米原万里のレビュー一覧

  • 打ちのめされるようなすごい本

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    大人になってようやく、受験や資格のためではなく自分の興味のままにたくさん学びたいという気持ちになった。そんなときにおすすめされて読んだのがこの一冊。
    ジャンル問わず膨大な知識量に圧倒され、私の知識では深く理解できない部分があったのが悔しい。また勉強してもう一度チャレンジしたい。
    彼女が今も存命だったらどんなことを語るのか考えざるを得なかった。

    数々の書評の中に読んだことがある本が出てくると嬉しかったな

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    2024年11月28日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

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    米原万里さんの本は2冊目。嘘つきアーニャ…と同じように一気に読ませる。強引なところや粗いところはもちろんあるけれど、それを上回る引き付ける力があって読み始めたら止まらない。スターリン政権末期のチェコが舞台。時代の大きな流れに圧倒される感もあった。
    日本のバレエ界の内実を批判するような部分もあった。蛇足のようでもあり、下世話な好奇心を刺激されて妙に面白くもあった。
    嘘つきアーニャをもう一度読み返したい。

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    2024年09月03日
  • マイナス50℃の世界

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     世界一寒い国といわれるロシア連邦の中の「ヤクート自治共和国(現サハ共和国)」は、12月の平均気温がマイナス50℃にもなるそうですが、それでも町や村があって日常生活を送っている人達がいるとのことで、一体どんな国なのか、当時1984~85年にかけて、ロシア語通訳者としてシベリア横断の取材班と同行した、米原万里さんと一緒に覗いてみましょう。


     まずは米原さん自身が身を以て感じられた率直な印象として、初めてヤクートの地に降りたときの反応が、その凄まじさを何よりも物語っており、ここに来る前に彼女たちは、東京の魚用の冷凍庫で防寒着のテストをマイナス45℃までしていたことから、飛行機の中で外はマイナス

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    2024年08月22日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

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    米原万里のエッセイをたくさん読んでいたことがあって文体に馴染みがある。その経験と背景が思う存分生かされて書かれてる。オリガモリソヴナのぶっ飛んだキャラクター性も、理不尽で過酷なラーゲリで女性達が逞しく生きていくのも当時のロシアならありそう。一人の人生に焦点を追って見えてくるミステリ感も面白いし、何より女性達の会話や生活が生き生きとしていて読み応えがある。

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    2024年07月30日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

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    ネタバレ

    あの人は誰だったのか——。

    志摩は、プラハのソビエト学校にいた舞踊教師オリガ・モリソヴナのことを考える。エネルギーに満ちた恩師は、謎も多かった。あの頃から30年経ち、ソビエトが崩壊したモスクワで、志摩がたどる歴史。

    一気に読んでしまった。志摩のソビエト学校時代の友人たちの魅力に、細い糸を辿っていく謎解きに、明かされるラーゲリの生活に、ページをめくる手を止めることができなかった。限られた滞在期間をめいいっぱい使う志摩も、再会したカーチャも、謎解きに参加するナターシャやマリヤ・イワノヴナも、大きな情報をくれるガリーナも、ついに現れたジーナも、そしてもちろんオリガ・モリソヴナも皆エネルギーに満ち

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    2024年07月20日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

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    ネタバレ

    【プラハのソビエト学校での友人との記憶と再会の記録】
    また目を見開かれるような新しい人生について学びました。

    ロシア語翻訳者で著者の米原万里さんは、1959年から1964年、中学校1年生までの5年 プラハのソビエト学校に通われていたそうです。

    その当時に親しくなった3人の友人それぞれと、30年の月日を経て40台になった著者がその地を訪れて再会されています。

    著者がそもそもなぜプラハのソビエト学校にいたのか、それは父親が共産主義関連の仕事をしていたからで、同じ学校に通っていた子どもたちも、同じような境遇にいて。

    ブルジョワ階級と戦い、平等な社会を築くという思想であるはずの自分た

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    2024年05月26日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

