米原万里のレビュー一覧

  • ガセネッタ&シモネッタ

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    ロシア語同時通訳者の米原万里さんのエッセイ集。同時通訳という仕事の大変さややりがい、他国語の通訳との違いなどが綴られていて興味深く読んだ。失敗が許されない世界で、いろいろな業界の専門会議などに出るので、下調べをしておいてもかなり緊張するらしい。
    米原さんは日本語が母国語だというが、少女期を外国で過ごしたこともあり、100%ではないという。でも文章が非常にうまい。また、父親が共産党員だったことも彼女の思想に少なからず影響しているようだ。言語に関することだけでなく、共産主義の社会の良い点悪い点なども比較してあり、また日本人の考える国際化は他国(アメリカ)に合わせることという指摘もなるほどと思った。

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    2014年11月24日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    ネタバレ

    少女時代からチェコでロシア語で学んだ経験から、ロシア語通訳になった米原氏の、一見不真面目で実はまじめな比較文化論といえるだろう。海外経験豊富で、異文化や歴史的背景からくるいろいろなエピソードとそれから学ぶものを提示している。著者の偏らない博識には舌を巻く。忘れていた近代世界史・世界勢力地図の復習にもってこいだ。

    下ネタが多く、笑える箇所がたくさんある。下ネタは万国共通、コミュニケーションの潤滑油なようだ。個人的に面白いと思った箇所を抽出してみる。

    「あくまでも仮説に過ぎないが、美味美食が盛んな国、一般国民が料理に多大な関心をはらい、膨大なエネルギーを費やすのは、封建制度が比較的長く続いた国

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    2014年10月11日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    作家、ロシア語同時通訳者だった亡くなった米原万理さんの4つの講演をまとめたもの。この本の表題にもなった第一章「愛の法則」も面白いが、ぼくが一番興味深く読んだのは、第二章「国際化とグローバリゼーションのあいだ」。昨今の大学活性化のキーワードのひとつでもある国際化やグロバリゼーションという言葉が、いかにいい加減なものであるかを、歯に衣を着せずに鋭く指摘している。そうだよなという共感をもって興味深く読んだ。

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    2014年10月08日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    ロシア語通訳者としてエッセイストとして活躍された米原万里さんの講演集。男女の愛の生物学的位置づけについて、日本人の言う国際化という概念について、言葉の持つ力とその限界について、皮肉とユーモアたっぷりに面白おかしく語られている。

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    2014年10月07日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    米原さんと同年齢。同じ時代と世界を生きてきたはずだが、自分の世界の狭さに落胆。のほほんと世界のこともよく知らずに日本で生きてきた。1999年に書かれたものだが、今も同じようなことが繰り返され続いている。正義と常識に冷や水を浴びせられて、みんなシャンとすればいい。

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    2014年09月30日
  • 真夜中の太陽

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    米原さんってものすごく頭のいい人だったんだなあ。日本を客観的に見たり、世の中の先を読んだりすること、そしてそれを読みやすい形で表現することに長けている人。これ読んで、日本の立ち位置が分かったような気がする。10年以上前に書かれたものなのに、ちっとも古さを感じなかったなあ。現代も斬ってもらいたかった。惜しい方をなくしたなと思った。

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    2014年09月14日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    【本の内容】
    私たちの常識では1ダースといえば12。

    ところが、魔女の世界では「13」が1ダースなんだそうな。

    そう、この広い世界には、あなたの常識を超えた別の常識がまだまだあるんです。

    異文化間の橋渡し役、通訳をなりわいとする米原女史が、そんな超・常識の世界への水先案内をつとめるのがこの本です。

    大笑いしつつ読むうちに、言葉や文化というものの不思議さ、奥深さがよーくわかりますよ。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    人間界では12、でも魔女界では13が1ダース。

    常識だと思っていることも、時代や言語や文化が違えば、「経験則絶対化病」にしか過ぎないこともある。

    博覧強記の著者に、思

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    2014年08月23日
  • 心臓に毛が生えている理由

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    『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の著者の比較的軽めのエッセイ集。「『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を書いた理由」という章もある。

    『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の中では明に書かれていないが、そもそもの始まりが、NHKの『世界・わが心の旅』のオファーだったという。評判がよかったらしいがNHKオンデマンドに上がっていない。とても残念。

    日本の記憶力優先の教育に対する批判も厳しい。1960年代の話なので、少々違うのかもしれないが、基本は変わってないなと思う。

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    2014年07月28日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    丸々一冊、下ネタの本かと思ったら大間違いだった。
    構成が、フルコースのお料理メニューになっているというおしゃれな作り。
    その内容は、同時通訳という経験から世界と日本文化を見た、ことばと文化に関する真摯な考察。
    もちろん面白い。
    私にとってはかなり難しい、民族文化論もあった。

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    2014年07月15日
  • パンツの面目ふんどしの沽券

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    大笑いした。なぜ、(昔の欧米人の?)白いシャツの前が黄色いのか、みたいなことについて、自分の仮説を、数々の証言を重ねながら検証していくという本。米原万理さんが亡くなったのが悲しいなーと思ってこれは保管していましたが、もう楽しんだので捨てることにする。

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    2014年07月13日
  • ヒトのオスは飼わないの?

