新潮社作品一覧

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  • 錦繍
    4.2
    1巻693円 (税込)
    「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」運命的な事件ゆえ愛しながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る――。往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。
  • 安全のカード
    3.8
    1巻693円 (税込)
    休日に青年の部屋におとずれたセールスマン。その男がカバンからとりだしたのは、名刺くらいの大きさの金属製のカードだった。なんとこのカード、絶対的な安全を保障するという不思議なカードだった……。平凡に過ぎてゆく日々。何となくつまらない毎日。そんな時、ショートショートの扉を開いてみませんか。表題作をはじめ、悪夢とロマンの交錯する奇妙な味の16の物語を収録。
  • どこかの事件
    4.0
    1巻693円 (税込)
    平凡なサラリーマンが、ねごとで妻にもらした見知らぬ男への殺意。ねごとでの殺人計画はしだいに具体化していく。はたして、夢の中の出来事なのか、それとも本当は……。他人には信じてもらえない、不思議な事件はいつもどこかで起きている。日常的な時間や空間を超えて展開する非現実的現実世界をウイットあふれる語り口で描く、夢とサスペンスにみちたショートショート21編。
  • 鍵・瘋癲老人日記
    3.9
    56歳になる大学教授の夫は体力も性的な欲求もめっきり衰えているが、観念的な欲求は旺盛である。そこで、45歳の妻を奔放な女にして、性の享楽を得たいとの願望を日記に書き、それを入れた引き出しの鍵をわざと落し、妻に読ませる。妻も日記に夫の期待に添う気持のあることを書く。ひそかに見られることを願って綴った互いの日記という形をとった『鍵』の他『瘋癲老人日記』を収録。

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  • たくさんのタブー
    3.7
    1巻693円 (税込)
    幽霊にささやかれ、自分が自分でなくなって、あの世とこの世がつながった。日常生活の背後にひそむ異次元に誘うショートショート20編。
  • 死ぬことと見つけたり(上)
    4.5
    常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求馬と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。

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  • 鬼麿斬人剣
    4.2
    山中に捨てられ、長じて名刀工・源清麿に師事した巨躯の野人・鬼麿は、亡き師が心ならずも遺した数打ちの駄刀を諸国に捜し、切り捨てる旅に出た。様(ためし)剣術独特の構えから繰り出されるその長刀は、人も刀も石をも鉄も瞬時に切り裂く。中山道、野麦街道、丹波路、山陰道と、師の足跡を追い、女を惹きつけ、伊賀者に追われつつ、異色のヒーローが繰り広げる斬人剣八番勝負。

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  • 筒井順慶
    -
    1巻693円 (税込)
    SF作家のおれのところに歴史小説の依頼がきた。しかもおれの先祖であるらしい、洞ケ峠の日和見で悪評高い筒井順慶を書けというのだ……。型破りの発想で小説のジャンルの壁を破壊した表題作。芸能プロのグロテスクさを際立たせた「あらえっさっさ」、連続殺人犯に群がり利用するマスコミの本質を突いた「晋金太郎」、新宿騒乱事件を戯画化した「新宿祭」。初期の力作4編を収める。

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  • 筒井康隆劇場 12人の浮かれる男
    5.0
    1巻693円 (税込)
    日本に陪審制度が復活した。おれたちゃ最初の陪審員。マスコミがこんなに注目してるのに、無罪の被告をそのまま無罪にしたんじゃつまらない。なんとか殺人罪にできないものか……『12人の浮かれる男』。新婚スタアの新居びらきパーティにやってきたのは、夫の情婦に妻のヒモ、はては白熊、ターザンまで。大ドタバタのなかでくりひろげられる殺人劇、処女戯曲『スタア』など戯曲全5編。

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  • 大本営が震えた日
    4.0
    昭和16年12月1日午後5時過ぎ、大本営はDC3型旅客機「上海号」が行方不明になったとの報告を受けて、大恐慌に陥った。機内には12月8日開戦を指令した極秘命令書が積まれており、空路から判断して敵地中国に不時着した可能性が強い。もし、その命令書が敵軍に渡れば、国運を賭した一大奇襲作戦が水泡に帰する。太平洋戦争開戦前夜、大本営を震撼させた、緊迫のドキュメント。

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  • 高熱隧道
    4.1
    1巻693円 (税込)
    黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して、極限状況における人間の姿を描破した記録文学。

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  • エディプスの恋人(新潮文庫)
    4.0
    ある日、少年の頭上でボールが割れた。音もなく、粉ごなになって。――それが異常の始まりだった。強い“意志”の力に守られた少年の周囲に次々と不思議が起こる。その謎を解明しようとした美しきテレパス七瀬は、いつしか少年と愛しあっていた。初めての恋に我を忘れた七瀬は、やがて自分も、“意志”の力に導かれていることに気づく。全宇宙を支配する母なる“意志”とは何か? 『家族八景』『七瀬ふたたび』につづく美貌のテレパス・火田七瀬シリーズ三部作の完結編。

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  • けものみち(上)
    3.8
    1~2巻693円 (税込)
    米倉涼子主演ドラマの原作。割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。彼女は赤坂のホテル支配人・小滝にそそのかされ夫を焼殺し、行方を絶つ。直感で民子を疑った刑事・久恒はその行方を追ううち、民子への欲望をつのらせ、政財界の黒幕・鬼頭の女になっていることを突き止める。人倫の道を踏み外したものがたどる〈けものみち〉とは。
  • さぶ
    4.4
    小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋をさぶが泣きながら渡っていた。その後を追い、いたわり慰める栄二。江戸下町の経師屋、芳古堂に住みこむ同い年の職人、男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶの、辛さを噛みしめ、心を分ちあって生きる、純粋でひたむきな愛と行動。やがておとずれる無実の罪という試練に立ち向う中で生れた、ひと筋の真実と友情を通じて、青年の精神史を描く。

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  • 江戸川乱歩傑作選
    4.2
    日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作『二銭銅貨』、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する『芋虫』、他に『二癈人』『D坂の殺人事件』『心理試験』『赤い部屋』『屋根裏の散歩者』『人間椅子』『鏡地獄』。

