【感想・ネタバレ】パンツの面目ふんどしの沽券のレビュー

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シモネタなのに深い

2014年04月02日

アダムとイブの「葉っぱ」から力士のマワシまで、人類が腰につけるものについて、実体験と資料とタレコミを元にまじめに考察した一冊。ネタがネタだけに、米原さん本領発揮の安定の面白さです。

東欧・ロシアの、パンツは自分で作るもの、あるいはそもそも着けない、というのも驚きですが、かつての日本人のフンドシ...続きを読む姿を見た外国人の興味津々の様子も面白いです。

そして、あとがきを読んでさらに本書の深い意味を知ることに。米原さん、志半ばだったのかなあ。

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Posted by ブクログ 2017年01月30日

スゴイ本である。
パンツとふんどしについての文化人類学的考察。
パンツとふんどしについて、
これだけ多数の文献に当たり、考察し
つなぎあわせていく。ジネンジョをほるような
面倒な作業を 嬉々として取り組んでいる。
その集中力に 圧倒される。
ガンによって 身体がおかされているにもかかわらず
この執念...続きを読む。まさに 集大成としての「ふんどし学」である。

結論として 『さきにパンツありき』ということだ。
騎馬文化が日本にやって来て、パンツが普及したわけではない。
馬の家畜化を考察し、ハニワなどの パンツ模様の解明をする。
ハンガリーの学校での家庭科での実習が 
パンツづくりからはじまるというのが、笑える。日本では雑巾。
えらい違いである。
パンツが工業生産されていなかったという現実
がもっと信じられなかった。
『友誼』という中国製のパンツが 席巻していたというのも、
なんとなく、微笑ましい。

ロシア人のトイレには 紙がない。
たしかに 社会主義国には 神がない。
パンツは毎日変えることということは 
確かにその習慣は教えられた。

パンツのもつ文化的価値と羞恥心。
恥ずかしいからパンツがあったのか、
パンツがあったから、恥ずかしいのか?
その問いかけが すばらしい。

イチジクの葉がなぜ落っこちないのか?
十字架のおじさんのはいているのは
パンツかふんどしなのか?
その問いかけが 鋭すぎる。
時間が 子供に さかのぼって、そして
現在まで いたる 考察の方法論が じつに うまい。
子供の幼い質問が なんといっても 本質をついている。
そういう 好奇心にあふれているのが いい。
お父さんのふんどしに 愛着を持っているところが、
ますますいいのだ。

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Posted by ブクログ 2013年02月07日

読みながら、学生時代に「縫い目が肌にあたるのがイヤだから」と、ぱんつを裏返してはいてる同級生がいたのを思い出しました。
今頃きっと結婚して子どももいるだろうけど、こどもにも裏返しでぱんつをはかせたかどうか、とても気になってきました。
そこまで親しくしてなかったので、聞けないのが残念(笑)

亡くなっ...続きを読むた祖母は元気な頃、下着は腰巻でした。
もっぱら畑仕事してたので普段はモンペでしたが、旅行のときは洋服(ワンピース)でしたが、足元は足袋に草履、下着はやっぱり腰巻でした。
今だったら絶対に止めてるのに、なぜあの頃誰も何も言わなかったんだろう?

それにしても、ソ連の家庭科の教科書に、パンツの作り方があるだけでなく、実際に縫っちゃう生徒がいたというのに驚きました。
ロシアになってからは、どうなんでしょうね?

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Posted by ブクログ 2013年01月08日

 タイトルが目に留まってネタのつもりで衝動買いしたが、なんの、大真面目に面白かった。下着にまつわる各国の文化、変遷の歴史、人々の意識……。さまざまな人々の体験談を述べ、あるいは文献をひも解いて、幅広い切り口から論じた珠玉のエッセイ。オススメ。

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Posted by ブクログ 2012年02月10日

十字架上のイエス・キリストの下着はパンツかふんどしか腰巻か。という素疑問を長年持ち続けた筆者が長じてから綴る『下半身に身につける下着』についての考察を記したエッセイです。

何度か噴き出してしまいました。 たぶん、大体の人は日常に身につけているであろう下半身を覆う下着についての考察を綴ったエッセイで...続きを読むす。パンツ・ふんどしをめぐる世界史的な考察をするという途方もないことをやろうとした筆者のチャレンジャーぶりにも脱帽しましたが、人類が『下半身を覆う下着』というものについての複雑さというのか。種類の多さというのか…。民族性や国民性によってもこれだけの違いがあるということにびっくりしました。

特に驚いたのは筆者がチェコのプラハにいた頃、ソ連から来た同級生の女の子が、パンツが乾かないといって、その場で布を裁断しパンツを縫い上げてしまったという話や、ワイシャツで裾が長い理由は、昔のヨーロッパではその長い部分がパンツの役割を果たしていて、それで下半身覆っていたという話や、筆者の父親が生涯、越中ふんどしを愛用していたことから古今の膨大な文献を紐解いて、日本人のふんどしにおける精神的なものを追求して記しているという努力。少し下ネタなども交えながら、ユーモアあふれる筆致で、最後まで楽しく読むことができました。

