米原万里のレビュー一覧

  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    ロシア語通訳の泰斗である著者が同時通訳の世界を面白エピソードで教えてくれる良書。
    タイトル名は、「貞淑=原文に忠実」、「美女=訳文として整っているか」という比喩、つまりある言語から別の言語への完璧な通訳は可能なのかというテーマが本書の肝となっている。
    通訳にとって必要な資質とは、「2つの言語にまたがる幅広い正確な知識や両語の柔軟な駆使能力もさることながら、話し手の最も言いたいことをつかみ、それをどんな手段を講じても聞き手に通じさせようとする情熱ではないだろうか」(P304)。
    面白話も満載。例えば、
    英語のできない商社の社長が、日本語で挨拶したのを逐次通訳者が英語に訳していくが、サービスのつも

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    2024年03月09日
  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    【感想】
    Youtubeで、英語音声の日本語字幕もしくは日本語音声の英語字幕を見たことはあるだろうか。発言を翻訳したものが文字として表示されているわけだが、両者を比べてみると、発言に比べて字幕の量が驚くほど少ない。なかには発言の半分も字幕化されていないケースがある。これは話者が口にしている「冗語」をばっさりカットしているからである。
    また、テレビの同時通訳で時おり、語数は非常に多いけれども、何を言っているのかサッパリ分からない通訳者がいないだろうか。筆者はそれを「情報の核をつかみ、余分な情報を切り捨てる勇気と労力を惜しんだ結果である」と断じ、筆者の知人は「お役所の庶務課係長の訳ですな」、つまり

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    2024年02月16日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    おそロシアの実態、通訳者が語る。

    理解が及ばないところが往々にしてある。
    にしても全体的にえっ!という国であります。
    それでも個人個人はやっぱり魅力的な人が多いということにホッとしつつも、ではその人たちはこの国でどう折り合いをつけて生きているんだと思うと胸が痛くなる。

    米原さん、今のロシアを見たらなんというだろう。

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    2023年06月09日
  • 打ちのめされるようなすごい本

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    長かったー!生半可な覚悟で読むものじゃない。書評するには膨大な数の作品を読み込み、本を心の底から愛する気持ちがなければ簡単には出来ないものだと痛感させられた。

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    2023年04月23日
  • 心臓に毛が生えている理由

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    解説でも触れられていたが…
    地続きに近隣国がある国の人たちの、国や民族に対する考え方は、純日本人には一生分からないんだろうな。と思ってる。

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    2023年03月27日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    何回も寝落ちしながら聞いてた本。米原さんの本、好きな割に寝落ち頻度高め。多分内容が固いからだと思うんだけど、聞いてるとなんとなく眠くなるんだよね‥面白かったんだけど、笑えるような話かと思って期待してた割にあまり笑えるところはなかった笑。

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    2023年02月15日
  • 打ちのめされるようなすごい本

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    米原万里の文章を読んでいるとロシア語の前に日本語が巧いことに唸ってしまう。こんなに日本語の文章が巧くて、膨大な読書もできて、ロシア語の達人でもあるという才能の豊かさに嫉妬しまうのだ。
    しかし、そんな才女も完全無欠ではない。共産主義に傾倒しているせいなのか、その思想に若干の歪みがある。理論的な解析は極めて鋭いが、理性では判定できない事柄を無理に解析しようとして歪みが生じている。例えば、政治や宗教に対する見方に歪みがある。
    とはいえ、それを割り引いても本書は学ぶところが多い。彼女が「打ちのめされた本」を知ることができると同時に、彼女のものの見方を知ることもできるからだ。
    米原万里は2006年にガン

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    2022年12月15日
  • 旅行者の朝食

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    健啖家で食に対する関心の強い人の食エッセイは、「いいな、私も食べたい!」という気分になれてとても楽しいです。
    ハルヴァは本当に、すごく食べてみたくなりました。

    食べたくなるような食の話だけではなく、ウォトカをめぐる謎、ジャガイモの普及までの歴史、物語の中の食の考察など、深い知識や調査のもとに書かれた話も多く、知的好奇心も満たされます。

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    2022年08月11日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    とても興味深いし、普段知ることのないロシア人。
    思っていたのと随分ちがったがなにぶん読むのは苦戦した。

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    2022年05月04日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    米原万里のエッセイ集。その中でも、特に彼女の職業であった、「同時通訳」に関するもの(とても真面目なものから、ユーモアたっぷりのものまで)をテーマにしている。
    本書は、書下ろしではなく、米原万里が色々な雑誌に書いたものを集め、再編集したもの。本書の単行本の発行は2000年12月であるが、雑誌に書かれたものの初出は、97年から00年まで、特に00年のものが多い。
    米原万里は1950年生まれであるが、作家としてのデビューは遅く、1995年。亡くなられたのが2006年なので、作家としての活動期間は10年強と非常に短い。しかし、多作の人であり、Wikiによれば、この期間中の単独での著作を20冊以上、その

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    2022年01月08日
  • 必笑小咄のテクニック

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    最後に出てくる、田丸久美子さんとの対談ネタが傑作。

    P150
    コンサルタントとは、あなたの時計を見て、あなたに時間を教えてくれる人たちのことである。
    プログラマーとは、あなたが知りもしない問題を、あなたが理解できない方法で解決する人たちのことである。

