米原万里のレビュー一覧

  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    幼い頃の思い出を交えた軽妙な文章ながら、激動の時代に翻弄されながら生きた人たちをリアルに感じる。
    能天気だった自分の子供時代と比べると、ここに出てくる子ども達は国や大人の事情に巻き込まれて、無邪気さの中にも遥かに思慮深く大人びた雰囲気がある。

    そう遠くない時代の話だけど、紛争の悲惨さって教科書やニュースで見るだけだといまいち実感湧かなかったりする。
    当たり前だけど、こうして一人ひとりに人生があって、夢や故郷や愛する家族友人がいること、それなのに民族や思想の違いから、それらを奪われることや諦めることを考えると本当にしんどい。

    0
    2026年10月01日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    1960年から64年までプラハのソビエト学校にいた著者。早熟のギリシャ出身のリッツァ、ルーマニアの外交官の娘のアーニャ、絵が上手なユーゴスラビア出身のヤスミンカ。同級生たちの思い出とその後の彼女らを描くドキュメント。

    久しぶりに再読。こんなに面白いのに何も覚えてなかった。面白おかしく描く軽妙な文章、そして共産主義。世界史を勉強してるときよりも共産主義について深く考えさせられた。やっぱり多様性って大切なんだよなっとも思った。

    0
    2026年09月26日
  • マイナス50℃の世界

    花

    ネタバレ 購入済み

    サクサク読めました。酷寒の地、ヤクーツク(ロシアのどこか)に取材に行った時の体験談。
    マイナス50℃を越える場所、世界一寒い国での生活を知れて面白かったです。

    ・魚釣りでは魚を釣り上げて10秒後には魚が凍ってしまう。
    ・スパイクタイヤやタイヤチェーンは使っていない。スキーやスケートは春先の暖かくなった時の遊び。「寒いと氷は滑らない」がヤクート人の常識。
    ・鼻の頭やほおにできる真っ白な斑点は凍傷。消えるまで手でもんでから暖かい部屋へ入らないと細胞が死んでしまう。
    ・鉄などの金属製品に決して素手で触れてはいけない。瞬間やけどで皮膚がくっついて切り離せなくなる。
    ・マイナス68℃でも洗濯物は外に干す。水分が凍って固まるから、取り入れる時にちょっとたたいて氷を落とす。
    ・ビニール、プラスチック、ナイロンなどの石油製品は、マイナス40℃以下の世界では通用しない。
    ・屋内プラス20℃、屋外マイナス50℃という70℃の温度差があり体への負担がすさまじいものの、ヤクートはコーカサスにつぐソ連第二の長寿国。

    人間が生活できること、この本を読んでも不思議でならないです。

    #タメになる

    0
    2026年09月25日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    面白かった、という感想が適当なのか分からないけど、とにかく読んでよかった。

    戦争や紛争 というのがどうして簡単には終わらないのかも
    情勢 というのが実は一人ひとりにとんでもなく影響するものだ ということも
    そういうのが、あとから振り返った時に 歴史 なんだ ということも

    この本を読むことで、教科書に書いてある理屈なんかよりも、ずっと染みるように分かった気がする。

    エピソードはどれも、直接的に惨劇を描いたわけではなくて、どちらかというと思い出のところなんかコミカルだ。
    それでも、どうしようもなく時代は彼女たちを取り込み、揺さぶっていく。



    それにしても、米原さんてすごい人だ。

    会えるかも分からない友達に会うために、まだ情勢が安定していない国へも渡航する。

    自分とは違う考え方の友達に、はっきりと自分の違和感を伝えることにためらいがない。

    そうして、結局、その人と考え方が違うまま終わったとしても、その人のことをまっすぐに友達と思える。

    これだけのすごい経験を読ませてもらったわけだけど、一番すごいと思ったのそこかもしれない 笑

    0
    2026年09月15日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

    Posted by ブクログ

    2026.9.14
    良かったー!!すっごく良かったーー!!!