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    愛犬猫記。鬼の目にも涙というか、米原万里の手にも犬猫というか、犬猫を愛するようになると、人間奴隷化するというか全ての中心が犬猫、それも猫中心になるのだなと感心。
    福島で犬猫シェルターの募金集めしている人達の心理状態がなんとなくというか強烈に分かったは。

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    2014年05月13日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    違う文化圏の人たちの同じ言葉や事柄に対する,理解の違いについてのエピソードをちりばめたエッセイ。一つ一つが笑えたり,考えさせられたりして,面白かったです。
    普段日本で暮らしていると気づかないことも満載で,日本を相対的にみる視点への入り口になれそうな1冊でした。

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    2014年05月02日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    ロシアとは、こんなにも人間的で面白いところだったんですね!
    文章がとても体質に合う。
    前半の、ウォトカに関する面白記事が、アルコール大好きな自分にとっては爆笑の連続、人にも話したほど。
    その調子で小話ばかり続くのかと思ったら、かなり政治の話も多かったです。
    名前ばかりの知識だった政治家の人となりが生で描かれているのが面白い。

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    2014年04月09日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    同時通訳で困るのは笑いを訳すること。特にダジャレは同時通訳泣かせ。その一方、下ネタについてはそのまま訳せば、笑いが取れることは万国共通らしい。しかし、どこまで正確に訳すかが、迷うところ。そんな憎むべきダジャレと下ネタを愛する同時通訳者、米原万里の語学エッセイ。

    著者の通訳者としての師匠「シモネッタ」が登場する軽妙なエッセイから始まるが、しだいに内容は語学教育や日本語論へと移る。バラバラに発表されたエッセイを無理矢理収集しているので、本としての統一感がなくて、読むのに苦労する。個々のエッセイは笑うところも、考えさせられるところもあり、楽しめるだけにもったいない編集だ。

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    2014年02月25日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    ロシア語やロシア人のエピソードを通して垣間見る共産主義というもの、そこに住む人々の考え方や生き方に俄然興味が湧いた。
    資本主義にはない、効率を追求しない、という世界の有り様…。

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    2013年12月18日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    彼女の頭のなかの地図を頼りに、後部座席に乗ってドライブしているような気になる。
    米原万里は色んなところへ連れて行ってくれるから、退屈しない。
    経験から物を言っているから、薄っぺらくない。
    とても面白く、あっという間に読んでしまった。
    第一章は男女の愛について語っているが、だんだんと、語学や同時通訳の話になっていく。
    やはり母国語をしっかり持っていることが大事なこと。
    英語だけに固執せずに、第3カ国語を身につけること。
    同時通訳になるには、小説を楽しめるくらいの語学力。
    文学小説を楽しめるぐらいの語学力があれば通訳できる。
    外国語と日本語とこの両方で小説が楽しめるようになれたら通訳になるのは簡単

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    2013年12月29日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    ネタバレ

    ・日本人が英語一辺倒になって、英語を重要視する最大の理由は、別に英語で蓄えられた文化に対して惹かれているというよりも、その経済力と軍事力に頼って生きていこうとしているからであって、ある意味では非常に打算的で下品なわけです。
    ・コミュニケーションというものは、不完全なもので、完璧なもlのにするのは永遠に不可能です。しかし同時に、人間というのは、常にコミュニケーションを求めてやまない動物であるという確信が、私にはあります。
    みんなが同時に笑えて、一緒に感動できる。いつもそれを目指しています。

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    2013年11月23日
  • 必笑小咄のテクニック

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    納得の連続。
    でも、ひとりで読んでると、
    無性に寂しくなってくる。

    笑いは、
    ひとりよりも大勢の方がいい。
    大勢をつくるための
    テクニックかもしれない。

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    2013年11月10日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    誰かに話したくなる小ネタの宝庫。
    文中紹介されている本が、辞書すら読んで見たくなるほど面白そうに語られているのが恐ろしい。

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    2013年11月07日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    タイトルからして真面目な本かと思いましたがそんなことはなかった。

    確かにインターナショナルで新たな物の見方は与えてくれるかもしれないが、「正義と常識に冷や水を浴びせる」と豪語するほどのものではない。

    米原さんお得意の下ネタが割と幅を利かせているので、苦手な人はご注意。

    著者の体験というよりも、見聞きした異文化エピソードをふんだんに盛り込んだ本、という感じ。
    なので面白いといえば面白いのだが、通訳業に追い詰められた鬼気迫る感じはなく、客観的なこともあって、少し冗談の切れ味が鈍いような気がする。

    もちろん有益で真面目な内容もあるが、純粋に異言語間交流を解説した本としては「不実な美女か貞淑な

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    2013年09月03日