米原万里のレビュー一覧

  • ロシアは今日も荒れ模様

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    ロシアのことなんて、普段はほとんど考えたこともないし、興味もまったくないのだが、米原万里にかかると、とてつもなく興味深い国や国民となる。

    特に、ウォトカに関する小咄だとか、逸話なんかが、アイロニーたっぷりで秀逸。

    ただ、今回のエッセイにはソ連からロシアへ至る時の政治的な堅い話もあって、そちらはもともとほとんど知らない世界なので、ちょっと退屈かも。

    いずれにしても、こんなにアイロニーとユーモアがたっぷりのエッセイを書ける彼女が早逝されたことは、つくづく残念でならない。

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    2016年10月13日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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     日本で暮らしているとどうしても物事を日本人の基準で考えてしまう。そして普段はそのことに気づくこともない。しかし著者のこの本を読むと当たり前だと思っていたことが実は世界の非常識かもしれないことが分かる。特に特に先の大戦についての話で、被害者側の視点に立つことがいかに難しいかを考えさせられる。また先進国の傲慢さの指摘など、メディアが口を噤む話題にも鋭く切り込んでいる。
     ソ連などの東側に精通していながら染まらず、相対的に物事を捉える著者の見識は示唆に富んでいる。そして毎回下ネタが上手い(笑)。

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    2016年10月03日
  • 偉くない「私」が一番自由

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    イタリアのことなら、内田洋子さん
    ロシアのことなら米原万里さん。
    と言っては軽くまとめすぎ?と思うくらいの
    膨大な知識と経験から数多くの本を執筆。
    2006年5月死去。
    元ロシア会議通訳、作家、
    1959〜64年少女の頃プラハのソビエト学校に学び、
    日本に帰国後はロシア語で受験できるからと
    東京外語大ロシア語学科卒
    東京大学院ロシア文学修士課程修了
    豊富な知識と、持ち前の読書家で
    膨大な知識からの通訳はさぞ国にも大きく貢献したに違いない。

    そんな米原さんと、長年交流があり
    「上からの声」というほど、信頼していた米原さんの著作から
    佐藤優が責任編集。

    楽しいと軽く読み進めるばかりの内容ではな

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    2016年09月07日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    同時通訳者の頭の中を垣間見ることができる章が面白い。猛スピードの翻訳を持続するとは、要約・イメージ化能力を常時フル回転させること。日常の英語運用において真似できそうなのはここで、要するに何を言いたいかを右脳を使ってイメージ化するのがポイントと思う。

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    2016年08月23日
  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    ロシア語同時通訳者、米原万里さんのエッセイ。
    時に下ネタもまじえながらユーモラスに展開する。

    同時通訳の仕事を現場の視点で書いているため、
    将来通訳になりたい人にとっては参考になるのではないでしょうか?

    諺をどのように訳すか、方言をどのように表現するのか、抜けのない訳/雰囲気重視の訳どちらがいいか・・・などなど。

    通訳の仕事とは縁のない私も納得できる内容だった。

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    2016年08月13日
  • 偉くない「私」が一番自由

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    米原万里没後十年を迎えた、今年2016年、米原さんをしのぶ本や、エッセイの傑作選などが何冊か出版された。
    これは、佐藤優氏の編による一冊。

    私は、佐藤優氏に関する知識が無かったので、単に「米原万里のエッセイの傑作選」だと思って読み始めた。
    読んだ事のある文を見つけて懐かしむのもいいな、読んだ事のないものが収録されていたら嬉しいな、そんな気持ちで。

    目次は、コース料理に見立てられ、それにふさわしい、米原さんの文章が紹介される。
    この、フルコースメニューに沿ってというのは、最近の流行だ。
    しかし、そういうオシャレな流行スタイルをとっているにしては、何か政治思想のにおいがする。

    作家の傑作選の

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    2016年07月26日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    同時通訳家であった彼女の言葉のセンスが光る一冊。そのリズムは軽快で、どこまでも言葉は美しい。
    いろいろな国のお国事情や小噺がいっぱいで楽しい。イスタンブールの海峡の眺められるホテルのバルコニーなんかで、ビールでも飲みながら読めたらすごく素敵なのにな。

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    2016年07月12日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    ロシア人のあまりの人間臭さが意外。ロシア人に対して冷淡で粗暴な印象を勝手に抱いていたけど認識を改めた。もっとフレンドリーになれそうだけども生憎身辺にロシア人はいない。
    ロシア人からウオッカを奪ったらどうなるのか、これは生きるか死ぬかといった問題だろう。兎に角最後はウオッカに結びつくところが粋だ。
    因みに著者は他界されている。

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    2016年04月29日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    変にアカデミックっぽい分析を加えなくても、おもしろエピソード、エッセイでよかったのではという気がする。

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    2016年03月27日
  • 打ちのめされるようなすごい本

