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稀有の語り手でもあった米原万里、最初で最後の爆笑講演集。世の中に男と女は半々。相手はたくさんいるはずなのに、なぜ「この人」でなくてはダメなのか――〈愛の法則〉では、生物学、遺伝学をふまえ、「女が本流、男はサンプル」という衝撃の学説!?を縦横無尽に分析・考察する。また〈国際化とグローバリゼーション〉では、この二つの言葉はけっして同義語ではなく、後者は強国の基準を押しつける、むしろ対義語である実態を鋭く指摘する。4つの講演は、「人はコミュニケーションを求めてやまない生き物である」という信念に貫かれている。【目次】本書に寄せて――池田清彦/第一章 愛の法則/第二章 国際化とグローバリゼーションのあいだ/第三章 理解と誤解のあいだ――通訳の限界と可能性/第四章 通訳と翻訳の違い
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Posted by ブクログ
4つのテーマにもとづく講演。
1 愛の法則
2 国際化とグローバリゼーションのあいだ
3 理解と誤解のあいだ
4 通訳と翻訳の違い
ここまで、いっていいのかと思うほど
口が滑らかで 言いたい放題。
そのなかに 洞察力(インサイト)がきらきらと輝く。
さすが、米原万里。
その大胆さと下ネタの爽やかさは なんともいえない風情がある。
言語を理解するとは、記号と概念の間の変換プロセスを体験すること。
1 愛の法則
世界の名作は オトコ(ドンファン)がオンナあさりするものばかり。
そのオンナは 美人ばかりだ。
しかし、美人の基準は 時代と地域によって違う。
源氏物語にしろ、
一方 オンナの物語は 理想の男性を捜すものになっている。
沢山のオトコから 選び抜く物語。
メスは量をにないながら質を追求する。
オスは質をにないながら量を追求する。
結局 オトコは生き延びてつたえる サンプルなんだよ。
オトコには ①ぜひ寝てみたいオトコ②まぁ。寝てもいいのかなというオトコ
③たとえ大金をもらっても絶対寝たくないオトコ
オトコの多くは 90%以上は ③ だとか。
オトコあまりの現象が 質の高い人間に進化する。
オトコが2600万人も余っている中国は まさに 進化の舞台かも。
2 国際化とグローバリゼーションのあいだ
「アメリカ人の言うグローバリゼーションは、自分たちの基準をおしつけることであり、日本人の思うグローバリゼーションは世界の基準に自分を合わせること。」
アメリカ人は 「自分たちは変わらない。自分たちは正当であり、正義であり、自分たちが憲法である。」と思っている。
すごい 本質的な定義。素晴らしい。
中華主義も アメリカ的発想に近いのだ。
陸続きであれば、こころの中にある国境が強くなる。
外国文化を絶対化する病気と自国と自国文化を絶対化する病気。
日本語の国語教育は、日本語を外国語として突き放して勉強していない。
日本語は ウラルアルタイ語とポリネシア語族が合体した。
3 理解と誤解のあいだ
他人まかせは しょせん 身に付かない。
孤立語;語順によって決まる 〈英語〉〈中国語〉
膠着語;たされてくっつく 「テニオハ」日本語 ハンガリー語
屈折語;言葉の語尾とか語頭が変化する。ロシア語、フランス語。
4 通訳と翻訳の違い
「モノを聞き取って正確に把握する能力」と「それをもう一度統合してまとめて表現する能力」
「文学こそが民族の精神の軌跡、精神の歩みを期したもので、その精神のエキスである。」
同時通訳のプロは 言葉に対して鋭敏な感性を持っているだけでなく
更に深く その国の文化さえもつかみ取る チカラを持っている。
そのことを、米原万里が 体現している。
ホントに、惜しい人をなくした。
Posted by ブクログ
米原万里の「愛の法則」
著:米原 万里
出版社:集英社
集英社新書 0406 F
ちょっと変わった女先輩といった感じ。男女の性に赤裸々なのは、50代のおばさんだからか。10代、20代であれば、世間は、うけいれるかもしれないかもしれないが、紙にはかけない。
■男女の性
中学後半から、セックスのことばかり考えていて、小説の原著にはそういったシーンがおおいのだとか、実際に読み込んでいるのがすごいし、そんなシーンばかり読んでいるというのも、オスとしてもわかる。
そう、オスと、メスという表現なのですね。
女性は男性よりも、2年も早熟なので、そりゃ同年代の男の子をみても、ガキにしか見えないだろうなと納得する。いくら背伸びしても届かないのはわかる。当然に下の子に気が行くのはそういうことだったのか。まあ、女から見ると男は、いつまでもガキだとか
女性は、寝たい男、寝てもいい男、絶対に寝たくない男との分類があり、NGは9割になるだとか。
