米原万里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
米原万里は生前にぜひ会って話を聞いてみたかった作家の一人だ。はっきりした物言い。流されない物の見方。好奇心いっぱいで何もかも楽しもうとしているように思える。まだまだやりたいことはたくさんあっただろうに、亡くなったことを、「もったいない」と思ってしまう。でも、実は「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」をまだ読んでいない。早く読まなくちゃ、とこの本を読んで思った。ルーマニアの高官の娘で愛国主義者だったアーニャが「民族や言語なんてくだらない」と思うに至るまでには何があったのか。この「嘘つきアーニャ」等を書くきっかけになったNHKの番組「世界わが心の旅 プラハ」も見てみたいけど、無理だろうなあと思っていたら
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
稀有の語り手でもあった米原万里、最初で最後の爆笑講演集。
世の中に男と女は半々。
相手はたくさんいるはずなのに、なぜ「この人」でなくてはダメなのか?
“愛の法則”では、生物学、遺伝学をふまえ、「女が本流、男はサンプル」という衝撃の学説!?を縦横無尽に分析・考察する。
また“国際化とグローバリゼーション”では、この二つの言葉はけっして同義語ではなく、後者は強国の基準を押しつける、むしろ対義語である実態を鋭く指摘する。
四つの講演は、「人はコミュニケーションを求めてやまない生き物である」という信念に貫かれている。
[ 目次 ]
第1章 愛の法則(世界的名作の主人公はけしからん! も -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
短くて人を笑わせる話―単にネタを暗記するのではなく、笑いの構造を理解すれば、臨機応変・自由自在に小咄を創り出せる。
本書では、日本人離れしたユーモアセンスの持ち主である著者が、世間に流布する笑いの法則を突き止めて分類し、自作も含めて豊富な例をあげながら、笑いの本質に迫る。
詐欺にも似た、相手を錯覚させる方法、同じ内容の順番を変えるだけで悲劇が喜劇になる方法、マクロとミクロを反転させる方法など、思いがけないオチをつけるテクニックをマスターして、窮地に立ったときこそ、周囲に笑いを呼び込もう。
[ 目次 ]
詐欺の手口
悲劇喜劇も紙一重
動物と子どもには勝てない
お株を奪って反撃
木 -
Posted by ブクログ
米原万里のエッセイは、下世話なほど面白い。これは多分に読者である私の感受性の問題もあろうが、彼女自身の語り口も下世話なネタほど生き生きしているのだから仕方ない。本書冒頭のロシアンパンツの話など、彼女自身の幼少期の経験談と後年になってからの文献の知識が高い次元で融合し、何とも言えない変な雰囲気を醸し出している。そう、この雰囲気こそが重要なのだ。一歩引いて考えてみると、お喋り好きなおばちゃんが下世話な話で盛り上がっているだけなのに、この説得力は何だろう。これぞまさに彼女の真骨頂である。ただ、お食事中の人には全く薦められない。コーヒーがまずくなるので、カフェで読む本でもない。電車旅行のお供にでもどう