あらすじ
1960年、チェコのプラハ・ソビエト学校に入った志摩は、舞踊教師オリガ・モリソヴナに魅了された。老女だが踊りは天才的。彼女が濁声で「美の極致!」と叫んだら、それは強烈な罵倒。だが、その行動には謎も多かった。あれから30数年、翻訳者となった志摩はモスクワに赴きオリガの半生を辿る。苛酷なスターリン時代を、伝説の踊子はどう生き抜いたのか。感動の長編小説。第13回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作。
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三宅夏帆さんのおすすめで読んでみました。
ソビエト時代のプラハ滞在経験✖️堪能なロシア語✖️ダンサーの夢を持っていた、米原万里先生にしか書けない小説だと思いました。
スマホもインターネットもない時代で、足で情報を稼ぐ必要があるので、登場人物たちの物理的な移動が多く、頭の中で彼らが動き出していました。
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話が壮大で中身がギュギュッと詰まった読み応えのある小説。三宅夏帆さんが「一冊しか薦められないとしたらこの本を薦めたい」とYouTubeで仰っていたので、すぐにネット予約し買った。
ソ連の歴史と社会構造について細かく描写されているけど、知識不足でよくわからないことも多かった。でもチャットGPTに「スターリンとは?」「共産主義とは?」とか、わからない単語を調べながら読むと読みやすかった。(新しい読み方!)
ソビエト学校から日本の学校に転校した主人公が、日本の学校の方が社会主義でガチガチで息苦しく感じている描写が意外で、興味深かった。
プロが薦めるだけあって素晴らしい小説だった。
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あまり触れてこなかった時代(WW2前後のロシア)が舞台の話。学生時代の印象的すぎる先生の謎を(解けるようになったので)解こうとする主人公視点で徐々に謎が解明していく。最終的に二人の養女だった同級生から話を聞けてほぼ全ての謎がとけることとなる。外務省での公式資料から劇場の衣装係、強制収容所の手記の著者に古い友人と様々な立場が関わってくる。
戦後シベリア抑留があったことは知っていたが、ロシア人ですら逮捕され劣悪な環境で強制労働などがあったことはこれで初めて知った。普通の文庫本か少し厚いくらいのボリュームなのに、書かれている人々の記録や人生や悲しみが濃厚すぎる。ロシアでは友達同士は愛称で呼ぶが、そうでない場合は名前と父称で呼ぶという文化も知った。戦時中の独裁者下で暮らす息苦しさは凄まじい。
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チェコ・プラハのソビエト学校で出会ったダンス教師、オリガ・モリソヴナ。老齢だが魅力にあふれ、ほれぼれするような舞踏。教え方は厳しく、口が悪い。その特徴的な言い回しは「反語法」。いったい彼女はだれだったのか。30年後、その謎を解く旅に出るが、謎はさらなる謎を呼ぶ。モスクワのロシア外務省資料館に始まって、トゥーラのダンス教室で終わる怒涛の7日間、めくるめくような展開。
旅は7日間だが、そこにロシア革命からスターリンの大粛清、雪解けとペレストロイカまで、80年間の事件や出来事の回想が詰まっている。ロシア史(あるいはソビエト史)に詳しくない場合は、座右に『世界史年表』が必要かもしれない(少なくとも私はそうだった)。
後半はかなり駆け足。ミステリ作家よろしく、米原万里は自分の仕掛けた謎を完璧に解くことに夢中になっているように見える。曖昧さを残すのを嫌う、いかにも彼女らしい。
本作品の魅力のひとつは、事実とフィクションが混然一体となっているところ。どこからがフィクションなのか。巻末の池澤夏樹との対談では、そのことにも触れている。
(しかし、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』に登場した「反語法」がこのような形で活かされるとは!)