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    気になった本

    記憶力を強くする
    赤いポスト白書
    猪谷六合雄
    笹まくら
    三銃士
    ダニにまつわる話
    禿頭考
    戦争広告代理店

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    2018年11月25日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    題名ほど?ガセネッタシモネッタではない。言葉や言語に対する熱さがつまっている。他言語に対する興味だけじゃなく、日本語への愛着も深まった…かな?
    色々なところで発表された作品を集めているので仕方がないが、同じような話が何度も出てくるので、ちと飽きる。

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    2016年02月09日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    ウォトカの話はびっくりするけどおもしろい
    節々に出てくるロシア人の小噺をもっと知りたいと思う
    後半、政治的な部分は予備知識がなくて読み飛ばしてしまった

    ちなみにエルミタージュのトイレはとってもきれいで近代的になっていた

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    2016年01月17日
  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    通訳は翻訳と違うこと。
    通訳をする際の特殊性,難しさ(正確さと表現のトレードオフ,変換不可能な言葉,・・・)
    同じ言葉でも文脈によって意味がまったく異なること
    人のスピーチは冗長である。ゆえに同時通訳が成り立つ。冗長な部分を削除するから。しかし,あまりにも削除や換言をすると内容や意図から乖離することがある。
    ソ連やロシアの話はあまり聞かないし読まないから新線だった。

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    2015年09月22日
  • マイナス50℃の世界

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    暑さを和らげようと思い「マイナス50℃の世界」に足を踏み入れました! しかしながらマイナス50度は想像を絶していて、涼しいどころの話じゃありませんでした。
    人間っていろんな環境に適応できるんだなあ。極寒の世界では氷は滑らない、というのは面白かった。知らない世界をもっともっと知りたいと思いました。

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    2015年09月04日
  • 発明マニア

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    「せこい発明でこの世の大問題を解決するしかけ」
    といっているが、そのアイデアには ほっと するものが多い。

    ほかのエッセイが 文化の違いをうまくとらえて、
    そのギャップに 米原万理節が さえるのだが、
    この本は 全く違った 視点で 組み立てている。
    興味 というものの 広がりや アンテナの感度がいい。

    ブッシュの好戦性に、すがりつく小泉の関係を
    ブラックユーモアで 釘を刺す。
    よく、そのエッセイが 掲載されたなと思うほどである。

    死の直前まで、書かれていることに
    米原万理の 情熱を 感じるのである。

    同居者である イヌやネコに対する愛情も注ぎ込まれている。

    この『せこい発明』が 実用

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    2015年07月06日
  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    わたしの尊敬する作家が、著作の中で『この世に面白くない本などない。面白くないと思うなら、それは内容が理解できないだけだ』というようなことを言わせているが、ほんとにそうだと思う。
    この本の内容などほとんど知らず、タイトルが面白かったので読んでみた。
    ロシア語通訳者のエッセイ。
    通訳という仕事について、いろいろと知ることができた。
    知らないことを知る、それが本を読むことの醍醐味だと思う。
    実に勉強になったし、面白かった。
    外国語を習得したいと思うなら、まず母国語を磨けという一言に感銘を受けた。
    第一言語以上に第二言語が上達するはずはないのだから、日本語が下手なら外国語はもっと下手ということになる、

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    2018年03月20日
  • 必笑小咄のテクニック

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    小咄の構造についての考察。いかに話の落ちをつけるか。各章末には練習問題のようなものがあるが,なかなかうまい答えを出せなかった。これからスピーチをすることも多いし,なんと言っても授業においても毎回しっかりつかむことも大切だから意識して話を工夫してみることにしよう。

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    2014年12月14日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    内容(「BOOK」データベースより)
    国際会議に欠かせない同時通訳。誤訳は致命的な結果を引き起こすこともあり、通訳のストレスたるや想像を絶する…ゆえに、ダジャレや下ネタが大好きな人種なのである、というのが本書の大前提。「シツラクエン」や「フンドシ」にまつわるジョークはいかに訳すべきかをはじめ、抱腹絶倒な通訳稼業の舞台裏を暴いたエッセイ集。

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    2014年12月03日
  • ガセネッタ&シモネッタ

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    ネタバレ

    以前、読んだことがあるかも。あるいは、どこかに寄稿されているのを読んだか、R国関係者からエピソードとして聞かされたか、いくつか聞き覚えのある話があった。

    氏は、R国関係者としては非常に身近な存在。以前の上司は大学で同期だか1年先輩だったかで、しょっちゅう「万理ちゃん、万理ちゃん」と話をしていたっけ(懐)。

    読んでみて、改めて米原万理さんのパワフルな生き様、大胆、明快な物事の割り切り方が痛快だ。
    言葉の表面でなく、その背後の意味を汲んで相手に伝えなくてはならない通訳という職業柄、そうした言葉の”意味”から解放される”駄洒落”が大好きだと言い放つ(同時通訳者に多いとも)。 世のオヤジギャクを発

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    2014年11月06日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    翻訳の大先輩の言葉として、大変興味深く読みました。ソヴィエト学校での厳しい国語の授業に加え、あの長年の自発的な「読書」の積み重ねが万里さんの才能と魅力の根底にあるのだと実感。もっと長くご活躍の姿を見ていたかったです。

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    2014年10月09日