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  • 破船
    4.3
    1巻693円 (税込)
    二冬続きの船の訪れに、村じゅうが沸いた。けれども、中の者は皆死に絶えており、骸が着けていた揃いの赤い着物を分配後まもなく、恐ろしい出来事が起った……。嵐の夜、浜で火を焚いて、近づく船を座礁させ、積荷を奪い取る――僻地の貧しい漁村に古くから伝わる、サバイバルのための過酷な風習“お船様”が招いた海辺の悲劇を描いて、著者の新境地を示す異色の長編小説。

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  • 吾輩は猫である
    4.3
    中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。

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  • アイガー北壁・気象遭難
    3.3
    取りつき点から頂上まで1800メートルの巨大な垂直の壁に挑んだ2人の日本人登山家の実名小説『アイガー北壁』。2人のパーティーが白馬岳北陵で吹雪にあい、岩陵から姿を消す『気象遭難』。冬期の富士山で、不吉な予測が事実に変って主人公の観測所員が滑落死する『殉職』。他にヨーロッパ・アルプスを舞台にした『オデットという女』『ホテル氷河にて』など、山岳短編の傑作全14編を収録する。

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  • 近代絵画
    -
    昭和27年50歳の暮、外国旅行に出た。パリに始まり、約半年、欧州を巡って絵を見た。モネやセザンヌ、彼ら一流画家たちの、意味深長の人間喜劇を見た……。

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  • モオツァルト・無常という事
    4.2
    小林批評美学の集大成であり、批評という形式にひそむあらゆる可能性を提示する「モオツァルト」、自らの宿命のかなしい主調音を奏でて近代日本の散文中最高の達成をなした戦時中の連作「無常という事」など6編、骨董という常にそれを玩弄するものを全人的に験さずにはおかない狂気と平常心の入りまじった世界の機微にふれた「真贋」など8編、ほか「蘇我馬子の墓」を収録する。

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  • 作家の顔
    3.8
    書かれたものの内側には、必ず作者の人間があるという信念のもとに、著者の心眼に映じた作家の相貌を浮彫りにし、併せて文学の本質とその魅力を生き生きと伝える。青春の日に出会ったランボオ、敬愛する志賀直哉、菊池寛、個人的に深い交渉のあった富永太郎、中原中也、さらには中野重治、林房雄、島木健作、川端康成、三好達治等々、批評家小林秀雄の年輪を示す27編。

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  • 真昼のワンマン・オフィス
    -
    強大な経済力、広大な自然、人種のるつぼ――空前の繁栄を謳歌するアメリカ社会の中で、エコノミック・アニマルの尖兵といわれながら孤独な商戦を展開する商社海外駐在員。巨大組織の末端機構の一員として、ユダヤ商人や他の日本商社員との競争、本社との軋轢に苦しみつつ、インディアン保護区にまでわけ入り、南部の黒人たちに小間物を売り歩く彼らの苛烈な日々を描く連作小説集。

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  • イエスの生涯
    4.3
    英雄的でもなく、美しくもなく、人々の誤解と嘲りのなかで死んでいったイエス。裏切られ、見棄てられ、犬の死よりもさらにみじめに斃れたイエス。彼はなぜ十字架の上で殺されなければならなかったのか?――幼くしてカトリックの洗礼を受け、神なき国の信徒として長年苦しんできた著者が、過去に書かれたあらゆる「イエス伝」をふまえて甦らせた、イエスの〈生〉の真実。
  • 羆嵐
    4.4
    1巻693円 (税込)
    北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆の出現! 日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音……。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。

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  • 戦艦武蔵
    4.1
    日本帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の戦艦「武蔵」――厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何か? 非論理的“愚行”に驀進した“人間”の内部にひそむ奇怪さとはどういうものか? 本書は戦争の神話的象徴である「武蔵」の極秘の建造から壮絶な終焉までを克明に綴り、壮大な劇の全貌を明らかにした記録文学の大作である。

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  • 花も刀も
    3.7
    没落した家運を剣によって再興しようと淵辺道場に入門した平手幹太郎(造酒)は、稽古おさめの試合で筆頭代師範を破るが、その夜、破門を命じられる。強い自負心と出世への野望を秘め、酒も飲まず女遊びもせずに剣ひと筋に励みながら、その努力が空回りし、ついには意味もなく人を斬るまでの失意の青春を描く『花も刀も』。ほかに『枕を三度たたいた』『源蔵ヶ原』など全8編を収める。

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  • 制服捜査
    3.8
    札幌の刑事だった川久保篤は、道警不祥事を受けた大異動により、志茂別駐在所に単身赴任してきた。十勝平野に所在する農村。ここでは重大犯罪など起きない、はずだった。だが、町の荒廃を宿す幾つかの事案に関わり、それが偽りであることを実感する。やがて、川久保は、十三年前、夏祭の夜に起きた少女失踪事件に、足を踏み入れてゆく――。警察小説に新たな地平を拓いた連作集。

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  • ちいさこべ
    3.9
    江戸の大火ですべてを失いながら、みなしご達の面倒まで引き受けて再建に奮闘してゆく大工の若棟梁の心意気がさわやかな感動を呼ぶ表題作、藩政改革に奔走する夫のために藩からの弾圧を受けつつも、真実の人間性に目を見ひらいてゆく健気な女の生き方を描く『花筵』、人間はどこまで人間を宥しうるかの限界に真正面から挑んだ野心作『ちくしょう谷』など、中編の傑作4編を収録する。

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  • おさん
    4.1
    純真な心を持ちながらも、女の“性”ゆえに男から男へわたらずにはいられないおさん――世にも可愛い女が、その可愛さのために不幸にひきずりこまれてゆく宿命の哀しさを描いた『おさん』。芸妓に溺れ込んでいった男が、親友の助力で見事に立ち直ってゆくまでを描いた『葦は見ていた』。“不思議小説”の傑作『その木戸を通って』。ほかに『青竹』『みずぐるま』『夜の辛夷』など全10編を収める。