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面白かった、泣いてしまった、どうして今まで読まなかったんだろうと思った。いろんなことが思い出された。
何人からかおすすめされて、何年か越しに手に取った。最近読んだ系統で言うと、ハンガン『少年が来る』『別れを告げない』と同じく、歴史があってその中にうまくフィクションとして成立している小説。
1960年プラハのソビエト学校に入った主人公の志摩(シーマチカ)は、オリガ・モリソヴナという舞踊教師に魅了される。それから30年、日本に帰国後翻訳者となった彼女は、ダンサーになるという夢に破れ子供を持ち離婚を経験し、、といった後に、モスクワに渡りオリガ・モリソヴナの半生を辿り出す。ソビエト学校時代の親友に再会し、謎解きをするように過酷なスターリン時代の歴史を紐解いて行く、その謎解き自体がハラハラドキドキで面白いのもさることながら、きっとこういうことがあったんだろうというリアリティ、悲しと喜びのジェットコースターで、なんと表現したらわからない気持ちになる。良かったとも言えない(もちろん良かったんだけれど)、ただぐんと来るものがあった。
…こうして自分で刃物を手にした瞬間、途轍もない解放感を味わったんだ。自由を獲得したと思った。あたしの生死はあたし自身で決めるって。もうそのときは、自殺する気なんて完全に雲散霧消していた。絶対に自殺するものか、生き抜いてやる、と心に固く決めていた。そういう勇気と力をこの手製のカミソリは与えてくれた(p.445)
「シーマチカ、そんなことないよ。巨大な悪や力に翻弄されるのもしんどいけれど、そういう矮小な理不尽に立ち向かったり耐えたりしていくことも、それに劣らず大変なのかも知れないよ。いや、きっとそうだよ。引くか、踏み止まるか、選択肢が残されているってことは、常に自分自身の意志と責任で決めて行かなくてはならないんだもの…そういうあたしも、偉そうなことは言えないんだけどさ」(p.476)
リラの花が美しく咲き誇る五月だった。先生方や生徒たち、それに生徒の父兄が心から悲しんでくれた。棺にリラの花をいっぱい詰めたの。(p.487)
ルビャンカ、サボイ・ホテル、ルビャンスカや広場、マヤコフスキイ広場、フルンゼンスカヤ駅…どれもこれもが、どれもこれもが、リラの花を思い出させる。
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プラハのソビエト学校で舞踊教師のオリガ・モリソヴナに魅了してしまう志摩。
大人になりモスクワで同級生だったカーチャとオリガの人生の謎解きに挑む。
スターリン時代の過酷な時代をオリガたちはどうやって生き延びたのか?
暗い過去の話も出てきますが志摩とカーチャ、そして彼女たちを助ける仲間たちが本当に生き生きとしていて面白かったです。
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500ページ近い長編だったが、推理小説のようにワクワクしながら一気に読み終えた。先に『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を読んでいたから背景もよくわかった。
私自身もモスクワに留学した経験があるので、アルバート通り、トヴェルスカヤ通り、フルンゼンスカヤ駅、マヤコフスキイ広場など、懐かしい地名ばかりで、久しぶりに当時使っていたモスクワの地図を開いた。また、冷戦時代、チェコスロヴァキアにペンフレンドがいて、楽しく手紙のやり取りをしていたことをふと思い出した。いつの間にかどちらともなく連絡が途絶えてしまったが、彼女は今どうしているだろう?ビロード革命を乗り切って幸せに暮らしていて欲しいと思う。
巻末の池澤夏樹氏との対談、亀山郁夫先生の解説も含めて大いに楽しめた1冊だった。いつものことながら米原さんの博識、読書量、言葉のセンス(下ネタのセンス?)には感心する。対談の最後に述べておられる、アルジェリアの少年をモデルにした作品を是非実現してほしかった。筆者の早逝が悔やまれる。
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それなりにページ数がある本ですが、一気に読み終えてしまいました。
それにしても、プーチン大統領がKBG出身だったことを知らず、びっくりしました…
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緻密な歴史ノンフィクションとドラマティックなフィクションの融合、共産主義の凄惨な過去と生き生きとした学生生活とのギャップ、志摩とカーチャの快活な語りと単純にミステリとしての面白さで読む手が止まらなかったです。常に光と闇の対比があり、ソ連政権下で必死に生きた人々の人生がくっきりと映し出されています。歴史の影に埋もれた、あったかもしれない話に胸を打たれました。
Posted by ブクログ
