米原万里のレビュー一覧

  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    翻訳をしていることから、通訳の仕事に興味を持って読みました。
    お話することに大変慣れているような書き振りで、さすが、と思わされる生き生きした文章がぎっしり詰まっています。
    あとがき以降に添えられた、絶筆となる手紙の受け答えにも感銘を受けました。

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    2023年04月12日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    米原万里(1950~2006年)氏は、日本共産党幹部だった父親の仕事の関係で幼少期をプラハで過ごし、東京外語大ロシア語学科卒、東大大学院露語露文学修士課程修了、日ソ学院(現・東京ロシア語学院)や文化学院大学部でロシア語を教える傍ら、1978年頃より通訳・翻訳を手がけ、1983年頃からは第一級の通訳としてロシア語圏の要人の同時通訳などで活躍した。日本女性放送者懇談会賞受賞。ロシア語通訳協会会長。また、エッセイスト、ノンフィクション作家としても活躍し、『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』で読売文学賞(1994年)、『魔女の1ダース』で講談社エッセイ賞(1996年)、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

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    2023年03月22日
  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    【305冊目】著名な日露通訳者による通訳、ひいては言語に関するエッセイ。知人に薦められて読んだが、興味深いだけでなく、笑える!裏表紙に「通訳を徹底的に分析し、言語そのものの本質にも迫る、爆笑の大研究」との紹介は、この手の紹介文にしては正確!

    タイトルは、通訳をめぐるジレンマをたとえたもの。原文に忠実か裏切っているかということを「貞淑or不実」と、文章として整っているか否かを「美女or醜女」としている。もちろん最高なのは貞淑な美女だか、現実の通訳では、不実な美女か、貞淑な醜女かの間で悩むことが多々あるとのこと。ちなみに、醜女はたいてい「しこめ」と読むが、本書ではわざわざ「ブス」とルビを振ってい

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    2022年12月27日
  • 打ちのめされるようなすごい本

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    ロシア文学、猫の本が中心だけれど、自分が読んだ本の書評もあり、参考になった。この書評を機に読んでみたい本が増えた。

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    2022年11月09日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    通訳の方って、
    キャラの濃い方、結構いらっしゃるけど、
    ここまで面白い方はそうそういらっしゃらない。
    今の時代、
    コンピュータが通訳も翻訳も
    お上手になってしまったから
    なかなかこういう方は表に出てこないのかしらん。

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    2022年11月08日
  • 他諺の空似 ことわざ人類学

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    世界各地に、同じ意味の諺があるんですね。
    世界のいろんな地域のいろんな国の人々の、長い時間をかけて作られ語り継がれてきた諺が、同じ意味で存在するとは、、人間が生きている間に起こるいろんな出来事、それに対する思い、そこから学ぶ教訓などが同じように存在するんだなぁ。すごい。
    舌鋒鋭いのが持ち味と思いますが、各章に必ず挟まれる政権批判がちょっとキツいです。

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    2022年11月06日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

    購入済み

    実体験に基づいた小説

    作者の実体験を描いた本に「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」があるが、本書はこの実体験を下敷きに書いた作者唯一の(!)小説。
    相当に衝撃的内容であるし文章構成も巧みである。ラーゲリについてこの本しか読んでいなかったら間違いなく星五つ。
    が、同じラーゲリが舞台なのでどうしてもソルジェニーツィンの「イワンデニーソビッチの一日」と比較してしまう。自分自身でラーゲリを体験したソルジェニーツィンには負けてしまうので星一つマイナスで星四つ。

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    2022年10月03日
  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    通訳という知らない世界と職業の方々の仕事ぶりや頭の中を垣間見ることができる一冊。
    原文に忠実かどうかを貞淑と不実、訳した文の整いぶりを美女と醜女にたとえていて、ああ確かに不実な美女と貞淑な醜女のどちらがよいかはケース・バイ・ケースなのだろうなと思った。

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    2022年09月04日
  • 旅行者の朝食

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    食文化、言葉を突き詰め調べる、楽しむ
    ハルヴァを食べてみたい
    ロシアの知らない文化、知らないうちに接している文化

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    2022年07月20日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

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    1960年代、当時のチェコスロバキアのソビエト学校で学んでいた日本人、シーマ力が主人公である。通っていたプラハ・ソビエト学校にいた、オリガ・モリソヴナを中心とした各登場人物の謎を、ソ連崩壊直後のロシアにて次々に究明していく物語。なによりも時代考証が凄まじい。謎解き要素だけでなく、スターリン主義に巻き込まれた犠牲者の、悲痛な経験や思いがひしひしと伝わってくる構成となっている。予想よりも分厚いものだったが、読み応え満点だった。ほぼノンフィクションなフィクション。