    またまた中国語学科だった大学生の頃を思い出しちゃった。あの頃中国語を覚えるためもあって、日本で上映される中国の映画を見に行ってたなー。すーーんごい小さな映画館でしかやらないんだけど、中国の大革命の頃を題材とした映画だったけど…あれ…今考えるとよく映画化できてたなぁ…改革開放時代だったから良かったのかしら…今だとダメな気がするなぁ…なんとなく……

    ソ連の粛清の下りは、その映画やその頃を書いた書籍が思い起こされたよ。

    大学の中国語の先生(中国人)から、私が買った大革命で粛清にあって生き延びた方が出版した手記の本を見て、貸して欲しい!って言われたのを思い出すなぁ。日本でしか見れないから読みたい!って。

    その本の著者も大丈夫だったんだろうか…かなりな事が書いてあったんだけど…外国で出版してたから大丈夫なのかな…

    ロシアの歴史を勉強したくなったよ!

    0
    2026年09月14日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

    Posted by ブクログ

    オリガ・モリソヴナ。
    なんて魅力的な人物なのだろう。

    中盤からはスターリン統治時代の回顧録や人の繋がりをもとに志摩とカーチャが謎を紐解いていく。二人が出会ったところ泣ける。

    いつか読んだ「ラーゲリから来た遺書」のように
    人々の記憶による手記や話がヒントに。
    人間は恐ろしく非道にもなれるし
    尊厳を踏みにじられるような環境でも他者を思いやることができる。

    限られた時間の中で奔走するふたりと
    そのふたりが出会う人たちと
    ハラハラしながら最後まで辿り着けました。

    0
    2026年09月08日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    世界わが心の旅 プラハ 4つの国の同級生をNHKオンデマンドで見たことをきっかけに同書を読み始める。3話目の「白い都のヤスミンカ」同級生のお話から別のエッセイがはじまったのかと思うも、読み進めると、3人目の同級生ヤースナのエピソードだとわかる。出会いから別れ。数十年後のにベオグラードでヤースナと再会する。ヨーロッパの激動の歴史と重なりあう人生。かわらない友情。せつなくて涙が出そうになった。ヤースナはその後どんな人生をすごしたのかすごく気になる。

    0
    2026年08月30日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    バルカン半島4ヶ国旅行のお供に。
    ヨーロッパをひとまとめに「ヨーロッパ」と言うのはもはや失礼に値すると思った。気をつける
    戦争をとても近くに感じて、友達を一生懸命探すのもとても好きなところだったし
    たくさんの民族がいてそれぞれ自分を、家族を、信念を守りながら、奮闘して解釈を変えて adaptしていくのを感じられて、その苦悩を想像して、さらにそれが日本人である自分には絶対背中をさすって「分かるよ」と言う資格がないと思って、たくさん泣いた。

    0
    2026年08月29日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    久々に、こんなに面白いエッセイを読んだ。冷戦時代の〈東側〉の世相がよく分かる一冊。米原さんは重たいテーマをコケティシュな口調で面白おかしく綴っていくのが本当に上手だと思う。

    0
    2026年08月16日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

    Posted by ブクログ

    プラハのソビエト学校を舞台に、個性的で天才的なダンス教師オリガたちの記憶を辿る物語。前半は微笑ましい学園生活が描かれるが、中盤以降はスターリン時代の監視体制や言論弾圧によってオリガを含む無辜の人々が辿った苛酷な苦難が次々に明らかになっていく。
    著者の実体験に基づくリアルで丁寧な描写と、謎解きの面白さが組み合わさった重厚さをもつユニークな作品。自由が保障された社会で生きていることのありがたさも実感した。

    0
    2026年08月11日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    友人を起点にそこから見える家族とその思想、基底となる国家の状態を見せている。あくまで人を通して。逆にそれが、国家がどうあれ人はどうあるべきなのかを投げかけているようだ。

