米原万里のレビュー一覧

  • ガセネッタ&シモネッタ

    Posted by ブクログ

    ガセネッタ ダジャーレと シモネッタ ドッジ。
    簡単に訳せない その国の特有な言葉を
    うまくどうやって 通訳するのか?

    失楽園 といっても 日本では 渡辺淳一であり
    西洋では ミルトンとなる。
    その綾を 表現する能力は 幅広い知識がいるモノだ。
    異文化をこえて、表現力は さらに広がる。

    わずかなエッセイの中に 
    思わず、考えさせられたり、にやにやしたり
    文章の編集法が 実に巧みなのである。

    金正日総書記の 好物は サンドイッチ。
    ハムハサムニダ。

    小咄が じつに いいのだ。
    三つの願いなどは 貧しいがゆえに 
    慎ましやかに笑うことができる。

    通訳の神は、ギリシャ神話のヘルメスで 人間と神々との交信の役割をしていた。

    黒人が 『白くなりたい、オンナたちの話題の的でありたい、股ぐらにいたい』
    と言う願いをかけたら タンポンになっていたとか。

    クソ と言うのは、万国共通らしい。
    パンツとふんどしは どこが違うのか?
    『他人のふんどしで 相撲を取る』をどう訳すのか?
    カレーライスとライスカレーの違いを 
    どうやって カレーライスを知らない人に 説明するのか?

    常用語的 くどき文句について、
    訳すのは 『おはよう』って言う程度なのだろうか。
    訳す人によって、その人柄は 大きく変わってしまう。

    グレアムグリーンは言う
    『作家としての才能と通訳者としての技能は基本的に同じ根っこのものだ。
    大量の情報に接しながら、瞬時にその中から本質をつかみ、言葉でもって伝えるチカラだ。』

    フロイトは言う
    『愛の反対語は憎悪ではない、無関心だ。』

    比喩力が 創造性を発揮する。
    『目くそ鼻くそを笑う。』をどう訳すのか?
    通訳が 透明人間になれるのだろうか?

    『米原さんは、最近はもっぱら通訳業の産業廃棄物をチョコチョコっとリサイクルして出版部門へ流し、甘い汁を吸っているという評判』

    謝罪会見の言葉は なぜ届かないのか?

    英語が 軸になって 展開するのが、
    ロシア語通訳は 数が少ないので 質が下がって 料金が上がる。

    ロストロポービッチ。

    ら抜きの疑惑。永井愛との対談。
    男性用語と女性用語が日本語にはある。
    ノミを殺すにはネコも殺してしまう愚は避けたい。

    とにかく、気軽に読めるが 奥は深そうで
    底なし沼の脅威を感じてしまう。

    0
    2015年03月02日
  • ガセネッタ&シモネッタ

    Posted by ブクログ

    パワフルな人間性が文章から溢れている。海外との関わりが長いとついつい海外かぶれしてしまいそうなものであるが、海外のいいとこ、日本のいいとこ、どちらも冷静に捉えることができる人なんだな。

    0
    2015年02月20日
  • マイナス50℃の世界

    Posted by ブクログ

    裏付きに書こうと思ったことが全て書かれていてどうしようも無いのだが、米原万里様の処女作のヤクツーク取材記。マイナス50度を超える極寒の世界の見聞記。読んでるだけだと行ってみたくなってしまうが、行ったら死ぬほど後悔するのだろうな。
    長男にも読ませよう。

    0
    2014年12月17日
  • 必笑小咄のテクニック

    Posted by ブクログ

    全12章で語られる小咄(こばなし)の数々。
    それらいろいろな小咄を読むにつけ、
    フッ、とか、クスッ、とか、ブバッ、とか
    笑えてしまいます。

    論理的に分析して、12章に分類してあるわけです。
    そんな笑い話の考察の仕方って、
    あとがきにもありますが、珍しいものですよね。
    そうやって分類されたものを楽しみながら読むことで、
    そして各章の最後にある問題に頭をひねらすことで
    (ぼくはすらーっと読んでしまったので、二問くらしか解けませんでした)、
    自分の笑い話の創作技術の向上も見込めるような感じが
    ありましたね。
    ほんとに笑い話を得意になるんだと決意する人なら、
    本書を研究して愛読することで、センスは磨かれるかもしれない。

    しかし、よくこれだけのお仕事をしてれくたなぁと
    著者の米原さんにはグッジョブと言いたいですね。

    米原さんは若くして亡くなられてしまって、
    本書は存命中に発行された最後の作品にあたるみたいです。

    各章、13,4ページくらいで非常に読みやすいですから、
    通勤のときに読むにも向いているかもしれないですね。
    そういうときにあんまり集中力が発揮されない人でも
    読めそうな雰囲気のある本です。

