米原万里の作品一覧
「米原万里」の「ガセネッタ&シモネッタ」「発明マニア」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「米原万里」の「ガセネッタ&シモネッタ」「発明マニア」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
あまり触れてこなかった時代(WW2前後のロシア)が舞台の話。学生時代の印象的すぎる先生の謎を(解けるようになったので)解こうとする主人公視点で徐々に謎が解明していく。最終的に二人の養女だった同級生から話を聞けてほぼ全ての謎がとけることとなる。外務省での公式資料から劇場の衣装係、強制収容所の手記の著者に古い友人と様々な立場が関わってくる。
戦後シベリア抑留があったことは知っていたが、ロシア人ですら逮捕され劣悪な環境で強制労働などがあったことはこれで初めて知った。普通の文庫本か少し厚いくらいのボリュームなのに、書かれている人々の記録や人生や悲しみが濃厚すぎる。ロシアでは友達同士は愛称で呼ぶが、そ
Posted by ブクログ
日本の国際化=英語を話すはなんか変。英語を重視する理由は文化への憧れではなく、経済力と軍事力に頼ろうとしていることであって下品。本当の国際化は国と国同士の直接の関係を築くこと。
サミットの日本語訳が英語を経由することへのおかしさや、その時その時の目的(学びたい文化や特定領域につよい言語)に沿った学びが必要ということなど、マルチリンガルの必要性を感じた。
私も英語だけでなく中国語やロシア語を学んでいるけど言語が増えれば増えるほど視野が広がり柔軟に学べることを実感している。
英語学ぶ労力90%、その他10%、英語経由でしか情報を得られていない。日本の精神を貧しくしている。
Posted by ブクログ
各章の冒頭、「パリのアメリカ人」のように「異郷のなんとか人」ネタで、読者の関心を鷲摑みにする。しかしその先がどういう展開になるかは、ほとんど予測がつかない。なにしろ書き手は米原万里、使えるリソースは無尽蔵にあるからだ。たとえば、モスクワのベトナム人で始まる章は、ロシアの小噺につながり、それが三権分立の話につながってゆく。シベリアの日本人で始まる章は、純粋概念の話につながり、それがオウム真理教の話で終わる。
こういった章が13。この数なのは、魔女にとっての1ダースが13個だからという。もしかして、下ネタの多さも魔女のなせるわざか。
巻末の解説を書いているのは、同時通訳の「師匠」と仰ぐ徳永晴美。弟
Posted by ブクログ
没後10年、佐藤優シェフによる米原万里のフルコース。1冊目としてではなく、彼女の本を何冊か読んでから読むべき本。
目玉はやはり、東京外語大の卒論「ネクラーソフの生涯」100ページ。文章や論理展開は生硬だが、その後花開く彼女の萌芽が詰まっているように感じる。ネクラーソフをテーマにしているあたりが、いかにも彼女らしい。そしてなんと、卒論の審査概評も載っている。やや厳しい講評だが、温かさも感じられる(指導教員は飯田規和)。
冒頭で紹介されているエピソードが印象的。佐藤優がチェコの作家クンデラを魅力的だと言ったら、米原万里が色をなして怒ったという。さもありなん、彼女は、計算尽くの人、裏のある人、言行不
Posted by ブクログ
チェコ・プラハのソビエト学校で出会ったダンス教師、オリガ・モリソヴナ。老齢だが魅力にあふれ、ほれぼれするような舞踏。教え方は厳しく、口が悪い。その特徴的な言い回しは「反語法」。いったい彼女はだれだったのか。30年後、その謎を解く旅に出るが、謎はさらなる謎を呼ぶ。モスクワのロシア外務省資料館に始まって、トゥーラのダンス教室で終わる怒涛の7日間、めくるめくような展開。
旅は7日間だが、そこにロシア革命からスターリンの大粛清、雪解けとペレストロイカまで、80年間の事件や出来事の回想が詰まっている。ロシア史(あるいはソビエト史)に詳しくない場合は、座右に『世界史年表』が必要かもしれない(少なくとも私は