざまな依頼が舞い込む。彼の相棒は芽原アド、23世紀からやってきた元タイムパトロール隊員だ。携帯式時間移動装置を片手に、真相を探る二人のもとに、未来から武村ロミが加わって――。未来犯罪との対決の行方は? 本格ミステリ大賞受賞作家が贈る、時空間ミステリ誕生。
  • スキュラ&カリュブディス―死の口吻―(新潮文庫nex)
    3.3
    初夏。街では連続変死事件が起きていた。まるで狼に喰い千切られたような遺体。流通する麻薬。恍惚の表情で死んでいく少女たち。自らも死を求める高校生・此花ねむりは鈴原楓との出会いをきっかけに事件を調べ始める。だが、そこには3年前の殺人事件に繋がる驚愕の真実が隠されていた――。性(エロス)と死(タナトス)、その果てに垣間見える少女の戦い。逸脱者たちが繰り広げる戦慄の新伝奇譚。
  • とりあたまJAPAN
    4.3
    無敵の漫画家・サイバラと、知の怪人・佐藤優の二人が、日本人に送る過激なエール! 国際社会になめられないよう、ひたすら復興を目指せ。スマホは知的活動の障害になるかも。嫌韓の原因は弱日か? フェイスブックは人間のマルチ商法。北方領土に尖閣、竹島……領土問題はヤクザのシマ取りに学ぶべし! 読むと世間がよくわかる、「週刊新潮」連載の爆笑マンガ&本音コラム全65本。
  • 三たびの海峡
    4.2
    「一度目」は戦時下の強制連行だった。朝鮮から九州の炭鉱に送られた私は、口では言えぬ暴力と辱めを受け続けた。「二度目」は愛する日本女性との祖国への旅。地獄を後にした二人はささやかな幸福を噛みしめたのだが……。戦後半世紀を経た今、私は「三度目の海峡」を越えねばならなかった。“海峡”を渡り、強く成長する男の姿と、日韓史の深部を誠実に重ねて描く山本賞作家の本格長編。
  • 松山・道後十七文字の殺人
    5.0
    松山市の俳句祭りで、「血の匂い・怨念・死ぬ」といった言葉が詠み込まれた俳句が見つかった。殺意を秘めた不吉な響きに、十津川警部は警戒を強め、過去の事件を洗い直した……。やがて事故死とされた二つの事件が結びついた。被害者は大学教授とOL。何ら接点が見えない二人だが、実は俳句の同人誌仲間だった――。復讐を仄めかす俳句が詠まれ、未曾有の殺人劇が開幕する長篇ミステリー。
  • キレイゴトぬきの農業論
    4.1
    誤解(1)「有機農法なら安全で美味しい」、誤解(2)「農家は清貧な弱者である」、誤解(3)「農業にはガッツが必要だ」――日本の農業に関する議論は、誤解に基づいた神話に満ちている。脱サラで就農した著者は、年間五十品目の有機野菜を栽培。セオリーを超えた独自のゲリラ戦略で全国にファンを獲得している。キレイゴトもタブーも一切無し。新参者が畑で徹底的に考え抜いたからこそ書けた、目からウロコの知的農業論。
  • チッチと子
    4.2
    息子のカケルと二人暮らしの“チッチ”こと青田耕平は、デビュー以来10年「次にくる小説家」と言われてきた。だが、作品は売れず、次第にスランプに陥ってしまう。進まない執筆、妻の死の謎、複数の女性との恋愛……。ひとつの文学賞を巡る転機が、やがてカケルや恋人達との関係を劇的に変化させていく。物語を紡ぐ者の苦悩、恋、そして家族を描いた、切なく、でも温かい感動長篇。
  • 異端の大義(上)
    3.8
    1~2巻814~858円 (税込)
    シリコンバレーからの帰還──。世界有数の大手電機メーカー・東洋電器産業の高見龍平は、米国の半導体開発部門撤退という大任を果たして帰国した。長い海外勤務から戻った彼の目を驚かせたのは、創業者一族とその取り巻きによる恣意と保身の横行。入社同期で一族に連なる人事本部長へ直言するが、それが仇となる。高見は、工場閉鎖という過酷なリストラ業務を命じられてしまった。
  • 人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか
    4.0
    熟考したつもりでも、私たちは思い込みや常識など具体的な事柄に囚われている。問題に直面した際、本当に必要なのは「抽象的思考」なのに――。「疑問を閃きに変えるには」「“知る”という危険」「決めつけない賢さ」「自分自身の育て方」等々、累計1300万部を超える人気作家が「考えるヒント」を大公開。明日をより楽しく、より自由にする「抽象的思考」を養うには? 一生つかえる思考の秘訣が詰まった画期的提言。
  • 冬の運動会
    4.0
    厳格な祖父、口やかましい父が支配する、冷たく思いやりのない家庭を憎み、菊男は町の小さな靴屋に出入りするようになった。子供のいない靴屋夫婦と菊男の間に、いつしか奇妙な疑似親子関係が出来ていく。二つの家庭を行き来する菊男は、やがて父や祖父も同じような場所を持っている事に気付いた──。祖父、父、長男の三世代の男達と、彼らを支える女達の愛を描く異色長編シナリオ。

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  • 吉原御免状
    4.0
    宮本武蔵に育てられた青年剣士・松永誠一郎は、師の遺言に従い江戸・吉原に赴く。だが、その地に着くや否や、八方からの夥しい殺気が彼を取り囲んだ。吉原には裏柳生の忍びの群れが跳梁していたのだ。彼らの狙う「神君御免状」とは何か。武蔵はなぜ彼を、この色里へ送ったのか。――吉原成立の秘話、徳川家康影武者説をも織り込んで縦横無尽に展開する、大型剣豪作家初の長編小説。

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  • ボヴァリー夫人
    3.6
    田舎医者ボヴァリーの美しい妻エマが、凡庸な夫との単調な生活に死ぬほど退屈し、生れつきの恋を恋する空想癖から、情熱にかられて虚栄と不倫を重ね、ついに身を滅ぼすにいたる悲劇。厳正な客観描写をもって分析表現し、リアリズム文学の旗印となった名作である。本書が風俗壊乱のかどで起訴され、法廷に立った作者が「ボヴァリー夫人は私だ」と言ったのは、あまりにも有名である。

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  • 女の一生 一部・キクの場合
    4.2
    1~2巻814~858円 (税込)
    長崎の商家へ奉公に出てきた浦上の農家の娘キク。活発で切れながの眼の美しい少女が想いを寄せた清吉は、信仰を禁じられていた基督教の信者だった……。激動の嵐が吹きあれる幕末から明治の長崎を舞台に、切支丹弾圧の史実にそいながら、信仰のために流刑になった若者にひたむきな想いを寄せる女の短くも清らかな一生を描き、キリスト教と日本の風土とのかかわりを鋭く追求する。