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  • 人情裏長屋
    4.0
    居酒屋でいつも黙って一升枡で飲んでいる浪人、松村信兵衛の胸のすく活躍と人情味あふれる子育ての物語『人情裏長屋』。天一坊事件に影響されて家系図狂いになった大家に、出自を尋ねられて閉口した店子たちが一計を案ずる滑稽譚『長屋天一坊』。ほかに『おもかげ抄』『風流化物屋敷』『泥棒と若殿』『ゆうれい貸屋』など周五郎文学の独壇場ともいうべき“長屋もの”を中心に11編を収録。

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  • 妖精配給会社
    3.7
    1巻693円 (税込)
    他の星から流れ着いた《妖精》は従順で遠慮深く、なぐさめ上手でほめ上手、ペットとしては最適だった。半官半民の配給会社もでき、たちまち普及した。しかし、会社がその使命を終え、社史編集の仕事を残すだけとなった時、過去の記録を調べていた老社員の頭を一つの疑念がよぎった……諷刺と戦慄の表題作など、ショート・ショートの傑作35編を収録した夢と笑いの楽しい宝石箱。
  • 夕映え天使
    3.6
    東京の片隅で、中年店主が老いた父親を抱えながらほそぼそとやっている中華料理屋「昭和軒」。そこへ、住み込みで働きたいと、わけありげな女性があらわれ……「夕映え天使」。定年を目前に控え、三陸へひとり旅に出た警官。漁師町で寒さしのぎと喫茶店へ入るが、目の前で珈琲を淹れている男は、交番の手配書で見慣れたあの……「琥珀」。人生の喜怒哀楽が、心に沁みいる六篇。

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  • 男振
    4.4
    若くして頭髪が抜け落ちる奇病を主君の嗣子・千代之助に、侮蔑された17歳の源太郎は、乱暴をはたらき監禁される。別人の小太郎を名のって生きることを許されるが、実は主君の血筋をひいていたことから、お家騒動にまきこまれることになる。しかし、源太郎は、宿命的なコンプレックスを強力なエネルギーに変えて、市井の人として生きる道を拓いていく。清々しく爽やかな男の生涯。
  • 賊将
    3.7
    幕末には〔人斬り半次郎〕と恐れられ、維新後はわが国最初の陸軍少将となり、最後は西郷隆盛をかついで西南戦争に散った快男児・桐野利秋を描いた表題作。10年に及ぶ戦乱に何らの力も発揮出来ない将軍・足利義政の苦悩を刻んだ直木賞候補作の中編「応仁の乱」。表と裏の顔を兼ね備えた人間という生き物のおかしみを捉えた「秘図」など6編。直木賞受賞直前の力作を集めた短編集。
  • 男の作法
    3.9
    てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ……。勘定、人事、組織、ネクタイ、日記、贈り物、小遣い、家具、酒、月給袋など百般にわたって、豊富な人生経験をもつ著者が、時代を超えた“男の常識”を語り、さりげなく“男の生き方”を説く。本書を一読すれば、あなたはもう、どこに出ても恥ずかしくない!

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  • 剣客商売一 剣客商売
    4.1
    勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負わねばならぬ。それが剣客の宿命なのだ――剣術ひとすじに生きる白髪頭の粋な小男・秋山小兵衛と浅黒く巌のように逞しい息子・大治郎の名コンビが、剣に命を賭けて、江戸の悪事を叩き斬る――田沼意次の権勢はなやかなりし江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く、吉川英治文学賞受賞の好評シリーズ第1作。全7編収録。
  • 九月が永遠に続けば
    3.8
    高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか――。人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。

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  • 白い巨塔(一)
    4.2
    1~5巻693~880円 (税込)
    国立大学の医学部第一外科助教授・財前五郎。華麗なるメスさばきでマスコミでも脚光を浴びる彼は、当然、次期教授に納まるものと自他ともに認めていた。しかし現教授の東は、財前の傲慢な性格を嫌悪し、他大学からの招聘を画策。産婦人科医院を営み医師会の役員でもある岳父の財力とOB会の後押しを受けた財前は、あらゆる術策をもって熾烈な教授選に勝ち抜こうとするが…。教授選挙に絡む利権をめぐり蠢く人間模様を描いた医療サスペンスの傑作!

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  • アメリカひじき・火垂るの墓
    4.2
    昭和20年9月21日、神戸・三宮駅構内で浮浪児の清太が死んだ。シラミだらけの腹巻きの中にあったドロップの缶。その缶を駅員が暗がりに投げると、栄養失調で死んだ4歳の妹、節子の白い骨がころげ、蛍があわただしく飛び交った……戦後どれだけの時間が過ぎようと、読む度に胸が締め付けられる永遠の名作『火垂るの墓』をはじめ全6編を収載。

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  • 強奪 箱根駅伝
    3.4
    12月30日の夜、神奈川大学駅伝チームの女子マネージャーが誘拐され、監禁中の彼女の映像がTV局に届く。駅伝生中継のジャックをも仄めかし、次々と要求を突きつけてくる誘拐犯。混迷の中でスタートした駅伝。そして、激走とシンクロするように誘拐犯・TV局・警察の熾烈な攻防戦が始まった。ハイテクを駆使し可能性の限界に挑んだ犯罪の結末は。一気読み間違いなしの傑作サスペンス巨編。

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  • この人と結婚していいの?
    4.1
    男はウルトラマン、女はシンデレラ──結婚カウンセラーとして数多くのカップルの問題を解決してきた著者が、男女の思考・行動の違いを、ユーモラスにわかりやすく解説! 「結婚したら夫が急に無口に……」「突然怒ったり泣いたりする彼女が理解できない」「性生活が不一致で……」など、心当たりはありませんか? 結婚前は勿論、倦怠期、破局寸前の夫婦にも効き目抜群の“愛の処方箋”。

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  • 博士の愛した数式
    4.3
    [ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。寺尾聰主演の映画原作。

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  • 卒業式まで死にません─女子高生南条あやの日記─
    4.0
    初めて手首を切ったのは、中学一年のときでした――。渋谷、ゲーセン、援交、カラオケ。青春を謳歌しているイマドキの女子高生かと思いきや、実は重度のリストカット症候群にしてクスリマニアだった南条あやの死に至るまでの三ヶ月間の日記。行間から孤独と憂鬱の叫びが溢れ出る、同じ悩みを抱える十代のバイブル書。