ソ連の大粛清時代に、屈辱や理不尽な仕打ちの中を生き抜いた女性たちの力強さを感じる傑作大河。
悲惨な表現もある中、ともすれば暗い内容になりがちだが、主人公とそのパートナーに茶目っ気があり、絶妙な雰囲気となっていた。
フィクションだが、ノンフィクションに近く歴史の勉強にもなる。
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米原さんがモデルの主人公が、在籍したプラハ・ソビエト学校の先生の半生を追う謎解きミステリー。実体験や史実がふんだんに織り交ぜられ、登場人物が魅力的で、フィクションであることを忘れそうになりながら500ページあっという間に読み終えました。 嘘つきアーニャの真っ赤な真実はノンフィクション、この本はフィクションと違いはあるものの、どちらも冷戦時代の厳しい環境の中で生きる人々の様子が活き活きと描かれ、ここからどうなるんだろうと、ドキドキわくわくの読書体験でした。
米原さん、プラハ時代のこと、本当に大切に思ってたんだろうなあ。
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凄すぎだろうがよ、コレ。ラーゲリの壮絶さを読むと、これから先、生きてくのが怖くなってくる。だっていつこんな社会になるか分からないから。この作品は小説だけど、ラーゲリは真実なのだから。言わずもがな『嘘つきアーニャ〜』が下敷きになっており、かつ『心臓に毛が生えている理由』でこの小説の取材時のエッセイが入っているので、この二つを先に読むと、より面白い。
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「ああ神様!これぞ神様が与えて下さった天分でなくてなんだろう。長生きはしてみるもんだ。こんな才能ははじめてお目にかかるよ!あたしゃ嬉しくて嬉しくて嬉しくて狂い死にしそうだね!」
物語は在プラハ、ソビエト学校の教師オリガ・モリソヴナの強烈な反語法によるダンス指導シーンからはじまる。
彼女の教え子で日本人のシーマチカが卒業後?大人になってから、親友のカーチャとともに青春時代の謎を追い求める。ロシアに訪れ各所をたずね資料や証言を集めていく過程は、作者自身がオリガを調べている様子をイメージさせた。
さらに凄いところは、私自身も旧友と一緒になって歴史の謎を炙りだしていくような連帯感というか没入感。
そして小説のかたちをとることで、スターリン時代のラーゲリ(強制収容所)の実態を文献から歴史で学ぶのとは違って自分ごととして考える機会を与えてくれた本作は読後に内容を反芻したくなる良書だ。
三宅香帆さんが激推しする理由がわかった。また読みたい。
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骨太な長編。ソ連の話なので人名を覚えるのにそこそこ苦労するが、ある程度慣れてくると物語自体の吸引力に引っ張られてスルスル読めた。収容所の描写など、かなり重い内容ではある。タイトルに出てくるオリガ・モリソヴナに関わる謎を色々な人に出会い、聞きながら解きほぐして行く流れは、ミステリ的とも言えるが謎解きのカタルシスというよりは、ドキュメンタリーを見ているような質感。
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作者の米原万里さんが急に気になって読み始めた。
強制収容所の話が出てくるとは思わなかったので内容がズシンときた。反語法の意味も分からず読み始めて途中で検索した(笑)謎解きみたいになっていき読むのが止められなかった。(名前とか忘れてしまうので早く読み終えたかったという気持もあった)
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初めはロシアの名前に慣れず、抵抗があったが
次第にページをめくれるようになった。
魅力的な教師の過去、
ソ連の当時の様子を知らなかった私は
学びも多かった。
当たり前の毎日に感謝したり、人間の極限と残酷さをしったり。
暗すぎないのも個人的には好きだった
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昨年末に手にした集英社文庫の“ふゆイチ”で紹介されていて、ずっと気になっていた本書。
ロシア語の翻訳をしている志摩(シーマチカ)は、少女時代に通っていたプラハのソビエト学校で出会った、踊りの才能が抜群で強烈毒舌キャラの舞踊教師、オリガ・モリソヴナの謎めいた来歴を探る為、ソ連崩壊後のモスクワを訪れます。
ソビエト学校時代の親友・カーチャ達と共に真相を追う中で浮かび上がってきた壮絶な背景とは・・。
オリガと伝説の踊り子・“ディアナ”は同一人物なのか?
オリガと共に「オールドファッション・コンビ」と呼ばれていたフランス語教師・エレオノーラが東洋人に異常な“食いつき”を見せていたのは何故だったのか・・?