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  • 考える短歌―作る手ほどき、読む技術―
    4.1
    どうすれば気持ちを正確に伝えることができるのか。短歌上達の秘訣は、優れた先人の作品に触れることと、自作を徹底的に推敲吟味すること。ちょっとした言葉遣いに注意するだけで、世界は飛躍的に広がる。今を代表する歌人・俵万智が、読者からの投稿を元に「こうすればもっと良くなる」を添削指導。この実践編にプラスし、先達の作品鑑賞の面からも、表現の可能性を追究する。短歌だけに留まらない、俵版「文章読本」。

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  • 雨上がりのビーフシチュー(新潮文庫)
    4.3
    ボーイズバーでバイトをしていた佐野楓雅が“潜入”を命じられた男性限定料理教室。謎めいた女性、小鳥遊りらが講師を務め、元刑事の頑固な爺さん、他人の気持がわからない建築家、気弱な中学生などが通ってくる。さまざまな問題に悩む男たちをクッキングを通じ導く、りら。やがて浮かび上がってきたのは彼女自身の驚くべき過去だった。とびきり美味しくてドラマチック。最高の料理小説!(解説・吉田伸子)
  • ポーの話(新潮文庫)
    3.8
    あまたの橋が架かる町。眠るように流れる泥の川。太古から岸辺に住みつく「うなぎ女」たちを母として、ポーは生まれた。やがて稀代の盗人「メリーゴーランド」と知りあい、夜な夜な悪事を働くようになる。だがある夏、500年ぶりの土砂降りが町を襲い、敵意に荒んだ遠い下流へとポーを押し流す……。いしいしんじが到達した深く遥かな物語世界。驚愕と感動に胸をゆすぶられる最高傑作。(解説・堀江敏幸)
  • ネバーランド(新潮文庫)
    3.0
    堅苦しいのは嫌い、ふざけているのが好き。30歳になってもそんな子供っぽさの残るミサが好きになったのは、同棲中の恋人がいる隆文だった。夏の終わりの夜、ファミレスで恋人の愚痴を聞いたことをきっかけに隆文はミサの家に居候。なのに恋人との関係を終わらせようとしないのだ。しびれを切らしたミサはついに出禁を言い渡すが……。普通の二人の歪な関係。芥川賞作家による絶品恋愛小説。(解説・角田光代)
  • 闇抜け―密命船侍始末―(新潮文庫)
    4.0
    富山藩の下級藩士・金盛連七郎は失業の身。ある日、重臣・寺西左膳から〈抜け荷〉の密命が下る。成功の暁には復職を約束する、と。ご法度と知りつつ、連七郎には選択肢はない。苛酷な決死行は富山から蝦夷・薩摩を経て再び戻る日本一周。そのなかで連七郎は侍以外の人々に初めて出会う。荒くれの船乗り、大商人、アイヌの美しい娘。旅の終わりに湧いてくる感慨とは。男たちの転機を描く傑作。(解説・細谷正充)
  • 悲鳴(新潮文庫)
    4.0
    サチは美しく利発な少女だった。だが彼女は誘拐され、何年も男に監禁された。教育を、青春を奪われ、子を産まされ……けれどようやく事件は発覚し、生還を果たす。しかしそれは新たな苦痛の始まりだった。旧弊な価値観のまま変化のない住人による嫌がらせや無理解に疲弊する彼女の元へこの骨が本物のサチだと白骨死体が送りつけられる――。重なる悪意の根幹に何があるのか。衝撃のミステリ。(解説・大矢博子)
  • 美しすぎた薔薇(新潮文庫)
    4.1
    竜守令祥(たつもりれいしょう)は、転職先で教育係となる工藤三鷹(くどうみたか)との衝撃の出会いを果たす。その容姿、能力、所持品までもが憧れであり、全てを真似る日々が始まる。だが、その「執着」は殺人への幕開けだった。ストーカー被害の顛末と考えられるなか、やがて、被疑者となった男に関わる不可解な事実が次々と浮かび上がる。――『レモンと殺人鬼』で注目の著者が描く、究極のサスペンス! 『初めて会う人』改題。(解説・大矢博子)
  • 山の音(新潮文庫)
    3.8
    尾形信吾、六十二歳。近頃は物忘れや体力の低下により、迫りくる老いをひしひしと感じている。そんな信吾の心の支えは、一緒に暮らす息子の嫁、菊子だった。優しい菊子は、信吾がかつて恋をした女性によく似ていた、だが、息子は外に女がおり、さらに嫁に行った娘は二人の孫を連れ実家に帰ってきて……。家族のありようを父親の視点から描き、「戦後日本文学の最高峰」と評された傑作長編。(解説・山本健吉、辻原登)
  • 死後の恋―夢野久作傑作選―(新潮文庫)
    3.6
    ロシア革命直後のウラジオストックで、怪しい男がロマノフ王家の宝石にまつわる奇妙な体験を語る(「死後の恋」)。海難事故で無人島に漂着した兄妹が出遭った悪夢を父母宛に綴る(「瓶詰地獄」)。鼓作りの男が想いを寄せる女に贈った鼓の、尋常ならざる音色が不吉な事件を起こす(「あやかしの鼓」)――。夢と現(うつつ)の狭間へと誘(いざな)う奇才夢野ワールドから厳選した究極の甘美と狂気、全10編。(編者解説・日下三蔵)
  • 捜査圏外の条件―初期ミステリ傑作集(三)―(新潮文庫)
    -
    山形へ行くと出発した光子が、なぜ北陸の温泉地で死んだのか――。銀行員の黒井は妹を見殺しにした不倫相手・笠岡に復讐するため仕事を辞め、縁のない土地に潜み、絶対に自分の犯行とわからぬように殺害を遂げようとする。7年間の執念の行方を描く表題作のほか、学究の世界で繰り広げられる陰湿な権力争いを扱った「カルネアデスの舟板」「真贋の森」など、清張初期の傑作ミステリ8編を収録。(解説・日下三蔵)
  • 東大なんか入らなきゃよかった(新潮文庫)
    4.0
    東大卒業後に待ち受けていたのは、メガバンクでのつるし上げ、ブラックな官僚人生、市役所での壮絶ないじめ、終わらない大学院生活、地下街の警備員暮らし。華やかな未来とは程遠い現実に苛まれる卒業生を徹底ルポ。そんな東大入学を後悔する5人の姿から見えてきたものとは? 天才型・秀才型・要領型という「東大生の3タイプ」や学生の家庭環境など、知られざる東大の実態についても紹介する。
  • 月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)
    4.0
