米原万里のレビュー一覧
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ネタバレ<通訳あるある。プロも日々勉強。>
一流のロシア語通訳者である著者のデビュー作。
・時間との戦いが、通訳の宿命である。
・掛けられる時間と、成果物が記録に残るか残らないか、という2点が通訳と本質の大きな違いであること。
ぐらいはある程度想像のつく事であるが、以下の様な事は読んでみて初めて知った。
・通訳者は新しい分野、例えば軍事工学、医学、原子力etc...の通訳を依頼された際は関連する知識と専門用語を叩き込む。要はプロでも日々是勉強という事。更に、
◇現在ロシア語通訳協会に百六十名ほどの会員がいる。そのうち理工系出身者はわずか五名で、残りの圧倒的通は大学でロシア語かロシア文学を専攻し -
Posted by ブクログ
小咄(とこの本の中でひとまとめにした、短いジョークの類)に関して、その創作の仕方を方法論で語った本である。
実話から何から、実例を多く取り入れて、非常にわかりやすい内容になっている。
採った話はピンキリだが、なかなかクスリと笑えるものも多いし、方法論を語る点では充実した内容だった。
惜しむらくは政治談義。小泉政権批判にはユーモアの欠片もなく、なぜハウツー本に加えたのかはなはだ疑問である。内容の強度がその時事部分の量に比例して下がっている。
この手のハウツー本では時に見られる政治談義であるが、あたかもハウツーは撒き餌であって自分の主張をこそ聞かせたいように見えて、読者に対して不誠実に -
Posted by ブクログ
「こんなとこ住まなきゃいいのに!」まさにこれが正直な感想。極寒の地、というか「極寒」なんて言葉ではとうてい表すことなどできないであろう、まさに想像を超えた寒さ。マイナス50℃の世界は「寒い」という言葉を通り越して、「寒い」ことから連想される様々なことが(たとえばスケートとか氷柱とか)、実は日本での「寒さ」を想定した事象に過ぎないことを教えてくれる。
こんな寒い地ならわざわざ住む必要などないのでは?というのが最初の単純極まりない疑問。それゃそうだ。飛行機は飛ばない。バスだって霧によって危険極まりない。それでもヤクートの人々は、たとえヤクートより暖かいところへ行ったとしても、「体の調子が悪い」なん -