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  • 水曜の朝、午前三時
    4.0
    児玉清氏絶賛のベストセラー。45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美と、外交官としての将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。「もし、あのとき、あの人との人生を選んでいたら……」。失われたものはあまりにも大きい。愛のせつなさと歓びが心にしみるラブストーリー。

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  • 黄泉がえり
    3.8
    草なぎ剛主演映画の原作。あの人にも黄泉がえってほしい――。熊本で起きた不思議な現象。老いも若きも、子供も大人も、死んだ当時そのままの姿で生き返る。喜びながらも戸惑う家族、友人。混乱する行政。そして“黄泉がえった”当の本人もまた新たな悩みを抱え……。彼らに安息の地はあるのか、迫るカウントダウン。「泣けるリアルホラー」、一大巨編。

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  • アクセス
    3.6
    親友の死から立ち直るまもなく、可奈子の携帯が着信した。電源を切っても聞こえる押し殺した笑い声――「おまえが殺した」。毎日はフツーだった。そう、「2mb.net」を知るまでは。誰かを勧誘すればネットも携帯も無料というプロバイダに登録した高校生たちを、奇怪な事件が次々襲う。自殺、失踪、連続殺人……。仮想現実に巣くう「極限の悪意」相手の、壮絶なサバイバルが始まった!

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  • 点と線
    4.1
    ビートたけし主演のドラマ原作。九州の海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中の役人と愛人の心中……そう誰もが思ったが、疑念を抱いたベテラン刑事が独自に捜査をはじめる。しかしたどり着いた容疑者には疑う余地のないアリバイがいくつもあった。同時刻に北海道にいたという鉄壁のアリバイ――東京駅で1日に1度しかない、たった4分間の空白――時刻表トリックを用いた元祖とも言われる作品で、空前の推理小説ブームをまきおこした傑作。松本清張の代表作であり、ミステリ名作中の名作!

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  • 日日平安
    4.5
    織田裕二主演の映画『椿三十郎』の原作「日日平安」を収録。無一文の浪人・菅田は、“切腹のマネ”をして通りすがりの男に飯を乞うがあえなく失敗……。しかし、この通りすがりの男、なにやら騒動を抱えている。聞くと、仲間9人で悪徳政治を行う家老らへの斬り込みを企てていた。これはいいツルだ……!! 菅田は仲間入りを志願。狙うはもちろん礼金! だったのだが……。無一文の空腹浪人の活躍をユーモラスに描く表題作をはじめ、ヒューマニズムあふれる名作全11編。「粋」が伝わってくる、時代小説初心者にもオススメの一冊!

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  • 美少年
    3.8
    1巻693円 (税込)
    「いくっ、ああ、いきますっ」――美少年は全裸にされ、麻縄で縛られた。三人の醜い者たちに陵辱され、悶える美少年は妖しいほど美しい――。澄み切った黒い瞳、柔らかな鼻の線、花びらのような唇……気品と妖気のようなものさえ感じられる美男子の菊雄に、同性にもかかわらず、私はひきつけられていった。ある夜、私の下宿に泊まった菊雄に、堪えきれなくなった。熱っぽく息づく菊雄に欲情し、やがて唇と唇を重ね合わせ、そのまま……。官能小説の巨匠による精液と愛液にまみれた短編集。

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  • ディズニーリゾート150の秘密
    4.3
    絶対に別の場所で同時出演しないミッキー驚異のスケジュール管理の真相は? アルコールOKのディズニーシーで泥酔客を見掛けないのはなぜ? ディズニーランドvs.ディズニーシー、ミッキーに会える確率が高いのはどっち!? など、徹底取材で解明した150の秘密を大公開。やっぱり知りたい舞台裏事情も満載の世界最高権威の研究集団による、究極のディズニー雑学集大成。お出掛け前に読んでおくと、もっとディズニーリゾートが楽しめる!

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  • 吐きたいほど愛してる。
    4.1
    1巻693円 (税込)
    凍えるような二月のある夜、僕のアパートのドアの前に座り込む女性がいた。黒く長い髪。透けるような白い肌。壊れそうな細い腕。彼女の名は「まゆか」――。可憐な美少女が味わう生き地獄、迷惑な妄想逆ギレ男の勘違い愛、夫の帰りを正座して待ち続ける壊れた妻、非道の限りを尽くして虐待される寝たきり老人……。ここにあるのは、異常と狂気。でもこれも「愛」! 自己の中心で叫んだ、残酷なまでに強烈すぎる四つの過激な「愛」。

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  • 恐るべきさぬきうどん─麺地創造の巻─
    4.0
    ユースケ・サンタマリア主演の映画「UDON」のネタ本、第一弾。県内にその数およそ700店という「うどん王国」香川。その香川県人も知らない徹底ディープなうどん屋を求め、道なき道を行く“麺通団”。いわく、「秘境うどん屋」「製麺所合体型」「大衆セルフうどん」など、「恐るべき店」が勢揃い。全国にさぬきうどんブームを巻き起こすきっかけとなった、伝説的B級グルメ本である。さぬきうどんに興味があるなら、何はさておき、まずこの本を読むべし!

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  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)
    4.1
    生まれながらに人の心を読むことができる超能力者、美しきテレパス火田七瀬は、人に超能力者だと悟られるのを恐れて、お手伝いの仕事をやめ、旅に出る。その夜汽車の中で、生まれてはじめて同じテレパシーの能力を持った子供ノリオと出会う。その後、次々と異なる超能力の持ち主とめぐり会った七瀬は、彼らと共に、超能力者を抹殺しようとたくらむ暗黒組織と壮絶なバトルを繰り広げる!

