米原万里のレビュー一覧

  • マイナス50℃の世界

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    ものの10分で読み終わる、非常に薄い文庫本。
    まだ知らない米原さんの本だったので、ハテナと思って購入。
    かなり昔、椎名誠とテレビスタッフとともに、シベリア滞在したときの記録を子供用の新聞に載せたものを本にしたらしい。
    内容は面白いけど、大人としてはやはりもっと細かく書いて欲しいので、消化不良の感。
    しかし寒さが具体的で凄い。
    石油製品はビニールやプラスチックなど、のきなみパラパラと崩れ落ちるという、、、怖い。

    これほどの寒さでも、子供は学校に行くし、大人は仕事に行く、というフレーズが印象的。

    人生で一番美味しかったのは、シベリアのお寿司(日本食に飢えてみんなで想像して食べたもの)という小話

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    2020年11月13日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    同時通訳、作家、エッセイストとして活躍していたが、がんで惜しくも死去した米原万里氏の唯一の講演録集。
    転移がんの苦痛に耐えながらの公演は、サービス精神に溢れている。
    第1章「愛の法則」と題された高校生相手の講演では、もてる男と全然もてない男をフランス革命やロシア革命になぞらえて「フル」ジョアジーと「フラレ」タリアートと洒落ている。
    彼女の説によると、社会が安定し栄養がいいと女の子が生まれ、逆に栄養が行き届かないと男が生まれるらしい。
    第2章「国際化とグローバリゼーションのあいだ」も、高校生相手の講演。
    国際化という時、自動的にグローバリゼーションと訳しているが、大きな違いがあると。
    日本人が言

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    2020年10月06日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    著者の様に通訳を生業としている者では無いが、職務上外国語を使用する事多く、著者と同じ思いや経験を共有しながら読んだ。

    ロストロポービッチの弁として、「音楽においては美しい音も汚い音もない。大切なのは伝えたいメッセージを最も的確に伝えられる音だそのメッセージにふさわしい音、それがいい音だ」とある。まさにその通り。今問われているのは、“メッセージ”。伝えたい“メッセージ”が無いと、ノイズにしかならない。

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    2020年04月27日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    ネタバレ

    言葉やそれを使う人間に対しての愛があり、人柄を表しているように思った。
    同時通訳という仕事の裏側はよく知らなかったが、必要とされる知識量と瞬発力を考えると恐ろしい。文化ごと通訳しているような奥深さがあって、ただ言語をそのまま訳すだけでは肝心なことが伝わらない可能性もあるのだと知った。
    ‪15年以上前の本だが、表現の幅や可能性に関しては時代や種類が変わっても共通して言えることがあるなぁと頷きながら読んだ。‬
    本をもっと読みたいと思わせてくれるエッセイだった。

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    2019年10月27日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    ペレストロイカを経験した多方面の人達の逸話が面白かった。皆意外と冷静に状況を把握している。

    ゴルバチョフとエリツィンの人物描写もさすがに近くで観ている人だけに人間味あるれた実像が垣間見れた。

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    2019年09月29日
  • 旅行者の朝食

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    名通訳が綴る、東海林さだおも一目置く、食べ物に関するグルメ・エッセイ集。
    専門のロシアはもとより、日本の昔話にまつわる珍談奇談。
    読んだ後はどれもが、誰かに話したくなる蘊蓄ばかり。

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    2019年09月27日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    ロシア語の通訳を勤めてきた著者が、これまでに体験したさまざまなエピソードを織り交ぜながら、文化の違いが生み出す悲劇と喜劇について考えたことを綴ったエッセイ集です。

    ところどころに下ネタもさしはさまれており、けっして身構えて読むような本ではありませんが、文化の相対性について考えるきっかけになるような視点が随所に含まれています。

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    2019年08月25日
  • 旅行者の朝食

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    美味しそうなものがたくさん出てきた。国内旅行の場合はグルメに走ることも多いが、海外の場合、特にひとり旅の時は食事は後回しになってしまう。海外で美味しいものを食べるには出張がいちばん。

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    2019年07月28日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    ゴルバチョフやエリツィンが可愛く思えてくる、エピソード満載。ロシア人の気質がありのままに書かれている素敵な本。読み進めるにつれ、笑わずにはいられない。でもロシアのダメダメさが露呈するので、あんまり住みたくはなくなったかなー

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    2019年03月28日
  • 終生ヒトのオスは飼わず

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    ご自身のペット共生の、あるいみ壮絶なエッセイ。
    気持ちはとってもよく分かりました。
    ペットは飼っていないということもありますが、よそのお宅のペットは、あくまで別家族。人も一緒ですよね。そこまでは共感できなかったです。

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    2019年03月03日
  • ヒトのオスは飼わないの?