単行本化する前には自身の病気の関係もあって、紆余曲折があったとあとがきに書いていましたが、こういうことを本気で調べて、一冊の本に纏め上げるというのは、ある意味で途方もない試みであるとともに、筆者にはまだまだ面白いエッセイを書いて欲しかったなと。そんなことを考えてしまいました。

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Posted by ブクログ 2011年10月27日

米原万理さんの本は結構読んでます。どれも面白くハズレなしです。この本も、パンツ、あるいは褌、あるいは・・・とにかく人間の大事な部分(主に下半身)を覆う物に対する考察ですが、その切り口が多角的です。最初は主に下の処理的な話が多いですが、後半はその形状の成り立ち、由来等読み応え満載となってます。駆け足の...続きを読むようにまとめてしまっているのは、ご自分の余命を鑑みての見切り発車だったのでしょうか…。でも、出して出版して頂いて良かった。ご本人の納得いくまで書かれた物がぜひ読みたかったです。

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Posted by ブクログ 2010年07月24日

我々の股を覆うものについて、さまざまな角度から考察したエッセイ。こういう日常生活の脇役を通して比較文化論を語れば、著者の芸風が全開です。現在の我々の常識からは驚嘆すべきロシアの下着事情から、日本の昔の習慣、羞恥心の何たるかの考察に至ります。

この本で語られていることは著者の構想からは道半ば、まだま...続きを読むだ調べたいことは山ほどあったらしいのですが。惜しくも著者は2006年世を去り、この研究は次代に託されることとなりました。後を継ぐ人がいることを願ってやみません。

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Posted by ブクログ 2011年07月19日

「米原さんといえばふんどし」って、私、どこですり込まれたんだろう?翻訳者よりも通訳者、のほうが、機転と機知とユーモアと冷静さと(とにかくあらゆるいろんなもの)を同時に働かさなければいけないんだろうな。むしろだからこそ、このような形で「残る」文章を残したかったのかな…。他の随筆でもよくわかることだけれ...続きを読むど、言葉の遣い方の素敵な人が、つまり素敵な翻訳なり通訳なりができるのだ。「素敵」にもいろいろあって、ユーモアに富む、詩的である、論理的でかつ美しい……、もちろん持ち味はそれぞれの魅力で。敢えて言うなら、私にとって米原さんはやっぱり「ふんどしのひと」です。とくにそれで失礼にはあたらないはずです。だって、カヴァーには、「十字架上のイエス・キリストの下着はパンツか、ふんどしか、腰巻か。幼少期に芽生えた疑問を心の中であたため続け、長じて作家となった著者は、…(略)」とありますもん。さて、この著は(解説にもあるように)、著者にとってはもっと大きな企図の過程であったかもしれません。そのことを悼みます。けれど、誰もが企図半ば、私が明日、健やかに目覚めるという保証がどこにあろう?と、それはともかく、彼女のこういう著作を読んで笑ったりできるということ、これが大事なんだな、とふと考えます。この著の話題に絡めますが、「金玉の小さいやつ」「尻の穴が小さいやつ」…、一応は、オトコに対して、ですよねぇ。オンナに対しては、どんな言い方があるだろうか?「オンナの腐ったようなやつ」ってものオトコ向けだし、「女々しい」のはたいていオトコだし。ちょっと、考えてみよう。それから、カヴァーにはさらに「……、抱腹絶倒&禁断のエッセイ」とありますが、ちっとも禁断なんかではありませんことです、よ。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

大好きな米原さんのエッセイ。エッセイと言いつつ、いろいろな文献や彫刻とか土偶とか絵画を縦横無尽に確認し、ご自身や読者の経験を元に、さらに想像力を駆使して、まじめに考察を試みている(もちろんユーモアはいつもどおりたっぷり)本です。大雑把に言うと、日本男子の心の象徴のように言われる<ふんどし>がなぜそん...続きを読むな象徴になったのかという文化的歴史的機能的背景に思いを馳せたり、はたまたパンツはいったいどこから発生してどのように伝わってそれにはどういう障害やドラマがあったのか、ということが、シベリア抑留者の手紙や明治文豪の日記や万里さんの幼稚園の思い出などなどを引き合いに出しつつ、とことん真面目に考えられています。とても興味深く、情にあふれ、わかりやすく、おもしろかったです。

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Posted by ブクログ 2023年11月15日

本当になぜ,どこからその発想が湧いてくるのか。不思議でならない。イエスキリストのはいてるものは,パンツかふんどしか,はたまたただの布切れか…。こんなことを疑問に思う著者に感心してしまう。子どもたちが,それぞれの意見をそのまま実行してしまうところなんか笑いを堪えるのが必死。パンツかどうか,それだけで1...続きを読む冊の本になるところは流石です。世の中がちょっとざわついてる暗い時代で、気持ちが塞ぎ込みそうになった時に、何度でも読みたくなる1冊。