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  • 家族八景(新潮文庫)
    4.1
    幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬――彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。人間心理の深層に容赦なく光を当て、平凡な日常生活を営む小市民の猥雑な心の裏面を、コミカルな筆致で、ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい短編集。

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  • サバエとヤッたら終わる 1巻
    4.0
    1~19巻704~770円 (税込)
    大学生の宇治はガサツで男みたいな女友達サバエと仲良し。ある日、二人が恋愛相談の為にサシ飲みをしていると、意外に巨乳のサバエに宇治はなぜかムラッときてしまい…友情を取るか性欲を取るか! 理性ギリギリキャンパスライフ開幕!!
  • 恋せよキモノ乙女 1巻
    4.3
    1~14巻704~814円 (税込)
    大阪で家族と暮らす野々村もも。彼女の楽しみは、亡くなった祖母から受け継いだ着物を着て、おでかけすること! 京都の老舗喫茶店、大阪のレトロモダンな図書館、琵琶湖のほとりにある絶景の神社など、関西のあちこちを大好きな着物で訪れます。おでかけ先では、素敵な出逢いもあって……。着物女子の恋とお洒落に心ときめく関西おでかけ漫画、開幕!!
  • 婚活バトルフィールド37 1巻【電子特典付き】
    完結
    4.4
    全6巻704~858円 (税込)
    大手派遣社員・赤木ユカは、そこそこの美人。男に困ったことはなく、ゆるゆると生きてきたが、気がつけば37才。「ここいらで結婚しておくか」と婚活を始めるも、そこで待ち受けていたのは、想像を超えた戦いで――。幸せの形が多様化した現代で、それでも結婚という幸福を追い求める女の奮闘記、開戦の第1巻!! 【電子版特典】巻末には電子書籍限定のおまけマンガを収録! 『怪獣自衛隊』の井上淳哉も驚愕(or絶賛、絶句?)!!!! 『自衛隊婚活編』を特別掲載!! あの隊員も登場する…のか!?
  • 燃えよ剣 1巻
    完結
    4.4
    時は安政四年。後に「新選組 鬼の副長」と呼ばれる土方歳三は、喧嘩に明け暮れる日々を過ごしていた。農民の生まれである歳三は武士への強い憧れがあった。しかし、身分という壁に抗えず、ただ憧れだけが募る鬱屈とした日々を過ごしていた。そんなある日、佐絵という女性との出会いがきっかけで、命懸けの戦いに臨み初めて人を斬る。この一戦を皮切りに、歳三の人生は激動の渦に呑まれていくことになる。電子書籍版では、雑誌掲載時と同様に巻頭をカラーぺージで収録!
  • オオカミ部下くんとヒツジ上司さん 1巻【電子特典付き】
    完結
    4.4
    狼の血を引くサラリーマン・大神くんは、憧れの上司・未辻さんのいる部署に念願の異動を果たすことに。しかしそこは、羊の血を引く羊女子たちがひしめく部署だった――!? Twitter発、動物の子孫たちが繰り広げるアニマル・オフィス・ラブコメディ! 【電子版特典】巻末には電子書籍限定のカラーイラストを収録!
  • 好きな人の息子と寝ました。 1巻
    完結
    1.0
    全2巻704~726円 (税込)
    36才、独身、彼氏ナシ――ことごとく選ばれない人生をおくってきた末広花。そんな花はある夜、ヤケ酒中に絡んできた男から救ってくれた年下の男と一夜をともにすることに。ところがその相手が、初恋相手で幼なじみの息子だと判明し――!?
  • 愛と呪い 1巻
    完結
    3.9
    全3巻704円 (税込)
    物心ついた頃には始まっていた父親からの虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件……時代は終末の予感に満ちてもいた。「ここではないどこか」を想像できず、暴力的な生きにくさと一人で向き合うしかなかった地方の町で、少女はどう生き延びたのか。『ぼくらのへんたい』の著者が綴る、半自伝的90年代クロニクル。
  • お前はまだグンマを知らない 1巻
    完結
    3.8
    全11巻704円 (税込)
    チバ県からグンマ県に引っ越すこととなった神月。引っ越し先への移動中にネットでグンマを調べてみると、そこに現れたのは恐るべき内容ばかり! 「地球上唯一残された秘境」「とりあえず一番いい装備で行け」等々。一体グンマとはどんな地なのか? 彼の身に何が降りかかろうとしているのか? グンマ在住の作者が圧倒的熱量で描き出す知られざる「グンマの真実」。全国区で話題集中! 100万PVを突破した今一番話題のWEB漫画がついに刊行!!
  • 子育てビフォーアフター 1巻
    完結
    4.3
    「産む前と後ではマジで世界観が180度変わった!」 娘えっちゃん、飼い猫4匹で、毎日はてんてこまい。子育ての日々は、「思ってたんと違う」ことの連続で…。ツイッターで大反響を巻き起こした「笑いと涙の子育て日記」、描き下ろしも多数収録してコミックス刊行開始!
  • 私と彼女のお泊まり映画 1巻
    完結
    3.5
    全3巻704~770円 (税込)
    女子大生の佐藤小春と黒澤麻由美は、毎週末「お泊まりの映画鑑賞会」を開催中。さて、今週はふたりでどんな映画を観るのやら――。収録映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『インサイド・ヘッド』『呪怨 劇場版』『プリティ・ウーマン』『グランド・イリュージョン』『ムトゥ 踊るマハラジャ』『トレマーズ』『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』『ドーン・オブ・ザ・デッド』『幸せのレシピ』
  • しゃばけ漫画 佐助の巻
    4.1
    しんみり、ワクワク、ほんわか、ドキドキの虹色絵巻! 超豪華ラインナップのほかに、原作者による書き下ろしエッセイや、本作で「しゃばけ」シリーズにはじめてふれるひとのための物語紹介や、登場人物紹介、漫画家さんによる一言コメントとQ&Aなど、絶対に後悔させない超盛りだくさんな1冊です。本作と対をなす、高橋留美子さんほか豪華執筆陣による『しゃばけ漫画 仁吉の巻』もお見逃しなく!※こちらの作品は、以前配信しておりました同タイトル『しゃばけ漫画 佐助の巻』と同じ内容です。重複購入にご注意下さい。
  • しゃばけ漫画 仁吉の巻
    3.9
    現代モノあり、原作モノありのしゃばけ玉手箱! 超豪華ラインナップのほかに、原作者による書き下ろしエッセイや、本作で「しゃばけ」シリーズにはじめてふれるひとのための物語紹介や、登場人物紹介、漫画家さんによる一言コメントとQ&Aなど、絶対に後悔させない超盛りだくさんな1冊です。本作と対をなす、萩尾望都さんやしゃばけ絵師も参戦した『しゃばけ漫画 佐助の巻』もお見逃しなく!
  • 針女
    4.0
    死にに行く男が、愛を打ちあけたら、銃後に残される女はどんなに困るだろう――出征した帝大生の弘一が残した〈青春の遺書〉を胸に、針仕事に打ちこむ孤児の清子。やがて戦争は終り、弘一は復員するが、彼の性格は一変していた。二人の愛の結末は? 愛も哀しみも針一本にこめて激動の時代を生きたひとりの女性の姿を通して、日本人が忘れてはならない戦争の傷跡を描く。
  • 鬼怒川
    -
    鬼怒川のほとりにある絹の里・結城。貧農の娘チヨは、紬織りの腕を見込まれて、16歳で日露戦争生き残りの勇士のもとに嫁いだ。気のいい婚家の人々の中で、彼女は幸せになれるかに思われた。しかし、夫も、太平洋戦争から復員した息子も、そして孫までも“黄金埋蔵伝説”にとり憑かれ、悲惨な運命を辿る……。戦争の傷跡を背負いながら精一杯たくましく生きたひとりの女の生涯を描く。
  • 海暗
    -
    若者は次々と島を捨て、社会の動きからも隔絶された伊豆七島の御蔵島に、ある日「米軍射爆場に内定した」というニュースが伝わる。戦争中でさえ爆弾が落ちたことはなかったのに、なぜ? あまりのことに呆然とする島民たち――別名を海暗とよばれる黒潮に、断崖絶壁を洗われる平和でのどかな御蔵島を舞台に、射爆場設置に反対し、離島問題に取組む島民の苦悩と哀歓を描く問題作。
  • 地唄
    5.0
    琴に命を賭ける盲目の父と、父に背き日系二世の米国人と結婚した娘――父娘の愛憎の絆を妙なる調べに映す「地唄」、女流舞踊家と老墨絵職人の心の交わりを唐墨の逸品に凝縮させた「墨」、翻訳劇の端役を演ずることになった黒衣の悲喜劇を軽妙に綴る「黒衣」、文楽座の分裂を素材にして芸人の世界の厳しさをえぐった「人形浄瑠璃」。日本の伝統的な芸の世界を追究した珠玉四編を収める。
  • 表裏源内蛙合戦
    -
    迸る才知と野心を、時代の制約の中で徒らに空転させる江戸の一大奇人平賀源内の夢と挫折の生涯を、色と欲の渦巻く風俗の中に浮び上らせる表題作。ストリッパーの半生記に仕立てた吃音治療劇に仮託して、現代日本の社会と精神を徹頭徹尾、洒落のめした『日本人のへそ』。洒落に地口に語呂合せ、言葉遊びの爆撃で、笑いのうちに時代と人間の核心を衝く井上戯曲の原点を示す二大喜劇集。
  • 銀嶺の人(上)
    4.3
    1~2巻704~792円 (税込)
    女医をめざす、勝気な“泣かない子”であった駒井淑子は、冬の八ヶ岳で単独行を試みて遭難しかかった時、若林美佐子と出会う。鎌倉彫の新鋭彫刻家として注目されていた美佐子は、無口ですぐに“涙ぐむ子”であった。死を覚悟した二人を事もなげに助け出した三人の男性登攀家(クライマー)に魅入られて、彼女たちは、ついに初の女性隊によるマッターホルン北壁登攀への挑戦を試みる……。
  • 蒼氷・神々の岩壁
    3.7
    鋭いアイゼンの爪もよせつけない蒼氷に覆われる厳冬期、石が水平に飛ぶ台風シーズン――富士山頂の苛烈な自然を背景に、若い気象観測所員の厳しい生活と、友情と愛と死を描いて息づまる迫力をよぶ長編「蒼氷」。ヒマラヤを夢み、岩と氷壁に青春を賭けた天才クライマーが、登攀不能といわれた谷川岳衝立岩を征服するまでの闘志と情熱の半生を描く実録小説「神々の岩壁」。他に2編併録。