勝率1割であれば、男は数打つしかなくなるのでは。
男は、子孫を残すために、たくさんの女とやりたくて、女は、優秀な子孫をのこすために、これはという男に執着する
戦争などで男が多量に死亡すると、そのあと、男が生まれる比率が高まるとか。不思議というか、自然の驚異。
■言語
原書を読むコツ、辞書を引かないで前後で類推しているとボキャブラリが増えていくとか。でも、つい、辞書引いてしまう。
あるとき、言語は突然わかるようになると書いている。3か月かな、天才の逸話として聞くべきか。
インターナショナリゼーション 国際化ではない 国際共同統治ということ、パナマ運河とか
国際化は、グロバーライゼションという 自分の基準を国際標準として押しつけることと、逆に押し付けられる国際標準がある
同時通訳でうまくいかないのは、全部訳そうとするから、わかったところをだけ訳せばいいとか。
日本人の多文化受容の能力は高し、漢字で考える。そとからの蓋を、とじたり、あけたりしているのが、日本の特徴。中国一辺倒、アメリカ一辺倒もあり、多文化を消化したり、受容したりできるのが、すごい。やがて、日本の真の文化に取り入れられていく
それができるのは、国土の四方を、大海という壁でまもられているから。
通訳
Aさん、英語で話す
Bさん、翻訳、英語⇒日本語
Cさん、日本語を聞く
三者三様の概念があって、実際には、それぞれ、同じものではない
翻訳家瞬時に英作文しなければならない、
聞いてもわからない
聞いてわかるが、話せない
ようやく話せるようになる
同時通訳できる
すごい人間たちである
目次
本書に寄せてー池田清彦
第1章 愛の法則
第2章 国際化とグローバリゼーションのあいだ
第3章 理解と誤解のあいだ―通訳の限界と可能性
第4章 通訳と翻訳の違い
著作一覧
初出一覧
ISBN:9784087204063
出版社:集英社
判型:新書
ページ数:192ページ
定価:780円(本体)
2007年08月22日 第1刷発行
2008年04月30日 第5刷発行
Posted by ブクログ
日本の国際化=英語を話すはなんか変。英語を重視する理由は文化への憧れではなく、経済力と軍事力に頼ろうとしていることであって下品。本当の国際化は国と国同士の直接の関係を築くこと。
サミットの日本語訳が英語を経由することへのおかしさや、その時その時の目的(学びたい文化や特定領域につよい言語)に沿った学びが必要ということなど、マルチリンガルの必要性を感じた。
私も英語だけでなく中国語やロシア語を学んでいるけど言語が増えれば増えるほど視野が広がり柔軟に学べることを実感している。
英語学ぶ労力90%、その他10%、英語経由でしか情報を得られていない。日本の精神を貧しくしている。
Posted by ブクログ
国や民族について、米原万里ほどの経験で以って、しかもそれを的確に表現できる人もなかなかいないだろう。米原万里の言葉には単に外国に迎合したり、あるいは逆に最近特に多い「日本ってこんなに素晴らしい!」などという井の中の蛙のような日本賛美ではない、世界のそれぞれの国の文化(もちろん日本を含めて)に対する強い敬意を感じる。彼女のような、媚びず、けれども自身に強いプライドを持った生き方こそが、今求められているグローバル人材なのではないだろうか。
本書では特に第二章と第三章が面白い。第二章で語られるのは真のグローバリゼーションについて。彼女が説くのは英語一辺倒でアメリカ中心の世界観からの脱却だ。
◼️世界中の国々の言語で蓄えられた文化は、英語にはそのうち微々たるものしか翻訳されていません。だから、英語を知ったからといって、それぞれの文化にアクセスできるわけではないのです(p87)。
彼女が主張しているのは、英語経由ではなくそれぞれの文化と直接的な関係を築くことが真のグローバリゼーションであるということだ。彼女が亡くなってから10年、果たして日本はそのような国際関係の築き方が少しはできているのだろうか?
第三章では、彼女の通訳経験を基にしたコミュニケーション論。外国人同士という文化もバックグラウンドも違う人々とのコミュニケーションの困難さを味わってきたからこそ分かる、コミュニケーションの不完全性と"分かり合える"という喜びが、読みやすい言葉で述べられている。
◼️通訳だけでなくコミュニケーションというものが、そのように非情に不確実なものであって、最終的に完全に一致するなどということはあり得ないという、一種の諦念というか、覚悟を持つべきだと思います(p155)。
コミュニケーション能力などという言葉がよく言われるが、コミュニケーションというものの不完全性、ある種の諦めこそが実は重要なのではないかと気付かされる。
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