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Posted by ブクログ 2021年04月04日

この本が出版されたのが2005年6月。米原万理が卵巣がんのために56歳で亡くなったのが2006年5月。がんとの闘病生活を続けながら死の1年前まで書いていた本が「パンツの面目ふんどしの沽券」という米原らしいタイトルのこの本である。嘘つきアーニャの真っ赤な真実、オリガ・モリソヴナの反語法などに比べれば、...続きを読む凝縮度は低いかもしれない。しかし死ぬまでの期間に下着の歴史、民俗をここまで追求することができるなんてと感嘆せざるをえない。

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Posted by ブクログ 2021年02月03日

お友だちに紹介され、早速読んでみた。なぜここにフォーカスしたのか? 着眼点が秀逸! 面白過ぎてイッキ読みでした。このテーマでここまで掘り下げられるのが素晴らしい。興味・仮説の起こし方がキモだということを突きつけてくれる一冊。

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Posted by ブクログ 2014年07月13日

大笑いした。なぜ、(昔の欧米人の?)白いシャツの前が黄色いのか、みたいなことについて、自分の仮説を、数々の証言を重ねながら検証していくという本。米原万理さんが亡くなったのが悲しいなーと思ってこれは保管していましたが、もう楽しんだので捨てることにする。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年03月03日

ロシア通訳の米原真理氏の下着に関するエッセイ。やはり米原氏は「世相を斬る」ものより、ソ連・ロシアを中心としたエッセイものが面白い。

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Posted by ブクログ 2012年11月09日

どんな物事でも、一度興味を持ったらとことんまで追求せずにはいられない、そんな著者の性格が才能に結びついたのだろう。

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Posted by ブクログ 2012年06月30日

ここまでパンツ、ふんどし・・・について書けるってすごいなぁ。イエスの下着の話、アダムとイブのいちじくの葉の話、かなり興味深かった!あと、王子様の白タイツの話は笑いました!

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Posted by ブクログ 2012年04月07日

パンツを洗う(替える)か、おしりを洗うか。どちらが、清潔?お国柄から少女達の清潔の考え方に「あっ」とした。

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Posted by ブクログ 2011年01月30日

目の付け所がやはり違う。この題材を不真面目かつ大真面目に資料調査して面白おかしく書き上げる才能に脱帽。

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Posted by ブクログ 2010年10月06日

一瞬ページをめくって単語を拾うとただの下ネタ本のように見えるが、ページが進むごとになんの後ろめたさ(笑)もなくなる。

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Posted by ブクログ 2010年03月13日

米原万里のエッセイは、下世話なほど面白い。これは多分に読者である私の感受性の問題もあろうが、彼女自身の語り口も下世話なネタほど生き生きしているのだから仕方ない。本書冒頭のロシアンパンツの話など、彼女自身の幼少期の経験談と後年になってからの文献の知識が高い次元で融合し、何とも言えない変な雰囲気を醸し出...続きを読むしている。そう、この雰囲気こそが重要なのだ。一歩引いて考えてみると、お喋り好きなおばちゃんが下世話な話で盛り上がっているだけなのに、この説得力は何だろう。これぞまさに彼女の真骨頂である。ただ、お食事中の人には全く薦められない。コーヒーがまずくなるので、カフェで読む本でもない。電車旅行のお供にでもどうぞ。

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Posted by ブクログ 2009年11月16日

キリスト像の履いてる布は、パンツ?ふんどし?
アダムとイブのイチジクの葉っぱはなんで落ちないの?
江戸時代の女の人は生理の時どうしてた?

っていう下着の謎を次々と考える米原さんのエッセイ。
あほ臭いのになんかためになる気がする・・・?

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

タイトルにもある通り、下着についてのエッセイなのだが、帯にあるような抱腹絶倒を期待すると期待外れといえよう。
軽いのりなのに、すべてのネタに引用元があり、話は深い。米原万里の本領発揮というかんじ。

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Posted by ブクログ 2018年10月17日

今年最初の読書メモは、米原万里さんのパンツとふんどしの本。これはこれで、立派な学問している本でした。パンツの歴史、ふんどしの歴史を過去の文献からひもといていく。男だけの文化ではなく、女性の下着についてもまじめにルーツをたどっている。生理用品なども日本が先進的だったということがわかる。引用も多々あり、...続きを読む原書も読んでみたくなる人もいるかもね。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年09月12日

ロシア語通訳者の米原さんが、あまり語られないテーマを真剣かつユーモラスに追求した本書。いろいろ詰め込みたかったのは分かるが、ちょっと話を広げすぎかも。パンツvs褌の話がいつのまにかズボンvsスカートに変わっていた。モンゴル人クラスメートの話、幼稚園の話など所々の挿話はさすがのおもしろさ。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

共産圏の家庭科の授業で習う最初の裁縫は※※※だそうです。
すごい…あたしなら絶対落第していただろうな…
文明人として生活を行う場合絶対に外せないであろう下着にまつわる笑える話を取り揃えております。
下着には文化が在るんだな〜っとしみじみ思います

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

タイトルがタイトルだけに、
下ネタ満載のエッセイかと思いきや、
結構真面目に下着の歴史を語ってる。
興味深く読めたが、
帯にあるような「抱腹絶倒&禁断」のエッセイではない。

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