    9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。お母さんはふと思います。いつか大きくなった時、今日のことを思い出すかな――。どんな時もあなたの味方、といってくれる眼差しに見守られてすごす幸福。かつて自分が通った道をすこやかに歩いてくる娘と、共に生きる喜び、切なさ。やさしく美しいイラストで贈る、少女とお母さんの12の物語。(解説・梨木香歩)
  • 飢餓俳優 菅原文太伝(新潮文庫)
    3.8
    菅原文太の人生には常に暗い影がつきまとう。幼少期に母親が出奔して家庭崩壊。大学は除籍。俳優業は脇役ばかり。じりじりするような焦りのなか、やっと掴んだ『仁義なき戦い』で不動の地位を築くも、独断でシリーズを打ち切ってしまう。誰も信用せず、盟友と決別し、約束された成功を拒んだ男が生涯をかけて追い求めたものとは。名優の内面に迫る傑作評伝。『仁義なき戦い 菅原文太伝』改題。(解説・杉田成道)
  • おちゃめなパティ(新潮文庫)
    4.4
    アメリカの女子寄宿学校、聖アーシュラ学園で暮らすパティは好奇心旺盛で正義感の強い女の子。ある日、同級生と学外の英国人との恋の噂が学園中を騒がせる。毎週届くスミレの花束。でも、その恋人って実在するの――? 疑問を持ったパティは、親友のコニーとプリシラと共にあるいたずらを仕掛ける。果たして恋人の正体とは? 『あしながおじさん』のウェブスターがおくる永遠の少女小説。(解説・梨木香歩)
  • あの胸が岬のように遠かった―河野裕子との青春―(新潮文庫)
    -
    2010年、歌人河野裕子が乳がんのため亡くなった。夫で歌人の永田和宏は妻亡き後、二人の間で交わされた手紙300通と日記を発見する。そこにはもう一人の青年と永田との間で揺れ動く葛藤が綴られていた。〈ふたりの人を 愛していると そのために こんなに つらいと〉。熱く性急で相手に誠実であろうとした故に傷つけあった二人の時間。不器用な男性と一途に人を愛した女性の愛と青春の記録。(解説・梯久美子)
  • 本格小説(上)(新潮文庫)
    完結
    4.4
    全2巻825~924円 (税込)
    ニューヨークで、運転手から実力で大金持ちとなった伝説の男・東太郎の過去を、祐介は偶然知ることとなる。伯父の継子として大陸から引き上げてきた太郎の、隣家の恵まれた娘・よう子への思慕。その幼い恋が、その後何十年にもわたって、没落していくある一族を呪縛していくとは。まだ優雅な階級社会が残っていた昭和の軽井沢を舞台に、陰翳豊かに展開する、大ロマンの行方は。
  • あのころなにしてた?(新潮文庫)
    3.3
    すべての予定が消えた今、今日は何をしよう――。深刻さと楽観視がくるくる入れ替わったあのころ。おうち時間に作った「噛むとゴリゴリ鳴るほど固いパン」を家族で食べ、リモートでラジオに生出演し、カフェで談笑する女子高生を見かけ彼女たちが「好きな人のマスク姿」にときめく様を想像する。2020年、めまぐるしい日々のなか綴られた著者初の日記エッセイ! 直筆カラー挿絵など計34点を収録。(解説・加藤千恵)
  • 極限団地―一九六一 東京ハウス―(新潮文庫)
    3.6
    古きよき昭和の生活を体験してみませんか? 謝礼500万円をお支払いいたします――。リアリティショーの出演者公募で選ばれた二組の家族と番組スタッフは築60年の広大な団地に集結した。質素ながらも夢と希望にあふれる暮らし……のはずが、待っていたのは悲惨な環境だった。不倫、失踪、そして忌まわしい過去。押し寄せる惨劇に呆然必至の長編ミステリ!『一九六一 東京ハウス』改題。
  • 母の待つ里(新潮文庫)
    4.1
    40年ぶりに帰るふるさとで待っていたのは、初めて会う〈母〉だった――。大企業の社長として孤独を抱える松永徹。退職と同時に妻から離婚された室田精一。親を看取ったばかりのベテラン女医・古賀夏生。人生に疲れた三人が選んだのは「里帰り」だった。囲炉裏端に並ぶ手料理や不思議な昔話。母と過ごす時間が三人を少しずつ変えていく……すべての人に贈る感涙の物語。ふるさとを、あなたへ。(解説・赤坂憲雄)
  • 明暗(新潮文庫)
    4.1
    勤め先の社長夫人の仲立ちで現在の妻お延と結婚し、平凡な毎日を送る津田には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。ある日突然津田を捨て、自分の友人に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、秘かに彼女の元へと向かった……。濃密な人間ドラマの中にエゴイズムのゆくすえを描いて、日本近代小説の最高峰となった漱石未完の絶筆。(解説・柄谷行人)
  • (霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集―(新潮文庫)
    3.3
    太平洋戦争末期、満州で激動の日日を過ごした青年は、その時何を思い、何を未来に残したのか――。漂泊民の少年が定住を切望する19歳の処女作「(霊媒の話より)題未定」、2012年新たに原稿が発見された、精神病棟から抜け出した男を描く「天使」、「壁―S・カルマ氏の犯罪」に繋がる「キンドル氏とねこ」。やがて世界に名を馳せる安部文学、その揺籃にふさわしい清新な思想を示す初期短編11編。(解説・ヤマザキマリ)
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)
    4.0
    失踪した男の調査を依頼された興信所員は、追跡を進めるうちに、手がかりとなるものを次々と失い、大都会という他人だけの砂漠の中で次第に自分を見失っていく。追う者が、追われる者となり……。おのれの地図を焼き捨てて、他人しかいない砂漠の中に歩き出す以外には、もはやどんな出発もありえない、現代の都会人の孤独と不安を鮮明に描いて、読者を強烈な不安に誘う傑作書下ろし長編小説。(解説・ドナルド・キーン)
  • TIMELESS(新潮文庫)
    4.0
    うみは、ひとを好きになれない。アミは、好きなひとと子供をつくるのがこわい。お互い恋愛感情をもたず、交配の約束だけして結婚した。やがてうみが妊娠するとアミは去り、父親不在のまま息子のアオは17歳になった――。高校の教室、修学旅行の広島、江姫を弔う六本木、鰯売りの声が響く銀座カルティエ。人びとが結びつき織り成した時間の地層が、今生を生きる心の縁(よすが)となる、圧巻の長編。(解説・江國香織)
  • フランス革命の女たち―激動の時代を生きた11人の物語―(新潮文庫)
    4.0
