米原万里のレビュー一覧

  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    ロシア語の同時通訳の米原万里が、通訳にまつわるエピソードなどを紹介するとともに、同時通訳とは何か、ひいては、コミュニケーションとは何か等の深いテーマについても語った本。

    題名が面白い。「不実な美女か 貞淑な醜女か」。同時通訳の現場には通訳のスタイルを決める2軸がある。ひとつは、原語、すなわち発話者の発言をどの程度忠実に訳すか。発話者の発言に忠実に訳すことを貞淑といい、忠実にではなく意訳をしたりしながら訳すことを不実と言う。もうひとつの軸は、訳す言葉の、例えば露日通訳であれば、日本語の表現文章がきれいなものかどうか。文章表現がきれいであれば美女、きれいでなければ醜女。
    「不実な醜女」、すなわち

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    2021年12月23日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

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    「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」が好きすぎて、この本を読みました。作品の中で描かれる歴史が残酷すぎて衝撃でしたが、オリガ・モリソヴナが何者か解明していくのが気になって最後まで読みました。作品を通して、酷い歴史は繰り返されてはならないというメッセージも感じられました。

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    2021年12月15日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    「そういう考え方もできるのか」とか「そんな事情があったのか」など、新たな発見に満ちた一冊だった。
    何より、これまでの経験や見聞きした情報から一冊の本にまとめ上げる著者の能力に脱帽。
    アメリカに批判的な部分も個人的には好感。

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    2021年10月28日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

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    ノンフィクションのようでいて、劇的なプロットで読者を飽きさせず、フィクションのようでいて、緻密な取材や資料研究に下支えされた正確な描写。フィクションとノンフィクションのいいとこ取りをしたような小説。
    ドストエフスキーを筆頭にロシア文学は途中で登場人物の名前が分からなくなって何度も戻り読みさせられる苦い経験があるが本作は文体も非常に軽快な読ませる文体だし、キャラ付けがしっかりとされていて、巻頭の人物紹介に全く戻らなくてもすらすらと入ってきた。
    ロシア人の名前の音にも慣れてきたし、ここらで挫折した「カラマーゾフ」再挑戦or「アンナ・カレーニナ」に挑戦か、、、?

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    2021年09月17日
  • 打ちのめされるようなすごい本

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    ここ20年ほど一日平均7冊を維持してきたという、読書以外の時間を引けば最低1冊1時間のペースでしかも精緻に評論できる米原万里のすごさに打ちのめされました。

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    2021年09月11日
  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    「美女」とはすばらしい訳文「貞淑」とは忠実な訳文のこと。

    同時通訳者の米原万理がその職業から見えてくる、職人技と心意気とを冷徹な頭脳で看破したエッセイである。また、民族が発生する言葉の裏にある文化を意識させてくれる。

    同時通訳ってこんな仕事だったのか!とユーモアがふんだんにあるこの文章からはじめて知ることばかり。もうこれからはテレビの同時通訳に「わけわからない」などとゆめゆめ思うまい。

    専門的なことの裏話も失敗談もおもしろかったが、通訳の常として異なった言葉の架け橋となって異文化を理解しつつ、言葉に対する深い洞察を述べているのがすばらしい。うなずくことばかりである。

    実に頭のいい人なの

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    2021年09月04日
  • 偉くない「私」が一番自由

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    米原万里の作品群から佐藤優が編んだ選集。
    米原万里は少女時代をチェコのソ連学校で過ごし、ロシア語通訳者として活躍、のちに物書きとなった人。

    親は共産党員で地下活動が長かったという。通訳として国際舞台での実体験も豊富であり、読書量は一晩に7,8冊は軽いという知見の持ち主。

    ゆえにエッセイもそんへんの文人が雑感を書くものとは一線を画す面白さだった。
    (選集だからそう思うのかもしれないが)
    政治や文化に対し批判精神を持ち、自身の考えが基盤にしっかりあることが感じられ、心地よい。
    他の著作にも興味を惹かれた。

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    2021年08月15日
  • 旅行者の朝食

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    食べ物に関するものを集めたエッセイ集。
    米原万里が食いしん坊であったことがよく分かる。「神戸、胃袋の赴くままに」というエッセイでは、米原万里が美味しいものに目がないこと、とても健啖家であること、食べることに関してはまるで子供のように無邪気に、あるいはむきになることがよく分かり、何か微笑ましくなる。
    米原万里の著書「マイナス50°Cの世界」でシベリアにテレビ番組の撮影のために長期間滞在したことを、本書でも題材にしている。かの地で美味しかったもののエッセイもあるが、面白かったのは、滞在中に和食を食べたくてたまらなくなり、一緒に行ったメンバーで寿司屋ごっこをする場面である。ただ、寿司を注文し、それを

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    2021年08月14日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    講演集4編。標題作で笑い転げ、以後はフムフムなるほど。著者だからこそ辿り着いた境地に足を踏み入れる...。
    ムダな言葉を削るのは、プレゼン資料を100作って50まで絞り込むプロセスと似ているなぁ。通訳、翻訳のお仕事をしたい方は読んで損なし!

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    2021年05月24日
  • ヒトのオスは飼わないの?