    0
    2026年07月16日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

    Posted by ブクログ

    1960年チェコのプラハ、ソビエト学校に入った
    日本人の志摩
    そこで出会った友人カーチャと共に
    ダンスの先生のオリガ、モリソヴナ
    フランス語の先生のエレオノーラ、ミハイロヴナ
    なんとも不思議な2人の先生に魅力されながら
    学生生活を過ごす
    ある時、またさらに不思議な子が転校してくる
    この両先生の娘という美しいジーナ
    ダンスが抜群に上手く、志摩が密かに好きな
    レオニードとすぐ仲良しになっている

    謎のまま日本に戻り、30年がたち
    謎を辿り始める志摩
    謎を辿っていくうちにスターリン時代の
    壮絶な過去を紐解くことになる
    実在のオリガ、モリソヴナという人物を
    中心に壮大な物語が広がっていく

    日本では馴染みのない名前が
    たくさん出てくるし、愛称もあったりで
    はじめは読みづらかったけれど
    どんどんのめり込んでいった
    ロシア、ドイツ、ヨーロッパの国々の
    歴史を辿っているようで
    また、いろんなことを詳しく知りたくなった


    0
    2026年07月12日
  • 米原万里の「愛の法則」

    Posted by ブクログ

    米原万里の「愛の法則」
    著:米原 万里
    出版社:集英社
    集英社新書 0406 F

    ちょっと変わった女先輩といった感じ。男女の性に赤裸々なのは、50代のおばさんだからか。10代、20代であれば、世間は、うけいれるかもしれないかもしれないが、紙にはかけない。

    ■男女の性

    中学後半から、セックスのことばかり考えていて、小説の原著にはそういったシーンがおおいのだとか、実際に読み込んでいるのがすごいし、そんなシーンばかり読んでいるというのも、オスとしてもわかる。
    そう、オスと、メスという表現なのですね。
    女性は男性よりも、2年も早熟なので、そりゃ同年代の男の子をみても、ガキにしか見えないだろうなと納得する。いくら背伸びしても届かないのはわかる。当然に下の子に気が行くのはそういうことだったのか。まあ、女から見ると男は、いつまでもガキだとか

    女性は、寝たい男、寝てもいい男、絶対に寝たくない男との分類があり、NGは9割になるだとか。
    勝率1割であれば、男は数打つしかなくなるのでは。

    男は、子孫を残すために、たくさんの女とやりたくて、女は、優秀な子孫をのこすために、これはという男に執着する

    戦争などで男が多量に死亡すると、そのあと、男が生まれる比率が高まるとか。不思議というか、自然の驚異。

    ■言語

    原書を読むコツ、辞書を引かないで前後で類推しているとボキャブラリが増えていくとか。でも、つい、辞書引いてしまう。

    あるとき、言語は突然わかるようになると書いている。3か月かな、天才の逸話として聞くべきか。

    インターナショナリゼーション 国際化ではない 国際共同統治ということ、パナマ運河とか
    国際化は、グロバーライゼションという 自分の基準を国際標準として押しつけることと、逆に押し付けられる国際標準がある

    同時通訳でうまくいかないのは、全部訳そうとするから、わかったところをだけ訳せばいいとか。

    日本人の多文化受容の能力は高し、漢字で考える。そとからの蓋を、とじたり、あけたりしているのが、日本の特徴。中国一辺倒、アメリカ一辺倒もあり、多文化を消化したり、受容したりできるのが、すごい。やがて、日本の真の文化に取り入れられていく

    それができるのは、国土の四方を、大海という壁でまもられているから。

    通訳 

    Aさん、英語で話す
    Bさん、翻訳、英語⇒日本語
    Cさん、日本語を聞く

    三者三様の概念があって、実際には、それぞれ、同じものではない

    翻訳家瞬時に英作文しなければならない、
     聞いてもわからない
     聞いてわかるが、話せない
     ようやく話せるようになる
     同時通訳できる
    すごい人間たちである