    永遠の名作『ベルサイユのばら』から50年を越え、今、新たな真実の歴史が詳らかになる――。ロココの薔薇マリー・アントワネット、美貌の画家ヴィジェ=ルブラン、暗殺の天使シャルロット・コルデー……。美貌と愛によって、才気と知性によって、歴史の表舞台へと躍り出た女たちに寄り添い、その激しい人生を豊富な絵画と共に活写する。マンガでは語り尽くせなかったフランス革命の物語。(解説・鹿島茂)
  • 小島(新潮文庫)
    4.5
    「絶対に無理はしないでください」豪雨に見舞われた地区にボランティアとして赴いた〈私〉は、畑に流れこんだ泥を取り除く作業につく。その向こうでは、日よけ帽子をかぶった女性が花の世話をしていた。そこはまるで緑の小島のようで――。被災地支援で目にした光景を描いた表題作のほか、広島カープを題材にした3作など14編を収録。欧米各国で翻訳され、世界が注目する作家の最新作品集!(解説・藤野可織)
  • ギリシア人の物語1―民主政のはじまり―(新潮文庫)
    4.4
    1~4巻825~1,320円 (税込)
    古代ギリシアで民主政はいかにして生まれ、いかに有効活用され、見事に機能したのか? なぜ現代まで脈々と続く哲学や科学、芸術の起源となることができたのか? そこには数少ない市民で強大な帝国ペルシアと対峙しなければならない、苛酷な状況があった――。ギリシア人なくしてローマ人なし。「ローマ人の物語」以前の世界を描き、現代の民主主義の意義までを問う著者最後の歴史長編全四巻。
  • 神様には負けられない(新潮文庫)
    4.1
    クラスで一人だけCマイナス――。7年勤めた会社を辞め、義肢装具士を目指す26歳の二階堂さえ子は専門学校の製作実習で最低評価を受け、激しく落ち込む。同じ班のメンバーは内気だが実力抜群の戸樫博文と、ピンク色の髪にドクロの服を好む永井真純という個性派だったが、次第に打ち解けて切磋琢磨してゆく。けれどさえ子には隠しごとがあって……。つまずいても立ち上がる大人のお仕事小説。(解説・彩瀬まる)
  • 沙林 偽りの王国(上)(新潮文庫)
    4.0
    1~2巻825円 (税込)
    1995年3月20日月曜日の朝。東京の地下鉄は突然、阿鼻叫喚に包まれた。複数路線での同時テロ。車内では正体不明の液体が異臭を放ち、通路で地上で人々は次々と倒れた。毒物はサリン。その治療法を熟知していたのは九州大学医学部だった。九大チームは、前年の松本サリン事件でいち早く毒物を特定、捜査方針に大きな疑問を呈していたのだ……。医師で作家の著者にしか描けないオウムの全貌。
  • 湖の女たち(新潮文庫)
    3.5
    湖畔の介護施設で暮らす寝たきりの男性が殺された。捜査にあたった刑事は施設で働く女性と出会うが、二人はいつしかインモラルな関係に溺れていく。一方、事件を取材する記者は死亡男性がかつて満州で人体実験にかかわっていたことを突きとめるが、なぜか取材の中止を命じられる。吸い寄せられるように湖に集まる男たち、女たち、そして――。読後、圧倒的な結末に言葉を失う極限の黙示録。(解説・諏訪敦)
  • ふたりの本多―家康を支えた忠勝と正信―(新潮文庫)
    3.0
    生涯57回の合戦でかすり傷ひとつ負わず、「家康に過ぎたるもの」と敵将からも称えられた、徳川四天王のひとり本多忠勝。いったん家康に背きながらも、帰参後は家康が「友」と呼び、秀忠の老中も務めた本多正信。家康最大の危機の三河一向一揆から、三方ヶ原の合戦、関ヶ原合戦まで、戦国時代を彩る合戦を舞台に、武と智で家康の天下取りに貢献した「ふたりの本多」を描く、書下ろし長編歴史小説。
  • やがて満ちてくる光の(新潮文庫)
    4.2
    作家として、旅行者として、そして生活者として日々を送るなかで、感じ、考えてきたこと――。読書に没頭していた子ども時代。日本や異国を旅して見た忘れがたい風景。物語を創作するうえでの覚悟。鳥や木々など自然と向き合う喜び。未来を危惧する視点と、透徹した死生観。職業として文章を書き始めた初期の頃から近年までの作品を集めた、その時々の著者の思いが鮮やかに立ちのぼるエッセイ集。(解説・河田桟)
  • リーガルーキーズ!―半熟法律家の事件簿―(新潮文庫)
    4.0
    法律のプロである弁護士や検事や裁判官……になる一歩手前の「法律家の卵」、それが司法修習生。初々しい新人たちがそれぞれの熱い想いを胸に過ごす、一年間の研修の日々。理想と現実の狭間で葛藤し、恋と青春の苦悩を乗り越え、さまざまな謎を解き明かしながら成長してゆく。さあ明日から法律家デビュー! 元弁護士の著者による爽快なリーガル青春ミステリ。『朝焼けにファンファーレ』改題。(解説・新川帆立)
  • 輪舞曲(新潮文庫)
    3.2
    私、四十になったら死ぬの。松井須磨子の後を継ぐと目された女優、伊澤蘭奢が、口癖の通り早逝した。そして集まった四人の男。愛人兼パトロンである実業家の内藤、蘭奢が人妻だった頃からの恋人、徳川夢声、サロンに出入りする帝大生の福田、そして生き別れの息子、佐喜雄。彼らそれぞれが見た蘭奢の姿が、一人の女の像を結び始める――。男たちを幻惑しながらもひとすじに生きたある女優の肖像。
  • 名探偵のはらわた(新潮文庫)
    3.7
    「亘(わたる)君、君は真実を語るべきだ」農薬コーラ毒殺魔、局部切断女、そして恐怖の三十人殺し! 昭和史に残る極悪犯罪者たちが地獄の淵から甦(よみがえ)り、現代日本で殺戮の限りを尽くす。空前絶後の惨劇に立ち上がった伝説の名探偵は、推理の力でこの悪夢を止められるのか。「疑え――そして真実を見抜け」二度読み必至の鮮やかな伏線回収、緻密な論理(ロジック)による美しき多重解決。本格ミステリの神髄、ここにあり。(解説・若林踏)
  • プロジェクト・インソムニア(新潮文庫)
    3.5
    睡眠障害(ナルコレプシー)のせいで失業した蝶野は、極秘人体実験「プロジェクト・インソムニア」の被験者となる。極小チップを脳内に埋め込み、夢を90日間共有する――。願望を自在に具現化できる理想郷(ユメトピア)は、ある悪意の出現によって恐怖と猜疑に満ちた悪夢へと一変する。次々と消えてゆく被験者たち、はたして連続殺人鬼の正体は――。驚愕の真相に涙が落ちる。最注目の新鋭作家による、大満足の長編ミステリー。(解説・千街晶之)
  • 職業としての小説家(新潮文庫)
    4.3
    「村上春樹」は小説家としてどう歩んで来たか――作家デビューから現在までの軌跡、長編小説の書き方や文章を書き続ける姿勢などを、著者自身が豊富な具体例とエピソードを交えて語り尽くす。文学賞について、オリジナリティーとは何か、学校について、海外で翻訳されること、河合隼雄氏との出会い……読者の心の壁に新しい窓を開け、新鮮な空気を吹き込んできた作家の稀有な一冊。