    面白かった。

    0
    2014年11月29日
  • ガセネッタ&シモネッタ

    Posted by ブクログ

    ロシア語同時通訳者の米原万里さんのエッセイ集。同時通訳という仕事の大変さややりがい、他国語の通訳との違いなどが綴られていて興味深く読んだ。失敗が許されない世界で、いろいろな業界の専門会議などに出るので、下調べをしておいてもかなり緊張するらしい。
    米原さんは日本語が母国語だというが、少女期を外国で過ごしたこともあり、100%ではないという。でも文章が非常にうまい。また、父親が共産党員だったことも彼女の思想に少なからず影響しているようだ。言語に関することだけでなく、共産主義の社会の良い点悪い点なども比較してあり、また日本人の考える国際化は他国(アメリカ)に合わせることという指摘もなるほどと思った。
    本のタイトルから下ネタがもっと出てくるのかと期待したが、そこはやや期待はずれだった。

    0
    2014年11月24日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    少女時代からチェコでロシア語で学んだ経験から、ロシア語通訳になった米原氏の、一見不真面目で実はまじめな比較文化論といえるだろう。海外経験豊富で、異文化や歴史的背景からくるいろいろなエピソードとそれから学ぶものを提示している。著者の偏らない博識には舌を巻く。忘れていた近代世界史・世界勢力地図の復習にもってこいだ。

    下ネタが多く、笑える箇所がたくさんある。下ネタは万国共通、コミュニケーションの潤滑油なようだ。個人的に面白いと思った箇所を抽出してみる。

    「あくまでも仮説に過ぎないが、美味美食が盛んな国、一般国民が料理に多大な関心をはらい、膨大なエネルギーを費やすのは、封建制度が比較的長く続いた国々である。中国、フランス、イタリア、日本…いずれもそれに当てはまる。そして逆に、一般的に「料理がまずい」といわれている国々、すなわちイギリス、オランダ、スイスなどは、いずれも資本主義が他国に先駆けて芽生え、発展した国々である。」なるほど!

    また、ロシアの大学や大学院での学位授与の審査が、裁判方式というのも面白いと思った。一般傍聴者の前でオブジェクションを唱える立場がいて、それを論理で打ち負かせないと学位がもらえないという。

    将来引用したいと思える小話がちりばめられていて、海外で生活する私にはとても参考になった。"

    0
    2014年10月11日
  • 米原万里の「愛の法則」

    Posted by ブクログ

    作家、ロシア語同時通訳者だった亡くなった米原万理さんの4つの講演をまとめたもの。この本の表題にもなった第一章「愛の法則」も面白いが、ぼくが一番興味深く読んだのは、第二章「国際化とグローバリゼーションのあいだ」。昨今の大学活性化のキーワードのひとつでもある国際化やグロバリゼーションという言葉が、いかにいい加減なものであるかを、歯に衣を着せずに鋭く指摘している。そうだよなという共感をもって興味深く読んだ。

    0
    2014年10月08日
  • 米原万里の「愛の法則」

    Posted by ブクログ

    ロシア語通訳者としてエッセイストとして活躍された米原万里さんの講演集。男女の愛の生物学的位置づけについて、日本人の言う国際化という概念について、言葉の持つ力とその限界について、皮肉とユーモアたっぷりに面白おかしく語られている。

    0
    2014年10月07日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

    Posted by ブクログ

    米原さんと同年齢。同じ時代と世界を生きてきたはずだが、自分の世界の狭さに落胆。のほほんと世界のこともよく知らずに日本で生きてきた。1999年に書かれたものだが、今も同じようなことが繰り返され続いている。正義と常識に冷や水を浴びせられて、みんなシャンとすればいい。

    0
    2014年09月30日
  • 真夜中の太陽

    Posted by ブクログ

    米原さんってものすごく頭のいい人だったんだなあ。日本を客観的に見たり、世の中の先を読んだりすること、そしてそれを読みやすい形で表現することに長けている人。これ読んで、日本の立ち位置が分かったような気がする。10年以上前に書かれたものなのに、ちっとも古さを感じなかったなあ。現代も斬ってもらいたかった。惜しい方をなくしたなと思った。

    0
    2014年09月14日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

    Posted by ブクログ

    【本の内容】
    私たちの常識では1ダースといえば12。

    ところが、魔女の世界では「13」が1ダースなんだそうな。

    そう、この広い世界には、あなたの常識を超えた別の常識がまだまだあるんです。

    異文化間の橋渡し役、通訳をなりわいとする米原女史が、そんな超・常識の世界への水先案内をつとめるのがこの本です。

    大笑いしつつ読むうちに、言葉や文化というものの不思議さ、奥深さがよーくわかりますよ。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    人間界では12、でも魔女界では13が1ダース。

    常識だと思っていることも、時代や言語や文化が違えば、「経験則絶対化病」にしか過ぎないこともある。

    博覧強記の著者に、思い込みをひっくり返される快感がたまらない。

    自分を突き放して第三の目で見ることの大切さも身につく。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

    0
    2014年08月23日
  • 心臓に毛が生えている理由

    Posted by ブクログ

    『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の著者の比較的軽めのエッセイ集。「『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を書いた理由」という章もある。

