米原万里のレビュー一覧

  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
     ロシア語翻訳者の米原万里さんのエッセイ。米原さんが過ごした在プラハソビエト学校の同級生のエピソードをもとに、彼らとの再開や時代や社会情勢の移り変わりへの考察といった形で構成される。ソビエト学校時代のエピソードも、日本ではなかなか体験できないような場面がでてきて興味深く、私も体験してみたくなってしま...続きを読む
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
    実に興味深く、一気に読んでしまった。ソ連の崩壊、ビロード革命は記憶に新しいが、著者は冷戦の時代にプラハのソビエト学校で学んだ貴重な体験を持つ。作品には国籍の異なる3人の同級生のその後の人生が描かれるが、それはまさに激動の歴史に翻弄された壮絶なものであった。私にとっては、最後に登場すれユーゴスラビアの...続きを読む
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
    これはすごい本だ…。
    なんといってもノンフィクションっていうのに驚く。かつてプラハのソビエト学校で同級生だった国際色豊かな友達の思い出と、30年後に再開するまでにそれぞれがどんな人生を歩んでいたかの話。激動の東欧現代史が、ひとりひとりの人生を揺さぶる形で立ち上がってきて心揺さぶられた。

    知らなかっ...続きを読む
  • オリガ・モリソヴナの反語法
    小さい頃、世界をあるがまま受け入れていた。物事の機能も社会の仕組みも人間関係も、その複雑さを理解する経験も知識もなかったから。それでも、何故か理解出来ずに引っかかる記憶がある。あの時、母親はなぜ悲しんでいたのか、なぜ、先生は休暇から戻って来なかったのか。この小説は、人生のそんな謎解きを求めた内容。部...続きを読む
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
    友達がどうなったか知りたくて、あっという間に読めた。
    そういう狭い民族主義が、世界を不幸にするもとなのよ。チャウシェスクの庇護を受けていた家族ノジュール娘
  • 旅行者の朝食
    全編食べ物にまつわるエッセイです。
    時代も国も飛び越えたとても幅広いお話で、でもちゃんと身近に感じられるわかりやすい文章で、なんというか一言で言うと本当に面白かった!
    「今話題の作品!」とか謳われているような若い作家さんの本を読むと変にカッコつけた文章の隙間から「面白いでしょ?!私の文章すごいでしょ...続きを読む
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
    米原万里さんが幼少期プラハソビエト学校で過ごした日々と、その時に出会った3人の友人リッツァ、アーニャ、ヤスミンカとの関わりについて物語として描かれる。幼少期の印象に残る体験が大人になって蘇り、あの子はなぜあの時あの行動をしたのかを知ることになる体験は、実生活でもある。ソビエト学校での体験は、ネットが...続きを読む
  • 旅行者の朝食
    馴染みのない東欧の文化がとても新鮮。単純なグルメの本ではなくて、食べ物やその成り立ちに対しての考察がとても面白く、米原さんとおしゃべりしながらテーブルを囲んでいるような感覚で読める。
    米原さんならではの本。
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
    プラハのソビエト学校で出会った個性的な友人について、学生時代の思い出とその後の生活が鮮やかに描かれている。作者は幼い時から大人になるまでに経験した激動の時代の痕跡に直面し、作中の笑いは社会の極限状態を映し出しているかのように感じられる。読者にとっても、国家観を見つめ直すきっかけとなるであろう。
  • 旅行者の朝食
    ずっと気になってたカムチャッカのバザールで食べたお菓子があって、見た目が牛の糞そっくりで、量り売りされてたのですが、見た目に反してすごく不思議な甘い味で何回もリピートした位でした。でも帰国してからは誰に聞いても知らないと言われ、挙句ほんとに牛の糞食べたんじゃないの?とまで言われた謎のお菓子でした。そ...続きを読む
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
    この本、面白い。
    政治権力が行き着くところどこを見ているのかを遠回しに指し示していて、その中で民は途方にも暮れながらそれぞれが悪戦苦闘して生きていく他ないことを思い知らしてくれます。
    しかし100年も経たない話ですか、これが。歴史って時代って動いていくもんですね、改めて当たり前のことを感じました。
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
    (2004年に別のところに書いたレビューの転載)
    文庫化を待ちわびて、さっそく読んだのですが、単行本がでたときによんでおけばよかった! と思いました。物語として読ませるのはもちろんですが、数十年前の共産圏の暮らしぶりや人々の考え方、その後の変化の様子などがよく描写されていて、勉強になりました。
    通訳...続きを読む
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
    小4の時にプラハのソビエト学校に通っていた著者。その時の同級生と再会する旅に出る話。
    3人の同級生が登場する。みんな個性的で魅力にあふれるエピソードが描かれていて時代も国も違う私も友だちになりたくなってしまう。
    日本は1つの土地に同じ民族でずっと住んでいたので理解するのが難しいが、祖国に恋い焦がれる...続きを読む
  • 真夜中の太陽
    2023年1月15日机の下の段ボール箱を整理してたらポロっとこの本が出てきた。
    整理の手を止めて、懐かしく拾い読みを始めたら、大部分を読んでしまった。
    短い文章の中に鋭い警句、社会批判をふんだんに取り入れた米原節が心地よい。
    いま、これだけの率直さでものを書く人は、残念ながら見当たらない。
  • 心臓に毛が生えている理由
    誰かがFacebookに書いたようなライトでブツ切りのエッセイからかなり硬派な内容のものまでバラエティに富んでいたが、著者の性格が表れているのか、サバサバとした男前なものが多く、また思わず声を出して笑ってしまったものも多々あった。一番最初のオホーツクでの話は、思わず地図で確認しながら読み始めたけど、...続きを読む
  • マイナス50℃の世界
    (内容)トイレには屋根がなく、窓は三重窓。冬には、気温が-50℃まで下がるので、釣った魚は10秒でコチコチに凍ってしまう-。世界でもっとも寒い土地であるシベリア。ロシア語通訳者として、真冬の横断取材に同行した著者は、鋭い観察眼とユニークな視点で様々なオドロキを発見していく。取材に参加した山本皓一と椎...続きを読む
  • 旅行者の朝食
    食いしん坊(食い意地張ってる方)には超オススメの一冊です。
    全く食いしん坊ではない私ですら、楽しく読めたくらいですから、食いしん坊の方が楽しく読めない訳がない❗
  • 打ちのめされるようなすごい本
    米原さんの本の読む量の凄さとは。やっぱりソビエトで育っていることで日本語に飢えていた時間があったからか。
    移動の多い仕事だったからかもしれないけど。

    読んでみたい本が多くあった。オーディブルにはなさそうだからかみのほんてよまないとなぁ。
  • 旅行者の朝食
    米原さんの本は本当面白い。ためになるような話も面白くかける方。

    食べ物はやっぱり大事。食べるために生きるというのは本当。美味しいもの食べに行きたいなぁ~。お寿司‥
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
    主人公マリと、マリが少女時代に通っていたプラハソビエト学校の同級生の物語。マリが歪みに歪んだ社会においてどのように成長していくのか、同級生はどのように成長していったのか、ノンフィクションで共産主義社会の歪みを描く。

    最初に在学中の友人との思い出を、その後に30年後の再会を語る。これ一冊でプラハの春...続きを読む