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    「心臓に毛が生えている理由」と同じ流れで通訳稼業の話だと期待したが、初っ端から書かれている通り、見事飼い犬飼い猫の話で埋まっている本だった。それはそれで面白いし、何しろ神経を使うであろう仕事とその準備は見事に脇に置かれ(でもちゃんと時間通りに約束通りに果たされているのがすごいが)、犬猫まっしぐら。こういう真っ直ぐな女性だったんだろうなあ。最近になって2006年に亡くなったことを知り、残念でならない。

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    2019年01月12日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    ロシア語同時通訳者ということは存じ上げていたが、それ以外はさぱりな米原万里さんだったが、ユーモアあふれた気取りのないさっぱりとしたおばさまがいらっしゃった。通訳者として、文化の異なる人と人をつなぐお仕事。中にはとんでもなく不愉快なこともあれば、政治がらみの言うに言えない経験もされたことが文章からにじみでていて、その中でもお披露目できる面白いことを茶目っ気たっぷりに書かれていて、見果てぬ土地に興味を持った。「期待の地平はなるべく低いほうがよい。」

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    2019年01月03日
  • パンツの面目ふんどしの沽券

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    今年最初の読書メモは、米原万里さんのパンツとふんどしの本。これはこれで、立派な学問している本でした。パンツの歴史、ふんどしの歴史を過去の文献からひもといていく。男だけの文化ではなく、女性の下着についてもまじめにルーツをたどっている。生理用品なども日本が先進的だったということがわかる。引用も多々あり、原書も読んでみたくなる人もいるかもね。

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    2018年10月17日
  • 必笑小咄のテクニック

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    小咄を方法論によって分類して紹介するという試みは新しい。でも成功しているとは思えない。
    本文にもあったけど、ある一つの方法論だけで分類できないんだよね。たいていはAともいえるし、Bともいえる、というものになってしまっている。

    でも本書を嚆矢として、小咄の分類学が進めば面白いな。

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    2018年06月09日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    前半は、著者の経験をもとに「男女とは何か」を解いている。飾った言葉でなく、本心で語っているところが共感した。
    中盤からは、自分を知ることとコミュニケーションの大切さを説明している。
     自分も仕事で通訳者と接するこがあるが通訳が理解しないとステークホルダーにも伝わらないと思っている。
     著者は「通訳とは何ぞや…」と説明しているが、自分は伝える側の責任も大きいと感じている。
     時々「伝わらないは通訳のせいだ」と言ってる人もいるようだが、そのような人は伝わるように伝えておらず、自分の責任を放棄しているだけだと自分は思っている。とにかく通訳が理解しないと始まらない。

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    2018年02月16日
  • マイナス50℃の世界

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    暑い時には極寒の地の話に限る。
    世界で最も寒い土地であるシベリアへの取材旅行を記したエッセイ。すごい世界だな。気分だけでも涼しく。

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    2017年07月29日
  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    高校生の頃挫折したのをついに読み切る喜びよ
    中途半端な知識人は…のくだりにはウッとなってしまった。笑

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    2017年07月02日
  • 打ちのめされるようなすごい本

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    プロの読書感想文を読んでいるような本でした。
    著者の読書歴とその書評で、聞いたこともないような本が盛りだくさん!!特に著者がロシア語の通訳者だけあってか、ロシア系の本の多さにはびっくりでした><

    その中でもいくつか読んでみたい本もあって、この本自体はタイトル買いしたんだけど、読んだ甲斐はありました。
    私も著者のようにうまく読書感想文が書けたらいいのになーと最初から最後まで思ったそんな本でした。

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    2017年07月20日
  • 偉くない「私」が一番自由

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    エッセイ集。出色は「金色の目をした銀色の猫」。ロシアで偶然見かけた子猫を日本に持ち帰る話なのだが、チンチラの可愛さ、外国から生き物を迎え入れる際の面倒なドタバタ劇、周囲の手助けの暖かさがビジュアルで「見える」。

    優れたエッセイは、人間の可笑しさ、弱さ、悲しさが、鮮烈な情景と共に立ち上がってくる。そして風景が、登場人物の感情の動きが、一瞬で心に刻まれる。魔法に近いものがある。そういうエッセイのお手本として真っ先に思い浮かぶのが、小林秀雄の「人形」。先のエッセイはこの名作に比肩すると思う。

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    2017年03月07日
  • 他諺の空似 ことわざ人類学

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    古今東西のことわざを紹介しながら、歯に衣着せぬ物言いで世相をばっさり斬って見せた痛快なエッセイ集。各章の冒頭にある艶笑話が言葉の羅列で堅くなりがちな内容をぐっと親しみやすくしてくれる。

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    2016年12月31日