米原万里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
案の定!おもしろかった。
朝の通勤電車が楽しみだったもの。
言語に関わる人なら、楽しめる一冊ですね。
特に第2章、「国際化」と「グローバリゼーション」のあいだ
ふむふむ、とうなずけます。
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コミュニケーションというものが、非常に不確実なものであって、最終的に完全に一致することなどあり得ないという、一種の諦観というか、覚悟をもつべき。
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どれだけ言葉を尽くしても伝わらない。
何度それを味わい、苦い思いをしてきたか。(きっと皆同じなんだろうな)
でも、逆に、言葉を尽くさなくとも、分かり合ってしまう素晴らしさもあったり。
期待しすぎず、やっていこうか。諦観ね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後のエッセイ集。
コラムが多いからか、まとめて読むのには向かない。
こんなに、日本人の自覚を持ちながら、国際感覚に優れた人は、もうでてこないのではないか。
「わたしの中でルーマニアは10パーセント以下,もう完全なイギリス人なの」「国境なんて21世紀にはなくなるのよ」「民族とか言葉なんてくだらない」などという。番組はアーニャの言葉を追認し美化する形で終わっている。国や民族や言葉から自由になる,なんて格好いい生き方なのだろう,という感じで。
しかし,わたしにはこのアーニャの発言が心に引っかかった。番組を録画したビデオを見たリッツァやヤスミンカの反応は,さらに過激だ。「胸くそ悪くてアーニャの発 -
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ネタバレ人並に美味しい食べ物が大好きなので(と言っても、持ち前の貧乏性で美食は牛丼、天玉そば、カツカレーに留まるのだが)、食べ物に関するエッセイも大好きだ。本書にも登場する東海林さだおはもちろん大好きだし、ブリア=サヴァラン「美味礼賛」から某有名グルメマンガまで何でも読む。一方で、惜しまれつつ亡くなった米原万里は大好きなエッセイストの一人。その米原万里の食べ物エッセイなのだから、まぁそれだけでも及第点。
気に入ったエッセイは、幼い頃に一口だけ食べた幻のお菓子を追い求める「トルコ蜜飴の版図」、ちびくろサンボの謎を解き明した「サンボは虎のバター入りホットケーキをほんとに食べられたのか?」、極寒世界の描写 -
Posted by ブクログ
小さいころから発明好き、工夫好きだった著者が最後に残した119の「せこい発明でこの世の大問題を解決するしかけ」。
内容はとんでもないものから実現可能そうなものまで様々だが、米原さんのアイデア集大成という感じ。相変わらず面白くてふふっと笑えたり、ちょっと深刻な事態に顔をしかめたりと、読者は忙しいのだけれど、「発明マニア」というタイトルにはうーん・・・納得いかないというか。確かに発明は詰まってるけど、それに惹かれて読む人には足りないかも。他人の笑えるアイデアとかも幅占めてるし。個人的に好きだったのは「持ち込み原稿の断り方」「天国行きの片道切符」「ノンストップ超特急を実現する方法」「『創造的な』判決