米原万里のレビュー一覧
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通訳者の仕事ぶりは聞いたことないなと思って手に取った本。
これがすごく面白かった。
堅苦しく職業にまつわる話を綴るでなく、ユーモアが随所に散りばめられ、かつ米原さんがもつ独自の視点(それぞれどれもなるほど、と共感できる)が面白く、これまでの知見を広げてくれる一冊となった。
ソ連や東ヨーロッパ事情...続きを読むPosted by ブクログ -
ロシア語通訳・作家として活躍した米原万里の講演をまとめた講演集。
コミュニケーションや言語、愛などについて、ユーモアを交えてテンポ良く語られています。Posted by ブクログ -
笑いの構造を分析して、必ず笑える小咄を創作できるテクニックを教える本。
先行き不透明で不安が高まる今だからこそ、ユーモアを忘れないようにしたいですよね。本書は小咄の創作テクニックを通してユーモアを身につけるために必要なことを伝えています。
ユーモアある話ができるようになりたい方は、本書を読むこと...続きを読むPosted by ブクログ -
初めてこの書名を目にした時は、何の事であらうかと思ひましたが、著者がロシヤ語の同時通訳者と知り、「ああ、なるほど」と得心したのであります。元元通訳翻訳を女性に例へる格言(?)のやうなものは昔からあり、実践者は皆「貞淑な美女」といふ二律背反を目指しながら、現実には「不実な美女」と「貞淑な醜女」の狭間...続きを読むPosted by ブクログ
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自己の知識と 読んだ本を
コラボレーションさせて 一つのコラムとして
まとめ上げていくのが見事です
後半の闘病記には
生身の米原節が効いてます
圧倒的な知識で医師をタジタジにしてます・・・Posted by ブクログ -
ロシア語通訳米原万里氏の晩年をともに過ごした「毛深い家族たち」(犬・猫たち)に関するエッセイ。ちょっと感情過多でのめりこみがちな米原氏が毛深い家族たちにかける愛情はやはり並々ならぬところがあり、まるでジェットコースターのような日々が愛おしい。そして、後半部分の子供時代を振り返るエッセイの集成も発見が...続きを読むPosted by ブクログ
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とにかく網羅される分野が富んでいて感嘆する。日に7冊読むそうだ。厳選された本の書評は宝とも言える。アメリカや外務省、メディアなどに対する著者の指摘は的を得ていて痛快だ。本作で読みたい本のリストに114冊加わった。辞書とスマホ(メモ帳に著者と書名をメモするため)を使いまくった読書体験は初めてで、いい経...続きを読むPosted by ブクログ
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たくさん食べられる強い胃袋、うらやましい。小さい頃「嘘つきアーニャ」を読んだときの新鮮さは多少薄まってしまったけれど、大人になってから読む米原万里さんもいいものです。Posted by ブクログ
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幼い頃チェコのソビエト学校で学んだ著者の経験から生まれたミステリー仕立てのストーリーで一気に読ませる。ディテイルが自身の経験で裏付けされているので説得力がある。スターリン時代の恐怖に支配される人々の日常、強制収容所での過酷な生活がリアリティを持って描かれる。主要人物の1人エレオノーラ ミハイロヴナ最...続きを読むPosted by ブクログ
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何ともショッキングなタイトルですが、これは通訳における「いい訳」がいかに成り立ちにくいかを表したもの。原発言を正確に伝えているかという座標軸を、貞淑度をはかるものとし、訳文がどれほど整っているか、響きがいいかを女性の容貌に喩え、その2つが両立しがたいことを指している。通訳と聞くと、原文を即座に流暢な...続きを読むPosted by ブクログ
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「常識」というある種の「先入観」に凝り固まった「大人」に思いっきり冷や水を浴びせかける軽妙なエッセイ「13」章。
私たちの「常識」では1ダースといえば12。ところが、魔女の世界では「13」が1ダースなんだそうな。そう、この広い世界には、あなたの常識を超えた別の常識がまだまだあるんです。異文化間の橋...続きを読むPosted by ブクログ -
"すでに読んだことのあるエッセイもあるが、安定した面白さと好奇心を刺激する書きっぷりは変わらない。
食べ物縛りの一冊
たまらなく食べたくなったのが、
ハルヴァというお菓子
飲みたくもないと思ったのが
ヤギのミルク
楽しいひと時を約束してくれる本。"Posted by ブクログ -
「愛の法則」というタイトルだが、愛について語っているのは、最初の1章のみ、残りの章は翻訳者ならではの国際感覚の話、語学勉強法の話など、タイトルとはそぐわない?というか、今のタイトルではもったいない話が満載。翻訳者を目指している人、国際化が必要と叫んでいるひとには一読を勧めたい。
個人的には、英語とも...続きを読むPosted by ブクログ -
付き合いのあった佐藤優が米原万理の作品を紹介している。米原作品を読む前に読むと参考になるだろう。東京外大ロシア語学科の卒業論文も含まれていて、ネクラーソフの生涯について書かれてある。ネクラーネフって初めて聞いたが、米原万理が選んだのはよくわかる。Posted by ブクログ
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根っからの歴史音痴の私でも、何度もロシアの要人の名前を目にすることで、おぼろげながら輪郭がつかめてきた。また、ちょこちょこ登場する小咄もおもしろい。それでも、本書は、素地のある人の方が何倍も楽しめるだろうとは思う。
ところにより、ロシアのトイレが汚いらしい/ロシア人の温かい人柄/社会主義は失業者を...続きを読むPosted by ブクログ -
いやー泣いてしまった。後半怒涛の畳み掛けと人情深いラストシーンの良さよ。社会に翻弄され、屈する人も屈しない人もそこまでも生きられなかった人も、登場人物がみな、善悪ひっくるめてとても味わい深い魅力があった。繰り返しになるけど多分一言で言うとその魅力ってのは人情とか人間らしさとかそういう類のものなんだろ...続きを読むPosted by ブクログ