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  • 雄気堂々(上)
    4.3
    1~2巻704~748円 (税込)
    近代日本最大の経済人渋沢栄一のダイナミックな人間形成の劇を、幕末維新の激動の中に描く雄大な伝記文学。武州血洗島の一農夫に生れた栄一は、尊皇攘夷の運動に身を投じて異人居留地の横浜焼打ちを企てるが、中止に終った後、思いがけない機縁から、打倒の相手であった一橋家につかえ、一橋慶喜の弟の随員としてフランスに行き、その地で大政奉還を迎えることになる。

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  • 総会屋錦城
    3.7
    直木賞受賞の表題作は、株主総会の席上やその裏面で、命がけで暗躍する、財界の影武者ともいえる総会屋の老ボスを描く評判作。ほかに交通事故の時だけタクシー会社の重役の身代りで見舞いや弔問にゆく五十男の悲しみを描いた「事故専務」をはじめ、資本主義社会のからくり、陰謀などを、入念な考証に基づき、迫力あるスピード感と構成力で描く本格的な社会小説7編を収める。

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  • 状況曲線(上)
    3.7
    1~2巻704円 (税込)
    建設会社専務の味岡は、高級官僚に顔が利く“先生”を中心にした談合組織に入り、工事の情報を得ていた。彼が仲間と“先生”に会っていた日、同じビルの屋上で他殺死体が見つかる。偶然、後に犯人と疑われるような行動を取ってしまった味岡は、芸者との逢引き先でも、“先生”の女性秘書の遺体にぶつかってしまう……。巧妙なワナに追いつめられていく味岡! 長編サスペンスの傑作。

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  • 人情武士道
    3.5
    御用人の佐藤欽之助は、妻を通して琴の稽古友達だった女から、夫の仕官の世話を頼まれる。その女が、かつて縁談を申し込んで断られた和枝であることを知った欽之助は、思いがけない行動で依頼を果たす……。著者の鋭い人間観察眼を際立たせている表題作の他に、後年の“職人もの”の先駆をなす「しぐれ傘」や“滑稽もの”の「竜と虎」など、初期の傑作12編を収める。

