米原万里のレビュー一覧
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前作「ヒトのオスは飼わないの?」の続編と自身の両親や自らの「死亡記事」を収録した「終生ヒトのオスは飼わず」の二部構成になっている本です。僕が彼女を知ったのは彼女の死後でしたので、その辺が悔やまれます。
この本は筆者のエッセイ「ヒトのオスは飼わないの?」の続編と、自身の両親や旧チェコスロヴァキアのプラハですごした幼少時代。そして、自身の手による「死亡記事」が収録された「終生ヒトのオスは飼わず」の二部構成となっています。
前作の「ヒトのオスは飼わないの?」で筆者から惜しみのない愛を注がれた「毛深い家族たち」がその後、どのような運命をたどったのかということ。飼い犬のゲンが行方不明になったり、野良猫との情事で子供が生まれたロシアからもらってきたソーニャ。貫禄を持ったオス猫としてほかの猫たちを見守り続けた無理。人間の年齢に換算すると80歳以上の「おばあちゃん」のノラ。
過酷を極める通訳という仕事の傍ら、筆者の彼ら彼女らを見守るまなざしはこちらも読んでいて、和むというか、癒されるというか…。筆者のようにたくさんとは行きませんが、僕も将来、「毛深い家族」を持ちたいな、という気持ちになりました。
「終生ヒトのオスは飼わず」では自身の家が共産党である関係からか、さまざまなヒトが出入りして暮らしていたということや、ご自身の両親のことなんかも書かれてあって、興味深く読むことができました。僕が彼女のことを知ったのは佐藤優さん経由で、しかも彼女が亡くなってからのことですので、その点が非常に残念でなりません。初めて彼女のエッセイを読むには向きませんが、面白いとは思いますので、できれば彼女の本を2・3冊ほど読んでから読むことをお勧めします。 -
Posted by ブクログ
米原万里は生前にぜひ会って話を聞いてみたかった作家の一人だ。はっきりした物言い。流されない物の見方。好奇心いっぱいで何もかも楽しもうとしているように思える。まだまだやりたいことはたくさんあっただろうに、亡くなったことを、「もったいない」と思ってしまう。でも、実は「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」をまだ読んでいない。早く読まなくちゃ、とこの本を読んで思った。ルーマニアの高官の娘で愛国主義者だったアーニャが「民族や言語なんてくだらない」と思うに至るまでには何があったのか。この「嘘つきアーニャ」等を書くきっかけになったNHKの番組「世界わが心の旅 プラハ」も見てみたいけど、無理だろうなあと思っていたら、どうも、YouTubeで見ることができる模様。いや、ネットってほんとに便利だけど、便利すぎて怖い。と話はずれにずれたけれど、まだ米原さんの本で読んでない本がたくさんあるのがうれしい。読破するぞ!
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[ 内容 ]
稀有の語り手でもあった米原万里、最初で最後の爆笑講演集。
世の中に男と女は半々。
相手はたくさんいるはずなのに、なぜ「この人」でなくてはダメなのか?
“愛の法則”では、生物学、遺伝学をふまえ、「女が本流、男はサンプル」という衝撃の学説!?を縦横無尽に分析・考察する。
また“国際化とグローバリゼーション”では、この二つの言葉はけっして同義語ではなく、後者は強国の基準を押しつける、むしろ対義語である実態を鋭く指摘する。
四つの講演は、「人はコミュニケーションを求めてやまない生き物である」という信念に貫かれている。
[ 目次 ]
第1章 愛の法則(世界的名作の主人公はけしからん! もてるタイプは時代や地域で異なる ほか)
第2章 国際化とグローバリゼーションのあいだ(「国際」は国と国とのあいだ 国を成立させる要素 ほか)
第3章 理解と誤解のあいだ?通訳の限界と可能性(同時通訳は神様か悪魔か魔法使い?! 濡れ場の多いベストセラー小説『失楽園』 ほか)
第4章 通訳と翻訳の違い(言葉を相手にする通訳と翻訳 小説を楽しめる語学力があれば通訳になれる ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
短くて人を笑わせる話―単にネタを暗記するのではなく、笑いの構造を理解すれば、臨機応変・自由自在に小咄を創り出せる。
本書では、日本人離れしたユーモアセンスの持ち主である著者が、世間に流布する笑いの法則を突き止めて分類し、自作も含めて豊富な例をあげながら、笑いの本質に迫る。
詐欺にも似た、相手を錯覚させる方法、同じ内容の順番を変えるだけで悲劇が喜劇になる方法、マクロとミクロを反転させる方法など、思いがけないオチをつけるテクニックをマスターして、窮地に立ったときこそ、周囲に笑いを呼び込もう。
[ 目次 ]
詐欺の手口
悲劇喜劇も紙一重
動物と子どもには勝てない
お株を奪って反撃
木を見せてから森を見せる
神様は三がお好き
誇張と矮小化
絶体絶命の効用
言わぬが花
悪魔は細部に宿る
権威は笑いの放牧場
耳を傾けさせてこその小咄
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
米原万里のエッセイは、下世話なほど面白い。これは多分に読者である私の感受性の問題もあろうが、彼女自身の語り口も下世話なネタほど生き生きしているのだから仕方ない。本書冒頭のロシアンパンツの話など、彼女自身の幼少期の経験談と後年になってからの文献の知識が高い次元で融合し、何とも言えない変な雰囲気を醸し出している。そう、この雰囲気こそが重要なのだ。一歩引いて考えてみると、お喋り好きなおばちゃんが下世話な話で盛り上がっているだけなのに、この説得力は何だろう。これぞまさに彼女の真骨頂である。ただ、お食事中の人には全く薦められない。コーヒーがまずくなるので、カフェで読む本でもない。電車旅行のお供にでもどうぞ。