米原万里のレビュー一覧

  • マイナス50℃の世界

    Posted by ブクログ

    薄い本だけれど、地球上にこんな世界もあるのかという驚きで溢れている。この本は読んでいて疑問に思ったことの答えが書いてあり、しかも簡潔に書かれていてテンポよく読めて楽しい。

    0
    2024年10月16日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    東西冷戦の時代のソ連には各国から留学生を集めていた。
    その家族もソ連に住んでいたので、その当時のお話。
    鉄のカーテンもあり、ソ連に移住することはできなかったので、外国人からみたソ連の貴重なお話だと思う。
    あと、文章が上手

    0
    2024年09月23日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    米原万里さんは、9〜14歳(1960年頃)の頃、プラハ・ソビエト学校に通っていた。約30年後、ベルリンの壁が崩壊し、社会情勢が大きく変化する中、当時の友達三人に会いにいく。
    ギリシャの青い空に憧れていたリッツァはドイツで医者になり、ルーマニア人のアーニャはイギリスで編集者になり、ボスニアの理知的でクールなヤスミンカはベオグラードで外務省に勤めていた。もちろん簡単に再会できたわけではない。細い糸を手繰り寄せ、やっとの思いで再会を果たす。

    特にヤスミンカの言葉が胸をつく。
    「この戦争が始まって以来、そう、もう5年間、私は、家具をひとつも買っていないの。食器も。コップひとつさえ買っていない。店で素

    0
    2024年09月06日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    米原万里さんが、9〜14歳の頃、1960〜1964年にプラハ・ソヴィエト学校に通っていた頃のお話と、約30年後にその時の友達三人に夫々会いに行くお話。

    ギリシャ人のリッツァはドイツで町医者となり、ルーマニア人のアーニャはイギリスで編集者となり、ボスニア・ムスリムのヤスミンカはベオグラードで外務省に勤め(会う直前に退職)、と、夫々全く違う人生を歩み、そこに至るまでの道のりを本人から米原万里さんが直に聞く形で物語が語られるわけだが、再会する迄の調査過程もまた面白い。

    ヤスミンカの篇に出てくる逸話(先生が、人体で最大6倍になる器官は何か?と聞き、生徒の乙女が恥じらう中、正解は瞳孔、というオチ)は

    0
    2024年05月30日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

     ロシア語翻訳者の米原万里さんのエッセイ。米原さんが過ごした在プラハソビエト学校の同級生のエピソードをもとに、彼らとの再開や時代や社会情勢の移り変わりへの考察といった形で構成される。ソビエト学校時代のエピソードも、日本ではなかなか体験できないような場面がでてきて興味深く、私も体験してみたくなってしまった…!
     在学時代から時が流れて再開する同級生が想像とは大きく離れた暮らしをしていても、一定の理解を示せるのは、同級生の背景(祖国の社会情勢の変化)への深い理解なんだろうと感じられた。また、国際世論形成がカトリックやプロテスタントに有利なこと、(直接は書かれていないが) 旧東側勢力の情報が入手しず

    0
    2024年03月12日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    実に興味深く、一気に読んでしまった。ソ連の崩壊、ビロード革命は記憶に新しいが、著者は冷戦の時代にプラハのソビエト学校で学んだ貴重な体験を持つ。作品には国籍の異なる3人の同級生のその後の人生が描かれるが、それはまさに激動の歴史に翻弄された壮絶なものであった。私にとっては、最後に登場するユーゴスラビアのヤスミンカの人生が最も衝撃的だった。彼女の無事を祈る。

    0
    2025年01月05日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    これはすごい本だ…。
    なんといってもノンフィクションっていうのに驚く。かつてプラハのソビエト学校で同級生だった国際色豊かな友達の思い出と、30年後に再開するまでにそれぞれがどんな人生を歩んでいたかの話。激動の東欧現代史が、ひとりひとりの人生を揺さぶる形で立ち上がってきて心揺さぶられた。

    知らなかったこと、考えさせられたこと、もっと知りたいと思ったことがいろいろとありすぎるお話だった。

    白い都のヤスミンカで、セルビア悪玉論の話が出てきた時に、「戦争広告代理店」がこの話をメインに扱ってたことを思い出して読みたくなった。

    0
    2024年03月04日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

    Posted by ブクログ

    小さい頃、世界をあるがまま受け入れていた。物事の機能も社会の仕組みも人間関係も、その複雑さを理解する経験も知識もなかったから。それでも、何故か理解出来ずに引っかかる記憶がある。あの時、母親はなぜ悲しんでいたのか、なぜ、先生は休暇から戻って来なかったのか。この小説は、人生のそんな謎解きを求めた内容。部隊はソ連、共産主義下。当たり前に粛清や拘束が行われた時代。あるダンサーでオールドファッションの先生を巡り。

    悲しくも明るく。運命を受け入れながら、強く生き延びた人々。米原万里の半生と重なるが、フィクションである。この作家の小説は、生き様も性格も全てが物語に反映されていて、迫力が違う。
    暫く積読して

    0
    2023年11月29日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

    Posted by ブクログ

    友達がどうなったか知りたくて、あっという間に読めた。
    そういう狭い民族主義が、世界を不幸にするもとなのよ。チャウシェスクの庇護を受けていた家族ノジュール娘

    0
    2023年11月18日
  • 旅行者の朝食

    Posted by ブクログ

    全編食べ物にまつわるエッセイです。
    時代も国も飛び越えたとても幅広いお話で、でもちゃんと身近に感じられるわかりやすい文章で、なんというか一言で言うと本当に面白かった!
    「今話題の作品!」とか謳われているような若い作家さんの本を読むと変にカッコつけた文章の隙間から「面白いでしょ?!私の文章すごいでしょ?!」っていうアピールが漏れ出てきてるものが多くてうんざりがっかりするものが多いんですが、米原さんの文章はそういう薄っぺらいアピールなんて全く無く(その必要が無い)、本当の知性があふれているし興味深いしめちゃくちゃ面白い。それでいて決して軽くなくて深みのある内容。あーうまく表現できないのがもどかしい