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  • 季節のない街
    4.3
    “風の吹溜まりに塵芥が集まるようにできた貧民街”で懸命に生きようとする庶民の人生。――そこではいつもぎりぎりの生活に追われているために、虚飾で人の眼をくらましたり自分を偽ったりする暇も金もなく、ありのままの自分をさらけだすしかない。そんな街の人びとにほんとうの人間らしさを感じた著者が、さまざまなエピソードの断面のなかに深い人生の実相を捉えた異色作。

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  • 真田騒動―恩田木工―
    4.0
    信州松代藩――五代目・真田信安のもと、政治の実権を握り放縦な生活に走った原八郎五郎を倒し、窮乏の極にある藩の財政改革に尽力した恩田木工を描く表題作。関ケ原の戦い以来、父昌幸、弟幸村と敵対する宿命を担った真田信幸の生き方を探る『信濃大名記』。ほかに直木賞受賞作『錯乱』など、大河小説『真田太平記』の先駆を成し、著者の小説世界の本質を示す“真田もの”5編を収録。
  • 櫛の火
    -
    一年ぶりの再会も束の間、弥須子はその翌日に入院、十日後広部の目の前で息をひきとった。形見の櫛を握りしめ、恋人の亡骸と共寝して一夜を明かした彼は、深い喪失感からいつしか大学を中退して会社勤めを始めるが、年上の女柾子と出逢ってようやく生の現実感を取りもどすかに見えた……。行方の知れない現代の青春の深みから、新たな神話的ロマンの世界を開示する本格長編小説。
  • サイレント・ラヴ
    4.0
    私の髪を憮でる、その指で、その腕で、彼女のことを抱くのですか―出会った日から22歳の今日まで、ミヤコは彼だけをみつめ続けてきた。そんなある日、偶然ひき合わせた親友が、一瞬にしてふたりの歳月を飛び越えて……。きっと、だれの心の底にも沈んでいる、冷たい恋の化石を胸に、何も言えず、ただみつめるだけのせつない愛。ひそやかな片想いのゆくえを描くラヴ・ストーリー。
  • 彼女のいる彼氏 1巻
    5.0
    1~2巻715~737円 (税込)
    元IT大手勤務の著者が贈る、業界あるあるMAX搭載の恋愛コミック。リアルすぎて厳重注意受けてます!? WEB連載にて『仕事にやる気、心にときめきが生まれる!』とアラサー女性のみならず業界男子にも絶大な人気を誇り、満を持しての単行本化!! IT大手企業(株)サイダーエイジ・ジャパンで、キラキラ女子に囲まれて働くUIデザイナーの咲は、27歳、彼氏なし、ちょっと働き過ぎ。会社のフロア変更でチャラい部署が隣に!
  • 黒船秘恋
    3.7
    黒船来航、台場建造で騒然とする江戸品川。川越藩樋口家の主・杢右衛門と妻・沙代は、台場守備の陣屋築造のため、下屋敷に移り住むことになった。砂塵が舞う仮住まいの暮らしに、みおという砂まみれの女が下女としてやってくる。そして夫の朋友彦三郎も同居することに……。夫と妻と女と男、妖しく揺らぐ恋情を、新たな時代の息吹のなかに濃やかに描き出す長編小説。
  • あねのねちゃん
    4.0
    恋人にふられ、職場でもつらい目にあい、絶望に沈むOL玲香。彼女の前に、幼いころの想像上の友だち(イマジナリー・コンパニオン)だった、あねのねちゃんが現れた! 幻覚であるはずのその子は、玲香を苦しめた上司や元彼に、超自然的パワーで過激な復讐を実行。あねのねの行動は次第にエスカレートし、玲香は不安を覚えるが──。かわいくてちょっとフシギ、驚きの展開が待つ物語。
  • 越後つついし親不知・はなれ瞽女おりん
    4.0
    1巻715円 (税込)
    越後の雪深い村。夫が京都・伏見の酒蔵へ杜氏に出ている冬の間に、妻は卑劣な村人に襲われ、子を身ごもった……。「越後つついし親不知」 幼い頃に瞽女屋敷にもらわれ、盲目の旅芸人となったおりん。だが、掟を破って男と契り、一座を追放され放浪の身に……。「はなれ瞽女おりん」 水上文学を代表する表題作2編に、男女の哀切、寒村の生死を描いた初期傑作3編を加えた珠玉短編集。
  • 金閣炎上
    4.3
    1巻715円 (税込)
    昭和二十五年七月二日未明、鹿苑寺金閣は焼亡した。放火犯人、同寺徒弟・林養賢、二十一歳。はたして狂気のなせる業か、絢爛の美に殉じたのか? 生来の吃音、母親との確執、父親ゆずりの結核、そして拝金主義に徹する金閣への絶望……。六年の後、身も心もぼろぼろになって死んでいった若い僧の生を見つめ、足と心で探りあてた痛切な魂の叫びを克明に刻む長編小説。
  • その橋まで(上)
    -
    1~2巻715~770円 (税込)
    殺人犯として刑に服し、17年ぶりで娑婆に出てきた名本登。仮釈放を許され、自由の身になったとはいえ、彼は厳重な保護観察を受けなければならず、どんな微罪でも犯せば最後、たちまち刑務所に逆戻りだった。地道な木工職人として社会復帰の道を踏み出した彼には、しかし、ひょっとした成り行きから、婦女暴行殺人の容疑がかけられる……。犯罪者の更生の苦しみを描く問題作。
  • 査察機長
    4.5
    新米機長、村井知洋は頭を抱えた。ミスひとつで資格を剥奪されてしまう査察飛行、その担当が氏原政信キャプテンに決定したからだ。氏原は鋭いチェックで皆から恐れられる存在だった。そして、村井の最も長い一日が、幕を開ける。目的地、雪のニューヨークは遥か彼方、前途には様々なトラブルが待ち受けていた。操縦席、そしてパイロットの真実を描き切った、内田幹樹の最高傑作。
  • パイロット・イン・コマンド
    3.9
    ロンドン発202便は、飛行機好きの小学生、護送される国際犯罪者など、様々な人々を日本へと運んでいた。だが成田が近づいたその時、突如、第二エンジンが炎上! 機長ふたりも倒れてしまう。乗員乗客の命は、副操縦士の江波が預かることに。経験不足のパイロットは、傷ついたジャンボを無事着陸させられるのか? 航空サスペンスとミステリを見事に融合させた、内田幹樹の処女作。