    『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の中では明に書かれていないが、そもそもの始まりが、NHKの『世界・わが心の旅』のオファーだったという。評判がよかったらしいがNHKオンデマンドに上がっていない。とても残念。

    日本の記憶力優先の教育に対する批判も厳しい。1960年代の話なので、少々違うのかもしれないが、基本は変わってないなと思う。

    0
    2014年07月28日
  • ガセネッタ&シモネッタ

    Posted by ブクログ

    丸々一冊、下ネタの本かと思ったら大間違いだった。
    構成が、フルコースのお料理メニューになっているというおしゃれな作り。
    その内容は、同時通訳という経験から世界と日本文化を見た、ことばと文化に関する真摯な考察。
    もちろん面白い。
    私にとってはかなり難しい、民族文化論もあった。

    0
    2014年07月15日
  • パンツの面目ふんどしの沽券

    Posted by ブクログ

    大笑いした。なぜ、(昔の欧米人の?)白いシャツの前が黄色いのか、みたいなことについて、自分の仮説を、数々の証言を重ねながら検証していくという本。米原万理さんが亡くなったのが悲しいなーと思ってこれは保管していましたが、もう楽しんだので捨てることにする。

    0
    2014年07月13日
  • ヒトのオスは飼わないの?

    Posted by ブクログ

    愛犬猫記。鬼の目にも涙というか、米原万里の手にも犬猫というか、犬猫を愛するようになると、人間奴隷化するというか全ての中心が犬猫、それも猫中心になるのだなと感心。
    福島で犬猫シェルターの募金集めしている人達の心理状態がなんとなくというか強烈に分かったは。

    0
    2014年05月13日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

    Posted by ブクログ

    違う文化圏の人たちの同じ言葉や事柄に対する,理解の違いについてのエピソードをちりばめたエッセイ。一つ一つが笑えたり,考えさせられたりして,面白かったです。
    普段日本で暮らしていると気づかないことも満載で,日本を相対的にみる視点への入り口になれそうな1冊でした。

    0
    2014年05月02日
  • ロシアは今日も荒れ模様

    Posted by ブクログ

    ロシアとは、こんなにも人間的で面白いところだったんですね!
    文章がとても体質に合う。
    前半の、ウォトカに関する面白記事が、アルコール大好きな自分にとっては爆笑の連続、人にも話したほど。
    その調子で小話ばかり続くのかと思ったら、かなり政治の話も多かったです。
    名前ばかりの知識だった政治家の人となりが生で描かれているのが面白い。

    0
    2014年04月09日
  • ガセネッタ&シモネッタ

    Posted by ブクログ

    同時通訳で困るのは笑いを訳すること。特にダジャレは同時通訳泣かせ。その一方、下ネタについてはそのまま訳せば、笑いが取れることは万国共通らしい。しかし、どこまで正確に訳すかが、迷うところ。そんな憎むべきダジャレと下ネタを愛する同時通訳者、米原万里の語学エッセイ。

    著者の通訳者としての師匠「シモネッタ」が登場する軽妙なエッセイから始まるが、しだいに内容は語学教育や日本語論へと移る。バラバラに発表されたエッセイを無理矢理収集しているので、本としての統一感がなくて、読むのに苦労する。個々のエッセイは笑うところも、考えさせられるところもあり、楽しめるだけにもったいない編集だ。

    0
    2014年02月25日
  • 米原万里の「愛の法則」

    Posted by ブクログ

    彼女の頭のなかの地図を頼りに、後部座席に乗ってドライブしているような気になる。
    米原万里は色んなところへ連れて行ってくれるから、退屈しない。
    経験から物を言っているから、薄っぺらくない。
    とても面白く、あっという間に読んでしまった。
    第一章は男女の愛について語っているが、だんだんと、語学や同時通訳の話になっていく。
    やはり母国語をしっかり持っていることが大事なこと。
    英語だけに固執せずに、第3カ国語を身につけること。
    同時通訳になるには、小説を楽しめるくらいの語学力。
    文学小説を楽しめるぐらいの語学力があれば通訳できる。
    外国語と日本語とこの両方で小説が楽しめるようになれたら通訳になるのは簡単。

    全50巻の講談社世界少年少女文学全集が礎になったこと。
    などいろいろと為になることが書かれていた。

    0
    2013年12月29日
  • 米原万里の「愛の法則」

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・日本人が英語一辺倒になって、英語を重要視する最大の理由は、別に英語で蓄えられた文化に対して惹かれているというよりも、その経済力と軍事力に頼って生きていこうとしているからであって、ある意味では非常に打算的で下品なわけです。
    ・コミュニケーションというものは、不完全なもので、完璧なもlのにするのは永遠に不可能です。しかし同時に、人間というのは、常にコミュニケーションを求めてやまない動物であるという確信が、私にはあります。
    みんなが同時に笑えて、一緒に感動できる。いつもそれを目指しています。

    0
    2013年11月23日