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)
    3.9
    まるで心がゆるんで溶けてしまいそうなくらい気持のよい、1961年の春の日の午後、川岸の芝生に寝ころんで空を眺めていた。川の底の柔らかな砂地を撫でるように流れていく水音をききながら、僕はそっと手をのばして、あの神秘的なランゲルハンス島の岸辺にふれた――。夢あふれるカラフルなイラストと、その隣に気持よさそうに寄り添うハートウォーミングなエッセイでつづる25編。
  • 覇王の譜(新潮文庫)
    4.4
    「お前は一流にはなれんよ」。七年間、C級2組から這い上がれない直江大に剛力英明王座はそう言い放つ。旧友との目も眩むような格差。だが、天才少年との邂逅、“孤剣”の異名を持つ師の特訓が、燻っていた直江を覚醒させる。彼の進む道の先には運命の対局が待ち受けていた。元奨励会会員、将棋を深く知る著者が青年棋士の成長と個性あふれる棋士群像を描く。魂震わす将棋エンターテインメント。(解説・西上心太)
  • 100文字レシピ プレミアム(新潮文庫)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 今日のごはん、どうしよう? 最近、野菜を食べてないなあ。友人が遊びにくる週末、何を作ろうか……。料理にまつわるそんなお悩みは、この一冊ですべて解決。たった100文字のレシピだから、初心者でもかんたんに作れます。そして何といってもおいしい! 毎日のおかずから、特別な日のおもてなしメニューまで全138品。プレミアムな食卓を演出する魔法のレシピを、どうぞお試しあれ。巻末対談(壇ふみ×川津幸子) ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • きみはポラリス(新潮文庫)
    3.8
    どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている――。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。(解説・中村うさぎ)
  • クジラアタマの王様(新潮文庫)
    3.8
    記憶の片隅に残る、しかし、覚えていない「夢」。自分は何かと戦っている?――製菓会社の広報部署で働く岸は、商品への異物混入問い合わせを先輩から引き継いだことを皮切りに様々なトラブルに見舞われる。悪意、非難、罵倒。感情をぶつけられ、疲れ果てる岸だったが、とある議員の登場で状況が変わる。そして、そこには思いもよらぬ「繋がり」があり……。伊坂マジック、鮮やかなる新境地。(解説・川原礫)
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)
    4.4
    僕が使者(ツナグ)だと打ち明けようか――。死者との面会を叶える役目を祖母から受け継いで七年目。渋谷歩美は会社員として働きながら、使者の務めも続けていた。「代理」で頼みに来た若手俳優、歴史の資料でしか接したことのない相手を指名する元教員、亡くした娘を思う二人の母親。切実な思いを抱える依頼人に応える歩美だったが、初めての迷いが訪れて……。心揺さぶるベストセラー、待望の続編!(解説・深木章子)
  • わが人生の時の時(新潮文庫)
    3.9
    ヨットレースの最中、髪の毛一筋ほどのきわどさで目撃した落雷の恐怖と眩さ。海面下23メートルに広がる豪奢な水中天井桟敷。杭打ち機の何千トンという圧力を跳ね返すぼろぼろのされこうべ。ひとだまを捕獲する男。冷たい雨の夜に出会ったずぶ濡れの奇妙な男。かけ替えのない弟裕次郎の臨終の瞬間。作家の人生の中で鮮烈に輝いた恐ろしくも美しい一瞬を鮮やかに切り取った珠玉の掌編40編。(解説・福田和也)
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)
    4.1
    はじまりは、「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、うめくのだ――「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、森の沼地へと進み入る。そこで何が起きたのか。濃厚な緑の気息。厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。久美が感じた命の秘密とは。光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。
  • 格闘(新潮文庫)
    -
    孤高の柔道家、羽良勝利(ハラショウ)を取材して、ノンフィクションを執筆しようとした小説家の「私」。だが、いくら踏み込んで話を聞こうとしても、巧みにかわされハラショウの核心にはたどり着けない。かつて住んでいた街や友人を訪ね、あの手この手で立ち向かっていくうち、しだいに私の心は――。二人の焦れったい心の攻防が、各章冒頭の柔道技と重ねられて表現されていく傑作恋愛小説。(解説・小池真理子)
  • 人類が知っていることすべての短い歴史(上)(新潮文庫)
    完結
    4.1
    こんな本が小学生時代にあれば……。宿題やテストのためだけに丸暗記した、あの用語や数字が、たっぷりのユーモアとともにいきいきと蘇る。ビッグバンの秘密から、あらゆる物質を形作る原子の成り立ち、地球の誕生、生命の発生、そして人類の登場まで――。科学を退屈から救い出した隠れた名著が待望の文庫化。137億年を1000ページで学ぶ、前代未聞の“宇宙史”、ここに登場。
  • 神とさざなみの密室(新潮文庫)
    3.2
    ここはどこ!? 女子大生の凛は記憶を辿るが、何も思い出せない。暗い部屋で、両手首を頭上で縛られている。一体誰がこんなことを。恐怖に駆られる凛の前に、突然見知らぬ男が現れる。両者の間に横たわる、顔を焼かれた死体――。破局のタイムリミットが近づく中、対立する政治団体の男女を、疑惑と憎悪、密室と死体の謎が翻弄する。本格ミステリ新世代の旗手による究極の密室監禁サスペンス。(解説・千街晶之)
  • 警官の血(上)(新潮文庫)
    3.9
    1~2巻825円 (税込)
    昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ。
  • 家康の女軍師(新潮文庫)
    3.5
    家康の側室於奈津は、鎧姿で関ヶ原の戦場に立った。将軍の女影武者・軍師として戦況を見極めつつ、「お屋形様の本気を」と鼓舞。小早川秀秋へ問い鉄砲を仕掛けさせる――。この女傑、元は商家の女番頭。持ち前の機転で家康の心を摑み、物事に動じぬ良き相談相手となった。大坂冬夏の陣にも参陣し、真田信繁とも対峙。今は徳川家の菩提寺に眠る波瀾の生涯を描く。『将軍家康の女影武者』改題。(解説・末國善己)
  • 蟻の棲み家(新潮文庫)
    3.6
    東京都中野区で、若い女性の遺体が相次いで発見された。二人とも射殺だった。フリーの事件記者の木部美智子は、かねてから追っていた企業恐喝事件と、この連続殺人事件の間に意外なつながりがあることに気がつく。やがて、第三の殺人を予告する脅迫状が届き、事件は大きく動き出す……。貧困の連鎖と崩壊した家族、目をそむけたくなる社会の暗部を、周到な仕掛けでえぐり出す傑作ノワール。(解説・大森望)
  • 乱鴉の島(新潮文庫)
    3.7
    犯罪社会学者の火村英生は、友人の有栖川有栖と旅に出て、手違いで目的地と違う島に送られる。人気もなく、無数の鴉が舞い飛ぶ暗鬱なその島に隠棲する、高名な老詩人。彼の別荘に集まりくる謎めいた人々。島を覆う死の気配。不可思議な連続殺人。孤島という異界に潜む恐るべき「魔」に、火村の精緻なロジックとアクロバティックな推理が迫る。本格ミステリの醍醐味溢れる力作長編。(解説・村上貴史)
  • 姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫)
    4.1
    煙と客が充満するモツ焼き屋で、隣席の男が語り出した話とは……戦慄の表題作。巨鯨と人間の命のやりとりを神話にまで高めた芥川賞受賞作「鯨神」、すらりとした小麦色の脚が意外な結末を呼ぶ「花魁小桜の足」、村に現れた女祈祷師の異様な事件「西洋祈りの女」、倒錯の哀しみが詩情を湛える「ズロース挽歌」、石汁地蔵の奇怪なる物語「リソペディオンの呪い」。圧巻の迫力に満ちた六編。(解説・篠田節子)
  • 「私」を受け容れて生きる―父と母の娘―(新潮文庫)
    4.0
    それでも、人生は生きるに値する。彫刻家・舟越保武の長女に生まれ、高村光太郎に「千枝子」と名付けられる。大学を卒業後、絵本の編集者となり、皇后美智子様の講演録『橋をかける』を出版。だが、華々しい成功の陰には、幾多の悲しみがあった。夫の突然死、息子の難病と障害、そして移住した岩手での震災……。どんな困難に遭っても、運命から逃げずに歩み続ける、強くしなやかな自伝エッセイ。(解説・山根基世)
  • オリンピア1996 冠〈廃墟の光〉(新潮文庫)
    4.0
    近代オリンピック百年の節目となった1996年大会は、父祖の地アテネを押しのけ、グローバル資本を背景にもつスポンサーとテレビ局によってアメリカ・アトランタに持ち去られて開幕。著者は全日程をつぶさにレポートしつつ、五輪はいまや「滅びの道」を歩んでいるのではないかという仮説を抱くのだった……。一見華やかだが、巨体に悶え、岐路に立たされる五輪の姿を見出した最前線傑作ルポ。(解説・阿川佐和子)
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)
    完結
    4.2
    825~1,045円 (税込)
    理不尽で我侭で好色な男の周辺に生起する幾多の波瀾。父と子の関係を軸に戦後生活の有為転変を力強く描く、著者畢生の大作。
  • 出版禁止 死刑囚の歌(新潮文庫)
    4.1
    千葉県柏市で6歳と4歳の姉弟が誘拐され、無惨な姿で発見された。犯人は死刑判決を受け、やがて刑は執行されたが、最後まで動機は不明だった。事件から22年後。東京都向島で凄惨な一家三人殺傷事件が発生する。殺害されたのはなんと柏の事件の……。共通する手口、戦慄の短歌、消えたM子。本当の鬼畜は誰なのか。虚実が複雑に絡みあい、逆転また逆転そして絶句。あなたは今度も騙される!(解説・前川裕)
  • トリガー―国家認定殺人者―(新潮文庫nex)
    3.4
    射殺許可法。犯罪ゼロの国家を目指すため、「日本国」国王によって制定されたものである。各都道府県に一名ずつ配置された者(トリガー)には拳銃所持が許され、悪と見なせば射殺することが認められている。婦女暴行、銀行強盗、連続幼女殺人など様々な悪事に引き金がひかれる。だが、ついにトリガーに復讐の刃が向けられる日が。――「正義」と「悪」の神髄を問う、近未来ハードアクション!
  • 草薙の剣(新潮文庫)
    3.8
    1巻825円 (税込)
    草を薙いで野火の大難を防いだといわれる神剣――草薙の剣。12歳から62歳まで、6人の男たちとその父母、祖父母が経験した、戦前、戦後、学生運動、オイルショック、バブル、オウム事件、2回の震災、そして現代まで、そこに生きる人間の姿をつぶさに描くことで、「時代」という巨大な何かを立ち上がらせた奇跡の長編小説。知の巨人にして時代の感性だった橋本治の文業40年の結晶。野間文芸賞受賞。(解説・末木文美士)
  • 編集長の条件―醍醐真司の博覧推理ファイル―(新潮文庫)
    3.5
    転落死を遂げたマンガ雑誌編集長、南部正春。悪名は高かったがマンガを深く愛していた。フリーの凄腕編集者・醍醐真司は彼の死に疑問を抱きつつ、後継編集長に就任する。一方、“出版専門の探偵”水野優希も南部の調査を依頼される。やがて昭和史最大の謎「下山事件」が見え隠れし始めて。『20世紀少年』などのヒット作を手がけた元編集者が創作の原点と現場のリアルを描く、傑作エンターテインメント。(解説・澤田康彦)
  • アトラス―天命探偵 Next Gear―(新潮文庫)
    完結
    4.0
    全1巻825円 (税込)
    次の犠牲者は、警察庁警備局公安課のトップ、そして、これまで共闘してきた上司――。眠り続ける志乃の予知夢を可視化する〈クロノスシステム〉の映像に、真田らは絶句した。忌まわしい未来を変えるべく、真田や黒野ら〈次世代犯罪情報室〉の面々は危険な作戦に身を投じる。そこへ因縁の敵・アレスが姿を現し……。冴え渡る頭脳戦と怒濤のアクションが加速する大人気シリーズ、堂々完結!!(解説・大矢博子)
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)
    完結
    4.2