    0
    2023年08月30日
  • 旅行者の朝食

    Posted by ブクログ

    馴染みのない東欧の文化がとても新鮮。単純なグルメの本ではなくて、食べ物やその成り立ちに対しての考察がとても面白く、米原さんとおしゃべりしながらテーブルを囲んでいるような感覚で読める。
    米原さんならではの本。

    0
    2023年07月29日
  • 旅行者の朝食

    Posted by ブクログ

    ずっと気になってたカムチャッカのバザールで食べたお菓子があって、見た目が牛の糞そっくりで、量り売りされてたのですが、見た目に反してすごく不思議な甘い味で何回もリピートした位でした。でも帰国してからは誰に聞いても知らないと言われ、挙句ほんとに牛の糞食べたんじゃないの?とまで言われた謎のお菓子でした。それが、グレーテルのかまどでこの本のハルヴァが紹介されて、これかも!って閃いた時には本当に嬉しくて。米原さんの「あのハルヴァ」への情熱と欲求が我が事のようで。私はまだ牛の糞のようなハルヴァには再会できてないので、諦めずに探し続けようと思います。

    0
    2023年05月08日
  • 真夜中の太陽

    Posted by ブクログ

    2023年1月15日机の下の段ボール箱を整理してたらポロっとこの本が出てきた。
    整理の手を止めて、懐かしく拾い読みを始めたら、大部分を読んでしまった。
    短い文章の中に鋭い警句、社会批判をふんだんに取り入れた米原節が心地よい。
    いま、これだけの率直さでものを書く人は、残念ながら見当たらない。

    0
    2023年01月15日
  • 心臓に毛が生えている理由

    Posted by ブクログ

    誰かがFacebookに書いたようなライトでブツ切りのエッセイからかなり硬派な内容のものまでバラエティに富んでいたが、著者の性格が表れているのか、サバサバとした男前なものが多く、また思わず声を出して笑ってしまったものも多々あった。一番最初のオホーツクでの話は、思わず地図で確認しながら読み始めたけど、結局言いたいところはそこではないのかと、肩透かし的で逆に印象に残ってしまった。

    0
    2022年12月31日
  • 旅行者の朝食

    Posted by ブクログ

    米原さんの本は本当面白い。ためになるような話も面白くかける方。

    食べ物はやっぱり大事。食べるために生きるというのは本当。美味しいもの食べに行きたいなぁ~。お寿司‥

    0
    2022年12月14日
  • 打ちのめされるようなすごい本

    Posted by ブクログ

    米原さんの本の読む量の凄さとは。やっぱりソビエトで育っていることで日本語に飢えていた時間があったからか。
    移動の多い仕事だったからかもしれないけど。

    読んでみたい本が多くあった。オーディブルにはなさそうだからかみのほんてよまないとなぁ。

    0
    2022年12月14日
  • マイナス50℃の世界

    Posted by ブクログ

    椎名誠は自伝的小説や探検記など次々に出す人気作家で私自身も週刊誌の連載エッセイを楽しみにしていたほどの大ファンだったので大黒屋光太夫『おろしや国粋夢譚』の存在はリアルタイムで見ていたはずだが、その時の通訳が米原万里さんだったことはなぜかすっかり記憶から抜けていた。世界一寒い国ヤクート自治共和国(現サハ共和国)をこども向けに紹介した1〜4章はイラストも楽しく、取材の経緯や裏話の5章まで米原さんの言葉で綴られる当地の暮らしは驚きの連続。写真集としても美しく椎名さんの解説が嬉しい。

    0
    2022年10月31日
  • 旅行者の朝食

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    米原万里さんは愉快な人です。エピソードも文章も面白いし興味深い。
    特に今はロシアについてマイナスイメージが強い風潮だけれど、このエッセイでのロシアやソビエトのエピソードは笑ってしまうものも多いです。タイトルになってる缶詰の名前はしばらく忘れられない。
    絵本や童話についての第二楽章と、落語みたいなサゲがつく「シベリアの鮨」が特に好き。
    「ハルヴァ」の口になります。トルコ蜜飴、トルコのを食べたことあると思います(学生時代の所属研究室教授のトルコ土産)。
    お名前は存じていたけど読んだことは無かった米原さん、同僚が面白いと言ってたので手にしました。読んで良かった、他のエッセイや小説も読もうと思います。

    0
    2022年10月25日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

    Posted by ブクログ

    それなりにページ数がある本ですが、一気に読み終えてしまいました。

    それにしても、プーチン大統領がKBG出身だったことを知らず、びっくりしました…

    0
    2022年09月11日
  • 旅行者の朝食

    Posted by ブクログ

    「生きるために食べる」のか、「食べるために生きるのか」。本書の中で印象的に用いられる言葉です。あなたは自分のことをどちらだと考えるでしょうか?本書は、後者であることをはっきりと自認する筆者による、食べ物についての著書ですが、単なるエッセイではありません。
    著者の米原万里は、父親の仕事の都合により、幼少期をチェコで過ごし、そこでロシア語による教育を受けます。日本帰国後もロシア語の学習を続け、出版社などでの勤務を経た後、ロシア語同時通訳の第一人者として、ロシアからの国賓の通訳、日本人初の宇宙飛行士誕生時のロシアとの交渉役など、様々な要職を歴任。その後文筆家としても活躍するようになります。そのような

    0
    2022年09月05日