米原万里のレビュー一覧
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これは…米原さんが書くからこそ許されるし、説得力もあるということなのだろう。
例えば、男女の生物学的な性差の意味づけとか、英語は孤立語とか、そのあたりは目をつぶるとして。
日本人にとっては国際化は国際基準(往々にしてアメリカ基準、のことだったりする)に合わせていく動きとなるのに対して、アメリカ人にとっての国際化(グローバリゼーション)は、自分は変わらず、自分の基準を普遍化する動きとなるといった指摘は面白かった。
乱暴な議論ともいえるけれど、本書の大部分の講演は米原さんが癌で闘病していた時期に重なる。
そのことを思うと、そこまでして伝えたかったこととして受け止めなければと思えてくる。
小学三 -
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Posted by ブクログ
ガセネッタ ダジャーレと シモネッタ ドッジ。
簡単に訳せない その国の特有な言葉を
うまくどうやって 通訳するのか?
失楽園 といっても 日本では 渡辺淳一であり
西洋では ミルトンとなる。
その綾を 表現する能力は 幅広い知識がいるモノだ。
異文化をこえて、表現力は さらに広がる。
わずかなエッセイの中に
思わず、考えさせられたり、にやにやしたり
文章の編集法が 実に巧みなのである。
金正日総書記の 好物は サンドイッチ。
ハムハサムニダ。
小咄が じつに いいのだ。
三つの願いなどは 貧しいがゆえに
慎ましやかに笑うことができる。
通訳の神は、ギリシャ神話のヘルメスで 人間 -
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Posted by ブクログ
全12章で語られる小咄(こばなし)の数々。
それらいろいろな小咄を読むにつけ、
フッ、とか、クスッ、とか、ブバッ、とか
笑えてしまいます。
論理的に分析して、12章に分類してあるわけです。
そんな笑い話の考察の仕方って、
あとがきにもありますが、珍しいものですよね。
そうやって分類されたものを楽しみながら読むことで、
そして各章の最後にある問題に頭をひねらすことで
(ぼくはすらーっと読んでしまったので、二問くらしか解けませんでした)、
自分の笑い話の創作技術の向上も見込めるような感じが
ありましたね。
ほんとに笑い話を得意になるんだと決意する人なら、
本書を研究して愛読することで、センスは磨