    全2巻825~935円 (税込)
    高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
  • 信長を生んだ男(新潮文庫)
    4.3
    兄が猛虎になるなら、己は支える龍となる――。大うつけと蔑まれる信長のなかに、弟信行が見出した比類なき強者の資質と、猛虎の意志。だが真の覇者となるには、何かが決定的に欠けていた。兄の弱さに気づいた信行は、密かに身命を賭けた策に出る。すべては兄のために。信長の正室帰蝶を巻き込んで、信行最後の大勝負が始ま った……。定説を覆し、誰も描かなかった歴史の真実を摑む傑作。(解説・大矢博子)
  • 忍びたちの本能寺(新潮文庫)
    4.3
    本能寺の変の真相を探れ――。特命をうけた甲賀忍びの伊兵衛は、美貌のくノ一於夕や千蔵らと探索を開始した。他の忍びの妨害をかわし疑わしい人物を洗っていく。近衛前久、勧修寺晴豊、神主の吉田兼和、御所、そして伴天連の筋。愛宕山の連歌の謎や奇妙な日記が意味することは何か。京都と丹後宮津、浜松をつなぐ点と線、非情なる密約の構図とは。歴史の闇に大胆に挑み新説を提示する傑作。(解説・縄田一男)
  • 漱石を知っていますか(新潮文庫)
    4.0
    『吾輩は猫である』は長くて歪だ。『坊っちゃん』は俗っぽいし、『門』は暗くてわかりにくい。『こころ』には女性軽視の傾向が……。実は難点ばかり!? の夏目漱石が、日本で百年以上も読み継がれている人気の秘密とは? 代表的13作品を例に、その創作技法から文章術、作者の心理、作品の完成度までを阿刀田節全開で平易に解説。スラスラ読めて明日から語れる、目からウロコの超入門書。(解説・石原千秋)
  • 守教(上)(新潮文庫)
    4.5
    1~2巻825~880円 (税込)
    九州の筑後領高橋村。この小さな村の大庄屋と百姓たちは、キリスト教の信仰を守るため命を捧げた。戦国期から明治まで三百年。実りの秋も雪の日も、祈り信じ教えに涙する日々。「貧しい者に奉仕するのは、神に奉仕するのと同じ」イエズスの言葉は村人の胸に沁み通り、恩寵となり、生きる力となった。宣教師たちは諸国を歩き、信仰は広がると思われたが、信長の横死を機に逆風が吹き始める。
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)
    4.0
    浪漫(ロマン)とモダニズムの花咲く1918年。美しき機巧人形(オートマタ)・伊武(イヴ)は、女学校の友人・ナオミとともに訪れた猫地蔵坂ホテルで、ある男と運命の出会いを果たす。恋の始まりを予感したそのとき、幸せな日常を引き裂く大震災が襲う。時代の波に翻弄され、廻り出す運命の歯車。そして物語の舞台は、大陸の新国家・如洲(にょしゅう)へ――。心を持たない人形が問いかける、愛とは、魂とは。日本SF小説史に残る圧倒的傑作。
  • 評伝 石牟礼道子―渚に立つひと―(新潮文庫)
    3.7
    『苦海浄土 わが水俣病』の発表以来、文学界でも闘争の場でも神話的な存在であり続けた、詩人にして作家・石牟礼道子。しかし、水俣病に対する告発という面にとらわれすぎると、その豊饒な世界を見失いかねない。不知火海を前に育った幼年期から、文学的彷徨、盟友・渡辺京二との交流、苦闘の日々、暮らしと命を見つめてやまなかった晩年まで、創造の源泉と90年の軌跡を綴った初の本格評伝。(解説・池澤夏樹)
  • ドクダミと桜(新潮文庫)
    3.0
    三津谷咲良、結婚4年目の34歳。成功しない不妊治療に焦燥を感じ、大学講師の夫とは微妙な関係に。徳永多実、咲良の小学生時代の親友。恵まれた家庭に育った優等生の咲良と異なり、高校を1年で中退、パートで働くシングルマザー。二人が19年ぶりに再会し、止まっていた刻(とき)が再び動き始めたら――生まれも育ちも、そして住む世界も違う二人の女性の友情と葛藤と再生を描く、感動の書下ろし。(解説・大矢博子)
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)
    4.4
    ようこそ、村上さんの井戸へ――川上未映子はそう語り始める。少年期の記憶、意識と無意識、「地下二階」に降りること、フェミニズム、世界的名声、比喩や文体、日々の創作の秘密、そして死後のこと……。初期エッセイから最新長編まで、すべての作品と資料を精読し、「村上春樹」の最深部に鋭く迫る。十代から村上文学の愛読者だった作家の計13時間に及ぶ、比類なき超ロングインタビュー!
  • 新・しゃばけ読本(新潮文庫)
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 病弱だけれども、優しくて知恵の働く若だんなと、彼を見守る不思議で愉快な妖(あやかし)たちが、お江戸に起こる難事件珍事件を解決! 大人気しゃばけシリーズのガイドブックが登場です。物語紹介から妖と人物解説、作者&絵師の創作の秘密にも迫ります。巻末に絵本『みぃつけた』を特別収録。初心者からマニアの方まで、シリーズの魅力を楽しみ尽くすための豪華な一冊。『しゃばけ読本』増補改訂版。
  • けさくしゃ(新潮文庫)
    3.7
    1巻825円 (税込)
    腕っぷしは弱いが、見た目は役者と見紛うばかりのいい男。柳亭種彦は二百俵取りのお殿様で、暇を持て余す趣味人だ。その読み手を楽しませる才能を見込んだ版元の山青堂は、彼の戯作で一山当てようと目論む。渋々ながらも書き始めた種彦。すぐに戯作の虜になるが、世に出した作品がその身を危うくする……。実在した流行作家の若き姿と、本を愛おしむ仲間たちとの痛快な活躍を描く。(解説・新井見枝香)
  • ちょちょら(新潮文庫)
    3.9
    1巻825円 (税込)
    間野新之介は、兄の自刃を受けて、多々良木藩の江戸留守居役を引き継いだ。先輩の留守居役たちにしごかれながら、幕府と藩の橋渡し役として、接待や付け届け、情報戦に明け暮れる日々。そんなとき新之介は、多大な負担を強いる「お手伝い普請」の情報を得る。困窮する藩のため、何としてでもこれを逃れたい――。兄の死の謎や思い人の運命に悩みつつ奔走する、若き藩士の痛快奮闘記。(解説・立川談四楼)
  • 何様(新潮文庫)
    3.9
    生きるとは、何者かになったつもりの自分に裏切られ続けることだ。直木賞受賞作『何者』に潜む謎がいま明かされる―。光太郎の初恋の相手とは誰なのか。理香と隆良の出会いは。社会人になったサワ先輩。烏丸ギンジの現在。瑞月の父親に起こった出来事。拓人とともにネット通販会社の面接を受けた学生のその後。就活の先にある人生の発見と考察を描く6編!(解説・若林正恭(オードリー))