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    ネタバレ

    1960年~1964年、プラハのソビエト学校(9才~14歳)で学んでいた日本人作者が大人になってソビエト学校時代の友達に会いに行く、というノンフィクション。20世紀後半の東欧の出来事に絡んでいて、(共産主義、ソビエトの崩壊、独立戦争、内戦、等)歴史は詳しくないので読むのに時間がかかりましたが、1990年代の東欧の歴史がわかり面白かったです。

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    2024年04月13日
  • マイナス50℃の世界

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    子供向けに書かれた本なのかな?
    とにかく肩肘張らずに読めて、しかも面白い。色んな意味でスリリングでもあるし、信じ難くもあるし。
    確かに私たちは才媛を早くに失ったのかも。でも才ある人ってそういう宿命かもしれず。
    ところで今はどうなってるんだろう?この街は。興味ありです。

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    2024年04月08日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    米原万里さんの本としては少々異色の本である。1990年代のロシア社会を鋭く分析している。何よりも著者の強みは、この時代のロシア最高権力者、ゴルバチョフとエリツインの通訳を何度も勤め、間近で二人の発言と人間性を観察していたことである。ソ連からロシアへの大混乱移行期を理解するのに有益な本である。

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    2024年03月07日
  • 不実な美女か貞淑な醜女か

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    「いいかね、通訳者というものは、売春婦みたいなものなんだ。要る時は、どうしても要る。下手でも、顔がまずくても、とにかく欲しい、必要なんだ。どんなに金を積んでも惜しくないと思えるほど、必要とされる。ところが、用がすんだら、顔も見たくない、消えてほしい、金なんか払えるか、てな気持ちになるものなんだよ」(14p)
    これが米原万里の師匠から授けられた「通訳者=売春婦」理論である。以降、米原万里は通訳料金の前払いを胸に刻み込んだという。

    ずっとレビュアーの間から高い評価を勝ち得てきた米原万里さんのエッセイを初めて読んだ。通訳のあれこれだけで、1冊を書き通した。訳するということを全方位から解体しながら、

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    2024年02月20日
  • 旅行者の朝食

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     食にまつわるエッセイ本。著者はロシアや東欧諸国に精通している為か、日本人には馴染みのない食物が次々と紹介されており、知的好奇心をかきたてる内容ばかりである。なかでも、「コロンブスのお土産」(p64〜66)は、今後の食糧問題を考えるのに良い。大航海時代、スペイン、ポルトガルはアメリカ大陸へ渡った。その中には、欧州にはない食物も運ばれた。具体的に言うと、トマト、ジャガイモ、トウモロコシが、当時のヨーロッパにとって珍しかった。ところが、食材として普及するのに時間はかかった。トマトは観賞用植物扱いで、ジャガイモに至っては、悪魔の食べ物と見なされた。(ちなみに、フランスでは18世紀末に、ロシアでは19

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    2024年02月17日
  • 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

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    ヨーロッパの共産主義圏の激動や、
    中・東欧の複雑な事情(ヤスミンカの章)の箇所で、
    内容に混乱し若干モヤモヤしたが(歴史は苦手…)
    著者の貴重なプラハ時代の友人との再会では
    感情移入せざるを得ないほどの素晴らしい描写力。
    しかし彼女が感じたギャップや矛盾・民族意識等も、忘れてはいけない。
    (アーニャの章では複雑な心理を垣間見せている。)

    米原さんの人生が、いかに濃いものであろうことがよく判る証明の記録である。
    それにしても頭脳明晰な人の文章って凄い。
    ノンフィクションというところが、更に凄さを倍増。

    プラハに興味が湧いたのは言うまでもない。

    youtubeにupされているNHKスペシャル

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    2024年07月26日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    モスクワで「魔法使いの集会」に参加した。
    全く魔力もないし占いも当たらない微笑ましきニセモノばかりだったが、筆者だけがロシア語ができたせいか『悪魔と魔女の辞典』という小さな本をくれた。
    人間界の常識とは色々逆さの意味になっている。
    一例としては(割と知られたフレーズではあるが)「1ダース」を表す数字は、人間界では「12」だが、魔界では「13」だという。
    米原万里は、ロシア語の通訳として、異文化の仲介役を仕事としていたから、文化と文化を見比べなくてはならない場面に多く立ち会ってきた。