等々・・といった数々の謎を解明するというミステリ要素もあり、スターリン独裁下での過酷な“やりすぎ粛清”時代を生き抜いた人々の力強さを描いた、人間ドラマとしても読み応えバッチリな内容だと思いました。
かつて強制収容所で過ごした女性の手記&語りで綴られる、“控えめに言って地獄”な生活は、その理不尽さ&悲惨さに胸が痛みましたが、シーマチカとカーチャが仲良しで楽しそうな場面とのコントラストがいい塩梅だったので良かったです。
ということで、良くも悪くもロシア(ソ連時代も含めて)という国の“底知れなさ”に圧倒されましたね~。
登場人物達の逞しさにパワーを貰ったような気持ちでございます。
巻末に収録されていた、著者の米原万里さんと池澤夏樹さんとの対談も興味深く読ませて頂きました~。
Posted by ブクログ
米原万里さんの本は2冊目。嘘つきアーニャ…と同じように一気に読ませる。強引なところや粗いところはもちろんあるけれど、それを上回る引き付ける力があって読み始めたら止まらない。スターリン政権末期のチェコが舞台。時代の大きな流れに圧倒される感もあった。
日本のバレエ界の内実を批判するような部分もあった。蛇足のようでもあり、下世話な好奇心を刺激されて妙に面白くもあった。
嘘つきアーニャをもう一度読み返したい。
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米原万里のエッセイをたくさん読んでいたことがあって文体に馴染みがある。その経験と背景が思う存分生かされて書かれてる。オリガモリソヴナのぶっ飛んだキャラクター性も、理不尽で過酷なラーゲリで女性達が逞しく生きていくのも当時のロシアならありそう。一人の人生に焦点を追って見えてくるミステリ感も面白いし、何より女性達の会話や生活が生き生きとしていて読み応えがある。
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あの人は誰だったのか——。
志摩は、プラハのソビエト学校にいた舞踊教師オリガ・モリソヴナのことを考える。エネルギーに満ちた恩師は、謎も多かった。あの頃から30年経ち、ソビエトが崩壊したモスクワで、志摩がたどる歴史。
一気に読んでしまった。志摩のソビエト学校時代の友人たちの魅力に、細い糸を辿っていく謎解きに、明かされるラーゲリの生活に、ページをめくる手を止めることができなかった。限られた滞在期間をめいいっぱい使う志摩も、再会したカーチャも、謎解きに参加するナターシャやマリヤ・イワノヴナも、大きな情報をくれるガリーナも、ついに現れたジーナも、そしてもちろんオリガ・モリソヴナも皆エネルギーに満ちていて、その言葉がイキイキと聞こえてくる。そのほとんどがセリフやモノローグ、手記で進むこの作品は、実に多くの声が聞こえてくる。誰もが自分の人生に誠実にあろうと、飲み込めないような苦いものを飲み込んで生きている。
作者の自伝的要素もありながら、資料に基づいて書かれたフィクションである。だからこそ、とてもリアルだった。迫ってくるものがあった。
Posted by ブクログ
色んな意味で日本離れしてる作品。
どちらの立場でも考えられんということでしょうが、それでもソ連時代の国内統治はまぁ独裁ということですな。日本もそうだったように。
その中でも、庶民であっても懸命に生きないといけないんですなぁ、でないと何年も経ってこの作品の中の生き残った人たちのように「共有」できないのかと。
熱い作品です。
Posted by ブクログ
人との繋がり。
旦那氏が買ってきた本。
米原万里さんのエッセイを読んだことがあったので気になって読んだ。
旦那氏は読みにくかったらしいけど、わたしはとても読みやすかった。(笑)
人物がたくさん出てくるけど、なんとなく覚えていれば大丈夫。
赤毛のアン好きな人は好きだと思う。
主人公がソビエト学校に通っていた時の強烈なダンスの先生(オリガ・モリソヴナ)の過去の謎を解いていく物語。
どんどん新しい事実が判明していって、先が気になる。
ダンサーをしていたけど、外国人と結婚をしたことから政府に捕まり、多くの人たちと収容所で過ごし、また日常生活を取り戻す、大変な人生を送ってきた人(たぶんこんな感じ。。)、ということが、当時の記録などでわかってくる。
いまの平和な世界じゃ考えられない非人道的なことが行われている。これが本当にあったことなんて。
そんな中でも、どうにか強く生き延びようとしたオリガ・モリソヴナの行動、それが周りの人々に与えた影響はとても大きかった。