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    ロシア語通訳者の米原万里さんが、捨てられたor迷子になった犬猫たちを引き取って、新入りが入る度に彼らの間で巻き起こる嫉妬から、親愛の情が育つまでの賑やかな生活ぶりが臨場感たっぷりに描かれている。

    出張先でも行き場のない仔猫や犬を見つけると連れ帰らずにはいられない著者の家の構成員は、時にその構成数を変えつつ、この本の執筆終了時には、ネコ5、ヒト2、イヌ2と思われる。そんな多頭飼いにもかかわらず、著者のネコちゃん、ワンちゃんへの愛が半端ない!
    そして、そういう人の周りには同様にネコ好き、イヌ好きが集まるもので、微笑ましい話、笑える話が盛りだくさん。
    飼育放棄される動物の多さに、心が痛む面もあるも

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    2021年05月23日
  • 旅行者の朝食

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    エッセイの名手による食べ物エッセイ。あちこちで書いたものの集積。何ヶ月か前の日経新聞の特集に取り上げていたような曖昧な記憶。

    心の底から敬愛申し上げる米原センセイがつまらないわけがない→やっぱり面白い。

    キャビアとかジャガイモの深い蘊蓄。キャビアを取った後のチョウザメを殺さずにジッパーを付ける!知らなかった。

    「食べる」ことが好きな人必読。

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    2021年05月16日
  • 偉くない「私」が一番自由

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    米原万里さんのエッセイが好きで、何冊か読んでいる。本書は、佐藤優さんが編纂した一冊。東京外国語大学の卒業論文が掲載されているのも、本書の特徴。
    今度、本屋さんに行ったとき、久しぶりに米原さんの書籍を手にしてみたいと思った。

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    2021年04月26日
  • 旅行者の朝食

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    “舌禍美人”の食エッセイ。著者の興味の持ち方と飽くなき探究心に脱帽。
    気軽に読めてクスっと笑えて、捏ね繰り回す蘊蓄...、最高です! 人類二分法で言えば私は間違いなく後者だ。食べるために生きよう! 神戸に行きたくなった...。

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    2021年04月15日
  • パンツの面目ふんどしの沽券

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    この本が出版されたのが2005年6月。米原万理が卵巣がんのために56歳で亡くなったのが2006年5月。がんとの闘病生活を続けながら死の1年前まで書いていた本が「パンツの面目ふんどしの沽券」という米原らしいタイトルのこの本である。嘘つきアーニャの真っ赤な真実、オリガ・モリソヴナの反語法などに比べれば、凝縮度は低いかもしれない。しかし死ぬまでの期間に下着の歴史、民俗をここまで追求することができるなんてと感嘆せざるをえない。

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    2023年07月20日
  • 打ちのめされるようなすごい本

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    「打ちのめされるようなすごい本」米原万里。2006年文藝春秋社。
    米原さんの遺作?遺稿?となった書評連載を没後にまとめたものです。
    大変にオモシロくて、「イン・ザ・プール」から丸谷才一から政治や東欧やロシア関係から自然科学系まで、「これは絶対買って読もう」という印がいっぱいつきました。打ちのめされました。

    ※文中、鹿島茂さんのことを「あの人は仕事の質も量もすごい。どうやってインプット(読書)する時間を保っているのか」と感嘆するくだりがあり、「おお、同感」と嬉しかった(笑)。

    ※米原さんも「日本史は司馬遼太郎で基礎教養を付けた」とおっしゃられていて、我が意を得たり、と。どう考えても読書さえ出

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    2021年03月13日
  • パンツの面目ふんどしの沽券

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    お友だちに紹介され、早速読んでみた。なぜここにフォーカスしたのか? 着眼点が秀逸! 面白過ぎてイッキ読みでした。このテーマでここまで掘り下げられるのが素晴らしい。興味・仮説の起こし方がキモだということを突きつけてくれる一冊。

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    2021年02月03日
  • マイナス50℃の世界

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    寒いところが苦手な私が、怖いもの見たさで読んでみた。感想...無理! 住めない! でも文章は小学生新聞に連載していたこともあり、子どもでも読めそうな文体で○。吉村昭氏の『漂流』でも大黒屋光太夫の件は触れられているが、『光太夫オロシャばなし』は恥ずかしながら初見だった。機会があれば読んでみたい。ヤクート料理、食べてみたいぞ!

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    2021年01月31日
  • マイナス50℃の世界

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    さっとすぐ読める。マイナス50度の生活。10分外に居られない、でも愛着を持って生活している人々。もっと詳しく知りたくなった。
    ただ、トイレ事情はかなり厳しい。。

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    2020年12月31日
  • 旅行者の朝食

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    蘊蓄がたくさんあって、面白い!海外に住んでたので、深くうなづく記述が多かった。ロシア料理食べたい。ハルヴァ食べたい。

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    2020年10月12日
  • 打ちのめされるようなすごい本

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    著者による書評集
    読書というのは知性を育んでくれるものだが、知性があればある程、読書を楽しめるし得られるものも深くなる
    著者の書評を読むとそれを強く感じる
    家に積読本が沢山あるのに、また読みたい本が増える

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    2020年08月31日