米原万里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
通訳の話も興味深かったが、ロシア文学者についての文章も面白かった。
もてる作家は作品も短い。
日本文学に置き換えても、結構当てはまるかも。
それから、鉄のカーテンの話。
本来は劇場の防火幕という意味。
日本の辞書には、東西冷戦の際の分断の比喩で、チャーチルの演説で有名になったことしか触れていない。(小学館の『大百科事典』では初出がゲッペルスだったということまで乗っているらしい。)
それに対して、ロシアの辞典やフランスの辞典では、ちゃんと原義が載っているとのこと。
いろいろな言語ができたら、こんな引き比べもできるんだなあ、と羨ましく思った。
まあ、煩わしいかもしれないが。
そrrから、この話、この間放送が終了した柴原智幸さんの「攻略英語リスニング」でも取り上げられていた話題だった。
柴原さんも、そういえば同時通訳者。
その道では有名な話なのかも、と思う。
米原さんも、亡くなって、もう十年以上ってしまったのか。
この本で対談している柳瀬尚紀さんも、昨年だったか、亡くなった。
グローバリズムという名前のアメリカ化が、この間さらに進んできた。
米原さんなら現状をどう見ただろう。 -
Posted by ブクログ
これは…米原さんが書くからこそ許されるし、説得力もあるということなのだろう。
例えば、男女の生物学的な性差の意味づけとか、英語は孤立語とか、そのあたりは目をつぶるとして。
日本人にとっては国際化は国際基準(往々にしてアメリカ基準、のことだったりする)に合わせていく動きとなるのに対して、アメリカ人にとっての国際化(グローバリゼーション)は、自分は変わらず、自分の基準を普遍化する動きとなるといった指摘は面白かった。
乱暴な議論ともいえるけれど、本書の大部分の講演は米原さんが癌で闘病していた時期に重なる。
そのことを思うと、そこまでして伝えたかったこととして受け止めなければと思えてくる。
小学三年生でプラハのソヴィエト学校へ入れられ、一言も分からないのに登校しなければならないつらさ。
少しわかるようになっても、言いたいことが言えないもどかしさ。
母語の環境でぬくぬく育った身には想像を絶する経験だ。
そこで培ったアメリカに偏しない「国際」感覚は、私たちの社会にとって、どれだけ貴重であったことか