主人公が日本に帰ってきて、日本の‘みんなが平等’の義務教育に馴染めなかった描写にハッとさせられた。
子どもの頃は当たり前だと思っていたから不思議に思わずに受け入れていたけど、いま思うとたしかに個性は潰されてたな〜と。
自分の意見を自分の言葉で発するの苦手だし、将来どうなりたいのか明確な目標がなかった(いまも特段ないけど…)もんな。
だからといって、日本の教育でしか得られないものを得られたとは思っていたりもする。。
正解はないからいろいろ試してみるしかないのよね。(誰)
実体験に基づいた小説
作者の実体験を描いた本に「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」があるが、本書はこの実体験を下敷きに書いた作者唯一の(!)小説。
相当に衝撃的内容であるし文章構成も巧みである。ラーゲリについてこの本しか読んでいなかったら間違いなく星五つ。
が、同じラーゲリが舞台なのでどうしてもソルジェニーツィンの「イワンデニーソビッチの一日」と比較してしまう。自分自身でラーゲリを体験したソルジェニーツィンには負けてしまうので星一つマイナスで星四つ。
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1960年代、当時のチェコスロバキアのソビエト学校で学んでいた日本人、シーマ力が主人公である。通っていたプラハ・ソビエト学校にいた、オリガ・モリソヴナを中心とした各登場人物の謎を、ソ連崩壊直後のロシアにて次々に究明していく物語。なによりも時代考証が凄まじい。謎解き要素だけでなく、スターリン主義に巻き込まれた犠牲者の、悲痛な経験や思いがひしひしと伝わってくる構成となっている。予想よりも分厚いものだったが、読み応え満点だった。ほぼノンフィクションなフィクション。
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●積読書だったが、やっと読めた。読み出したら止まらない。土日を費やした。
●今の国際情勢の時にソビエトの本を読むのは皮肉なものだけれど、本当に独特な国だと思う。
●今の屈折した結果も過去のしがらみが要因とも言えるし…
●一時期に、米原さんの本を集中的に買って読んだが、これがその最後となる。
●疾走感があるし、過去の描写が凄く細かくて圧倒される。情景が思い浮かぶ。
Posted by ブクログ
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」が好きすぎて、この本を読みました。作品の中で描かれる歴史が残酷すぎて衝撃でしたが、オリガ・モリソヴナが何者か解明していくのが気になって最後まで読みました。作品を通して、酷い歴史は繰り返されてはならないというメッセージも感じられました。
Posted by ブクログ
ノンフィクションのようでいて、劇的なプロットで読者を飽きさせず、フィクションのようでいて、緻密な取材や資料研究に下支えされた正確な描写。フィクションとノンフィクションのいいとこ取りをしたような小説。
ドストエフスキーを筆頭にロシア文学は途中で登場人物の名前が分からなくなって何度も戻り読みさせられる苦い経験があるが本作は文体も非常に軽快な読ませる文体だし、キャラ付けがしっかりとされていて、巻頭の人物紹介に全く戻らなくてもすらすらと入ってきた。
ロシア人の名前の音にも慣れてきたし、ここらで挫折した「カラマーゾフ」再挑戦or「アンナ・カレーニナ」に挑戦か、、、?
Posted by ブクログ
ノンフィクションっぽいフィクション。実話の部分もあって”この時代にこういう人が居たんだ”って感じられるからか、ソ連界隈のあまり興味ない世界でも本当に興味深く楽しめた。
Posted by ブクログ
1人の女性舞踏家の過去や謎を探る旅を、主人公の視点から追体験しているような感覚になる。
ページを読み進めるたびに、「彼女のことを知りたい」という思いが強まった。
米原万里氏の作品らしく、徹底的な取材・文献に基づいた史実が多く描かれるため、旧ソ連とその周辺国の様子も手を取るように感じられる。
特にラーゲリ(強制収容所)での描写。現実にこのようなことがあったことに絶句し、そこに生きた人々に敬意の念を覚える。
「強制収容所」や「過去に人類が犯した過ち」を理解する上で、「夜と霧」と並んで紹介されても良いのではないかと感じた