    目次

    本書に寄せてー池田清彦

    第1章 愛の法則
    第2章 国際化とグローバリゼーションのあいだ
    第3章 理解と誤解のあいだ―通訳の限界と可能性
    第4章 通訳と翻訳の違い

    著作一覧
    初出一覧

    ISBN:9784087204063
    出版社:集英社
    判型:新書
    ページ数:192ページ
    定価:780円(本体)
    2007年08月22日 第1刷発行
    2008年04月30日 第5刷発行

    0
    2026年05月29日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    すっばらしかった
    心ふるえた

    先日テレビで、米原さんがこの本に登場する友人3人を探す旅のドキュメンタリーを再放送してたの。没後20年なんですって。
    それで概要は知っていたのだけど、彼女たちの人生の一部を覗かせてもらって、日本でしか生きてこなかったわたしには想像もできないそれぞれの事情があまりに劇的で。
    しかもそれは彼女たちが特別なわけではなく、多くの人たちがその波にさらされてきたわけで。

    たまたま私が生きてきた時代の日本は穏やかだっただけで、これからの日本が激流にのまれる可能性だってある。そうならないように努力したいし、いま嵐に見舞われている人々の助けになりたいとも思う。
    私たちに何ができるだろうか。
    考え続けなくちゃ。

    0
    2026年05月19日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    面白かった!!!
    米原さんが、プラハのソ連学校で過ごした小中学校時代の友人3人と再会するお話。数十年前に連絡の途絶えた友人を海外で見つけ出せるのが、まず凄い。そして、ただ再会を喜び、思い出話をするだけでなく、それぞれの友人に対して様々な事を思うのが、正直で誠実だと思った。分かり合えない事もある。全く違う環境で、違う正義の元に生きているのだから。

    0
    2026年05月17日
  • 打ちのめされるようなすごい本

    Posted by ブクログ

    20冊ぐらい本書の書評を読んでポチった。すでに著者がこの世を去って20年。当然ながらすべての本が20年以上前。がんと真正面からぶつかって、もがき、散っていった。だから新しい書評に触れられないのは残念だが、彼女が紹介した本たちをこれから読んでいくのはとても楽しみ。

    0
    2026年04月07日
  • 旅行者の朝食

    Posted by ブクログ

    古今東西の食にまつわるエッセイ。
    美味しさと興味深さとユーモアの融合だった。
    食エッセイ、かくあるべき!と思わされた。
    私もまた、食べるためにこそ生きているのだ!

    0
    2026年03月18日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

    Posted by ブクログ

    三宅夏帆さんのおすすめで読んでみました。
    ソビエト時代のプラハ滞在経験✖️堪能なロシア語✖️ダンサーの夢を持っていた、米原万里先生にしか書けない小説だと思いました。
    スマホもインターネットもない時代で、足で情報を稼ぐ必要があるので、登場人物たちの物理的な移動が多く、頭の中で彼らが動き出していました。

    0
    2026年02月10日
  • 旅行者の朝食

    Posted by ブクログ

    題名から、お恥ずかしながら旅行中の朝食についてのエッセイかと思っておりました。(前知識無しに読み始めてしまったもので)、題名の理由については是非本書を読んでみてください。ロシアや諸外国の文化について、食を中心に楽しみながら学べるとても素敵な作品です。

    0
    2026年01月17日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    1960年代にプラハのソビエト学校で出会った友だちを、1990年代、チェコ、ルーマニア、セルビア(旧ユーゴスラビア)を訪れて、かつての思い出を頼りに、つながりをたどって、見事に再会する。
    激動の東欧での人間模様、とてもおもしろかった。著者の生きた歴史に胸が高鳴った。
    著者は冷静に客観的に自分をあまり出さずに出会う人々を描いているように見えて、芯の強い自分の依って立つ足場をしっかり持った人だと思うし、実は旧友をばっさり評価している。
    だからこそ抉り出される人間性がある。
    また、最近私自身が興味を引かれている、ルーマニアや旧ユーゴの社会を感じされてくれるのもワクワクした。

    0
    2025年12月27日