    本書の中では、異端人が別の目で世界を見た時、常識がくつがえる、そんな瞬間が紹介されている。
    下ネタ多く公共交通

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    2024年02月03日
  • ロシアは今日も荒れ模様

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    2001年発行の本なのでたいぶ昔の話ではあるが、面白おかしくロシアのことを知れる本は今ではレアだと思って楽しく読ませてもらった。

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    2024年01月14日
  • 発明マニア

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    ☆3.5 ときどきおもしろい
     単行本で。
     米原万里は共産党幹部の娘で、ソ聯で通訳をし、妹が井上ひさしと結婚した。井上も米原も左翼である。
     これを読むと、政治的毒が横溢してゐる。当時のイラク戦争を非難して、ブッシュだの小泉純一郎だの、ビンラディンだのが頻出。左翼だなあと。ムーアを思ひ出した。凡庸だらう。

     しかし、なかにはアイデアが光ったエッセーがあり、そちらはすなほにおもしろい。たとへば、「寿命倍増プログラム」「ビルの高さの測り方」や「卓抜なる節税法」等。
     さういふエッセーを読むと、こちらも自然にインスピレーションがわいてきた。

     サンデー毎日の週刊連載だったから、書くネタに困った

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    2024年01月14日
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

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    タイトル買いしたので中身分かってなかったけど、メルヘンじゃなくて辛口だった!でも全然良き裏切りで、ものの考え方がこうも違うし、でも同じところもあることもある、と言うことが面白おかしく時にシビアに読めました。

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    2023年12月09日
  • オリガ・モリソヴナの反語法

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    色んな意味で日本離れしてる作品。
    どちらの立場でも考えられんということでしょうが、それでもソ連時代の国内統治はまぁ独裁ということですな。日本もそうだったように。
    その中でも、庶民であっても懸命に生きないといけないんですなぁ、でないと何年も経ってこの作品の中の生き残った人たちのように「共有」できないのかと。
    熱い作品です。

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    2023年11月20日
  • パンツの面目ふんどしの沽券

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    本当になぜ,どこからその発想が湧いてくるのか。不思議でならない。イエスキリストのはいてるものは,パンツかふんどしか,はたまたただの布切れか…。こんなことを疑問に思う著者に感心してしまう。子どもたちが,それぞれの意見をそのまま実行してしまうところなんか笑いを堪えるのが必死。パンツかどうか,それだけで1冊の本になるところは流石です。世の中がちょっとざわついてる暗い時代で、気持ちが塞ぎ込みそうになった時に、何度でも読みたくなる1冊。

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    2023年11月15日
  • 米原万里の「愛の法則」

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    この人の本は始めて読んだ。2006年に亡くなって、その前年の講演やそれ以前の4回の講演をまとめて本にしたもの。
     第1章は「愛の法則」高校での講演を男女のことを面白おかしく、きわどい話もさらっと述べている。この講演は高校生相手にしてるけど聞いていた男子学生は赤面でなかったか。
     後の章では語学の習得とか国際理解のありかたなど現役の学生には非常に為になるのではないかな。

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    2023年10月23日
  • 真夜中の太陽

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    ネタバレ

    手厳しい…!と思いながらも、米原さんの目線も文章も好きです。面白かった。
    20年前くらいに書かれた文章がほとんどですが、国内も世界情勢もむしろ悪くなっていってて、今もし米原さんがいらっしゃったらどんな文章書かれたんだろう…と早逝が悔やまれます。辛口が加速していたかも。
    「愛の証」の、愛国を法整備していきたい人はそんなに自分の愛国心に自信がないのか、みたいなところを読んで(今じゃ学校教育に愛国教育あります)と思いました。米原さんからスパッと斬られそう。
    愛国=妄信して、盲目になんでも「いいね!従う」ということではないです。国を憂えて、良くしていくために批評するというのも愛国だと思います。
    …井上

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    2023年07月28日