  • 操縦不能
    4.3
    北朝鮮からの亡命者を乗せたワシントン行き002便は、大雪のため遅れて離陸した。その直後、機長二人が倒れ、コクピットには副操縦士の江波だけが残された。そして墜落の危機が訪れる。速度と高度を示す計器がなぜか狂いはじめたのだ。万策尽きた江波に、救いの女神が現れる。元訓練生の岡本望美が、地上のシミュレーターで“一緒に飛ぶ”というのだ。最も危険な夜間飛行が、いま始まる。
  • 暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う―
    3.9
    白昼堂々行われる射殺、ハンマーでの撲殺、そして毒殺。社会主義政権崩壊後、開かれた国になるはずだったロシアで不審死が相次いでいる。犠牲者はジャーナリストたち。彼らはメディアが政権に牛耳られる国の中で、権力批判を繰り広げる急先鋒だった──。偽りの民主主義国家内部で、今、何が起きているのか? 不偏不党の姿勢を貫こうとする新聞社に密着した衝撃のルポルタージュ。
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇
    4.0
    1~2巻715~770円 (税込)
    ガスの点火ができない/バターは食品の最高傑作/軍隊では、狡猾な男が褒められ、偉くなる/私は向田邦子処女説を支持/夏の終り、咲き残っているアジサイが好き/嫌いなのは「でしょうねえ」と受け答える人――週刊新潮で31年続いた名物コラム「男性自身」は、ユーモアとペーソスにあふれた出色の身辺雑記だった。今読んでも色褪せない傑作を熱烈ファンの嵐山氏が選び、再編集した。
  • 愛ってなに?
    -
    1巻715円 (税込)
    “愛ってなんでしょうか”中年に達した男の心にふとよみがえる若い女の声……。男女の機微とサラリーマン生活の哀歓を鮮やかにとらえた表題作はじめ、『罐蹴り』『鳩胸の鳩』『葛の花』等、さまざまな愛のかたち――そのはかなさ、にがさを、優しく透明なユーモアに包む珠玉の名編15選。『翡翠の色』ほか本書初収録の作品を加えて、短編小説の名手山口瞳の全貌を明らかにする。
  • モーツァルト―作曲家の物語―
    3.3
    音楽に天賦の才を持ち、「トルコ行進曲」、オペラ「フィガロの結婚」、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」など、心に残る数々の名曲を生み出したモーツァルト。父親とともにヨーロッパの宮廷を歴訪し、喝采と称賛を浴びた神童時代から、病と困窮のうちに死を迎えた不遇の晩年まで――豊富な資料と綿密な現地取材で描く、作曲家の波瀾の生涯。『モーツァルト―美しき光と影―』改題。
  • 丸山蘭水楼の遊女たち
    4.0
    一八六三年。数年後に控えた明治維新という一大転換を予感するかのように、時代はその歩みを早めていた。長崎は丸山の遊廓界隈を舞台に、時代の波に翻弄されながらも、ひたむきに生きようとする男女数名の愛憎、苦悩、希望が同時進行の形で描出されてゆく。綿密な考証に裏付けられ、土地の言葉を自在に操って、抒情性と力感溢れる文体で生き生きと語られる、著者初めての歴史小説。
  • 人生の棋譜 この一局
    5.0
    升田幸三、大山康晴両巨星の死、米長邦雄の50歳にしての名人位獲得劇、そして羽生名人の誕生など、'90年から'94年にかけての激動の将棋界をつぶさに実況中継する。歴史に残る数々の名勝負に留まらず、「恐がられるようでなければ勝負に勝てない」「弱みを握られたらお終い」ほか、興味深い盤外勝負も満載。一般の社会以上に人間くさい天才棋士たちの、知られざる日常を軽妙に映し出す。
  • 父子鷹(上)
    -
    名代の分限者・男谷家に生れ、四十俵余の小普請・勝家の養子となった剣豪・小吉は、男谷の父と兄の運動が功を奏して仕官の道がひらけたのも束の間、誤って卑劣な役人をその手で殺してしまう。しょせん、情実と賄賂のうずまく権勢にまっ向から抗して仕官を断念、わが子・麟太郎(海舟)にすべての夢を託して、清廉・直情、市井に生きる父と子と。菊池寛賞受賞のきっかけとなった傑作長編。
  • 坂東蛍子、星空の下で夢を語る(新潮文庫nex)
    3.0
    テロ事件の終結後、林間合宿の準備のために新型商業施設“バベル”を訪れた坂東蛍子。そこで彼女を待ち受けていたのは、超ウィザード級のハッカー望月嗚呼夜(ああや)からの殺害予告だった。凶行を阻止すべく奮闘する結城満。犯人確保に動く松任谷理一。だが、そんな彼らを嘲笑(あざわら)うかのように、蛍子は危機に陥り……。嗚呼夜の目的は何か。ハッカーの正体は。疾風怒濤の女子高生譚、ここに完結。
  • 海市
    4.3
    妻のある画家・渋太吉は、旅先の伊豆南端の海村で蜃気楼のように現われた若い女性を愛しはじめる。渋はかつて一緒に死ぬ約束をした女性を裏切り、現在の妻とは離婚寸前の状況にある。やがて伊豆で逢った女性は親友の妻・安見子であることが判明するが、渋の安見子への思慕はやみがたく肉体関係を続ける。恋愛のいくつかの相を捉えて、頽廃と絶望の時代における愛の運命を追求する。
  • 風土
    3.0
    関東大震災と第二次大戦の勃発という二つの運命的な9月1日にはさまれた16年間を背景に、画家の桂と、彼が片時も忘れ得なかった昔の恋人・三枝夫人とのゆき違った愛の行方を追う。日本という特殊な風土に育った芸術家の愛と生の悲劇を主題に、世界史の動乱のさ中で芸術家が味わねばならなかった苦悩を描き、人生の深淵にせまる野心作。10年を費やし、著者の文学的出発をなす長編。

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