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Posted by ブクログ
ロシア語通訳、作家で、昨年(2006年)5月に亡くなられた、米原万里さんのエッセイ集。世紀の代わろうとする時期に、これまでを振り返り、今われわれのいる日本社会を再点検します。
いつもの切れ味鋭い視点にスパイスの利いた小咄を絡ませながら、現代の社会や政治などを、片っ端から俎上に乗せていきます。米原さんの見解には、半ば賛成、半ばは納得のいかない私ですが、エッセイとしては書き出しと最後がぴしっと決まっているので、読み始めるとついページを繰る手が止まりません。賛成できるときは、よくぞ言ってくれました! 出来かねる時はう~ん、うまい展開だねえ、とうなりながら読みました。これはやっぱり、ロシアの小咄がベースにあるテンポなのでしょうか。強烈な皮肉と静かに流れ続けるペーソス。もう新しいエッセイが読めないなんて、本当に残念です。[19 Jan 2007]
Posted by ブクログ
政界における多数派シンドローム、企業の膨張至上主義、崩壊する安全神話、続発する警察の不祥事…。今も変わらないテーマを縦横無尽に語りつくす時事エッセイです。「21世紀は20世紀の続き」かの知れません。
この本が出版されたのが2001年なので、書かれている時期は20世紀の終わりから21世紀のはじめの出来事が中心となっています。ここに書かれているのはいわゆる「時事ネタ」要するにそのときの時事を基にしたエッセイですが、今読んでもその内容がまったく古びていないということに、僕自身驚きを隠せません。
この本のコピーにいわく「21世紀は20世紀の続き?」という言葉が、重い意味を持っていると思うのはきっと僕だけではないと思います。企業が内部留保を持ちながらもリストラまたリストラを繰り返していることに怒り、ロシアのボリジョイが市場経済を意識したがゆえに肝心の芸術のクオリティが下がりっぱなしなことに憤りを感じ、天変地異の続く中で保険の契約に関して疑問の声を上げる。
しかし、そんな「お堅い」話が続く中でもロシアの文豪であるトルストイが
「セックスほど罪深いものはなく、子供を産む目的以外でするものではない」
と書き残していながら、自身は「お盛ん」だったという話などもあったりと、彼女が以下に教養人であったかということが文章の節々から感じることができて、あっという間に読み終えることができました。
彼女は2006年にがんで56歳の若さで逝去されてしまったと、「異能の外交官」という異名を取った佐藤優さんの本で知ることになったのですが、彼女がもしまだ存命だったらどのようなことを発言していただろう…。そんなことを考えています。扱っている話には時代を感じさせますが、その考察には現在も十二分に納得できるものが多いので、面白いと思います。
Posted by ブクログ
手厳しい…!と思いながらも、米原さんの目線も文章も好きです。面白かった。
20年前くらいに書かれた文章がほとんどですが、国内も世界情勢もむしろ悪くなっていってて、今もし米原さんがいらっしゃったらどんな文章書かれたんだろう…と早逝が悔やまれます。辛口が加速していたかも。
「愛の証」の、愛国を法整備していきたい人はそんなに自分の愛国心に自信がないのか、みたいなところを読んで(今じゃ学校教育に愛国教育あります)と思いました。米原さんからスパッと斬られそう。
愛国=妄信して、盲目になんでも「いいね!従う」ということではないです。国を憂えて、良くしていくために批評するというのも愛国だと思います。
…井上ひさしさんも「ついに、日本の戦後は終わり、戦前になった」っておっしゃってたんだ。20世紀中に書かれた回で引用されてる。。
この本が出版されたときに既に詰んでいたらしい日本、これからどうなる………世界も。パンピーは国内外ニュースを見て考えるしか無いです。暗い気持ちになる。
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小説・文芸
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