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    2021年11月09日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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     ロシア語同時通訳者である米原万里さんが、日露文化に触れる中でピックアップされた日常のクスッとなる小噺を集めたエッセイ集です。
    ただし、タイトルにガセネッタ、シモネッタとありますがガセネタもシモネタもあまり出てはきません。

    ◯女人禁制の聖域にも
    米原さんの知人である田丸公美子さんが通訳者として掘削現場に同行した時のこと。日本側JR幹部が恐縮しきり、『女の方が立ち入るのは、どうかご勘弁を。工事現場の人間が騒ぎますので。』というと、田丸さんがこう返したそうです。『ええ、どうせわたくしはフジョー(不浄)の身でございますから。まあ、でもこのトンネルはリニアモーターカー用でございましたよねえ。かえって

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    2021年10月16日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    米原万里の4つの講演での講演録。高校生向けの講演が2つと、愛知県主催の講演、神奈川新聞社主催の講演。後者2つが米原さんが職業としていた通訳に関してのもの。後者2つの講演の方が前者2つの高校生向けの講演よりもずっと面白い。それは、同時通訳という、普通の人間があまり知ることのない世界の職業的専門性について、ご自身の経験をもとに話をされているから。前者2つに比べて、経験に裏付けられた、圧倒的に地に足のついた内容だからだと思う。
    私の妻はタイ人で、かつ、日本語がほとんど出来ない。会話はタイ語で行うが、困るのは、私の知り合いの日本人と会話をするとき。妻はタイ料理をつくってふるまうのが好きなので、これまで

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    2021年08月14日
  • 心臓に毛が生えている理由

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    嘘つきアーニャに衝撃を受け、米原さんの著作を読み進めています。ご存命のうちにこの人の本に出会いたかった。歯にもの着せぬ軽快な文体と鋭い視点、憧れます。

    ただ、この本は新聞や雑誌に載せた記事のまとめということで、繰り返しや使い回しのエピソードが多く途中で飽きそうになりました。

    元がコラムですので、腰を落ち着けて通読するよりは1日1遍をサクッと、という読み方が適していたのかもしれません。

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    2021年02月09日
  • マイナス50℃の世界

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    ものの10分で読み終わる、非常に薄い文庫本。
    まだ知らない米原さんの本だったので、ハテナと思って購入。
    かなり昔、椎名誠とテレビスタッフとともに、シベリア滞在したときの記録を子供用の新聞に載せたものを本にしたらしい。
    内容は面白いけど、大人としてはやはりもっと細かく書いて欲しいので、消化不良の感。
    しかし寒さが具体的で凄い。
    石油製品はビニールやプラスチックなど、のきなみパラパラと崩れ落ちるという、、、怖い。

    これほどの寒さでも、子供は学校に行くし、大人は仕事に行く、というフレーズが印象的。

    人生で一番美味しかったのは、シベリアのお寿司(日本食に飢えてみんなで想像して食べたもの)という小話

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    2020年11月13日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    同時通訳、作家、エッセイストとして活躍していたが、がんで惜しくも死去した米原万里氏の唯一の講演録集。
    転移がんの苦痛に耐えながらの公演は、サービス精神に溢れている。
    第1章「愛の法則」と題された高校生相手の講演では、もてる男と全然もてない男をフランス革命やロシア革命になぞらえて「フル」ジョアジーと「フラレ」タリアートと洒落ている。
    彼女の説によると、社会が安定し栄養がいいと女の子が生まれ、逆に栄養が行き届かないと男が生まれるらしい。
    第2章「国際化とグローバリゼーションのあいだ」も、高校生相手の講演。
    国際化という時、自動的にグローバリゼーションと訳しているが、大きな違いがあると。
    日本人が言

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    2020年10月06日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    著者の様に通訳を生業としている者では無いが、職務上外国語を使用する事多く、著者と同じ思いや経験を共有しながら読んだ。

    ロストロポービッチの弁として、「音楽においては美しい音も汚い音もない。大切なのは伝えたいメッセージを最も的確に伝えられる音だそのメッセージにふさわしい音、それがいい音だ」とある。まさにその通り。今問われているのは、“メッセージ”。伝えたい“メッセージ”が無いと、ノイズにしかならない。

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    2020年04月27日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    ネタバレ

    言葉やそれを使う人間に対しての愛があり、人柄を表しているように思った。
    同時通訳という仕事の裏側はよく知らなかったが、必要とされる知識量と瞬発力を考えると恐ろしい。文化ごと通訳しているような奥深さがあって、ただ言語をそのまま訳すだけでは肝心なことが伝わらない可能性もあるのだと知った。
    ‪15年以上前の本だが、表現の幅や可能性に関しては時代や種類が変わっても共通して言えることがあるなぁと頷きながら読んだ。‬
    本をもっと読みたいと思わせてくれるエッセイだった。

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    2019年10月27日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    ペレストロイカを経験した多方面の人達の逸話が面白かった。皆意外と冷静に状況を把握している。

    ゴルバチョフとエリツィンの人物描写もさすがに近くで観ている人だけに人間味あるれた実像が垣間見れた。

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    2019年09月29日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    ゴルバチョフやエリツィンが可愛く思えてくる、エピソード満載。ロシア人の気質がありのままに書かれている素敵な本。読み進めるにつれ、笑わずにはいられない。でもロシアのダメダメさが露呈するので、あんまり住みたくはなくなったかなー

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    2019年03月28日