米原万里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
主にゴルバチョフ・エリツィン時代のソビエト・ロシアについて書いた文章を集めたもの。
前半はウォトカとロシア人についての文章を集めた、米原さんらしい仕上がり。
後半はペレストロイカが国民に及ぼした影響とか、少し固めな題材。
通訳として接したゴルバチョフ・エリツィンのキャラクターとロシア国民との関係性を描くことで、ゴルバチョフが国民の支持を失った理由の一端を説明している。
エリツィンの泥酔キャラは、あれはあれで国民受けはよいのだという話は腑に落ちる部分はある。
本筋とは全然関係ないが、米原姉妹は映画や活字で目にしたら同じ食べ物に反応して食べたくなり、『哀愁の町に霧が降るのだ』(椎名誠)のカツ丼 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人との繋がり。
旦那氏が買ってきた本。
米原万里さんのエッセイを読んだことがあったので気になって読んだ。
旦那氏は読みにくかったらしいけど、わたしはとても読みやすかった。(笑)
人物がたくさん出てくるけど、なんとなく覚えていれば大丈夫。
赤毛のアン好きな人は好きだと思う。
主人公がソビエト学校に通っていた時の強烈なダンスの先生(オリガ・モリソヴナ)の過去の謎を解いていく物語。
どんどん新しい事実が判明していって、先が気になる。
ダンサーをしていたけど、外国人と結婚をしたことから政府に捕まり、多くの人たちと収容所で過ごし、また日常生活を取り戻す、大変な人生を送ってきた人(たぶんこ -
Posted by ブクログ
米原万里(1950~2006年)氏は、日本共産党幹部だった父親の仕事の関係で幼少期をプラハで過ごし、東京外語大ロシア語学科卒、東大大学院露語露文学修士課程修了、日ソ学院(現・東京ロシア語学院)や文化学院大学部でロシア語を教える傍ら、1978年頃より通訳・翻訳を手がけ、1983年頃からは第一級の通訳としてロシア語圏の要人の同時通訳などで活躍した。日本女性放送者懇談会賞受賞。ロシア語通訳協会会長。また、エッセイスト、ノンフィクション作家としても活躍し、『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』で読売文学賞(1994年)、『魔女の1ダース』で講談社エッセイ賞(1996年)、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
-
Posted by ブクログ
【305冊目】著名な日露通訳者による通訳、ひいては言語に関するエッセイ。知人に薦められて読んだが、興味深いだけでなく、笑える!裏表紙に「通訳を徹底的に分析し、言語そのものの本質にも迫る、爆笑の大研究」との紹介は、この手の紹介文にしては正確!
タイトルは、通訳をめぐるジレンマをたとえたもの。原文に忠実か裏切っているかということを「貞淑or不実」と、文章として整っているか否かを「美女or醜女」としている。もちろん最高なのは貞淑な美女だか、現実の通訳では、不実な美女か、貞淑な醜女かの間で悩むことが多々あるとのこと。ちなみに、醜女はたいてい「しこめ」と読むが、本書ではわざわざ「ブス」とルビを振ってい -
購入済み
実体験に基づいた小説
作者の実体験を描いた本に「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」があるが、本書はこの実体験を下敷きに書いた作者唯一の(!)小説。
相当に衝撃的内容であるし文章構成も巧みである。ラーゲリについてこの本しか読んでいなかったら間違いなく星五つ。
が、同じラーゲリが舞台なのでどうしてもソルジェニーツィンの「イワンデニーソビッチの一日」と比較してしまう。自分自身でラーゲリを体験したソルジェニーツィンには負けてしまうので星一つマイナスで星四つ。 -
Posted by ブクログ
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」に次ぐ同著者の二冊目の本。
副題が「正義と常識に水を浴びせる13章」。文化の差異が異なる価値観を産み、異なる文化が異なる言語を産み、美味の評価も変わったり、異文化の交差でそれぞれの文化が際立ったり、また、それが異文化の排斥に繋がったり、文化と言語の違い等で愛国心が芽生えたり、その愛国心を手玉に政治家に馬鹿みたいに騙されたりもする。
文化の多様性の裏表を同時通訳者の著者が下ネタを随所に散りばめながらの実話の数々面白く読みました。
正義と常識は、絶対でないも、それぞれの正義と常識を認め合うことや理解することが大事であり、またその為にも知識や経験を広げることでその一助 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「薔薇の名前」で知ったアリストテレス「詩学」の第二部が現代に伝わっていたら、この本のような内容だったのではないかと思わせてくれる。小噺を通じて「笑い」が生じる普遍的な構造を探究した本。各章の最後に例題があって楽しめた。
著者の相変わらずの教養の深さテーマと読者への誠実な姿勢。本当の意味で真面目な人だなと感じた。闘病中に書かれた本だと知ってさらに尊敬。
以下、印象に残った文:
物語の最も基本的な構造が、「失われたものの回復」あるいは「その代償」だとしたら、小噺の基本的な構造は「失われたものの回復の失敗」あるいは、予定されていた回復の処方箋の(代償)が無効であることの言い渡しである。
「小