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Posted by ブクログ
司馬遼太郎が描く徳川家康。
信長、秀吉の次に登場し、覇者となった家康は忍耐と長寿の人だ。
家康最大のピンチは同盟者、織田信長に武田家への内通を疑われた家康の妻と長男の処分を指示されたとき。しかも、その発端は徳川家の最重要家臣、酒井忠次の裏切りとも言える行動。酒井忠次を排除し、信長へ反旗を翻してもおかしくない場面。が、家康は耐えた。自らの手で妻と長男を処刑し、信長との同盟関係と忠次の従僕関係を維持した。
家康は自らを感情を持つ人ではなく、組織の一機関として客観視することができたのだろう。
その耐えた後に、本能寺の変があり、信長のいない世界へたどり着けたのは家康の長寿のおかげだ。
時代は信長政権から秀吉政権へ。そんな新政権に惹き込まれる家康の家臣、石川和正が心情の変化を見せつつ、下巻へ続く。
Posted by ブクログ
家康と三河の家来たちの物語。家康は基本的には地方の殿様で、もともと天下を取るような夢も持っていなかったし、それほどの器量があったわけではないとする。確かに、彼は自国を守ることに一杯いっぱいだったし、今川、武田、そして織田に囲まれた環境ではそれは無理もない。そして、三河の国はもともと小さな豪族の集まりで、織田家のような利得に基づく合理的な主従関係はなく、ただ濃密な人間関係が特長であったという。たしかにその観点で、徳川幕府というのは、地方の内向きの政権が大きくなった性格を持っていて、外国との交流を絶ち、ひたすら内部的安定を優先させたというのはその通りかもしれない。
秀吉との関係のくだりのあと、一気に家康の最期まで話が飛ぶなど、司馬作品としては珍しくバラつき感もある作品ですが、よく知られたエピソードの裏側にある、家康の性格、三河人の気質をえぐりだしているとこは、とても興味深かったです。
Posted by ブクログ
国民的歴史小説家による徳川家康一代記。上下巻で人によっては長いと思うだろうが山岡荘八先生の徳川家康全26巻(自分は未読)に比すと短い。余談好きな司馬遼太郎が端折らずに執筆したら全50巻くらいになりそうだ。
さて話の方はもちろん家康が主役だが、武田信玄と織田信長が重要な登場人物となっている。三方ヶ原の敗戦の影響から信玄の軍法を取り入れたりする学びの姿勢は素晴らしい。特に感じ入ったのは織田信長への対応。妻と息子を喪う事になっても働く自制心の強さには驚いた。戦国最強の信玄在世中から絶対に裏切らなかったのは律儀さよりも信長への恐怖ともみえる。しかしトップの判断としては間違いでは無い。
Posted by ブクログ
人間“家康”が、司馬遼太郎さんの筆致で深掘りされます。上巻は、家康の幼少期から信長の死(本能寺の変)、秀吉の台頭。
上巻前半で、家康が生まれた三河の国の気質(地味、我慢強いなど)が分かり、興味深かったです。
信長の前で律儀をモットーとする家康。それを示す最たるものが、正妻の築山殿と信康殺傷でした。
家康の家族内の問題が、政治にまで及んでしまう事件で、ワイドショー的興味がそそられるように描かれていました。
武田攻めの後、信長凱旋のために、家康は最大級のおもてなしをします。(道や橋を造るなど)家康、どこまでも徹底しています。信長へのリスペクト、これでもか、という感じ。
賤ヶ岳の戦いの後、家康が秀吉に贈る戦勝祝いも最高級。(「初花」小壷の茶器、信長から家康の手に渡っていた)気の回しようが抜かりない。
現代社会でも組織における人間関係は、仕事を円滑に進めていく上で重要。時には根回しも。
家康の、人をそして情勢をも見抜き、遠くの将来まで見据えて対応する能力、腰の低さ、恐るべし!
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