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    2022年07月04日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」に次ぐ同著者の二冊目の本。
    副題が「正義と常識に水を浴びせる13章」。文化の差異が異なる価値観を産み、異なる文化が異なる言語を産み、美味の評価も変わったり、異文化の交差でそれぞれの文化が際立ったり、また、それが異文化の排斥に繋がったり、文化と言語の違い等で愛国心が芽生えたり、その愛国心を手玉に政治家に馬鹿みたいに騙されたりもする。
    文化の多様性の裏表を同時通訳者の著者が下ネタを随所に散りばめながらの実話の数々面白く読みました。
    正義と常識は、絶対でないも、それぞれの正義と常識を認め合うことや理解することが大事であり、またその為にも知識や経験を広げることでその一助

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    2022年04月22日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

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    ●積読書だったが、やっと読めた。読み出したら止まらない。土日を費やした。
    ●今の国際情勢の時にソビエトの本を読むのは皮肉なものだけれど、本当に独特な国だと思う。
    ●今の屈折した結果も過去のしがらみが要因とも言えるし…
    ●一時期に、米原さんの本を集中的に買って読んだが、これがその最後となる。
    ●疾走感があるし、過去の描写が凄く細かくて圧倒される。情景が思い浮かぶ。

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    2022年03月07日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    講演集
    第1章 愛の法則
    第2章 国際化とグローバリゼーションのあいだ
    第3章 理解と誤解のあいだー通訳の限界と可能性
    第4章 通訳と翻訳の違い

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    2022年03月04日
  • 心臓に毛が生えている理由

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    以下、好きなエピソード。

    * ナポレオンの愛した料理人
    * 言い換えの美学
    * 曖昧の効用
    * 心臓に毛が生えている理由
    * あけおめ&ことよろ
    * 読書にもTPO
    * 何て呼びかけてますか?
    * 記憶力と年賀状

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    2022年01月30日
  • 必笑小咄のテクニック

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    ネタバレ

    「薔薇の名前」で知ったアリストテレス「詩学」の第二部が現代に伝わっていたら、この本のような内容だったのではないかと思わせてくれる。小噺を通じて「笑い」が生じる普遍的な構造を探究した本。各章の最後に例題があって楽しめた。


    著者の相変わらずの教養の深さテーマと読者への誠実な姿勢。本当の意味で真面目な人だなと感じた。闘病中に書かれた本だと知ってさらに尊敬。

    以下、印象に残った文:
    物語の最も基本的な構造が、「失われたものの回復」あるいは「その代償」だとしたら、小噺の基本的な構造は「失われたものの回復の失敗」あるいは、予定されていた回復の処方箋の(代償)が無効であることの言い渡しである。

    「小

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    2022年01月16日
  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    ロシア語の同時通訳の米原万里が、通訳にまつわるエピソードなどを紹介するとともに、同時通訳とは何か、ひいては、コミュニケーションとは何か等の深いテーマについても語った本。

    題名が面白い。「不実な美女か 貞淑な醜女か」。同時通訳の現場には通訳のスタイルを決める2軸がある。ひとつは、原語、すなわち発話者の発言をどの程度忠実に訳すか。発話者の発言に忠実に訳すことを貞淑といい、忠実にではなく意訳をしたりしながら訳すことを不実と言う。もうひとつの軸は、訳す言葉の、例えば露日通訳であれば、日本語の表現文章がきれいなものかどうか。文章表現がきれいであれば美女、きれいでなければ醜女。
    「不実な醜女」、すなわち

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    2021年12月23日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

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    「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」が好きすぎて、この本を読みました。作品の中で描かれる歴史が残酷すぎて衝撃でしたが、オリガ・モリソヴナが何者か解明していくのが気になって最後まで読みました。作品を通して、酷い歴史は繰り返されてはならないというメッセージも感じられました。

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    2021年12月15日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    「そういう考え方もできるのか」とか「そんな事情があったのか」など、新たな発見に満ちた一冊だった。
    何より、これまでの経験や見聞きした情報から一冊の本にまとめ上げる著者の能力に脱帽。
    アメリカに批判的な部分も個人的には好感。

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    2021年10月28日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

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    ノンフィクションのようでいて、劇的なプロットで読者を飽きさせず、フィクションのようでいて、緻密な取材や資料研究に下支えされた正確な描写。フィクションとノンフィクションのいいとこ取りをしたような小説。
    ドストエフスキーを筆頭にロシア文学は途中で登場人物の名前が分からなくなって何度も戻り読みさせられる苦い経験があるが本作は文体も非常に軽快な読ませる文体だし、キャラ付けがしっかりとされていて、巻頭の人物紹介に全く戻らなくてもすらすらと入ってきた。
    ロシア人の名前の音にも慣れてきたし、ここらで挫折した「カラマーゾフ」再挑戦or「アンナ・カレーニナ」に挑戦か、、、?

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    2021年09月17日
  • 打ちのめされるようなすごい本

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    ここ20年ほど一日平均7冊を維持してきたという、読書以外の時間を引けば最低1冊1時間のペースでしかも精緻に評論できる米原万里のすごさに打ちのめされました。

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    2021年09月11日