  • 少女葬(新潮文庫)
    4.2
    一人の少女が壮絶なリンチの果てに殺害された。その死体画像を見つめるのは、彼女と共に生活したことのあるかつての家出少女だった。劣悪なシェアハウスでの生活、芽生えたはずの友情、そして別離。なぜ、心優しいあの少女はここまで酷く死ななければならなかったのか? 些細なきっかけで醜悪な貧困ビジネスへ巻き込まれ、運命を歪められた少女たちの友情と抗いを描く衝撃作。『FEED』改題。(解説・大矢博子)
  • 黄泉がえり again(新潮文庫)
    3.7
    あの大地震から二年。熊本で、死者が次々生き返る“黄泉(よみ)がえり”現象が再び発生した。亡くなった家族や恋人が帰還し、驚きつつ歓迎する人々。だが、彼らは何のために戻ってきたのだろう。元・記者の川田平太は、前回黄泉がえった男とその妻の間に生まれた、女子高生のいずみがその鍵を握ると知るのだが。大切な人を想う気持ちが起こした奇跡は、予想を遥かに超えたクライマックスへ――。(解説・大矢博子)
  • ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後―(新潮文庫)
    3.5
    終戦からほどなく、東京の真ん中に827戸を擁する米軍家族住宅エリアが出現した。その名も「ワシントンハイツ」。「日本の中のアメリカ」の華やかで近代的な生活は、焼け野原の日本人にアメリカ的豊かさへの憧れを強烈に植え付けた。現代日本の「原点」ともいうべき占領期を、日米双方の新資料と貴重な証言から洗いなおした傑作ノンフィクション。日本エッセイスト・クラブ賞受賞。
  • 炎の岳―南アルプス山岳救助隊K-9―(新潮文庫)
    3.9
    “幻の名峰”として人気の新羅山。その日も登山客で賑わうなか突如、群発地震が襲う。不穏な空気が漂い火山学者は警告を発するが、行政に黙殺される。やがて噴火が始まり、逃げ遅れた人々を救うべく、救助隊員の静奈と夏実は相棒の犬と共に山頂へ向う。だが山中には凶悪な殺人者も潜んでいた。荒れ狂う山、襲いかかる魔手。決死の救出に挑む彼女たちにタイムリミットが……。『火竜の山』改題。
  • 雪山の檻―ノアの方舟調査隊の殺人―(新潮文庫)
    3.3
    これは、怒れる神の鉄槌(てっつい)なのか。伝説の地、アララト山で、ノアの方舟調査隊隊員が次々と壮絶な最期を遂げる。背筋も凍る事態に直面したのは、あらゆる知識をその頭蓋に収めた天才学者、一石(いちいし)豊。一石はカメラマン・森園アリスと共にこの連続死の謎に挑み、同時に方舟の真実を解き明かしてゆく。気鋭の推理小説作家が構築した、美しくも壮大なミステリ大伽藍(だいがらん)。『アールダーの方舟』改題。(解説・村上貴史)
  • 不発弾(新潮文庫)
    3.7
    大手電機企業が発表した巨額の「不適切会計」。捜査二課の小堀秀明は、背後に一人の金融コンサルタントの存在を掴む。男の名は、古賀遼。貧しい炭鉱街の暮らしから妹を救うため、体力頼みの場立ち要員として証券会社に就職。狂乱のバブルを己の才覚のみでのし上がった古賀は、ある事件をきっかけに復讐を始めるのだった――。欲望に踊らされた男たちの終わらない闘いを描く経済サスペンス。(解説・磯山友幸)
  • 心が安らぐ145種 旅先で出会う花ポケット図鑑(新潮文庫)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 花に感じ入るのはそのいさぎよさである。時期が来れば咲き、時節が去れば散ってゆく。そんな姿を求めて、早春、他の植物が地中で眠っている時に咲く花に会いに行き、陽春から秋には海辺と高山を行き来する。晩秋から冬は信州に住む地の利を生かし、野山や高原へと向かう……。半世紀に亘り花を追い続けてきた著者が50の探索コースを極上のエッセイと写真で解説する花紀行、渾身の最終作! ※当電子版は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。ご了承ください。
  • ゴーグル男の怪(新潮文庫)
    4.0
    煙草屋の老婆が殺された夜、ゴーグルで顔を隠した男が闇に消えた ……。死体の下から見つかった黄色く塗られたピン札、現場に散乱する真新しい五十本の煙草。曖昧な目撃情報に怪しい容疑者が続出し、核燃料製造会社をめぐって奇怪な噂が。そしてついに《ゴーグル男》が出現した。巧緻な伏線と戦慄の事件が、ねじれ結ばれ混線する! この上なく残酷で、哀しい真相が心を揺さぶるミステリー。
  • 影の中の影(新潮文庫)
    4.2
    血も凍る暴虐に見舞われた故郷から秘密を抱えて脱出したウィグル人亡命団と、彼らを取材中のジャーナリスト仁科曜子が、白昼の東京で襲撃された。中国による亡命団抹殺の謀略だ。しかし警察は一切動かない。絶体絶命の状況下、謎の男が救いの手を差しのべる。怜悧な頭脳と最強の格闘技術をそなえた彼の名は、景村瞬一。冒険小説の荒ぶる魂がいま甦る。疾風怒濤のノンストップ・アクション。
  • ひと目で見分ける340種 日本の樹木ポケット図鑑(新潮文庫)
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 北海道から沖縄県までの野山でよく見かける樹木、街路樹、公園樹、庭木など日本の主要樹木を網羅。出会った樹木を調べやすいように「花」「実」「葉」「木肌」「形」の5つに分類し、写真やイラストで樹木全体を視覚的に説明します。このような基本情報のほか、樹木の興味深い個性や和名の由来、文学、詩歌唱歌などにまつわる話題も多く紹介する、「樹木ポケット図鑑」の決定版です。
  • 和名の由来で覚える372種 野と里・山と海辺の花ポケット図鑑(新潮文庫)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 花はその和名に秘密があります。花弁の色、葉の形、薬効、地名などが含まれているのです。だから「お坊さんが座禅を組む姿に似ているから“座禅草”」というように、和名の由来を知ることで簡単に覚えられます。本書は海辺、野原、山と地域ごとに分け、似た花の違いをイラストによってひと目で分かるように構成しました。その場で開いてすぐ分かる、「花のポケット図鑑」決定版です。

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